作品集96

Last-modified: 2013-08-23 (金) 03:07:41
剣のチェス  夜(伽)景氏
カリスマお嬢様。

【作品集】96
【タイトル】剣のチェス
【書いた人】夜(伽)景氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262612210&log=96
【あらすじ&感想】
妖夢と咲夜が武器を持っての立会いをしていた。

カリスマお嬢様。
格好いいレミリアを書きたかったという氏のあとがきどおりに、格好いいレミリアに仕上がっています。

【五段階評価】
★★★★☆

――また、お嬢様の悪い癖が始まったわね。

夜(伽)景氏 『剣のチェス』★★★☆☆

「いや、二人の勝負を見ていたら、久しぶりに身体を動かしたくなってね。妖夢。剣の相手に不自由しているんだろう? どうだい。私と、交えてみないかい?」
 咲夜が、主の言葉を聞き、“はぁ”と溜息を一つつく。
――また、お嬢様の悪い癖が始まったわね。
(本文抜粋)

剣だけで戦ってやるというレミリアと勝負することになった妖夢は……という話。
タイトルや冒頭からもわかるようにバトル一色。ただ、弾幕のない純粋な戦いを描いた作品でバトルものとして新鮮味があった。また、戦闘時の心理的な駆け引きもしっかり楽しめる。
括弧表記でルビを書いていて、いかにもライトノベルらしい。そして、その雰囲気がバトルものであるこの話によくあっていると思う。おそらくは作者もそのように意図して書いていると思うが、登場人物の言い回しなどに少しあざとさを感じた。素材がライトノベルによく映えるのだから、これぐらいわざとらしく突き抜けて書いたほうがいいのかもしれないが。
はじめからおわりまでほぼ戦闘シーンで、展開が一直線であるために話全体がこじんまりとしている。物語を期待している人には物足りなく感じるかもしれない。
反面、格好いいレミリアというテーマを見事に書ききっているので、レミリアが好きな人には特におすすめ。当然、バトルものが好きな人にもおすすめできる。

終始剣劇に重点を置いたSS。

【作品集】96

【タイトル】剣のチェス   【書いた人】早苗月翡翠氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/96/1262612210
【あらすじ&感想】
剣の稽古の為、咲夜と剣闘を繰り広げた妖夢。
悪魔の犬から勝利を得るも、次は悪魔と剣を交える事に。

終始剣劇に重点を置いたSS。
純粋なバトル物とは違った、戦闘を魅せる為の地文が気持ちいい。
ただ武器を振り回すだけの描写ではなく、二人の得物についての知識を織り交ぜて表現した文章は想像しやすく良かったが、
少しメインとなるシーンに物足りなさを感じた。
物語の雰囲気上、不必要な漢字が多く誤字も見受けられたものの、キャラクター物としても剣劇としても面白く読みやすい。

【五段階評価】
★★★★☆

ビブリオマニアクス  沙月氏
香霖堂から大量の本を預かり、ご機嫌なパチュリー。

【作品集】96
【タイトル】ビブリオマニアクス
【書いた人】沙月氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262700064&log=96
【あらすじ】
香霖堂から大量の本を預かり、ご機嫌なパチュリー。
しかし、その中には彼女を持ってしても正体の分からない本が含まれていた。
果たして、その本に記されたものとは。
まだ見ぬその内容を解読するため、パチュリーの挑戦が始まった。

【感想】
本のことになると、途端にパッチェさんはアクティブモードに切り替わります。
踊ります。煮ます。即身仏にだってなります。
そんなパッチェさんの姿を見ていると「この人本当に本が好きなんだなあ」と何故だか和めます。
短くて読みやすいので、この「本」の正体が気になった方は是非。

とにかく、本の虫であるパチュリーの演出が見事。

沙月氏 『ビブリオマニアクス』★★★☆☆
門番兼力仕事担当の紅美鈴がそろそろ戻ってくる。興奮してどうにかなってしまいそうだ。気がつけば注いだ紅茶がダバダバと音を立ててカップから溢れていた。服は当然紅茶でびっしょり、うふふ、これじゃ私もスカーレットね。
(本文抜粋)

