作品集82

Last-modified: 2010-08-05 (木) 01:00:27
構って欲しくて 喉飴氏
パチュリーが冷たい。(物理的な意味でなく)

【作品集】82
【作品】構って欲しくて
【作者】喉飴氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248349871&log=82

【あらすじ】
パチュリーが冷たい。(物理的な意味でなく)

【感想】
パチュリーの気を引こうとする紅魔館の主様のお話です。
すっとぼけた咲夜さんがいい塩梅。
例によって例の如くカリスマの欠片も無いお嬢様でした。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
友情★★★★☆
総合評価★★★★☆

レミリアが可愛い、これにつきます。

【作品集】82
【作品】構って欲しくて 「お勧め!」
【作者】喉飴さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248349871&log=82
【あらすじ】
最近パチュリーが冷たいんじゃないかと気になったレミリアは、気になる人の心をゲットするハウツー本を片手に勝負する。
【感想】
レミリアが可愛い、これにつきます。タイトルがすべてを物語ります。短い作品で、一つのシーンごとのまとまりがはっきりしているので読みやすいです。
ほとんど会話文ですが、情景が目に浮かびます。

狼と交信用 葉月ヴァンホーテンさん

【作品集】82
【作品】狼と交信用
【作者】葉月ヴァンホーテンさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248351918&log=82
【あらすじ】
最近忙しくて留守がちのにとり。仲良しの椛は少し寂しく思ってた。
そこでにとりは、離れていても話ができる交信機を二人の家に設置した。
【感想】
アニメ2期が始まったライトノベルを意識したタイトルですが、それとは何の関係もありません。
にとりと椛のやり取りがとても微笑ましいです。椛が本当ににとりのことを好きなんだなー(友情的な意味で)というのが伝わってきます。
物語の中盤以降で一つの事件が発生するわけですが、個人的な好みとしては終始前半のノリで続けてほしかったかなーと。物語的にはこちらの方が面白いのですが。

縁側でお茶でも飲んで一休み、 酒匂氏

【作品集】82
【作品】縁側でお茶でも飲んで一休み、
【作者】酒匂氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248366791&log=82

【あらすじ】
霊夢と紫のまったりした会話。

【感想】
タイトルどおり、日常の一休み、なお話です。
お母ちゃんな紫とちょっと甘えたさんな霊夢の2人。
両方とも可愛くてほんわかしました。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
縁側★★★★☆
総合評価★★★★☆

ぺこ 司馬漬け氏

【作品集】82
【作品】ぺこ
【作者】司馬漬け氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248498325&log=82

【あらすじ】
妹にペットを贈ろうとしてさとりは迷っていた。

【感想】
妹馬鹿なさとり様が素敵。
勇儀との会話もそれっぽく、雰囲気が出てました。
姉妹の仲が可愛らしいお話でした。
……しかし、あのペットは一体なんだったのだろう。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
ぺこ★★★★☆
総合評価★★★★☆

月夜にて 猫井はかまさん

【作品集】82
【作品】月夜にて
【作者】猫井はかまさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248337198&log=82
【あらすじ】
紅魔館の主、吸血鬼レミリア・スカーレットと、その従者十六夜咲夜は、常に危うい綱渡りのようなやり取りをしている。
【感想】
どこか壊れた感のある咲夜が妙に印象に残ります。ただの人間が悪魔の従者をしていられるはずがない、悪魔も惹かれるその狂気じみた危うい様子をよく表しています。
個人的には、ほんの少しだけレミリアに隙があるところがもったいないかなと。こういう退廃的な雰囲気のある作品は独自の読後感があるから好きです。

魔女の手のひら(前) 蛮天丸さん

【作品集】82
【作品】魔女の手のひら(前)
【作者】蛮天丸さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248524633&log=82
【あらすじ】
パチュリーは魔理沙に呑ませるために惚れ薬の精製を始めた。
【感想】
あらすじとストーリーの本筋はかなり違います。あらすじの行為が主ではなく、そのことに対する小悪魔やレミリアの関わりがメインです。
パチュリーの一人称と、パチュリーがいない場所では三人称で物語は進みます。前編で投げられた話をどう収束していくのか、後編が気になる構成はうまいですね。

魔女の手のひら(後) 蛮天丸さん

【作品集】82
【作品】魔女の手のひら(後)
【作者】蛮天丸さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248524644&log=82
【あらすじ】
パチュリーは魔理沙に呑ませるために惚れ薬を完成させて……。
【感想】
パチュリーと小悪魔の出会い、今回の惚れ薬をきっかけとして分かったことなどの描写がきちんとされています。ストーリー構成が一貫しています。
そのため、やや長文ながらすらっと読むことができました。途中の小悪魔と咲夜のやり取りが個人的によかったです。
包容力のある咲夜さんに感動。小悪魔のひとつの想いの形がここに。

今日は七夕です。 デンさん

【作品集】82
【作品】今日は七夕です。
【作者】デンさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248421283&log=82
【あらすじ】
魔理沙は七夕の宴会を楽しみにしていたが、彼女にだけ七夕は訪れず7/9になっていた。これは異変だ……!
【感想】
なぜ今更七夕?と思いましたが、読んで納得。基本的に紅魔館もので、紅魔館の家族的な雰囲気を楽しむことができます。
魔理沙VS美鈴が妙に気合入っていたのが印象的。オチが正直微妙だと思いましたが、咲夜の能力の解釈は面白かったです。
で、今日は七夕です。のコメントとか読んでいて、メタネタに対する反応の厳しさがありましたが、作品によってはメタネタが逆に歓迎されたりもしていたり。もちろん、歓迎される場合はギャグ系のSSなことが多いですが。
私はメタネタはあまりマイナス要素にならないのでレビューで触れることは少ないですが、他の方はどう思っているのでしょうか。

ゆりがかかせないおはなし 実里川果実さん
短い作品なので、さらっと読めます。

【作品集】82
【作品】ゆりがかかせないおはなし
【作者】実里川果実さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248617931&log=82
【あらすじ】
博麗神社で、霊夢と魔理沙が幸せそうに隣り合っているのを見た小悪魔はうらやましくなり、パチュリー相手に実践。
【感想】
何はともあれ、タイトルがひらがなで読みにくいので、読む前にどこで切るか、アナグラムなど試してみました。
短い作品なので、さらっと読めます。これ以上何を書いてもネタばれになるので、ここまで。

その物語には、ゆりが欠かせません。

【作品集】82
【作品】ゆりがかかせないおはなし
【作者】実里川果実氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248617931&log=82

【あらすじ】
その物語には、ゆりが欠かせません。

【感想】
小悪魔とパチュリーのお話です。タイトルの通りです。
小悪魔の心遣いが可愛く、まったりするお話です。
良いものですね。ゆり。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
ゆり★★★★☆
総合評価★★★★☆

上海人形まる洗い 超空気作家まるきゅーさん

【作品集】82
【作品】上海人形まる洗い 「お勧め!」
【作者】超空気作家まるきゅーさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248609932&log=82
【あらすじ】
ギシギシアンアン。ギシギシアンアン。上海から卑猥な音がする。
【感想】
上のあらすじは冒頭2行です。きっとこれだけでこの作品を読みたくなる。それはそれとして、アリスが上海人形をメンテナンスする話なわけですが、この描写が実にアレです。このスレでマッサージSSについての話題で盛り上がった時期がありますが、人形対象のマッサージSSです。
一行の空白がいくつかあればもうちょっと読みやすかったような気がします。とにかく、上海人形の可愛さを堪能するSS。そして、後書きがある意味別の本命。

クロス・ソウル・パニック 天神門李槻さん

【作品集】82
【作品】クロス・ソウル・パニック
【作者】天神門李槻さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248415504&log=82
【あらすじ】
霖之助が持ち込んだ精神入れ替わり装置により、その場にいる霖之助たちの身体と心が入れ替わる。
【感想】
ギャグものとして王道な精神入れ替わりもの。魔理沙の身体と入れ替わったアリスの暴走はお約束ながら面白いです。
ただ、せっかくの入れ替わりものなのに、盛り上がるところはこれだけであっさりストーリーが終わるのは残念。
アリスのようなネタをあと2,3仕込めばもっと面白くなったと思います。

