作品集91

Last-modified: 2011-05-29 (日) 19:39:15
魔法を愛する全ての人へ  はるか氏
私はこのSSに込められた魂に胸を打たれました。

【作品集】91
【タイトル】魔法を愛する全ての人へ
【書いた人】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257532768&log=91
【あらすじ】
魔理沙が書いた二冊目の自筆魔導書「The Grimoire of Marisa Ⅱ」
完成したその本の感想をパチュリーに求めた魔理沙だが、拙い構成を次々に酷評されてしまい……
【感想】
気持ちだけは一人前な魔理沙・厳しい採点をするパチュリー・魔理沙を励ます紫の三人が描く一夜の出来事を綴った作品です。
純粋に文章だけでレヴューをするならば、魔理沙とパチュリーの魔法に対する思いや紫の優しさを描いた作品とも言えるでしょう。

しかし、作中パチュリーの思考を書き換えた後書きを読んだ瞬間、このSSの別の側面が見えた気がしました。
魔理沙やパチュリーの魔法に対する思いは、東方ファンが東方Projectに対して抱いている思いと同じ種類の感情なのではないか。
魔理沙が綴った本とは、ファンが湧き上がる気持ちを形にした東方の二次創作作品の暗喩なのではないか
最後にパチュリーが魔理沙と同じく本を書き始めたのは、「自分も東方が好きだから、この気持ちで何かを作りたい」と願う気持ちを表現しているのではないか。
そんな気が、したのです。

 貴女が師と仰ぐ存在、何時か追いつきたいと願う存在、あるいは……適わないと感じている存在。
 皆、その領域に達するまでは苦難と困難、試練の連続だったのよ。そして、それらを乗り越えた時、その努力に相応しいだけの力を得る。
 貴女も頑張ってみなさい。魔法を、心から愛しているのなら。

作中で紫が魔理沙に語ったこのセリフには、魔理沙だけでなく本作を読んだ創作家・創作をしたいと思うけど自信が無い人へのメッセージが込められているのではないかと感じました。
人気作家だったり、有名絵師だったり、あるいは神主その人だったり。彼等は皆、何かしらの努力と苦労の末に素晴しい作品を創作する力を得る事が出来た。
一度や二度の失敗でめげたりせずに、東方に対する愛情を糧にして頑張ってみなさい。
そんな言葉を、紫が読者へと語りかけている様に思えたのです。

最後に、八雲家で紫が語るシーンにもメッセージが感じられました。

どんなに頑張っても努力が報われず、認められない事もある。
それはきっと残酷な事なのでしょう。でも、ファンはあなたの成長を望まずにはいられません。
それでもきっと、どこかに居るあなたのファンはあなたの素晴しい作品を待ち望んでいます。
あなたの魂と愛が込められた、素晴しい作品を。
そんな、隙間妖怪からのメッセージが。

【五段階評価】
★★★★☆(私はこのSSに込められた魂に胸を打たれました。後書きの脱字が惜しい)

一度でも物語を書くということを志したものならば共感できること請け合いです。

【作品集】91
【作品】魔法を愛する全ての人へ
【作者】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257347696&log=91

【あらすじ】
魔理沙は自信作、『The Grimoire of Marisa Ⅱ』を携えてパチュリーの元を訪れた。

【感想】
ベタベタな展開。よくある勘違い。
しかしながら、これでもかと愛情を込めた作品。
一度でも物語を書くということを志したものならば共感できること請け合いです。
誤字が多いのがほんとうに惜しい。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
愛情★★★★☆
総合評価★★★★☆

サウスダコタ的思考法  蛸擬氏

【作品集】91
【作品】サウスダコタ的思考法
【作者】蛸擬氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257586913&log=91

【あらすじ】
堕落の一途をたどる命蓮寺。星の怒髪天を突いた。

【感想】
真面目な星が命蓮寺の面々に説教しながら歩くお話です。
一途な真面目さが健気とも言えます。
そしてお約束のオチ。ナズーリンが一番美味しい役目かも知れず。
楽しく読めるお話でした。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
怒り星星星☆☆
総合評価★★★☆☆

紅美鈴は夜眠る  春野岬氏

【作品集】91
【作品】紅美鈴は夜眠る
【作者】春野岬氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257609688&log=91

【あらすじ】
紅美鈴は今日も門の前に立ち続ける。

【感想】
美鈴の仕事っぷりの、一風景を切り取ったかのようなお話。
のんびりした美鈴となんだかんだ言って優しい咲夜さんがほほえましいです。
短編なのでサックリ読めます。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
職務★★☆☆☆
総合評価★★★☆☆

幸せの黄色い弾幕  はるか氏

【作品集】91
【作品】幸せの黄色い弾幕
【作者】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257787306&log=91

【あらすじ】
村紗。船長としての面子を守るの巻。

【感想】
ちょっと、というかかなり下のお話。
頑張るキャプテンを応援してあげましょう。
あの物干し竿に黄色い弾幕が掛かっていたら……。
もちろん揺らしてはいけません。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
緊迫感★★★★★
総合評価★★★★☆

月の勇者  D・D 氏

【作品集】91
【作品】月の勇者
【作者】D・D 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257571761&log=91

【あらすじ】
月の勇者レイセンの物語。

【感想】
子供の頃こんな話を聞いたことがあるなぁ、そんな懐古感に浸ることのできる作品。
童話調で雰囲気が良い。しずかな、落ち着いた時間に読んで、少し心を安らげるのにいいかもしれない。

【五段階評価】
★★★☆☆

おいでませ命蓮寺!  renifiru氏

【作品集】91
【作品】おいでませ命蓮寺!
【作者】renifiru氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257951430&log=91

【あらすじ】
大掃除をしましょう!