ある一冊の本の正体を探るために奔走するパチュリーを描いた話。
とにかく、本の虫であるパチュリーの演出が見事。
身内や親友を躊躇なく犠牲にする様子が実にリアル。ある意味原作らしいともいえる。
一方、精神的にもろい慧音や天然外道の早苗などほかの人物は適度に崩されて登場しているが、これがまた妙にしっくりくる。
しかし、伏線なども用意されているが話自体の面白みはあまりないように思えた。テーマがそこまで膨らむものではないので仕方ないが、キャラクターがよく描かれているだけに素材の物足りなさが目立つ結果になってしまった。
キャラクターの魅力が持ち味なので、雰囲気を味わえればそれでいいものなのかもしれない。

あいきゃんふらいっ  ふじいつき(岩山更夜)氏

【作品集】96
【タイトル】あいきゃんふらいっ
【書いた人】ふじいつき(岩山更夜)氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262658897&log=96
【あらすじ&感想】
「きっと空も飛べるはず」と蓮子は言った。

秘封の年越しもの。
さらっと読める短編です。二人が楽しそうでなにより。
飲んでバカやる、そんなお話。

【五段階評価】
★★★★☆

霊夢が何でもお願いをきいてくれるようです ~ねえ霊夢、○いて~  パレット氏

【作品集】96
【タイトル】霊夢が何でもお願いをきいてくれるようです ~ねえ霊夢、○いて~
【書いた人】パレット氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262678686&log=96
【あらすじ&感想】
みんなの言うことを一つ一つ聞くことになった霊夢。その霊夢にみな順番に命令していく。

短編ゆかれいむ。するする読めてすとんとオチます。
軽く読める甘めの作品です。

【五段階評価】
★★★★☆

グレイテスト・トレジャー!  Azi さん
ひょんなことから、古びた地図を手にいれた魔理沙。

【作品集】96
【タイトル】グレイテスト・トレジャー!
【作者】Azi さん
【本文容量】65.8KB
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262621398&log=96
【あらすじ】
 ひょんなことから、古びた地図を手にいれた魔理沙。
 地図に付けられた印の場所を探す途中、ダウザーのナズーリンと出会い協力することに。
 そして二人は妖しげな遺跡に辿り着く。
 待ち受ける数々の罠。降りかかる様々な困難。
 二人はグレイテスト・トレジャーをその手に掴むことができるのか!

【感想】
 某考古学教授の冒険を彷彿とさせるダンジョンで、次はどんなトラップがあるのかとワクワクしましたっ。
 魔理沙とナズーリンの掛け合いもよかったです。二人はいいコンビですね。
 この作品を読んで、次回作では魔理沙のサポートキャラにナズーリンが加わるといいなと思いました。

【ひとことふたこと】
 意識的に行っているのだと思いますが、文の途中に改行があることが気になりました。
 ダンジョンはもう少し色々あってもよかったと思います。例えば謎解き要素があると、二人の会話の幅がもっと広がったかなと思います。

【五段階評価】
文章★★★★☆
構成★★★★☆
ナズ×マリ★★★★★
総合評価★★★★☆

インディージョーンズなんかの展開が好きな人は是非読んで欲しい。

【作品集】96
【タイトル】グレイテスト・トレジャー!
【書いた人】Azi氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262621398&log=96

【あらすじ】
ある日魔理沙の家の前に出所不明の宝の地図が届けられる。
真偽を確かめようと魔理沙は地図の場所に赴くのだが。

【感想】
メインは魔理沙とナズーリン。あんまり意識した事無かったが蒐集家と探し物の専門家ってのは相性抜群だな。
話の発端、探索、オチと展開はすっきりしており、メインの探索部分も躍動感あふれてて良い感じ。
インディージョーンズなんかの展開が好きな人は是非読んで欲しい。

案山子  TEtra11氏

TEtra11氏 『案山子』★★★☆☆
「いらっしゃい、何をお探しかな」
「畑を荒らす妖怪を追い払う道具はないか」
(本文抜粋)

妖怪の畑荒らしの対策のために香霖堂をたずねた慧音。霖之助が彼女に渡したものは……という話。
雰囲気は日常談話。ちょっとした事件の解決を描き、そのままラストにつなげるタイプ。典型的な小話なので、オチのある話を求めて読んでいけば予想通りのオチが待っている。
しかし、序盤からの丁寧な語りだしや登場人物のおかしさもあって、ありきたりという印象は受けなかった。
霊夢がとても可愛らしく、また一部の人物が実に変態らしく描かれているところがこの作品の旨みだと思う。
それぞれの場面が飛び飛びで、急ぎ足の展開である点が残念。断片を並べただけのような、味気ない文章になってしまっている。