喫茶店に行こう マサキさん

【作品集】82
【作品】喫茶店に行こう 「お勧め!」
【作者】マサキさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248542110&log=82
【あらすじ】
文との関係が進んだ早苗は、人間の里の喫茶店にできたペア限定メニューを文と一緒に食べようと奮戦する。
【感想】
『想いは神と風を越えて』(作品集71)の続き。てか、作者さん、タイトルを間違えてますよ。とにかく、乙女な早苗と文をニヤニヤしながら楽しむSS。早苗の暴走度に磨きがかかっています。
そんな二人を、神奈子&諏訪子、にとり&椛がサポートらしきものをするのがいいアクセントとなっています。

アーリー・モーニン・イヤーエイク 実里川果実氏

【作品集】82
【作品】アーリー・モーニン・イヤーエイク
【作者】実里川果実氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248715607&log=82

【あらすじ】
ともかくロリコンなのである。

【感想】
咲夜さんの強かさ。これに限ります。
地の文が奇妙奇天烈な感じをかもし出しているお話です。
レミリアの盗作した感情が可愛い。
それと、小悪魔は間違いなくトイレでご飯食べるタイプ。

【5段階評価】
文章★★★★★
構成★★★☆☆
飲料★★★★☆
総合評価★★★★☆

晩秋の二人 蛸擬さん

【作品集】82
【作品】晩秋の二人
【作者】蛸擬さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248530552&log=82
【あらすじ】
靈夢≠霊夢という設定で、霊夢が姉に関する思い出を語る話。
【感想】
霊夢の姉に対する不器用な接し方、どこか屈折した愛が感じられます。
何物にも縛られず、姉にすら執着を残さない姿勢を見せながら、どこかで姉のことを想っていることを感じられる霊夢の淡々とした語りが見どころ。

ケロちゃん一人ぼっち 誉人さん

【作品集】82
【作品】ケロちゃん一人ぼっち
【作者】誉人さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248592819&log=82
【あらすじ】
布教活動に参加させてもらえない諏訪子は拗ねています。
【感想】
諏訪子が布教活動に参加させてもらえない理由がいまいち明確ではないのが難点。それ以外は、諏訪子の可愛さを堪能できる作品です。
博麗神社での霊夢とのやり取り、そして紫と霊夢のやり取りがよかったです。ほんの少しエロです。

人形のつくり方 どさん

【作品集】82
【作品】人形のつくり方
【作者】どさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248521016&log=82
【あらすじ】
魔理沙がアリスに人形作りの弟子入りをした。魔理沙はいたって真面目に人形作りに取り組んでいく。そして、アリスは――
【感想】
まさに、こういう未来もあるかも、というifの世界の一つだと思います。そして、そのifの世界にも分岐があり、少しのボタンのかけ違いで、ということを強く感じる作品です。
読者に感じ方を委ねた感のある作品なので、心の描写など詳しく書かれてはいません。そのことが物足りなさを感じさせるかもしれませんが、私はこれはこれでありだと思います。

コイにモーモク 久我拓人さん

【作品集】82
【作品】コイにモーモク
【作者】久我拓人さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248626311&log=82
【あらすじ】
オリキャラの盲目マッサージ師と永遠亭の面々との交流
【感想】
改行の多さと、適度に一行のスペースがあるため、非常に読みやすいのが好印象です。オリキャラ&マッサージという性質上肉体的接触が過度にある上に、オリキャラ一人称のためにかなり読み手を選ぶ作品になっています。
ネタバレになるため細かいことは書きませんが、いくつか不満はあります。ただ、鈴仙とてゐがキャラ崩壊せずに生き生きと描写されているのが特筆。

言葉と腕と指先と 月夜野かなさん

【作品集】82
【作品】言葉と腕と指先と
【作者】月夜野かなさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248677980&log=82
【あらすじ】
怖い夢を見て弱っている乙女ちっく美鈴を、咲夜が料理します。
【感想】
最初開いたとき、文章がぎっちり詰まっていて一瞬読むのをためらってしまいました。第一印象って大事だと思いました。
私がこらえ性がないだけな気もしますが。とりあえず、さくめー。有無を言わせずさくめー。怖い夢を見て泣いている美鈴がやたら可愛かったです。
そんな美鈴に対する咲夜の受け答えが甘いだけではないのが見どころ。夢そのものといい、色々と考えてしまう作品でした。

藪をつついて饅頭怖い 道草さん

【作品集】82
【作品】藪をつついて饅頭怖い 「お勧め!」
【作者】道草さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248866485&log=82
【あらすじ】
さとりは、神の力を与えられた空のことについて一度神奈子と話し合いたいと思っていた。直接神と相対することを嫌ったさとりは代理人を探すが、巫女と魔法使いは取り合ってくれない。
そんなとき、偶然霖之助と知り合うことになり――
【感想】
さとり×霖之助。相手の心を読む覚妖怪と、うんちくを語るのが大好きな半人半妖のコンビが実に自然でした。神を直接相対することを嫌った理由や、それへの対策など、なるほどと思わせる展開が秀逸。
短く、読みやすい改行がされているのでさっくりと読めます。

帽子の下に愛をこめて 浅木原忍さん

【作品集】82
【作品】帽子の下に愛をこめて 「お勧め!」
【作者】浅木原忍さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248821393&log=82
【あらすじ】
河童は皿が命のため、常に帽子で皿を守ってきた。常に帽子をかぶっているうちに、いつしか帽子の中を晒すことが羞恥へとつながっていった。
今では、帽子の下を晒していい相手は将来を誓った相手だけなのだ……!
【感想】
にとり×雛。にと雛。あらすじに書いた設定がもっともらしくて笑ってしまいました。とにもかくにも甘い話です。
若干百合風味が強いので苦手な人は苦手だと思いますが、好きな人は大好物でしょう。帽子と頭をテーマに最後まで書かれているので、甘さだけではなく、ストーリー的にも楽しめました。

正しいチルノの入手法 yamamoさん

【作品集】82
【作品】正しいチルノの入手法 「お勧め!」
【作者】yamamoさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248852790&log=82
【あらすじ】
夏真っ盛り、チルノが博麗神社に遊びに来た。霊夢とチルノのある夏の一日ののんびりとしたやり取り。
【感想】
非常に和む話です。チルノの可愛さと、霊夢のちょっとしたお姉さん的雰囲気が非常にいい雰囲気をかもし出しています。
そして、最後にはちょっとしたいい話を織り交ぜる心憎さ。適度な改行とスペースのため読みやすいです。

風鈴 桐生氏
なぁ、慧音。暑過ぎて子供たちが授業に集中できないんだ。

【作品集】82
【作品】風鈴
【作者】桐生氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248841023&log=82

【あらすじ】
なぁ、慧音。暑過ぎて子供たちが授業に集中できないんだ。

【感想】
もこけねもこけね! タグ通りもこけね!
2人がやんわり会話をするお話です。
2人の関係ってこんな感じが理想だなぁと思ってしまうような、優しい物語。
優しさと情緒に溢れる幻想郷でした。
暑い日に読みましょう。

【5段階評価】
文章★★★★★
構成★★★★☆
風鈴★★★★★
総合評価★★★★★

先生、夏の暑い日の授業は大変です。

【作品集】82
【作品】風鈴 「お勧め!」
【作者】桐生さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248841023&log=82
【あらすじ】
先生、夏の暑い日の授業は大変です。そして授業後、慧音と妹紅がしっとりと話をします。
【感想】
ストーリーの構成が非常にうまいです。きっと、一読した後にもう一度読みたくなるはず。
べたべたしていない二人の関係が実に爽やか。切ないストーリーでありながら、さっぱりとした読後感はお見事。

ねがいごとひとつ 西風氏
慧音の先生っぷりが光るお話です。

【作品集】82
【作品】ねがいごとひとつ
【作者】西風氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248843273&log=82