【感想】
命蓮寺の大掃除をします。どちらかというとほのぼのとしたお話です。
一組一組のシーンが少ないのがちょっと物足りない感じ。
しかしながら氏の雲山は相変わらずでした。
ほんのりにやりとするお話でした。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
団欒★★★☆☆
総合評価★★★☆☆

秋は短し食せよ乙女  えび氏

【作品集】91
【作品】秋は短し食せよ乙女
【作者】えび氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258031621&log=91

【あらすじ】
一つの問題と秋刀魚と乙女。

【感想】
秘封倶楽部の日常を描いたお話。
蓮子が少しばかり文系よりの思考をしています。
2人の様子を眺めながら秋の夜更けに読書をしたくなる。
そんなお話。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★★☆
夢野★★★☆☆
総合評価★★★☆☆

幻想郷最速対決  百ノ夢氏

【作品集】91
【作品】幻想郷最速対決
【作者】百ノ夢氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258032698&log=91

【あらすじ】
幻想郷最速。その自信を粉砕するのは超人だった。

【感想】
いつか誰かがやると思っていたネタ。
文と白蓮の最速対決です。
間違った方向への修行が面白かったです。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
特訓★★★☆☆
総合評価★★★☆☆

日溜まりの下、巫女二人  renifiru さん

【作品集】91
【作品】日溜まりの下、巫女二人
【作者】renifiru さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258186780&log=91

物語 14点
れいさなの髪切りもの。
髪を切るという行為は信頼関係を必要とするから、行為が関係を表現していてよかった。

キャラクター 14点
甘いな。ただ甘いだけのキャラクターもまた良し。それにしても早苗のポジションは汎用性がきく。
現代入りキャラと代替性を有するから、けっこう万能だ。

ストーリー 12点
まあ、前記のように髪を切るというのがメインテーマなんで、内容は無いよう。

構成 13点
特に無理をしていないので、これで良いと思われる。
ストーリーの充実にみあう構成。

表現 12点
短文で抑え目に書いてある印象。
読みやすいが、消化も早いので読み応えには少々欠ける。
ただ、本作品では内容の充実はあまり意味がないところであるから、この表現形態でよかった。

総点 65点
ひとまず甘い。
物語的な意味での複雑さがないので、展開を予測したりする必要はない。
可読性もいいといえる。
休憩する感じで読める。

中秋  蒲公英コーヒー さん

【作品集】91
【作品】中秋
【作者】蒲公英コーヒー さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258159842&log=91

物語 15点
村人とタグにあるが基本的な精神は武士っぽいオリキャラ。
剣に飽きたんでちょっと死んでみます。→あれよあれよという間に幻想郷ツアー。
欠けたものをゲットするという話は、王道だと思われる。
最終目標がはっきりと定まっているので安心感がある。

キャラクター 16点
オリキャラだが、その語り口は特殊性を出しておりおもしろい。
妖怪たちとの掛け合いや立会いも魅力的に書けている。

ストーリー 13点
目的がはっきりとしているし、徐々に転進していく様子は一種の冒険小説のような感覚があってよい。
最初と最後が因果としてのつながりがはっきりわかるが、中間地点までは流されている感じがあるので意味が薄れていると言えるかもしれない。
しかし、余白として必要な部分だったのかもしれない。

構成 13点
冒頭のショッキングな始まり方はよく、最後の終わり方もよい。
中間部分が中だるみしているように思えて、そこを余白と捉えることができるかが問題。
そもそも旅には時間が必要なものなので、読者が登場人物に感情移入をするためには、単純に分量が必要である。
なぜなら、読む時間がそのまま登場人物の時間と同調されるから。
そうすると、中間地点の紆余曲折も、一概に中だるみだともいえないところがあるような気もする。

表現 14点
主人公のキャラクターをうまくあらわしているおもしろい文章。
丁寧に書かれてあるのがわかる。
やや時代がかっているが、読みにくくはない。

総点 71点
印象としては、創想話としては珍しくオリキャラの毒味をうまく消化している作品だと思う。
できるだけ作者が我を抑えて書いているのがわかり、そこは好ましい。
ただいかんせん、登場人物を多くしすぎて、物語的に、中盤で拡散と流動が多すぎ、因果の流れが曖昧になっているのが惜しいといえば惜しいところ。
中だるみっていうほどでもないのだが、なにをしているのか曖昧になった部分があるわけである。
ただ、最終的な結論は冒頭からの問題提起に対してきっちりと答えをだしているので、その点は腑に落ちた。