僕には帰る場所など無い  ほんまぐろ氏
「そもそも、どうしてこんな所で魚を釣っていいるのよ」「だって、家が無くなってしまったんですもの」

ほんまぐろ氏 『僕には帰る場所など無い』★★★★★
何しているの、と聞くと、見たまんまよ、と答えた。アリスは釣りをしていた。
「何のために?」「それは魚を釣る為よ」
「何のために魚を釣るの?」「魚を釣るのは食べるためよ」
「そもそも、どうしてこんな所で魚を釣っていいるのよ」「だって、家が無くなってしまったんですもの」
(本文抜粋)

ホームレスとなったアリスの都会派サバイバル生活が始まる話。
シュールな笑劇。はじめからおわりまで、一貫してこちらを笑わせてくれた。
常識人として描かれることの多いアリスだが、この作品では実にとぼけた味わいを出している。そして、そのアリスのおかしさが話を引っ張っているように思う。つまり、非常に読みやすい。
読み進めてオチがなく終わってしまい、おかしいなと思ったら後書きにあった。勢い任せの展開だと思っていたがしっかりオチを用意しているあたり、構成にも気を配っているようだ。
また、作中の常識を投げ捨てたアリスにばかり注目しがちだが、そもそもの原因であるメディスンがアリスをたしなめるところも面白い。なんと腹黒い子だろうか!

最初から最後まで、この二人のキャラ付け一つで楽しませてくれるくらいの雰囲気作りができている作品。

【作品集】96
【タイトル】僕には帰る場所など無い
【書いた人】ほんまぐろ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262612522&log=96

【あらすじ】
 華麗なるアリメディ劇場、アウトドアアリス編。

【感想】
(以下、作品冒頭より)
『IPS細胞というので同性間でも子供が作れるらしい』と何かの本で読んだらしいアリスは、
『ならば人形間で子供が作れたって何ら不思議ではない』と言い、研究のためか自宅にひきこもった。
 そして三日後に様子を見にいくと、ひどくがっかりした様子のアリスがいる。
(以上、作品冒頭より)

 冒頭部分からしてもう独特のセンスを感じさせる作品なのですが、そのテンションのままでごりごり続いていきます。
 あえて分類しようというなら、シュールコメディということになるのでしょうか。シュールなのは主にアリスですが、しかしツッコミ役なメディスンの一人称がまた絶妙です。
 頭のネジが六、七ほんぶっとんでる……ぶっとんでるというかそもそも足りてないというか、フリーダムに自分の世界を生きている感じのアリスさんに面白みがあるのも確かですが、それとはまた別方向にずれている感じのメディスンがいるからこそ、その相乗効果でこの作品は面白くなっているように思います。
 最初から最後まで、この二人のキャラ付け一つで楽しませてくれるくらいの雰囲気作りができている作品。お勧めのコメディです。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】63/100点

ナラギリ  yuz氏

yuz氏 『ナラギリ』★★★★☆+★

「前略 森近 霖之助様 
私は貴方と対立してきましたけれど、もう絶対許しませんわ。
今度という今度は絶対に許しません。
泣いても謝っても無駄ですのよ。
さようなら、もう二度と会うことはありません。
                            八雲紫」
(本文抜粋)

ジャンルはふわふわコメディ。
霖之助の意外な魅力を書き綴ったものに、シュールさを混ぜ合わせたものだろうか。
基本的にコメディは、恋愛やシリアス、ミステリーやほのぼのといった要素よりも人を選ばないので読みやすいのだが、この作品は雰囲気が独特すぎて文面が理解しがたいという印象を受けた。
私の読解力の頼りなさもあるが、もう少しわかりやすくしてくれると読み手としてはあまり肩の力をいれずに済む。
内容について記述すると、まず、タイトルのナラギリについて考えてみるがナラギリはスリランカ仏教の象の悪魔のことを指す。しかし、このナラギリはヒンドゥー教ではガネーシャという商業の神とされている。
このナラギリが藍に置き換えられるとすれば、霖之助の見方によって藍は怨敵にも伴侶にもなるものということか。
もしくは、この話は紫と霖之助の壮大な恋愛譚なのかもしれない。
8章での記述によれば、霖之助が『何にでも首を突っ込みすぎた』らしいが、これが『誰とでも愛し合った』と読み取れば、序章からの痴話喧嘩から様子が気になり藍に化けた紫が霖之助の世話を焼こうとしている、という具合に解釈できる。
しかし、これならタグに『藍』と表記しないだろう。
そう考えるとやはり藍が霖之助の世話を焼いているうちに情がうつったとか、そういう話になるのだろうか。
雰囲気自体はどこか愉快で面白く感じられたが、もやもやとした読後感がどうしてもつきまとう。
話の真意を汲み取れれば、星5といったところ。

