鬱・グロ系レビュー

Last-modified: 2010-06-16 (水) 18:10:18

鬱系・グロ系レビュー特集です。レビュアーが折角特集してくれてるので、まとめてみました。

 
火車考・『嗚呼母上様』  nekojita氏

【作品集】110
【タイトル】火車考・『嗚呼母上様』
【作者】nekojita氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272211497&log=110
【あらすじ】
死体と会話するのが好きな火焔猫燐。
しかし、ある時全く会話ができない死体と出会う。
その噂は伝わり続け、古明地さとりが好奇心から火焔猫燐と連携することにより心象風景を見据えることとなった。
さとりは何を見るのか。

【感想・ここが面白い・私的評価】
極彩色世界の描写が旨い。
クトゥルフ好きならたまらないんじゃないかな。
それに従えばさとりの精神狂わせても良かったと思うけど、妖怪の精神が簡単にイカれてもつまらない。
ただ、これは世界観の延長上にある物の恐怖を取り扱っているようだから悪く言えば中途半端だけど、良く言えばまだわかりやすい。
ストーリーはあってないようなものだから、それが少し残念かも。
されどその奥にある物に恐怖せよ。

【五段階評価】★★★★☆(フリーゲームの涅槃とか青鬼とかが好きなら)

少如群像  俄雨氏

【作品集】第五回東方SSこんぺ
【タイトル】少如群像
【作者】俄雨氏
【URL】ttp://www10.atpages.jp/thcompe/compe06/?mode=read&key=1202674336&log=0
【あらすじ】
東風谷早苗が幻想郷に馴染めていなかった。
ある日人里で死体が発見され、それの直後に人の塊が出没するようになる。
その正体は何か。

【感想・ここが面白い・私的評価】
結末が読めた、と思ったのだけれど、それのさらに奥があった。
それだけならいい作品だったのだけれど、裏側の裏側があった。
そこで魔理沙の説教で、少し作品から乖離してしまった。
結局○○○のせいというのも少し納得が行かない、○○○の努力はなんだったんだろうかと。

誤解を恐れず言うなら、この作品の本当の魅力は安直な方法とはいえキャラクター達の心の闇を書いたことであると思う。
黒めの人間関係の中の友情は美しい。それの心の闇のお陰で、主人公勢四人のイメージが俺のイメージと一致した。それも無理やり。
裏の裏暴露までは、キャラクターが俺の主観と相過ぎててむしろ王道とすら言えるんじゃないかこれ、って思ったくらい。
そして人の塊の描写で多少吐き気。グロレベルは高め。良い事だ。

【五段階評価】★★★☆☆(ちょっと長すぎたかな)

恋闇雀  雨竜三斗氏

【作品集】111
【タイトル】恋闇雀
【作者】雨竜三斗氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272631771&log=111
【あらすじ】
ある日いつものように人を襲おうとしていたミスティアは、食事対象に歌声を綺麗と褒められる。
めったに綺麗だと褒められた事の無いミスティアは、その男に恋をしてしまう。
この恋の行方はどうなるのか?

【感想・ここが面白い・私的評価】
人と妖怪の関係とはかくあるべきであるなぁと思った。
死んだ後の人間の味の設定も、実に哀しさを増している。
ただ、色々展開が都合良すぎな感じもある。慧音先生出てきたりとか。最後とか。
でもそんなご都合主義はバッドエンドにはつきものであるとも思う。バッドエンド至上主義。
なお、グロ分はほぼ無いに等しい。

【五段階評価】★★★★☆(ストーリーは好きだけど、文章がライトで後味が良いから星4……)

九尾の狐の嫁入り  こじろー氏

【ジェネリック】63
【タイトル】九尾の狐の嫁入り    【書いた人】こじろー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1272351920&log=63
【あらすじ】
明日は藍が人間と結婚する日だ。
どうしよう。私は藍に幸せになって欲しいが、藍と離れ離れになりたくない。
【感想・ここが面白い・私的評価】
正直言うと文章は軽妙な掛け合いも含め読ませることに特化しており、読み応えはない。状況もたまにわかりにくい。展開も都合主義が混じる。
ただし、紫の心象描写はやはり相応に丁寧。必要十分な量と質だ。
紫の恋心がとてもらぶりーで、読んでも損は無いとまでは言わないが、紫が好きなら読んでみることを勧める。
同じくグロ表現はほぼ全く無い。残念。オリキャラはそこまで露骨ではないが、藍と結婚する相手の描写は果たして必要だったのだろうか……