いつもと違うこと  にあ さん

【作品集】91
【作品】いつもと違うこと
【作者】にあ さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258213448&log=91

物語 14点
だ ま さ れ た!
というより、勝手に読者が勘違いしただけである。
チルノが霊夢の何気ないひとことで、『嬉しい悪戯』をする話。

キャラクター 14点
思わずニヤついてしまうほのぼのな感覚。
チルノが幼女的な意味でかわいい。

ストーリー 12点
キャラごとに同一の悪戯をしかける感じなので、内容的には何があるというわけではない。
ただほのぼの系として破壊力はあり。

構成 13点
反応を楽しむ系なのだろう。構成としてはキャラごとに振り分けるかたちになっており、ひねりがあるわけではない。
ただ読みやすいかたちとも言える。

表現 13点
ほのぼのに特化。

総点 66点
タイトルが地味すぎて読まれてない印象。
チルノのかわいい様子があますところなく表現されている良作なのに、もったいない気がした。
SSはタイトルが9割。

しんこうこわい  はるか氏
早苗を驚かせたい小傘が落語を見たいと願う諏訪子に入れ知恵をされる話。

【作品集】91
【作品】しんこうこわい
【作者】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258236121&log=91
早苗を驚かせたい小傘が落語を見たいと願う諏訪子に入れ知恵をされる話。
展開はシンプルで、文章も短め。大体5分もあればさくっと読める分量。
後書きからすると、とにかく小傘を可愛く書こうとしているのかな? 舌ったらずに驚かせようとする小傘は確かに可愛いです。
個人的には、物語に盛り上がりがもう1つくらい欲しかったかもしれない。信仰集めが上手く行かず、悪戦苦闘する小傘とかも可愛いと思う。
最後の諏訪子の台詞だけを別段落に区切っているのは、含みがあって「成程なあ」と思わされました。ケロちゃんは落語が見たかったんだ。
★★★☆☆ + ★半分

上手い、というのが第一印象。

【作品集】91
【作品】しんこうこわい
【作者】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258236121&log=91

【あらすじ】
違ったアプローチからの試行錯誤。

【感想】
上手い、というのが第一印象。
そして小傘可愛い可愛いよ小傘。
誰もが思いつきそうなことを見事に調理しております。
小傘の可愛さと諏訪子様の腹黒さを堪能しましょう。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
悪戯★★★★★
総合評価★★★★☆

祟り神の掌の上で踊る風祝と唐傘少女を見てニヤニヤしましょう。

【作品集】91
【作品】しんこうこわい
【作者】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258236121&log=91

物語 15点
タグにもある通り、小傘と早苗による「こがさな」なラブコメ。
祟り神の掌の上で踊る風祝と唐傘少女を見てニヤニヤしましょう。

キャラクター 13点
小傘が「おどろけー!」の台詞を噛んでしまうシーンは一発ネタなら可愛いんだろうけど、何発もされると少しうんざり&くどい。
その他、小傘が単純アホの子過ぎる&諏訪子の思惑通りに何もかもが進んでいる&最後に唐突に結婚宣言……など、「キャラが尺の都合に合わせて台詞を喋っている」印象を受けます。
でもラブコメだから可愛く書くのも大事だよね。読者をうんざりせず、自然と可愛く書くのが一番大切だと思った。

ストーリー 11点
少々ご都合主義過ぎる
風~非で守矢神社があの手この手で工夫して信仰集めをしていたのに、「小傘が宣伝したらあっさり解決しました」ってのは如何だろうか。

構成 16点
序盤に軽く出した落語の話題が終盤にも登場していて、きちんとオチが付いているので綺麗に纏まっている印象
短編SSとして、起承転結がきっちり出来ており、山場もきちんとあって読みやすかった。萌え小噺としては良い感じ。

表現 14点
最後の諏訪子の独り言(呟き?)を別段落にするのは、落語のオチが最後にポッと出るのに似ている。
作品の根底に「まんじゅうこわい」の落語があるので、そういう意味ではするべき表現がきちんと達成出来ている。
その他は良くも悪くも普通。

総点 69点
幸か不幸か色々と話題になったSS。自分のレヴューした限りでは、決して凡作ではないと思った。なんだかんだで100人以上が読了&評価しただけはある。
キャラは可愛い(少しくどいけど)、短編として綺麗にオチが付いている、文章も読みやすい……と、作品としてのデキは良い方だと思う。
どうでも良いけどこのSSは漫画向きだと思う。同人誌で24Pくらいにすれば、こがさなのラブコメとしてウケそう。
最後のページは早苗の絶叫にして、ケロちゃんの呟きは奥付の隅っことかにこっそり書いておくとどうかな。

山の神社に驚かしに来た小傘ちゃんはケロちゃんの策略により信仰獲得要因として働くことに。

【作品集】91
【タイトル】しんこうこわい
【書いた人】はるか 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258236121&log=91
【あらすじ&感想】
山の神社に驚かしに来た小傘ちゃんはケロちゃんの策略により信仰獲得要因として働くことに。小傘のことを
気に入った諏訪子さまはさらにとんでもない事を…