【あらすじ】
女の子が一人、人里から姿を消した。

【感想】
慧音の先生っぷりが光るお話です。
教える人としての慧音の迷いが描かれています。
生と死についての慧音先生の授業でした。
しっとりとしたお話。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
流星★★★★☆
総合評価★★★★☆

寺子屋の生徒の少女が夜中に行方不明になった。

【作品集】82
【作品】ねがいごとひとつ
【作者】西風さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248843273&log=82
【あらすじ】
寺子屋の生徒の少女が夜中に行方不明になった。少女を見つけた慧音は、少女がとった行動の理由を知り苦悩する。
【感想】
慧音の寺子屋SSですが、教師として子供に何を教えるべきか、軽率な教えをしたことに対してどのような責任を取ればよいのか、そういった慧音の悩みを描きながら、教師と生徒としての交流も描いています。
優しい雰囲気の話。そして、まさかあの話をこうもってくるとは。

「交代日記」 フランドール・スカーレット 人形の月さん

【作品集】82
【作品】「交代日記」 フランドール・スカーレット
【作者】人形の月さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248904812&log=82
【あらすじ】
交代日記は次にフランドールの手に渡った。そんなフランドールの一日を追ってみる。
【感想】
交代日記シリーズ07。パチュリーから始まったこの3作は、ぶっちゃけ交代日記というよりも、紅魔館シリーズと言った方がいいかもしれません。正直日記の存在感がほとんどないので。
でも、お話としては非常にいいです。パチュリー編のときから考えると、フランドールの変化に涙が。個人的にはスカーレット姉妹の食事シーンが好きでした。レミリア……。

三日間オヤツ抜きの刑 目玉紳士さん
あらすじ通りの話です。

【作品集】82
【作品】三日間オヤツ抜きの刑
【作者】目玉紳士さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248878788&log=82
【あらすじ】
早苗にオヤツ抜きにされた二柱の神は、幻想郷を巡りオヤツをゲットしようとするが……。
【感想】
あらすじ通りの話です。ストーリー上二柱の神が神とも思えないどーしようもなさですが、ギャグならこんなものかと。
仲が悪そうで良さそうな二柱の神が見ていて微笑ましいです。そして、ゆゆ様のアレにやられました。懐かしい。

二柱はおやつを求めて放浪の旅に出る。

【作品集】82
【作品】三日間オヤツ抜きの刑
【作者】目玉紳士氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248878788&log=82

【あらすじ】
二柱はおやつを求めて放浪の旅に出る。

【感想】
コメディ。というかパロディ多めのギャグなお話です。
様々な拠点を訪れる二柱がアホ可愛いのです。
サクリと笑いたい方に。パロディの難易度はやや高めかもしれません。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
惨事★★★★☆
総合評価★★★☆☆

La Flamme de L'amour(前編) 浅井キャビアさん

【作品集】82
【作品】La Flamme de L'amour(前編) 「お勧め!」
【作者】浅井キャビアさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248951185&log=82
【あらすじ】
ある事情により、恋人ができないと魔界に戻されることになったアリスは、魔理沙に恋人役をお願いする。だが、人間の心の
機微が分からないアリスと、人間である魔理沙とのズレは大きく――
【感想】
一見するとアリマリですが、アリスの思考が人間のそれではなく妖怪に近いものであることがアピールされています。それにより、人間である魔理沙との考え方の違いに戸惑う魔理沙の心の動きが秀逸です。こういうアリスはあまり見たことない気がします。
そして、そんな二人の掛け合いが新鮮です。コメント欄にもいくつかありましたが、直接的な百合話よりもずっと百合を感じさせる雰囲気の作品です。後編でどうまとめてくるのか非常に楽しみです。

ヘタレ 耳かきさん

【作品集】82
【作品】ヘタレ 「お勧め!」
【作者】耳かきさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249022334&log=82
【あらすじ】
難儀な性格をしている天子は、幻想郷で日々行われている宴会に混ざりたくて仕方なかったが、招待されないで日々パルパルしていた。
そんなとき、アリスが宴会に参加をしていないことを知り、アリスに興味を抱く。
【感想】
このアリスはネガティブな性格をしています。それ故に、天子と見事なコンビネーションを発揮してビックリです。正直、私は天子がこれまでいまいち苦手だったのですが、この作品の天子は大好きになりました。
二人のヘタレっぷりが非常に愛らしいです。

name is... りーくー氏

【作品集】82
【作品名】name is...
【作者名】りーくー氏
【あらすじ】
 品揃えが豊富、と言えば聞こえは良いが、その実、雑然と商品の名を冠した物が散在する店、香霖堂。
その様相も相俟って、まるで物置のように薄暗く閑散とした店内に、不釣合いなほど明るく元気の良い声が響いた。
魔法の森に住む、自称普通の魔法使い、霧雨魔理沙。香霖堂の店主、森近霖之助とは幼少の頃からの付き合いだった。
暇を持て余したのか、平素からの習慣か、今日も今日とてやって参りましたは香霖堂。霖之助の返答を待つことなく、
彼女の細腕は古びた扉を豪快に開け放ち、我が家に帰宅したようにさえ思える足取りで店内を闊歩した。
普段なら常時勘定台に向かって本を読んでいるはずの偏屈店主は今はおらず、魔理沙の視線は、
勘定台の上に代わりのように置いてあるものに向けられた。それは茶碗と呼ぶには少々歪な形をしており、
コップと呼ぶにはサイズが大きすぎる、結果的に用途不明という形に落ち着いたナニカ。
好奇心は女の子の特権。その中でも一段と際立っているのがこの霧雨魔理沙。目の前に謎の物体が置いてある。
為ればこそ、それを調べずにして何とする。魔理沙は手を伸ばす。その瀬踏みが、深間に陥ることになるとは知らずに。
【感想】
 ここから感想。魔理沙の素直になれない性格が、このようなシチュエーションではやはり裏目に出るか。
勿論、魔理沙でなくとも、こんな状況下においては、魔理沙と似たような反応を見せる人も少なからずいると思う。
その辺り、キャラクターが非常に「らしい」と感じた。物語自体も、さっくりと読めるお手頃サイズがありがたい。
短いながらもしっかりとまとめてあり、最後まで綺麗にオチている文章には好感が持てる。
普段は魔理沙に甘いだろう霖之助の珍しく厳格な姿。最初こそ意地を張った魔理沙が再度店を訪れた際のいじらしい姿。
勿論、各々素晴らしいものではあるが、真価はその二つが調和を織り成してこそ発揮される。
何が言いたいかと言うと、魔理霖は私のジャスティス! オチで某幼稚園児が作ったねんど作品の差異を彷彿したのは秘密だ。

文章力   ★★★☆☆(特筆した点はないが、しっかりと読ませてくれる地力は充分ある)
構成力   ★★★☆☆(水準くらいか。勿論悪いわけではない。特にオチは秀逸)
読み易さ ★★★★★(さっくりと読めるありがたさ。くどさもなくあっさりしている)
魔理霖   ★★★★☆(魔理沙は霖之助と一緒にいるだけで魅力が三倍になると思うんだ!)
総合点   ★★★★☆(少し空いた時間に、何かちょろっと読みたいな。そんな人にお勧めの作品)

恋路の行方―後篇― twinさん

【作品集】82
【作品】恋路の行方―後篇―
【作者】twinさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248363503&log=82
【あらすじ】
前編から時は過ぎた。あの霧雨夫妻の娘も大きくなり、いつからか男のような口調をやめて気品のある言葉遣いをするようになっていた。
半妖の彼にとって、周囲の人間は変化しても、自分自身が変化することはない。そんな折、博麗霊夢が結婚するという衝撃的な知らせを受ける。
【感想】
前編と時間軸が変わりますが、間違いなく後編というストーリーです。最初は魔理沙の変化にド肝を抜かれましたが、そんなことがどうでもよくなるぐらいに霊夢がらみの展開が驚き。
とにかく構成がうまいです。最後の展開は実によかったのですが、軟弱な私としてはどうにも割り切れない思いがあったり。
都合の良い展開はあくまで都合が良いから起こらないわけで。色々と複雑でした。

恋路の行方―博麗― twinさん

【作品集】82
【作品】恋路の行方―博麗―
【作者】twinさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249042970&log=82
【あらすじ】
同作者による『恋路の行方』の外伝。博麗霊夢の視点から物語が語られる。
【感想】
同作者による『恋路の行方―後篇―』を読んだときに感じた割り切れない思いがますます強くなってしまいました。
登場するキャラがかなり独自色を出していることさえ許容できれば、とても完成度の高い作品です。
それだけに、この悲しい物語を読まなければよかったという思いと、この作者のこの作品を読んでよかったという思いが半々でどうにも整理がつきません。

博麗霊夢からの暑中お見舞い 詩所氏

【作品集】82
【作品】博麗霊夢からの暑中お見舞い
【作者】詩所氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249040256&log=82

【あらすじ】
幻想郷アイス商戦!