【五段階評価】★★★☆☆(妖怪ハンターが出た時点で萎えかけたけど、最後まで読んだら★3は欲しくなった)

とある清掃員のブログ  わおん氏(他の人のレビュー)

【作品集】101
【タイトル】 とある清掃員のブログ
【書いた人】 わおん 氏
【URL】 ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1266300024&log=101

【あらすじ&感想】
タイトルに嘘偽り無く、特殊清掃員の日記。
そこには幻想郷の日常が綴られる。

まずタグに注目。グロが駄目なら素直に引き返そう。
幻想郷で起こりえる日常を描いたある意味で正当派な日常系SS。
様々な人物が絡む様々な仕事を、ヤマもオチも特に無く、淡々と描いていく。
どの日付も「ありえそう」な雰囲気が漂っているのは、作者の想像・描写力の賜物だろうか。
サブタイトルの付け方も秀逸。

【五段階評価】
★★★☆☆(まさにテンプレ通りの「積極的に薦められないが自分は楽しめたZE!」な作品)

とある清掃員のブログ  わおん氏(特集の人のレビュー)

【作品集】101
【タイトル】とある清掃員のブログ    【書いた人】 わおん氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1266300024&log=101
【あらすじ】
幻想郷の死体清掃員の日記
【感想・ここが面白い・私的評価】
幻想郷が楽園であるためにはこうでなくてはいけない、と思わせるような淡々とした一人称。
清掃のプロだけあって観察は丁寧らしくグロ描写も丁寧だが、淡々としたものに収まっている。
ただ、実在した特殊清掃員のブログをモチーフにしたらしく(タイトルからもそれは読み取れる)
ストーリー性が皆無に等しいのが悲しいところ。
例えばいつものように死体を片付けてたら生き別れた母親だったとか、そういうのを100kbに渡って
それももっとねっちょりとした文体でやらかしてくれたら感動物だったと思う。
【五段階評価】★★★★☆(ヤマオチ付けるともっと化けたかも)

懺悔  皇束篠秋氏

【作品集】51
【タイトル】懺悔    【書いた人】皇束篠秋氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1206050045&log=51
【あらすじ】
霊夢は死んだ。片目だったり、切り傷だらけだったり、不可解なまでに痛めつけられた死体。
しかし、死因の判定は自殺。どういうことだろうか?
鈴仙は教会で自らの罪を悔いる。

【感想・ここが面白い・私的評価】
短い。だが、あまりにもあっさりとした殺し愛は、妙な印象を我々に与えてくれる。
読んでいるうちに、ああ、これこそが愛しあうということなんだな、と思わせるような、そんな作品である。
個人的に霊夢鈴仙のカップリングはそもそも思いつくつかないのレベルだったので、何故この組み合わせなのかと言う疑問は残る。
まぁ確かに逃避するほど精神が幼く、しかし妖艶であることを考えると妖怪のほうがそれっぽい。
グロはまぁあるね程度。期待をして見ても興奮はできないかも

【五段階評価】★★★★☆(サクッと読めるヤンデレもの)

シャラントン  ねじ巻き式ウーパールーパー氏

【作品集】58
【タイトル】シャラントン    【書いた人】ねじ巻き式ウーパールーパー氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1218999561&log=58
【あらすじ】
メイド・夢月は、夢幻館の毎日を過ごしながら、今の主にして友人の幽香と、姉にして元主の幻月の出会いに想いを馳せる。
彼女たちは愛しあい、尊敬しあい、友となったのだ。

【感想・ここが面白い・私的評価】
夢幻館への愛がびっちり伝わって来る。
やっていることは一言で言えばただの殴り合いなのだけれど、これこそがまさに愛しあっての性交だと思いました。
そして地味に注目すべきは影の主役夢月の心境の変化。
一言で言うならツンデレ。しかし、彼女達姉妹は今まで誰とも釣り合うことが無く、それゆえに幽香へのデレっぷりがハンパない。
百合SSの教科書とすべきSSとまで思った。
グロレベルは二人の戦闘(と書いてイチャラブと読む)をねっとりたっぷり描写しているため濃厚。無理な人は読まない方が良いレベル。

【五段階評価】★★★★★(ビンッビンに愛が伝わってくる)