笑顔で!  まりまりさ氏

【作品集】96
【タイトル】 笑顔で!
【書いた人】まりまりさ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262945873&log=96
【あらすじ&感想】
人里にきた鈴仙は憂鬱だった、なぜなら大人の人間が苦手だから。

まりまりさ氏のうさぎシリーズ第三作。
てゐの大人ぶりは相変わらずです。しかし、うさぎ度が圧倒的に足りない!

【五段階評価】
うさぎ度   ★☆☆☆☆
てゐ大人度 ★★★★☆
総合評価  ★★★★☆

無言抱擁  aho氏
勇儀とさとりのそれぞれの心象が美しい作品。

【作品集】96
【タイトル】無言抱擁
【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262988185&log=96
【あらすじ&感想】
旧都の治安を護るべき立場にある勇儀。彼女は年に一度、ひと目を避けてさとりと密会をしていた。

勇儀とさとりのそれぞれの心象が美しい作品。
そして、さとりの魅力をしっかりと引き出した手腕はさすがというところでしょうか。

【五段階評価】
★★★★★

治安の落ち着いた旧都の風情にひたりながら、人目を避けてさとりに逢いにいく勇儀。

【作品集】96
【タイトル】無言抱擁  【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/96/1262988185
【あらすじ】
治安の落ち着いた旧都の風情にひたりながら、人目を避けてさとりに逢いにいく勇儀。二人には旧都の歴史にまつわる思いがあった。そして互いに対する想いも。
【感想】
地の文のみで構成され、かつ一段落の文字数が多いため、やや読みにくさを感じさせるが、文章が整っているため直に慣れる。
会話文なしなのは、二人の間にある「しゃべってはいけない」というルールに属したもので、決して奇異をてらったものではない。(敢えて前半で会話文を用いることで後半を際立たせる演出もありなのではないかとも思ったが)
マフラーとお猪口については、あれらがあったからこそ深みも増すのだろうが、「唯一の未練」と矛盾するところがあり、口づけをしようとしてやめるなどのやり方を採っても良かったのではないかと感じた。

前略、毘沙門天様  深山咲さん

【作品集】96

【タイトル】前略、毘沙門天様
【書いた人】深山咲さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263104085&log=96
【あらすじ】
ナズーリンは毘沙門天様に命じられて、勝手に『毘沙門天の代理』を名乗っている者を調査することになった。
東方星蓮船の過去話。シリアス。

【感想】
まず、文章を読んでいるとぐいぐいと惹きつけられる。読んでいて退屈することはない。
一番最初と物語の節目に現れる毘沙門天への手紙や、ナズーリンの心理描写から、
ナズーリンの心の変わっていく様が手に取るように分かる。
星が苦渋の決断を下すところは読み手の胸まできりきりとしめつける。
こんなナズーリンが最終的にどうなるんだよと心配になるがご安心。
もしかすると、毘沙門天の水晶ははじめからナズーリンに答えを出させようとしていたのかもしれない。

東方紅魔郷 ~ the Parallel of Scarlet Life.  sEtsURa氏

【作品集】96
【タイトル】東方紅魔郷 ~ the Parallel of Scarlet Life.
【書いた人】sEtsURa氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263307425&log=96
【あらすじ】

その刻《とき》の異変は、紛うことなく異常たる事変を顕《あらわ》にしていた。“辺り一面”なんてそんな陳腐《ちんぷ》な形容では推し測

れない。
――世界だ。
世界が緋色《ひいろ》の大気で包容されていた。 (引用)

 緋色の霧。その嫌悪感から逃げ出すべく博霊霊夢は空を飛ぶ。強烈な既視感を覚えながら――

「この景色を――――――――知っている!?」

 そしてその霧を抜けた時、博麗霊夢は”幻想郷”が霧に覆われて視認出来なくなっている事に気づく。
 驚く霊夢、そしてそこに現れる妖怪とは一体? 博麗霊夢の運命や如何に!?
 後は読んで確かめてね!