【感想】
慧音と霊夢がアイス商戦に殴りこむお話。
なんとかアイディアを引き出そうとする慧音先生と霊夢、それに茶店の家族たち。
主張しすぎないオリキャラの立ち位置が良い感じです。
中盤からの暴走具合は必見。私も慧音先生のお店に行きたい。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
色気★★★★★
総合評価★★★★☆

ハッピーバースデー tuzukaさん

【作品集】82
【作品】ハッピーバースデー
【作者】tuzukaさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249138642&log=82
【あらすじ】
誕生日というものを知ったチルノと大妖精。しかし、妖精には誕生日が存在しない。
寂しそうな表情をする大妖精を見て、今日を大妖精の誕生日にすることに決めたチルノ。プレゼントとケーキをゲットするためにチルノは奮戦する。
【感想】
紅魔館でのチルノの奮戦が涙を誘います。話の流れは温かくてよいものなので、全体的にもう少しだけ描写を多くしてストーリーを補完してほしかったかもしれません、特にメディスンがらみ。

好奇心 不比等さん

【作品集】82
【作品】好奇心
【作者】不比等さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249118975&log=82
【あらすじ】
霖之助は、無縁塚で拾った手帳に書かれていた「ひとりかくれんぼ」を実行する。
【感想】
近代都市伝説のひとりかくれんぼです。私は、PSPのトワイライトシンドロームで初めて知りました。とにかく、短すぎるというのが第一印象です。
ホラーは、怪異が起きるまでの過程と緊張感、そしてまさに怪異が起きているそのとき、どれも状況の描写、心理描写を丁寧に描く必要があると思います。そのため、消化不良感がどうにも。
次は、ぜひ真正面からホラーを描いてほしいです。都市伝説とか大好きなので。

お賽銭箱物語 (一) リボン  PNSさん

【作品集】82
【作品】お賽銭箱物語 (一) リボン 「お勧め!」
【作者】PNSさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249131831&log=82
【あらすじ】
博麗霊夢は賽銭が好きだ。しかし、その理由は誰も知らない。霊夢が語ることを拒んでいるからだ。
そんなとき、博霊神社の賽銭箱がひとりで飛ぶ異変が発生。そして、霊夢は賽銭箱に己の過去を語る。
【感想】
三部作の一つ目。どれも長文です。ここでは、霊夢が博霊の巫女に選ばれた当時の話が語られます。
オリ設定ですが、確かにありそうと読んでいて頷くことしきり。そして、これからという所で続くので、すぐに(ニ)を読みたくなります。
文章が読みやすいので、長文でも疲れないのがよかったです。何より、子供霊夢の生意気さが、実に子供っぽくて、そして可愛かったです。

お賽銭箱物語 (二) 夢    PNSさん

【作品集】82
【作品】お賽銭箱物語 (二) 夢 「お勧め!」
【作者】PNSさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249131923&log=82
【あらすじ】
博麗霊夢が賽銭が好きな理由。そこに隠された秘密を知り衝撃を受ける賽銭箱。そして、賽銭箱は
己が大切とする者たちのために立ち上がることを決意する。
【感想】
普段飄々としている霊夢にこのような想いが隠されていたのかと驚き。涙が止まりません。幻想郷そのもの、博霊の巫女、また、大結界に関わる者として八雲ファミリー。
それらの複雑な関係が、それぞれの切ない思いをはらみながら収束していきます。
どういう結末を迎えるのか、否が応でも期待せざるをえないところで最後へ続きます。

お賽銭箱物語 (三) 楽園   PNSさん

【作品集】82
【作品】お賽銭箱物語 (三) 楽園 「お勧め!」
【作者】PNSさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249132084&log=82
【あらすじ】
そして、物語は結末を迎える。賽銭箱の奮戦は、はたして実を結ぶのか。
【感想】
この三部作は、博霊の巫女を一つのテーマとしています。霊夢の抱えている事情を明らかにしつつ、
そしてこれからも幻想郷を背負って立たねばならない立場にいる霊夢に対してどのような結末が
与えられるかが見所の一つとなります。しかし、それ以上に大きなテーマがあります。そのテーマ
の提示の仕方と、それに対する解が非常にうまく描かれています。大作なので読むのに気合が入り
ますが、それだけの感動がそこにはありました。

ホワイトロック・イン・ザ・サマー ネコロビヤオキ氏

【作品集】82
【作品】ホワイトロック・イン・ザ・サマー
【作者】ネコロビヤオキ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249144138&log=82

【あらすじ】
レティの夏休み。

【感想】
夏休みの魅力いっぱいなお話です。
夏を初体験するレティさんとチルノ達。
子供の頃の夏休みってこんな感じでしたよね。
ほんわかほんわかするお話でした。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
暑さ★★★★☆
総合評価★★★★☆

チルノのセカイ 葉月ヴァンホーテンさん
チルノの子どもっぽさが巧く表現されていていい。

【作品集】82
【作品】チルノのセカイ
【作者】葉月ヴァンホーテンさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249225866&log=82

物語 11点
チルノの主観で書かれてある。アイディアとしては凡庸かもしれない。
言ってみればただの一人称に過ぎない。ただ幼児といってもいいキャラクターとしてチルノを捉えた場合、その性質は童話に近くなる。
どこか牧歌的な優しい雰囲気を出している点では悪くないかもしれない。
キャラクター 13点
チルノの子どもっぽさが巧く表現されていていい。
ストーリー 11点
チルノの内面世界から幻想郷を表現したようだが、残念ながら雰囲気だけに留まっている。
構成 9点
やまなちおちなしという物語の断片をただ並べただけになってしまっている。
上に述べたようにこの小説はそもそもテーマ性がほとんどなく雰囲気だけを伝えようとしているから、物語のうねりのようなものは不要なのかもしれないが、ほのぼのでも盛り上がりはあってもよいのではないか。
表現 13点
うまいぐあいにひらがなを使ってチルノの幼さを表現している。そこは評価したい。
表層的に触れられる関わりから人間関係の深みを微妙なところで表現できている。
総点57点。
点数いれるときは60か上げ底して70にすると思う。
印象としては雰囲気小説、ほのぼのといった感じだが、もう一歩なにかを表現しようとしてほしい。
雰囲気に同調できれば高得点になりそうだが、それは印象によって点数が左右されるということなので、客観的に見ればやはり評価は低くならざるをえないのではないかといったところ。

涼しげなお話しかと思いきや、実はとっても温かくなるお話し。

【作品集】82
【タイトル】チルノのセカイ
【作者】葉月ヴァンホーテン さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249225866&log=82
【あらすじ】
 ユキ、ミズウミ、ソラ、ゲンソウキョウ
 彼女の目に映るものは??