本当に怖いモノ  ぷぷ氏

【作品集】82
【タイトル】本当に怖いモノ    【書いた人】ぷぷ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1248623964&log=82
【あらすじ】
姉・静葉は、妹穣子の急激な信仰と体調の低下に悩んでいた。
それは守矢神社が信仰を横取りしたせいであったと考え、とうとう洩矢諏訪子の殺害と言う凶行に至る。
当然諏訪子には敵わなかったものの、諏訪子と和解することに成功。穣子もそもそも致命傷ではなかったとさ。めでたしめでたし、では終わらない。
【感想・ここが面白い・私的評価】
見所が二つある。
一つは諏訪子と静葉のやりあいと穣子のゆくさき。この作品の大筋。畏れられすぎることに嫌気が指している諏訪子の姿は感動的なまでに可愛い。
もう一つは、その先の、この作品のテーマ。
長年付き合っている静葉がその恐怖を知らないわけがないとは思うが、それでもこのSSで描かれている静葉は酷く幼いような印象を受ける。
ひょっとしたら、また、絶望に染まる静葉を見れるのではないだろうか。期待。
それにしてもいやぁ、本当に○○って怖い。
グロは一箇所のみ。ねちっこい描写じゃなく、SS上必要だからさらりと拷問している感じで、割りと大丈夫だと思う。
【五段階評価】★★★★★(この短さで二つの読みどころを用意した手腕に乾杯)

幻想郷の妖怪は…  深海魚氏

【作品集】88
【タイトル】幻想郷の妖怪は…    【書いた人】深海魚氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1254626518&log=88
【あらすじ】
阿求は、紅魔館地下図書館に求聞史紀を納めに来ていた。
そんな中、領主達やメイドによって浮き彫りにされる美鈴への待遇の酷さ。食料を長期間与えなかったりする場合もあるらしい。
やがて彼女は理性を失うだろう。空腹に耐えきれずに。妖怪としての本能が芽吹く。
【感想・ここが面白い・私的評価】
文章作法が酷い。
いじめ自体もただただ不愉快になるだけの、興奮する要素が一切ないいじめ。
だが、この作品の真価は美鈴を虐待するギャグへのアンチテーゼにあると俺は思う。
意図的なものかは知らないが、そういう意味では色々と興味深い作品だった。
ただ、霊夢元凶なのに何切れてんのという場面と、美鈴が食欲で理性を失う場面が突っ込みどころすぎた。それだけでも何とかしてくれないだろうか
【五段階評価】★☆☆☆☆(勧める気は起きないけど、嫌いではない)

アイシテル ワスレナイ  ほむら氏

【作品集】81
【タイトル】アイシテル ワスレナイ    【書いた人】ほむら氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1247938664&log=81
【あらすじ】
魔理沙が死んだ。悪友アリスは悲しみ、その悲しみを癒すように霊夢と愛しあう。
やがて霊夢は自分も魔理沙のように儚く死ぬことに恐怖し始める。そして霊夢はいなくなった。「私を信じて待っていて」という書置きを残して。
【感想・ここが面白い・私的評価】
時の残酷さを描ききった作品だと思う。
文章は微妙。リストカット辺りとか。ただ、終盤の心情描写はどう見ても霊夢じゃねーのに妙な説得力があったとは思う。
この後彼らがどうなったのかを想像する。
願わくば、頬が緩むようなハッピーエンドか、眉間が壊れそうなビターエンドか、生を諦めたくなるようなバッドエンドであって欲しい。
グロ表現は少ないものの精神的に来るタイプ。気をつけよう。
【五段階評価】★★☆☆☆(ご都合主義が多すぎて作品の完成度自体は微妙でした。だがそれがいい)

ある可能性の到達点  ghetto氏

【作品集】15
【タイトル】ある可能性の到達点    【書いた人】ghetto氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1116427842&log=15
【あらすじ】
レミリアは、毎晩のように咲夜の死の運命を覗きそのたびに嘆息していた。
ああ、咲夜は何故永遠の命を得られないのだろう。こうなったら、いっそ……
【感想・ここが面白い・私的評価】
因果応報自業自得。簡単な理由があるため、物語自体は単純明快。
だがこの作品の真の魅力はあとがきにもあるようにレミリアの可愛さ。
文章や立ち振る舞いは普通のカリスマがあるレミリアなのに、どこかヘタレさと弱さが垣間見える。
人間の十六夜咲夜に恋してしまった、弱い弱いレミリアを楽しもう。
【五段階評価】★★★☆☆(ヘタレミリア好きに捧ぐ)