小魚さんの連作よりは少しだけ早苗さんが小傘ちゃんにストレートじゃないです。小魚さんをストレートとするとカーブくらいの定番変化球。
著者のはるかさんはこの他何本かこがさな物を書いてらっしゃいますが、これはそのシリーズ第一弾です。
お気に召したら続きをどうぞ。
【五段階評価】★★☆☆☆

北風と雲山  フリーダム鈴木氏

【作品集】91
【作品】北風と雲山
【作者】フリーダム鈴木氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258110083&log=91

【あらすじ】
北風と雲山の力比べ。

【感想】
出オチです。いきなり吹きました。
2人とも良い性格してます。
北風氏の変態さが雲山の変態さで中和されずに効力二倍な感じです。

【5段階評価】
文章★★☆☆☆
構成★★★★☆
超人★★★★☆
総合評価★★★★

眠れる森の人形劇  おぎ@暇同 さん

【作品集】91
【作品】眠れる森の人形劇
【作者】おぎ@暇同 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258303831&log=91

物語 15点
マリアリではなくて、アリマリ。短編というよりは寸劇に近い。文庫本換算で11ページほど。
ただ、うまい具合に伝えたいことを伝えることには成功している。

キャラクター 11点
アリスじゃなくてもいいし、魔理沙じゃなくても成立する話ではあるが、
心情の明暗をうまいことあらわしている。
ただちょっと物足りない気も。少ない分量なのでわかりやすさはある。

ストーリー 12点
なにかしらの可能性を感じる。
創想話のなかではかなり特殊な感情を描写していて、そこがおもしろい。
もう少し分量があれば……。

構成 12点
催眠術かけるシーンの描写を分厚くして、魔理沙の心情をわかりやすく書き分ける必要がありそうだ。
パチュリーとのシーンは使いようはあるが、使いきれていない。

表現 12点
短い文章が多すぎてテーマをうまく描写することが必ずしもできていない側面がある。

総点 62点
印象としては、催眠術の最後の一節についてはもったいぶってもいい気がする。
アリスは気づいていないほうが、物語的には旨みが増すかも。
戦略的には成功しているものの、表現力が追いついていないところもあった。
全体としては惜しい作品。
読めば、可能性めいたものを感じるはずだ。

いつもと違うこと  にあ氏

【作品集】91
【作品】いつもと違うこと
【作者】にあ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258213448&log=91

【あらすじ】
あたいはいつもとはちょっと違う悪戯をしてみようと思う。

【感想】
チルノが紅魔館の人々に悪戯をしてまわるお話です。
内容はちょっとぼかされているけど読んでいるうちに分かります。
ほのぼのとしたいいお話。読む人が勘違いしなければ。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★☆☆☆
悪戯★★★★☆
総合評価★★★☆☆

教授限定フルーツジュース事件  url氏

url氏 『教授限定フルーツジュース事件』★★★★★
夢見とちゆりは買出しの帰り道にケーキ店に寄るのだが、そこでは合成ものではない天然のフルーツジュースが販売されていて……という話。
読み始めの手触りはほのぼのとした恋愛話だったが、後半からはミステリーとなっている。
しかし、ミステリーをモチーフとしているのではなく、あくまでストーリーの一要素として盛り込んでいるので、謎解きの気分も味わえる日常談話という印象。言い換えれば、ほのぼのとした雰囲気もキャラクターの魅力もミステリーの風味も楽しめる贅沢な物語。
また、ケーキ店の名前やその店の店員たちなどのおまけ的要素も面白い。細かい部分にまで気を配っているように思える。
謎の出題と解決のシーンはそれぞれ、まとめられて書き込まれている。
読みがたいと感じる人もいるように思える形式だが、クイズのようにその部分にだけ集中すればいいので、「話のあちこちにある伏線を探しながらのミステリーは面倒、だけど謎解きがしたい」という人におすすめできる。

貴方は貴方であればいい  サバトラ氏
ナズーリンと星を主軸に置いた物語。

サバトラ氏 『貴方は貴方であればいい』★★★★☆
人里で紛失物の捜索を依頼されたナズーリンはその途中で侵入した妖怪の山で天狗に見つかってしまい……という話。
ナズーリンと星を主軸に置いた物語。この二人が登場するSSの大体は、対比的に情けない上司と有能な部下として表されるものが多いが、この話ではナズーリンが被害者で、星が格好よく描かれているので新鮮味があるように感じた。
仲間のためを思うからこそ行動できる星は本当に格好いいと思える。
作中では事件が起きているが、誰も悪者らしく描かれずに終わらせているので後味は悪くない。単純な勧善懲悪ものより、こういった仲良く大団円で終わる方が幻想郷らしいと言えるのかもしれない。

星の強さが遺憾なく発揮されているお話です。

【作品集】91
【作品】貴方は貴方であればいい
【作者】サバトラ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258383499&log=91

【あらすじ】
ナズーリンの敵討ち。

【感想】
星の強さが遺憾なく発揮されているお話です。
どこかほのぼのとした、それでいて力強く結ばれている、心地よい主従関係でした。
騒動の治め方も星らしいなと思わせるお話。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
宴会★★★☆☆
総合評価★★★★☆