 ~チルノのセカイ~
 

【感想】
 涼しげなお話しかと思いきや、実はとっても温かくなるお話し。
 もっと色んな場所をみて回って欲しい気もしますが、湖の周りが「チルノのセカイ」なんでしょうね。
 チルノの一人称で描かれるため、ひらがなが多め。それがチルノらしさを引き立てると共に、読者にやさしい気持ちを抱かせてくれます。
 

【五段階評価】
★★★☆☆(短いですが、幻想郷の温かさが伝わってきます)

素うどん 久我拓人さん
キャラクターの組み合わせは面白い。

【作品集】82
【作品】素うどん
【作者】久我拓人さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249226544&log=82

物語 15点
キャラクターの組み合わせは面白い。設定としては珍しい部類に入るだろう。希少性は価値を高めるのでこの点数に。
キャラクター 13点
悪くはないが、やや分散気味。実は輝夜が主人公だったようなので、もっと輝夜を魅力的に書くべきだった。
魅力は太陽と月のように誰かの魅力が誰かを輝かせることもあるのだが、多くの場合は太陽の輝きで潰されてしまうこともあるので気をつけるべきではないかと思う。
正直なところ美鈴を魅力的に書きすぎているのではないか。主人公不在にならないために力の入れ具合を調節するべき。
ストーリー 12点
実はギャグだったのだが、最後の最後までギャグだとわからないのでどういう気分で読んだらいいのかわからない。
落ちとしてもタイトルでだいたい察することができてしまうので、笑いとしてもやや破綻気味か。
もっとも、終始魅力的にキャラクターが描かれているため、キャラクターの魅力が主題だと考えれば、それなりに成功はしているのかもしれない。
構成 12点
冒頭のインパクトは評価するべきだが、ちょっと冗長すぎないだろうか。いっそ大地につっぷした輝夜のシーンとかから始まったほうがいいかもしれない。
中盤あたりの戦闘等も全体をコメディだと捉えると意味が無い導入部かもしれない。溜めにしても長すぎるし、これはこれでバトルとして楽しむべきなのだろうか。中途半端な印象をぬぐえない。
表現 15点
丁寧に書かれてあって文章力はあるほうだろう。個人的にはもう少し漢字を開いたほうがいいと思う。鼈とか。
それと三人称小説だとはいえ、フォーカスすべきキャラクターははっきりすべきであると思った。感情移入を少ない量でこなすには、キャラクターにブレが生じるとよくない。誰が何をしたいのかに沿って書くべき。
もちろん群像劇とか例外はあるが、今回は輝夜でよいと思う。どこが悪いのかというと☆以下のところで美鈴視点になっているところ。
総点 62点
印象としては、何を書きたいのかがはっきりせず、キャラクターとしても主人公不在なのが痛いか。
表現力があるので、断片的に面白い部分もあり、ほとんどありえなかったキャラクターの組み合わせに成功しているのは評価できる。

必死に頑張る輝夜が可愛いお話。

【作品集】82
【作品】素うどん
【作者】久我拓人氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249226544&log=82

【あらすじ】
輝夜が美鈴に弟子入りしました。

【感想】
必死に頑張る輝夜が可愛いお話。
輝夜の可愛さももちろんですが、レミリアのかっこよさもなかなかのもの。
尊大でぶっきらぼうな喋り方のレミリアも良いものですね。
ちょっとオチが弱かったかもしれません。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
練気★★★☆☆
総合評価★★★☆☆

探し物は何ですか 誤爆さん
ナズーリン、霖之助のいずれも的確にキャラクターをつかんでいる。

【作品集】82
【作品】探し物は何ですか
【作者】誤爆さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249234141&log=82

物語 13点
設定としてはある程度予想がつくところで面白味はないかもしれないが、
マッチングという意味では問題がなく。比較的すんなりと受け入れられる。

キャラクター 15点
ナズーリン、霖之助のいずれも的確にキャラクターをつかんでいる。特にナズーリンのプチカリスマと乙女の配分が絶妙。

ストーリー 14点
一幕を切り取ったような印象で、特にテーマがあるわけではないが、
上で述べたキャラクターどうしの掛け合いの空気を伝えることには成功している。
破綻がなく、短い小話としてのおもしろさがある。

構成 12点
冒頭から中盤まで平坦な印象で、ドラマがあるわけではない。
ただ終始落ちついた雰囲気があるので、読み手としてもゆったりした気分で読めるだろう。

表現 14点
高々鼠というふうに漢字が目についてしまって一瞬読むのが止まる。もっと開いたほうがいいと思うところが多かった。
それと『間抜けた声が頭上から聞こえてきたので顔を上げた。』はたぶんミスか。
全体的に見れば、比較的読みやすい。

総点 68点
印象としては、ずいぶんナズーリンのかわいらしさに助けられている。
ストーリーとしては平坦に過ぎるが、かわいければ正義かもしれない。
だとするともっと可愛い描写を増やすべきだと思うのだが、
そうすると朴念仁と思われる霖之助のキャラクターに反するので難しいところなのだろう。
そういう意味では最後のオチの部分はキャラクターと調和した絶妙な効果があったように思う。

香霖堂に宝探しに訪れたナズーリン。

【作品集】82
【作品】探し物は何ですか 「お勧め!」
【作者】誤爆さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249234141&log=82
【あらすじ】
香霖堂に宝探しに訪れたナズーリン。ここから霖之助とナズーリンの物語が始まる。
【感想】
ナズ×霖連作の1作目。ナズーリンの喋り方や性格が実に「らしい」ものでありながら、乙女としてのナズーリンの可愛さが盛り込まれています。
霖之助の鈍さが、ギャルゲー主人公のテンプレ的なものでそこが若干鼻につくところはありますが、彼の能力を実にうまくストーリーに組み込んでいて、きちんと霖之助としての個性を出しているのが素晴らしいと思います。
そういう話の組み立て方のうまさが、2009年10月6日現在で9060点と、万点に迫るポイントを出している理由でしょう。

損な役割、そして賑やかな幻想郷へ 青いのさん

【作品集】82
【作品】損な役割、そして賑やかな幻想郷へ
【作者】青いのさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249239605&log=82

物語 10点
設定無視は予定済みだということなので読者としてはあるがまま受け入れるしかないが、細かな齟齬は少しの努力で解消できたと思われる。
設定は要するに結界を拡張すると霊夢の負担が大きくなるというものだが、拡張の必然性がほとんど感じられないため、霊夢の理念に今一歩共感できないのが失敗。
それをただのエゴだと言い切るのは良いのだが、エゴの内容が抽象的すぎてつかみ所がない。

キャラクター 11点
霊夢のキャラクターは前記の物語から当然にヒロイックなイメージになる。ここは俺に任せて先に行け的な。
原作との乖離は激しいが、孤独な印象はわりと原作準拠なのかもしれない。しかしあるがままを受け入れるという姿勢からはやはり若干ずれている感がある。
無理をしないのが霊夢らしいと思うのだがどうだろう。
紫は母性を発揮してはいるものの、結局霊夢のキャラクターを受け入れてしまっているため受けの態勢が目立つ。

ストーリー 13点
要するに、悲愛系のゆかれいむがしたかったのだろうなと推測。
霊夢が決定的なダメージを受けているのではないので、寸前でハッピーエンドさを取り繕っているが、どうせなら死んだほうが物語的には完成していたかもしれない。
霊夢のエゴについても、なぜ受け入れたいのか。幻想郷をにぎやかにしたいのかをもっと説得的に語ることができれば、さらによくなったと思う。

構成 11点
冒頭の説明がややこしい。
そんなことよりももっと具体的な事象を持ってくるべき。端的に言えば、『行動』を持ってくるのがわかりやすい。

表現 13点
オーソドックな日本語を使っており、悪くなかった。語るべき内容の違和感が無ければもっと良いと感じ取れたかもしれない。もの哀しさや紫の霊夢に対する愛情がもっと切々と書かれてあれば、感動にいたったのであろうが、けっこう淡白なのが残念。

総点 58点
印象としてはともかく違和感の連続。物語、設定、キャラクターの違和感。これらの違和感を乗り越えれば、感動の一歩手前までいっている感じはする。
物語として伝える気概みたいなものはけっこう感じた。

無くしたモノを見つける仕事 非共有物理対さん

【作品集】82
【作品】無くしたモノを見つける仕事
【作者】非共有物理対さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249245170&log=82