【感想】
 幻想郷を壊す、その汚名を被ると宣言した新鋭作家sEtsURa氏の処女作。
 紅魔異変のようにも見えて、しかし紅魔異変ではない。
 様々な謎を残して、この話は終わる。今回だけでは何とも判断しがたいが、これからの展開に大いに期待出来るような気がする。

東風谷の子として母として  いすけ 氏

【作品集】96
【タイトル】東風谷の子として母として
【書いた人】いすけ 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263470187&log=96

【あらすじ&感想】
 早苗が幻想郷に来てから三十年近くたち、今は風祝でも現人神でもなく普通の人間としておかみさんをしていた。(本文より)

 文には少し読みにくさがあったが人によっては気にならない程度。
 内容は一抹の寂しさを感じる場面もあるが、最終的には心温まる良いお話。
 落ち着いた早苗さんも大好きです。

猫と鴉と四本足  新戸氏

作品集96 猫と鴉と四本足 新戸氏
シリアスだけどギャグがスッとはいってて読みやすさ満点。
ただあっさりしすぎてるのとaho氏手負い氏に挟まれるという自分なら再投稿したくなる場所で埋もれ気味
氏の作品はどれもあっさり読めるのでコンペで重いの読んだあとにどうぞ

始まりの人形を探し出せ!  おつもつ氏

【作品集】96
【タイトル】始まりの人形を探し出せ!
【書いた人】おつもつ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263137491&log=96
【あらすじ】
「最近たるんではいませんか?」
おやつを楽しんでいた私にご主人がそう言った。思えば、これがフラグだったのかもしれない…。

【感想】
ナズーリンがアリスの人形を探し出すお話。キャラが活き活きとしていて、どんどん読んでいけます。
少女らしいナズーリンの可愛さに悶えること間違いなし。

幻想郷は九回よみがえる  名前はよみがえりませんでした 氏
ふわふわと詩的な表現が巧みで目を引きました。

題:幻想郷は九回よみがえる 著者:名前はよみがえりませんでした 氏
ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263325570&log=96
小傘ちゃんメインのお話ではありませんが、ふわふわと詩的な表現が巧みで目を引きました。
短いので一度ご賞味あれ。
★★★☆☆

幻想郷は消滅しました。

【作品集】96
【タイトル】幻想郷は九回よみがえる
【書いた人】名前はよみがえりませんでした氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263325570&log=96

【あらすじ】
 幻想郷は消滅しました。

【感想】
 廃墟ものというジャンルがあります。……もしかしたら一般的には無いかもしれませんが、このレビュー書いてる人の中には存在します。
 これの魅力というのが……少々言葉では説明しにくいのですが、まず、廃墟と言われてどんなもの、どんなことに想いを馳せるか? ここからして、それぞれ違うものです。
 人が去り、長い間誰の手も入ることなく、荒れ果て、朽ち果て、ぼろぼろになった……そんな建物自体に心を奪われたり、あるいはそんな建物にかつての人々の暮らしの残滓を見たり、自然に浸食される人工物に得も知れぬ魅力を感じたり……廃墟というのは、斯様にして、人の心の普段使われていない部分をちくちく突いてくるのです。

 ……とまあここまで言っといてなんなのですが、別にこの作品は廃墟な作品というわけではありません。でも廃墟な作品です。少なくとも私にはそう思えて仕方ない。
 何を言っているのかわからないかもしれませんが、読んでもらえたらきっと、なんとなくわかってもらえるのではないかと思います。
 幻想郷は九回よみがえる。よみがえることの前提には、なくなることがあります。
 ここにあるのは、「幻想郷は消滅しました。」に始まる、九つの異なった再生。それぞれが見る世界と、それぞれが創る再生。

 肩の力を抜いて読める、童話のようなお話とのことで。
 ふわふわした、優しい、素敵な雰囲気が染みとおってくるような、素晴らしい掌編です。ぜひともご一読あれ。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】68/100点

かみさまっ!! ~八岐大蛇編~  マンキョウ氏

【作品集】96
【タイトル】かみさまっ!! ~八岐大蛇編~
【書いた人】マンキョウ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262765942&log=96
【あらすじ】
妖怪の山に現れたヤマタノオロチ。そして諏訪子襲来。
幻想郷を巻き込んだ戦いが始まる。

【感想】
着実に中二指数が上昇しています。いいぞもっとやれ。
登場する神々のキャラ設定がよくわからないと感じたら、古事記を読んでみると良いかもしれません。
このSSのみならず、幻想郷住人の元ネタを知り、妄想する上でも読んでおいて損は無いでしょう。

『秋静葉誘拐事件』  バームクーヘン(B・G・M氏

【作品集】96
【タイトル】『秋静葉誘拐事件』
【書いた人】バームクーヘン(B・G・M氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263227425&log=96

【あらすじ】
秋の終わり。
穣子と静葉は最後の秋の品々を収穫するため、山に入って散策をしていた。
ところが、途中で静葉がいなくなってしまった! 血の付いた篭だけを残して……
秋の終わりは近い! 穣子は無事に姉を助け出すことが出来るのか!?
そして、静葉を誘拐した犯人と、その目的とは!?