季節外れのハロウィン  SPII氏

SPII氏 『季節外れのハロウィン』★★★☆☆
冷え込みの厳しい夜、お菓子くれなきゃイタズラするぞと霖之助のもとを訪ねてきたのはレミリアだった……という話。
飄々とした霖之助のらしさや、レミリアの紅魔館の主としての立場などについてが上手く描けている。
ただ、王道とも言えるテーマなのだがやはり古いと思える題材であるため、オチのある話を求めてしまうと、ある程度は予想できてしまう展開が待っているのが惜しいところ。
しかし、技巧や発想を凝らした作品もいいが、こういった作者の言いたかったことがしっかりと伝わってくる熱気のある作品もまた面白く思える。
男女というより家族のような雰囲気があり、温かみのある物語が好きな人におすすめしたい。

ネズミの威を借るトラ  白々燈 さん

【作品集】91
【作品】ネズミの威を借るトラ
【作者】白々燈 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258474431&log=91

物語 14点
星ナズものの絶対正義。
過去の忸怩たる想いが根底に流れているから作品全体としてはシリアス。
しかし現代では、うっかり星という、もはや定番になりつつあるコメディ的な雰囲気も。
星の、聖封印についての心境をナズーリン視点で解き明かすという手法。
王道であるが、王道であるがゆえに巧いと思う。

キャラクター 15点
感情の負の側面と正の側面の両方をバランスをとって書いてあり、感情移入がしやすい。
ナズーリンがさばさばしており、一人称視点であるにもかかわらず、客観的な描写が多いため、
心の論理としてのわかりやすさがある。逆に言えば、感情的な側面はけっこう抑え目に書いている。
渋い作品だと言えるだろう。あまあまちゅっちゅではないのだが、かなりあったか命蓮寺。

ストーリー 13点
命蓮寺組は大なり小なり、過去に対する負い目や暗さをおっているが、
今回スポットが当てられたのは星だった。
しまっちゃうおじさんというギャグからつなげるのはうまいといえばうまいのだが、全体の雰囲気からすれば浮いている
という評価もありえるか。

構成 12点
現代がほんわりとしている雰囲気で、過去がダークであり、
そのふたつの時空のすりあわせが難しかったのだろうと思う。

表現 14点
書きなれていて無理がない文章。
ダークな部分もきっちり表現できているのは、評価できるポイント。

総点 68点
印象としては、結構無茶な接合をしているのだが、不思議とすんなり受け入れられる話。
もうワンパンチあれば、ナズ星の個人的な話から、なにか人間全体に敷衍できるような話に昇華できるかも。
【作者】白々燈 さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258474431&log=91

物語 14点
星ナズものの絶対正義。
過去の忸怩たる想いが根底に流れているから作品全体としてはシリアス。
しかし現代では、うっかり星という、もはや定番になりつつあるコメディ的な雰囲気も。
星の、聖封印についての心境をナズーリン視点で解き明かすという手法。
王道であるが、王道であるがゆえに巧いと思う。

キャラクター 15点
感情の負の側面と正の側面の両方をバランスをとって書いてあり、感情移入がしやすい。
ナズーリンがさばさばしており、一人称視点であるにもかかわらず、客観的な描写が多いため、
心の論理としてのわかりやすさがある。逆に言えば、感情的な側面はけっこう抑え目に書いている。
渋い作品だと言えるだろう。あまあまちゅっちゅではないのだが、かなりあったか命蓮寺。

ストーリー 13点
命蓮寺組は大なり小なり、過去に対する負い目や暗さをおっているが、
今回スポットが当てられたのは星だった。
しまっちゃうおじさんというギャグからつなげるのはうまいといえばうまいのだが、全体の雰囲気からすれば浮いている
という評価もありえるか。

構成 12点
現代がほんわりとしている雰囲気で、過去がダークであり、
そのふたつの時空のすりあわせが難しかったのだろうと思う。

表現 14点
書きなれていて無理がない文章。
ダークな部分もきっちり表現できているのは、評価できるポイント。

総点 68点
印象としては、結構無茶な接合をしているのだが、不思議とすんなり受け入れられる話。
もうワンパンチあれば、ナズ星の個人的な話から、なにか人間全体に敷衍できるような話に昇華できるかも。

森近霖之助の戦い  大トロマグロ さん
作者さんにはポエム形式でなく、SSの形式できちんと描写をする努力をして欲しい……と思いました

【作品集】91
【タイトル】森近霖之助の戦い
【書いた人】大トロマグロ さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258528451&log=91
【あらすじ&感想】
SSではなく、短文の連続(自由詩 あるいはポエム?)で書かれた作品
作中で起こっているシーンの描写が漠然としか行われておらず、(例えば、名詞だけで一文が終了する。主語と述語が揃っていない。同じ言葉の反復のみ……など)
読者は本作を読みながら「何が起こっているのだろうか」「どんなシーンなのだろうか」と想像して読む必要がある