物語 15点
ありだろう。ナズーリンとチルノの相性が驚くほどよかった。性格が相補的で、ナズーリンが清濁併せ持った大人になる直前の少女、チルノが子どもといった感。
ナズーリンがRPGで言えば、勇者の役割をこなしている。すっと入っていける違和感のなさ。
導入から中心的な話題までの入り方が秀逸。

キャラクター 17点
ナズーリンがこうも一人称小説で魅力を発揮できるタイプだとは。
カリスマとは少し違う、地に足のついた判断力と冷静さが心地よい。
周りのキャラクターも生き生きと書かれていた。

ストーリー 15点
SSは想像の余地を広げることをいうが、まさにナズーリンが幻想郷に定着する感じ。
キャラクターどうしの関係を作る様子が書かれてあった。
コミュニケーションの楽しさが物語としてもひとつの鍵になっている。

構成 14点
最初から最後まで澱みがなく一気に流れていく感覚。
特に奇をてらっているわけではないが、安心してすらすらと読める。
先が読めてしまうとはいえるかもしれないが、ほのぼのしている話のなかでは余計に構成をいじらないほうがよいのかもしれない。

表現 16点
魅力的なキャラクターを書くことに専念している魅力的な表現が多い。
柔らかい文章で書かれてあって、ほのぼの演出に一役買っている。読みやすい。読みやすい。大事なことなので二度言いました。

総点 77点
印象としては、心温まるお話。
壮大にせずにコンパクトに小さな物語をつむぐことに専心することで
物語として引き締まったものができあがっていると思う。

三途の河を彼女が渡る日 にゃおさん

【作品集】82
【作品】三途の河を彼女が渡る日
【作者】にゃおさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249251529&log=82

物語 13点
某人が三途の河を渡るという設定的にはわりとありがちかもしれないお話。
ただ哀しさをほとんど描写せずに会話と勢いで軽妙に乗り切っているところから、この話はコメディだとわかる。

キャラクター 14点
実に『らしい』彼女と、三途の河の渡し人。キャラクターのつかみ方はうまい。
会話の力でキャラクターを認識させる手法は実にライトノベル的で、わかりやすい。
このわかりやすさはコメディにとっては強力な武器。

ストーリー 13点
ただ、ふたりがだべっているだけなので、会話としての面白さを感得できるかどうかが鍵。
勢いがある会話に勢いのあるネタを混ぜた濃い目のお茶のような感じなので、読むときは時間をかけずにさっと読んでしまうのがよい。

構成 12点
設定がそもそも予定調和的であるから、おそらくオチも読めてしまうかもしれない。
驚きやショッキングなところがほとんどないので、全体的に言えば、最初から最後までハイテンション。ちょっと疲れるかもしれない。

表現 15点
ちょっと疲れるというのは表現にもあてはまるが、ハイテンションに言葉を繰り出せるところに凄みがある。
語意も語彙も豊富で、元気がある文章。
ネタの入れ方も配分に気をつけているようで、なかなか巧い。
ただ、粘性のある文章なのでクドイと感じる場合もあるかもしれない。そのギリギリのラインか。

総点 67点
ちょっと勢いに乗り切れなかったところが個人的にあるので、そこで評価としてもブレーキがかかってしまった。
ギャグとしての側面に強い共感を抱ければ(要するに腹筋崩壊すれば)、もっと評価は高くなってもいい気がする。

第一級食材 智弘さん

【作品集】82
【作品】第一級食材
【作者】智弘さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249253962&log=82

物語 16点
ひとめ見ればわかるとおりとても珍しいタイプ。
語り口調といい、キャラクターの設定の仕方といい、話の切り出し方といい、完成度が高い。
言ってみればミステリーの類型にあたるのだろうか。
謎で引っ張られるかたちになる。気づくと最後まで読まずにはいられない。

キャラクター 14点
主人公はオリキャラの一人称であるが、毒気はほとんどない。
それどころかほとんどの場合は印象の連続でしかなく、いわば主人公は影に過ぎない。
だからこそというべきだろうか。
萌えや可愛さが基本的にいらないタイプのお話であるが、最低限度の想像をさせる余地を残しており、容易に頭の中で展開できる。
その想像の幅の広さが、今回うまいぐあいに効力を発揮している。
つまり、後述するように『未知』なものを作り出している。未知は謎と言い換えてもいい。

ストーリー 15点
思えば、東方の二次創作をしている場合、既存のキャラクターは関係性と一定の強さがある以上、『未知』を作り出すにはオリキャラが良いのかもしれない。
だから、本作品の主人公は必然的にオリキャラでしかありえない。
テーマは、面白い。その内容は実際に読んでみればすぐに了解可能である。
オチもなるほどと思わせるものがあった。けっしてあとがきから読んではいけない。

構成 16点
引き込まれる構成で、最初から最後まで隙がない。起承転結でいえば、転で止めている印象だが、そこがまた良い。

表現 17点
これは読みやすく惹かれる文章。
内容を簡単に把握させて、続きを読みたいと先を急がせる。
自動的に視線が動く感覚。

総点 78点
印象としては、これぞ短編というほどに強固な固定された空間を作り出していた。
その異様な、といっていいほどの物語空間が、独特の空気をもって伝わる。
アイディアの魅せ方を心得ている。

今日も地球は青かった 黒坊主さん

【作品集】82
【作品】今日も地球は青かった
【作者】黒坊主さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249276602&log=82

物語 10点
もうひとひねりが欲しい。ネタバレになるので控えるが、この作品には一種の仕掛けがある。その仕掛けがただの仕掛けとして終わってしまっているのが厳しい。
消失マジックで消え損ねたマジシャンを見たようないたたまれなさといったらわかるだろうか。
設定だけが空中に浮いているのである。

キャラクター 10点
やや類型化された造形をしていて、まちがってはいないのだけれども独自の魅力探求という意味では弱い。
あるあると頷くことはできたとしてもそこからさらに何か魅力的に感じるということができなかった。

ストーリー 11点
独自の設定があっても、それ自体は問題とならない。
問題は、その設定を了解させたうえで、なにかしら伝えたい意味内容を過不足なく伝えきれるかどうか。
おそらくは幸せなイメージと、その逆のイメージとのギャップを描きたいのだろうけれども、イメージ先行だけで書かれているように読める。
つまり何が書きたいのかよくわからなかったという話。

構成 9点
そもそもストーリーがイメージ先行で、思いつきのように読めてしまうので、
構成自体にも必然性が感じられないことになる。
ただ最後の末尾によって中ほどで書かれてある幸せなイメージというものが生きてくるということはあるかもしれない。
光と影の対比構造の効果は一定程度はある。ただそういう対比構造をさせようとしたかどうかは前にも述べたとおり不明。

表現 10点
べつに中黒点が嫌いなわけではない。そうではなく単純に表現不足。
抽象度が高い表現で撫ぜるようにして語られるので、遠巻きに見ているような気分になって物語に入りこめない。
『笑顔のままこう促してきた輝夜』は表現としてまずい気がする。他にもいろいろと変なところがありそう。
表現力が高ければおのずとストーリーの伝達性も高まり、もっと評価が高まるだろう。足を引っ張っているのはおそらくここ。

総点 50点
印象としては、伝えたいことを伝えきれていないんじゃないかと。
あるいは何を書きたいのか定まってない可能性もある。イメージ先行型という言葉を用いたのはそこがはっきりしていないせい。
少なくとも自分には伝わらなかった。
表現力の問題かもしれない。
ただ一番伸びる余地があるのが表現力なので、それさえ克服すれば一気に伸びる可能性はある。

たっぷりたらこ 毛玉おにぎりさん

【作品集】82
【作品】たっぷりたらこ
【作者】毛玉おにぎりさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249285176&log=82

物語 13点
子どもが傘の妖怪に出会い怖がるお話。萌え分少なめ。
設定としては上記のとおり。
おもしろさは語り口だろう。基本的には性別を感じさせない子どもっぽさがあって、拒否感をあまり抱かせないように配慮してある。
そもそも東方は少女たちの楽園のようなイメージがあるから、
オリキャラ男はかなり厳しい拒絶にあう可能性が高い。
子どもであれば、性的に未熟なので、微笑ましさで打ち消せると思われる。
実際なところオリキャラは少女であるかごく小さな少年である場合がほとんどではないだろうか。
意図的に配置しているとすれば、技巧的なうまさがあるということである。