【感想】
ミステリーではないですが、一応犯人は伏せておきます。
秋度が少なく、力が出ない穣子の葛藤と覚悟。それを支える雛とにとりの心情。
誘拐され、傷つきながらも、自身に出来ることを探し、実行する静葉。そして犯人とその部下。
どの登場人物も深く掘り下げられ、細かく描かれているので、感情移入しやすく、どんどん読み進められます。
終始ハラハラさせる展開が続くのも、読む手を止めさせてくれません。
ただ、展開や心理の動きに強引に感じられる部分があったり、説明臭くなってしまっている部分があるので、そこで少し引っ掛かりました。勿体ないです。
改行が多めなので、スクロールバーが長く見えるのも惜しいところですね。
お話自体はとても面白いです。秋姉妹が大活躍なので、秋姉妹好きは読まなくてはなりませんね。

【こんな人にお勧め】
秋姉妹が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★☆

白い弾幕 ~弟子と師匠と、ときどき鴉~  pys氏

【作品集】96
【タイトル】白い弾幕 ~弟子と師匠と、ときどき鴉~
【書いた人】pys氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1262623003&log=96
【あらすじ】
2010年、幻想郷は雪につつ(ry
かつてない程の大雪に見舞われた幻想郷。
人里にもその脅威は及んだが、慧音により、被害はこける人がいる程度で済んだらしい。が、雪掻きに里の人達は追われていた。
永遠亭とて例外ではない。鈴仙はその重労働により、ダウン。
そんな中、射命丸が永遠亭に雪の被害について取材しにやってきた。鈴仙は永琳のお願い(という名の命令を)され、グロッキーな状態で応対じること

に。
取材に応じる内に、射命丸が「自由に休暇を取れる権利」の話を鈴仙に持ち掛ける。
もちろん鈴仙は最初は信じなかったが、永琳の印の押された休暇を取るための条件が書かれた紙を渡され、信用せざるをえないことに。
肝心の条件。それは、

一風変わった、『安全な』弾幕勝負で勝利を納める

【感想】
そう、この作品はあつい。読むうちにあつくなってきます!
互いのチームの戦略の交差。そして激突。
鈴仙も、段々と目が軍人のそれへと変わっていき、それにつれて私も興奮で体が震えていくのを感じました。
スポーツの試合を観戦してるときと全く同じなあの感覚。とにかくあつかったです!
遊びが高じて競技となる。一度、雪合戦をスポーツとして楽しんでみたいですね。
休憩の様に挟まれるちょっとしたギャグもいい味を出してました。
ただ、少々理不尽な点があるのが残念。私はそんな、所謂胸糞悪い、という気持ちにはなりませんでしたが、コメントを見た限りはそういう人がいた

様子。
でも、私はそのあたりが逆にスポーツらしいかなぁ、とも感じました。納得のいかない判定は、どのスポーツでもある事ですしね。
何かのや競技やってた人なら、あの頃の熱い感覚が蘇るかも。
私はこの冬を熱く乗り切るには良い話だと思いました。「暖かく」、ではなく「熱く」、ですよ。

【五段階評価】
★★★★☆(私何回あついって書いたんだろ……)

紅白昔語り  日月 ハコ 氏

【作品集】96
【タイトル】紅白昔語り
【書いた人】日月 ハコ 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1263284059&log=96
【あらすじ&感想】
昔々のまだ妖怪も幽霊も人間も同じ外の世界に存在していた頃、
妖怪退治の僧と生きることに疲れた不死者は出会い師弟関係となる。
そして千年の長き時を経て、師匠と弟子は再会する。

確かに二人とも人の身で妖術を扱う共通点があるし、
こんな過去があっても良いかもしれない。
そんな事を思わせる話だった。
妹紅はきっと一歩踏み出せるだろう。

【五段階評価】
★★★☆☆(ラストの一文が好き)