一応レヴューをした自分が想像したストーリーは以下の通り

幻想郷に封印されていた"呪われし希望の龍(エスポワールドラゴン 呪われた希望→邪悪な欲望?)"の封印が解き放たれ、幻想郷に危機が訪れる。
霊夢や魔理沙、咲夜達がドラゴンに立ち向かうも、その力の差は大きく次々に倒れてしまう。
そんな中、彼女達と比べると明らかな非戦闘員である霖之助が己の無力を省みずにドラゴンに立ち向かう――だが、当然ながら勝てるワケが無い。
霖之助は己の無力に絶望しながら、少女達と同じく地に伏してしまう。
しかし、その時奇跡が起こった。ドラゴンの暴力を前に地に伏した少女達が霖之助を想う愛の力が、莫大な力(スペル?)となってドラゴンへと解き放たれたのだ。
愛と奇跡の力は"呪われし希望"の力をも圧倒し、ドラゴンをついに打ち倒すしたのだ!
再びの、平和が訪れた幻想郷。そんなある日、賢者(八雲紫)が霖之助の元を訪れた。
紫は霖之助を自分だけの恋人にしたいと告げた。けれども霖之助はそれを拒んだ。
己を想ってくれる少女達(霊夢や魔理沙達)を裏切れないからだ(ドラゴンを倒したのは、霊夢や魔理沙達の愛の力があってこそ)
やがて、霖之助は己を愛する少女達と幸せな家庭を築く。
そこには最愛の妻と愛しい子供達(オリキャラ)の姿がある。いつまでも、霖之助は彼女達を愛し、守るのだろう
――完――

キッチリ描写をすればバトルや純愛、幸せなエンディングの良いストーリーになる予感がします
作品の根幹にあるのは「愛が世界を救う」と言う、ありふれていながら壮大で、人々に感動をもたらせるテーマなのですから
しかし、自由詩形式で書かれているが為に大半の読者はシーンを脳内で想像するより早く「意味不明だコレ」と投げ出してしまう人も多いのではなかろうか と言う予感がします
作者さんにはポエム形式でなく、SSの形式できちんと描写をする努力をして欲しい……と思いました

プラス、SS形式にしたなら冒頭部に「オリキャラ(子供達)が登場する事」「ハーレム物である事」「原作に存在しない怪物が登場する事」をきちんと添えるべきだと思います
やはり、オリキャラやハーレムに嫌悪感を持つ読者も居ますからね

【五段階評価】
★★☆☆☆(心のスキマが広い、読みながらシーンを想像できる人なら読めるんじゃないかな あるいは、挿絵を添えて絵本形式にするとか)

見てはいけない物を見てしまった、そんな後悔だった。

【作品集】91
【タイトル】森近霖之助の戦い
【書いた人】大トロマグロ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258528451&log=91
【あらすじ】
幻想郷に封印された、呪われし希望の龍が解き放たれる―― 龍の名はエスポワール・ドラゴン。
その目的は分からない。森近霖之助が出来るのは愛する者を守れない悲しみに打ちひしがれることだけだった。

【感想】

かなり後悔した。

時間を無駄にしたとかそんな小さい後悔ではない。

見てはいけない物を見てしまった、そんな後悔だった。

霖之助とはこんなキャラだっただろうか。

本気を出せば龍ぐらい倒せるのだろうか。

ドラゴンバスター森近。

そもそも意味深過ぎて理解できない部分が多々あったのだが。

紫のシーンは特に理解し難かった。

ま、愛は世界と霖之助を救うことがよく分かるんじゃないかと思う。

霖之助ファンの方々はなんというか、がんばって下さい。

終わり。

魔理沙は恥ずかしい奴だな  aho さん
魔理沙は恥ずかしいやつだなという話。

【作品集】91
【作品】魔理沙は恥ずかしい奴だな
【作者】aho さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258573175&log=91

物語 16点
魔理沙は恥ずかしいやつだなという話。泥酔のために記憶がない。
そのため、恥ずかしいとはいったい何という謎で引っ張る形になる。
つまるところネタバレがあるわけであるから、あとがきやコメントから読むのはダメ。
ネタバレについてはなかなか深いが、結局のところコメント番号16に収斂するだろう。

キャラクター 17点
魔理沙の内面だけにとどまらず、登場するキャラクター全員が幻想郷のシステムではなくて、
独立して生きているのを認識させる程度の能力。
紫については、作者にとってはいつものとおりだが、かわいすぎじゃね的な違和感もあるだろう。
ババァかわいい。

ストーリー 16点
たぶんニヤニヤ系なのだろう。ネタバレがあるため説明が難しいが、
真髄はやはり謎が明らかになった瞬間にあるのかも。

構成 13点
謎が一転から二転させるのは巧いが、予想がついてしまった。
予想がついてしまうと、ちと長すぎる気がする。
世界観としての時間の流れを表現するには必要だったとも思えるが。