キャラクター 13点
設定になじんでおり、特に慧音先生にドキドキする描写には共感できそうだ。
小傘はほとんどチラっとしかでない印象で、妖怪としての怖さを殺さない程度の配置をすると、そうならざるをえないのだろう。
なにしろ小傘は見た目的にも性格的にもまったく怖くないので。
ある程度ぼかしているのは巧い。

ストーリー 13点
幻想強的な理由で説教されても共感はしにくいかもしれない。
ただし、結局のところ根底の部分では人と妖怪が「仲良きことは美しきかな」の関係になる話であるから、
倒錯的で、現実的には非常識的ではあるが、妙な説得力はあるように思う。
読後感はいい。

構成 12点
構造的にはホラーを装っているので、緊張感がだんだんと高まってくるのはいい。
しかし背後にいるのが小傘なので、知っている立場の読者には恐怖といったものがほとんど感じられない。
もしかするとお化け屋敷で驚かし役のかわいい女の子を想像して萌える趣向なのかもしれない。
全体を鳥瞰するとほのぼのしすぎているから、ホラーではないと言い切ってよいと思われる。

表現 14点
よくも悪くもオリキャラの一人称は、既存のキャラクターの場合と違って、印象のズレを考える必要はない。
考えるべきは世界との調和で、この場合は幻想郷という世界との調和。
その中でキャラクターがマッチしているといったとおり、それは文章力によって巧い具合に子どもっぽさが演出されているおかげだろう。

総点 65点
印象としては、オチの部分が弱いのかもしれない。
ジャンルとしてもホラーになりきれないのが痛い。
ほのぼのとしてみると、溜めにあたる部分が長すぎて、全体としてみると冗長に思えるか。

夏の神社でだらだらり Takuさん

【作品集】82
【作品】夏の神社でだらだらり
【作者】Takuさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249294328&log=82

物語 10点
特になにごともなく日常を書いただけなので評価のしようもないが、三人の絶妙な友人関係を描くだけでも妙味がある。

キャラクター 14点
可愛さに重心を置いて書かれてあるのだろう。特に魔理沙びいきな気がするが気のせいだろうか。
関係の書き方も適度な距離感があって、仲良しという感じ。
三人であるというところも健全な感じがして良いかもしれない。ちなみに個人的にはふたりっきりの甘い関係とかも好きだが、三人は安定した関係を構築する。
中国の鼎は三足であったのはそれが最も安定した形であったからである。
人間関係も三人が安定する。停滞の形だからだろう。

ストーリー 12点
日常をきりとったタイプ。雰囲気の醸成は巧かった。

構成 10点
そもそも構成がいるようなタイプではないが、早苗の冒頭での態度が、実は年月を経たことを想像させる。
背後にある設定を一文で感じさせるのは巧い。

表現 13点
メタ表現が入るところがあり、そこがノイズに感じられる人もいるのではないだろうか。
せっかくの雰囲気を消し去る冷淡さがあるのがメタ表現なので、ここは自制すべきだったかもしれない。
ところどころ可愛らしさが感じられる表現が挿入されてあり、そこは巧い。

総点 59点
印象としては、かわいい少女の日常といった感じで、友情関係を描くことに成功しているといえる。
ただ、ドラマが無いに等しいので、まったりしたい人向け。言ってみれば、らき☆すた。

ちょ、そこのコンビニで藍しゃまがバイトしてた! 音無さん

【作品集】82
【作品】ちょ、そこのコンビニで藍しゃまがバイトしてた!
【作者】音無さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249301003&log=82

物語 14点
タイトルどおり、藍さまが外の世界のコンビニでバイトしています。が、主題はそこではなく紫さまとの酒席。
言ってみれば一人ぐらししている娘を心配している母親的ポジションの紫こそが真の主人公ということか。
癒される設定である。

キャラクター 14点
外の世界はほとんど馴染まないはずなのだが、それほど違和感がないようになっているのは巧い。
紫がビクっとなる描写はお気に入り。

ストーリー 14点
結界を隔てられているという別離状態。会えないわけではないが少し大変。
そういう物理的障害が逆にふたりの心を結びつけるという構造になっている。ほのぼのとしたなかに、しんみりした感じも流れてあって、同調しやすい。

構成 13点
なかなかよい。正直に言えばコンビニで働くという設定はいらないままでも良いのだが、外の世界に定着している描写としては必要だったのかもしれない。
最後の描写も余韻を残す作用がある。

表現 14点
上記のほのぼのとしんみりした空気を殺さないところが良い。ただこれといって特徴がない無個性な文章であるといえる。

総点 69点
印象としては、一人暮らしをする頃合の大学生あたりが読むと一番同調できるかもしれない。
藍の必死さと心細さ、紫との触れ合いがすべてピタリとはまる。
そうでなくても親娘の触れ合いは普遍的ではあるから、最大公約数的な読まれるタイプの作品だと思われる。

雨見酒 バームクーヘン(B・G・M さん

【作品集】82
【作品】雨見酒
【作者】バームクーヘン(B・G・M さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249306513&log=82

物語 13点
諏訪子とにとりが雨のなかじゃぶじゃぶ。
似合うかもしれないし、似合うかもしれない。
希少な組み合わせではあるので称揚したいところではあるが、
残念ながらキャラクターの捉え方と文章表現に多大な齟齬があるようで遺憾の思いが強い。

キャラクター 9点
作者氏の捉え方と完全に食い違いを感じた。つまり、誰てめえ状態。
確かににとりと諏訪子というキャラクターの要素要素を書いてはいるものの、
一番の本質的な性格が相当改変されていて、原作をした身からすれば、性格改変ものに該当するといっても良いレベル。
なんらかの理由が書かれてあるのかとも思ったがそうではない以上、これが素の捉え方なのだろう。
あるいは作者氏の前の作品を読めば理由が書かれてあったりするのだろうか。作品ごとに見ているので、低評価にならざるをえない。
とりあえずかわいくはあったが、ギブ。

ストーリー 10点
身はないが、先ほども言ったとおり、諏訪子とにとりが雨のなかをじゃぶじゃぶ進むイメージは嫌いではない。
その後、酒を飲んだりもするが、ここの描写は東方らしさがほんのりとあったようなそうでないような。
キャラクターの乖離が激しすぎるから、もういっそのことオリキャラ少女たちが雨のなか酒を飲む幻想郷といったイメージで捉えたほうが面白味があるかもしれない。

構成 8点
冒頭の説明くさい文章からして危険な香り。もういっそのこと冒頭を削って、雨雨降れ降れから始めたほうがまだいいぐあい。
単純に冗長な節になっている。
その後のやりとりも特に山場もなく進行する。

表現 12点
日本語を逸脱しているわけではなく、きちんと意味内容を伝えることはできる。
問題なのは、やはりキャラクターの捉えた方だろうか。無意味に可愛さを狙いすぎたのかもしれない。
そのせいで、文章に一定の力があっても、表現力がないように感じてしまう。
会話の軽妙さは巧いので、キャラクターを的確に捉え切れれば問題はないように思うのだがどうだろう。

総点 52点
印象としてはオリジナル小説として読めば、なんだか微笑ましいイメージが提供されている感じはして、面白味もあるように思う。
東方二次創作としての立場で見ると、違和感がある。
キャラクターの力は偉大だ。

夢の卵 Pumpkinさん

【作品集】82
【作品】夢の卵
【作者】Pumpkinさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249312022&log=82

物語 15点
フランがどうして幽閉されていたかを作者が考察して、一つの納得を読者に与える話。
二次創作は間隙を埋めることも生業としているわけだから、これは興味深いところだった。