表現 15点
読みやすく読み疲れない。奇をてらわず、その筆致は正道を往く。

総点 77点
印象としては、キャラクターのパワーがやはり強い。
発想としては、日常的な小さな話である。
また、系統を定めるのが難しく、いわゆるほのぼのという曖昧模糊としたジャンルに包摂されるのかもしれない。
楽しみ方としては、キャラクターの会話や行動を眺めて、ほっこりすることにある。
『時には昔の話を』のようなダイナミックな展開や、大きな欠落・喪失がないので、その点は不満でもあるのだが、
作品自体の属性からすると、それもいたしかたないところであり、安心のahoクオリティといったところか。

いやコレ読むといかにaho氏がすげぇかわかる。

aho氏の「魔理沙は恥ずかしい奴だな」は今更紹介する必要がない傑作
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258573175&log=91

いやコレ読むといかにaho氏がすげぇかわかる。百合作品でもちゃんと物語に面白くさせるための装置があるもの
理沙が昨日のことをゆっくり思い出してゆくという物語のゲーム性がこの作品のキモだと考える。もちろんオチも素敵
aho氏の作品は読むと「ほほぉ、こういう技術を使うか」と感心してしまってイマイチ集中できないけどこれはちゃんと没入できた

虹の翼  岩山更夜氏

【作品集】91
【作品】虹の翼
【作者】岩山更夜氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258551435&log=91

【あらすじ】
非番の美鈴の目の前にフランドールが現れた。

【感想】
雨が題材のほのぼのしたお話。
美鈴が好きなものがすぐに想像できます。
故に雰囲気を味わうのが吉。
多分語感的な問題なのだろうけどフランドールの表記ゆれがほんの少し気になりました。
止まない雨は無いのです。けれども雨の降る日は、それはそれでいいものです。

【5段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★☆☆
七色★★★★☆
総合評価★★★★☆

幸福のかたち  まりまりさ氏

【作品集】91
【作品】幸福のかたち
【作者】まりまりさ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258644983&log=92

【あらすじ】
子供ができたんだ。

【感想】
2人の魔法使いの短編。
些細な違和感は読みすすめているうちに払拭できます。
すべては最後のセリフのための伏線とも取れるようなお話。

【5段階評価】
文章★★★☆☆
構成★★★☆☆
子供★★★★☆
総合評価★★★☆☆

あなたと私の位置関係  芽八 さん

【作品集】91
【タイトル】あなたと私の位置関係
【作者】芽八 さん
【本文容量】41KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257823052&log=91
【あらすじ】
冷たい雨が降りしきる裏道。
さとりはそこで一匹の子猫に出会う。
子猫にリンと名付け、可愛がるさとり。
覚りの能力が言葉を持たぬ動物達の役に立つことに気が付いたさとりは、様々な動物をペットにする。
成長したリンは後輩ペットの面倒をよく見ていたが、次第にさとりと過ごす時間が少なくなってしまう。
少しずつ変化するリンと自分の関係に、さとりは一抹の不安を覚えていた。

【感想】
丁寧な文章で描写されているなと感じました。
物語を通して重要な意味を持つ数字『9.4』
それになぞらえた章立てで、少しずつ心が離れていく様子が伝わってきました。
この距離は相手が離れて生まれるのではなく、自分から離れて生まれるのかもしれませんね。
対人関係で悩んだとき、一歩踏み出す勇気がもらえるようなお話でした。

【ひとことふたこと】
まずは誤字、『燐は私の服を掴んだまま話してくれない』

描写が丁寧なのはよいのですが、少し首を傾げる表現があったように思います。
例:上へ下への大騒ぎ

それに加え、同じ言葉の連続が気になります。
例:完全に二人の世界に浸っていたものだから完全に不意打ちだ。

ストーリーについては、心が離れていき、再び近づくまでの展開が急に感じます。
この物語の見せ場だと思うので、力を入れるべきポイントだと思います。

【五段階評価】
★★★★☆

早苗さんのブラジャー  leyce氏

【作品集】91
【タイトル】早苗さんのブラジャー
【書いた人】leyce氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258158218&log=91
【あらすじ&感想】
早苗は可愛いブラジャーを売っている店を教えてもらおうと、霊夢に会いに来た。

文章としては、全体的に描写不足で粗が目立ちます。
でも、霊夢が可愛い。

【五段階評価】
★★★☆☆

ray of change  ロディー 氏

【作品集】91
【タイトル】ray of change
【書いた人】ロディー 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258126976&log=91

【あらすじ】
ある日、霊夢の口から告げられた「ある事実」。
それを聞いた萃香のとった行動とは・・・

【感想】
まず、作品の核の一つになっている鬼の在り方についての解釈が秀逸。
なぜ鬼は人を襲い人に退治されるのか、そしてそれを超えた幻想郷での人と鬼の関係。どちらもとても胸にくるものがある。
また、回想やニ場面の同時並行など場面の切り替えが非常に効果的で、引き込まれたまま一気に読んでしまった。
そして、扱う内容はわりと重めなのにもかかわらず読後感の爽やかさは極上。異変が起きても最後は笑って宴会で締められる、そんな東方の王道をいく物語。
「読み終えて笑っているような話を目指した」という作者さんの後書きでの言葉通りの作品だと思う。