キャラクター 14点
フランドールがあまりにも我意がなさすぎて、原作からするとちょっといい子すぎるかなという印象。
それでも、フランちゃんうふふ補正で、さほど問題はないかもしれない。
フランが逆内弁慶というか外弁慶な可能性もあるから、性格的にも許容できる範囲ではある。
なにしろ物語としてはこの性格のほうが良い理由があるから納得もしやすい。

ストーリー 14点
何故に答える作品はそれだけで読者の興味を惹起する。感心したのはパチュリーの立場をきちんと描いていること。
ここの描写が納得できたので、物語全体にも納得できた。
ただ、幽閉した理由を直接的には書いていないから、どこか詩的な雰囲気がする。
論理的ではない部分もあるので、空気を読まなければならないところもある。

構成 13点
ときどき挿入されるフランの独白がお気に入り。

表現 14点
フランに化粧するシーンが特に丁寧に書かれてあって、フランのいいこちゃん補正とあいまって、人形嗜好的な要素をかもしだしている。
耽美な印象。それだけでこの作者のポテンシャルはすさまじいものがあるように思える。

総点 70点
印象としては、ともかくフランドールの従順さ。
レミリアがそこに罪を感じ、最後は姉妹愛でしめるという、王道コンボな話だった
耽美な印象が、吸血鬼の属性とあいまっていい感じ。
ただフランドールの性格は良い子すぎると感じる人もいるかもしれない。もう少し横着な気がするのだが、捉え方の差異か。

行き着く先は、何処にかあらん メリーベルさん
SF。一言で言えば、まさにそれ。

【作品集】82
【作品】行き着く先は、何処にかあらん
【作者】メリーベルさん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249312465&log=82

物語 12点
SF。一言で言えば、まさにそれ。とつぜん話がSFになる。
神林長平のような現実と幻想の境界を曖昧にする感覚が生じる。
それは、いわば自分とそうでないものとの境をも曖昧にする。
正直なところ今の時代にSFというジャンルはマイノリティであって、東方という場においてはさらに厳しいものになるが、
個人的には好物だったりする。

キャラクター 11点
正直なところ、ふたりともどういうキャラクターなのか固定されていない部分が多く、コレで良いのかという想いも強いのだが、
終始、ふたりの世界に終始していて、差異を演出することには成功している。

ストーリー 12点
ラスト近くが言いたいことであって、それまでのは導入だろう。
興味深い内容が書かれてあるのだが、妄想の領域を出ておらず、あくまで前時代のSF的雰囲気に留まるところが惜しい。
またSFといっても科学的な裏づけがされているわけではないので、一種のファンタジー小説と捉える方法もあるが、
そう捉えたところで、置いてけぼり感はぬぐえないところだろう。

構成 11点
正直なところ中盤からの超展開には少しついていけない。
ショートストーリーとしては致し方ないところかもしれないが急転直下すぎる。

表現 12点
文章力はあり、意味内容もよく伝わる文章である。
問題はSF小説だと捉えると、そもそもSFにはとてつもない描写力が必要なので厳しく、
ファンタジー小説だと捉えても、ぼんやりとしか眺めさせてくれないので、何が起こっているのかいまいち理解しづらい結果になってしまっている。

総点 58点
印象としてはSF自体が希少種なので称揚したい。
ただ、作者の妄想が爆発していて論理的な収束が足りず、何が起こっているのかさっぱり理解できない事態なのが厳しい。

神主CDについてくるブックレットSS的構成な話。

作品集82, 行き着く先は、何処にかあらん (メリーベル 氏)
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249312465&log=82
神主CDについてくるブックレットSS的構成な話。らしい。秘封もの。
誰かがやりそうだなと思った手法。まぁ、話としてどうか?となると微妙。
でもこれただ章にBGMタイトルつけただけなんじゃ。

蓬莱山輝夜は夢を見る 亀井さん
言ってみれば、哲学っぽいなにか? あるいはSF。

【作品集】82
【作品】蓬莱山輝夜は夢を見る
【作者】亀井さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249320242&log=82

物語 16点
設定は面白く、良い意味での設定の異様さが目立つ。
無限の輝夜が一同に会するイメージは、一番近時の商業小説では、『人類は衰退しました』の何巻かめに同じようなものがあった。
しかし、かなり硬度が高いので、ライトノベルではない。
言ってみれば、哲学っぽいなにか? あるいはSF。
目新しいのでその分評価したいと思った。

キャラクター 10点
このSSはキャラクターを捨象することで成り立っている面があるので、
キャラクターを評価すること自体がまちがっていると言える。
とても評価しづらいタイプの作品。

ストーリー 11点
発想の点では目を惹いたものの、それをドラマとして昇華させていない。
そもそもSFとか哲学のような類はそういった点がおそろかになりがちだが、
この作品も同じくドラマがない。
ドラマというか、動きがない。
それも仕方ないところなのかもしれない。物語のところでも述べたが、
この作品は無限の輝夜が邂逅するお話であり、その輝夜たちは無限の可能性を持つわけだから、
すべてのことに意味があると同時にすべてのことに意味がなくなる。
想起するのは量子の世界。
よくも悪くもすべてを破壊し、すべてを創造する世界である。
ただ最後に妹紅と例によって殺し合いをするわけだが、そこに輝夜は希望を見出しているような気もする。
なんの希望か。
死によって、ただひとりの輝夜になることだと読んだ。
つまり、作中で言われている『永遠』は単純に死なないことを指すのではなく完全性を有することであり、完全であるということは孤独であるということであるから、
妹紅と乳繰り合って孤独を癒されたい、寂しがりやの輝夜ちゃんだと考えれば、わりとわかりやすいかもしれない。
それ以外の読み方もありそうだが、難解なので多数派に対するアピールは難しいだろう。

構成 11点
あってないようなものだが、少なくとも読みにくくならないように、削りに削ったシンプルな構成である。

表現 15点
異様な設定に異様な会話。
輝夜たちが会話をかわすシーンはシンプルな構造ながらも、含みを持たせた印象を与えることに成功している。

総点 63点
印象としては、いろいろとトリッキーすぎて評価しづらいだろうなという感じがする。
ただ与えられた印象は新鮮なものがあり、短い容量なので読んでみる価値はある。

どこだか分からない場所。私は待ち続ける。

【作品集】82
【作品】蓬莱山輝夜は夢を見る
【作者】亀井氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249320242&log=82

【あらすじ】
どこだか分からない場所。私は待ち続ける。
何を? 出会いを? 終わりを? 永遠に?

【感想】
蓬莱山輝夜の違った角度からの不死性の解釈なお話。
彼女たちの会話がお話の殆どを占めているのですが、ちょっと難解。
哲学的でもあり、読み終わったあと考え込んでしまうかも。
こういう見方もあったのか、と発見させられるお話でした。

【5段階評価】
文章★★☆☆☆
構成★★★★☆
私達★★★★☆
総合評価★★★☆☆

ドキッ! 少女だらけの怖い話大会!  らすぼす さん

【作品集】82
【タイトル】ドキッ! 少女だらけの怖い話大会!
【作者】らすぼす さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1249327050&log=82
【あらすじ】
 丑三つ時の博麗神社。
 いつもは宴会で騒がしいその場所も、今夜は全く違う雰囲気を纏っていた。
 頼りない蝋燭の明かりが照らす本殿の中。
 一人の少女がゆっくりと口を開いた。

「……あれは、私がまだ人里にいたころの話だ」

【感想】
 博麗神社に集まった人妖が怖い話をして涼しくなろうというお話。
 怪談話ということで夏らしくていいですね。
 ですが本作のメインは怖さではありません(そもそもきちんと怖い話をする人がいません)
 話を聞いているときの周りの人物の反応がとことん可愛いのです。
 本作の見所はまさにそこにあるでしょう。
 さてこのような企画ありきで、たくさんの登場人物のテーマにあったエピソードを作るSSですと、どうしても個々の印象が弱くなるのが欠点です。
 本作もその例には漏れません。
 百物語ですと最後に本当に怖いことが起こるのが定番ですので、ラストに背筋が寒くなるようなオチがあるとよかったかなと思います。

【五段階評価】
★★★☆☆(萃香がかわいいかわいいです)