注意点があるとすれば、寿命ネタなのでそういうのがダメな人にはむりにはお勧めできない。
あと会話の続く場面で誰のセリフか見失うことがあった。が読み返せばわかる程度なので普通に読解力があれば問題ないはず。

【五段階評価】
★★★★★

大と並の境2  アクアリウム氏

【作品集】91
【タイトル】大と並の境2
【書いた人】アクアリウム氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258537417&log=91
【あらすじ】
文、阿求、慧音、妹紅。集まった四人は大妖怪をどう分類したものか思い悩む。

【感想】
幻想郷縁起の改編をテーマにした長編の二話目。
やっぱり文章がぎこちないけれど、少しずつ話が進むにつれて先が気になっていく。
それは多分、テーマによる所も大きいのだろうけれど。1話目を読んで少しでも気になったら、触りだけでも読んでみれば良い。

もう一つの風神録 -上巻- (上中下巻構成)  詩所氏

【作品集】91・96・110
【タイトル】もう一つの風神録 -上巻- (上中下巻構成)
【書いた人】詩所氏
【容量】約382kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1257688774&log=91
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263207457&log=96
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272116986&log=110
【あらすじ&感想】
諏訪子ゆかりの地、信濃の諏訪を戦国時代主に支配していた武田家と諏訪子がメインの話。
時代に飲み込まれそうな一人の男を救った諏訪子、そして彼を取り立てた武田晴信(後に信玄)。
その男の名を春日虎綱という。後に高坂昌信として名を知られる男である。
この話は主に高坂昌信視点が多い。

武田家は川中島を巡って上杉家と幾度と無く激戦を繰り広げ、その4回目となる合戦である今回、
軍師である山本勘助考案の啄木鳥の作戦を実行したがそれを看破した上杉軍は妻女山の本陣を引き払っていた。
一刻も早く合流したい別働隊隊長の虎綱であったがそこには死を全く恐れない兵と死を操る程度の能力を持った亡霊が待ち構えていて――
(以上上巻)
諏訪子や亡霊との遭遇で青い髪の天人や鴉天狗もちょっかいを出してくるようになった高坂昌信。
領土拡大を目指すその武田家は北進を停止し少ない攻め先を絞り、紆余曲折を経て今川氏真との同盟を破棄、駿河へ侵攻する。
上洛を果たし、比叡山焼き討ちなど攻める理由を見つけ織田家との同盟も破棄、その同盟国の徳川と遠江で衝突。(三方ヶ原の合戦)
病を患う信玄の寿命も迫り来る。そしてこの戦国を眺める紫と文。
(以上中巻)
包囲網も瓦解し肥大化する織田家。武田家は遠江を手中に収め、徳川家をさらに叩くべく長篠城を攻めていた。
西の手が空いた織田は大軍と新兵器・鉄砲3000丁を携え援軍に来る。
織田の拡大を決定付けた合戦・長篠。その酷な顛末を予感した諏訪子と合戦に参加できなかった高坂昌信の想い。
何故雨降りしきる設楽ヶ原で織田は鉄砲を有効に使えたのか、ちらつく火の鳥少女の影。
(以上下巻)

大作です。そして東方分が薄いことも否めません。さらに挙げるとコメでもあったように歴史に詳しくないと
何で上杉と家臣は言っているのに信玄は長尾と呼び続けているのか等理解し難い部分もあると思われます
がそれを別にして物語に圧倒されます。このように雄大な話を纏め上げられるのは素晴らしいです。
武田の最大版図を築き、最終的に滅亡に追い込まれた勝頼を見た諏訪子はどう思うのでしょうか。
★★★★☆(流石に歴史好きでないと読み切るにはきつい物があると思いますが確実に薦められるでしょう)

メイフラゎー契約  ら氏

【作品集】91
【タイトル】メイフラゎー契約
【書いた人】ら氏
【容量】約91kb 
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1258544371&log=91
【あらすじ&感想】
漫画の儚月抄のパーティ時、寒い外で一人寂しく警備に励む美鈴。
そこに同じく除け者となっていたフランドールが遊びに来て言うには、レミリアやパチュリーが月へ行くようだが
自分の知らないうちに咲夜や美鈴もどこかへ行ってしまうのではないか ということだった。
美鈴はフランドールのずっと一緒にいるよねという問いに対しもちろんですと肯定する。
翌日フランドールは結婚することを昨夜の発言をもととして迫る。
フランドールは吸血鬼、悪魔である。即ちこれは解除不能の悪魔の契約であって…

美鈴はこの後契約をどうにかしようと奮闘、奔走しますが…
長いギャグ作品は結構少ないのではないのでしょうか。無論長ければ長いほどネタの引き出しが必要となるので
余程笑わせ続けないと好評価は得られないでしょう。
そしてこの作品は得点5000点以上・レート12.35の評価を得ていますが、ギャグを書き慣れた作者の技量と
上手く挿入されたシリアスシーンにより読むと幸せになれる事でしょう。
ニヤニヤしつつのめりこんで読めるという素晴らしき作品。
★★★★★(どんな顔をして読んだのか覚えておきたかった)