パチュリーとある化物  暇人KZ氏

【作品集】39
【タイトル】パチュリーとある化物    【書いた人】暇人KZ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1177719556&log=39
【あらすじ】
パチュリーはその魔法の才能ゆえに化物として気味悪がられていた。
その事の鬱憤を晴らすように魔物を狩る日々で、彼女は湖の上にたつ館の悪魔の噂を聞く。
【感想・ここが面白い・私的評価】
鬱要素が全くねぇ。
途中でパチュリーがちょっと村人にいじめられているだけ。
最終的に彼女は村人たちを許し、レミリア(とおまけに魔理沙)と共に歩み始める。
鬱タグ外した方が良い。
鬱云々を抜かした際に魅力として語るならば、この作品はパチュリーとレミリアの出会いという使い古された題材であるわけだが
珍しくパチュリーが能動的であるため、割りと新鮮だった。俺が読んだ数少ないだけかもしれないけれど。
何にせよ、さわやかにハッピーエンド決めてくれて気分爽快ではある。
【五段階評価】★☆☆☆☆(そういうレビューじゃねえからこれ)

お姉ちゃん  大崎屋平蔵氏

【作品集】102
【タイトル】お姉ちゃん    【書いた人】大崎屋平蔵 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1267438364&log=102
【あらすじ】
私古明地さとりは、自分の体内に何かが詰まっている気がして、どうしようもなく、それを出すために自らの首を斬る。
その後ふと目覚めると、お燐とこいしが私を心配していた。
【感想・ここが面白い・私的評価】
一見退廃的に見えるが、やはり姉妹の絆は鬱くしい。
あまり鬱要素は無かったけれど。ハッピーエンドだったし。
文章は微妙。適当な一人称だが、でもそれが逆に味になっている感じもある。
ほのぼのと微鬱タグが二つならぶというわけのわからない自体になっていて笑える。
どっちを残すべきかと聞かれれば、俺は二つを消して姉妹愛というタグにすることを勧める。
話は変わるが、プチSSコンペでパルスィを絡めて姉妹愛を描いた作品があったように記憶する。
俺はアレよりこっちのほうが好きだ。幻想郷らしくて興奮するのはきっとあっちなんだろうけどなぁ。
【五段階評価】★★★☆☆(急にハッピーエンドが来たので)

二人だけの世界  杉氏

【作品集】40
【タイトル】二人だけの世界    【書いた人】 杉氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1180126445&log=40
【あらすじ】
霊夢は自分の恋心を禁忌と思いながらもアリスが好きだった。
魔理沙は霊夢とアリスの仲に気付かずアリスが好きだった。
アリスは友達が欲しかった。
【感想・ここが面白い・私的評価】
こういう三角関係ネタは読んでてつらい。
けれど、最後に清々しい決着がついてくれて安心できる。
われわれのアリス……いやらしい……
安心と信頼のヤンデレ霊夢。グロレベルはほぼ無きに等しい
【五段階評価】★★★☆☆(胸が苦しくなるな……)

変子心母  yuz氏

【ジェネ】36
【タイトル】変子心母    【書いた人】 yuz 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1229756998&log=36
【あらすじ】
酒盛りをしていた永琳の元に、心臓発作を起こした青年が運ばれてきた。
処置するしか無い。
【感想・ここが面白い・私的評価】
お話の最後のオチもしくは元ネタ自体は俺の知らないバンドの曲のネタらしく
あまり理解できなかったが
事なかれ主義な永琳と、師匠に迷惑をかけようと努力している(ようにすら見える)鈴仙のかけあいが面白い
酔うことでリズミカルとなった一人称とふざけた医療と意味不明なオチを楽しむべし
グロレベルは医療行為を淡々と描写してるだけで限りなく低い でもブラックジャックすらダメな人はダメかも
【五段階評価】★★★★☆(その言葉が聞きたかった)

キュッキュッキュッの話  ワジンコ氏

【ジェネ】59
【タイトル】キュッキュッキュッの話    【書いた人】 ワジンコ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1267904175&log=59
【あらすじ】
ある日竹林で輝夜は兎に話す。
【感想・ここが面白い・私的評価】
グロに燃える輝夜の話。
タイトルであえて引っ掛けて、グロテスクにサディスティックを演じさせるドッキリ的な話と受け取ったから
肝心なのはグロの部分だと思うんだが、あまり濃くする意図が感じられない。
だからと言って多分普通の人が読むほどあっさりはしてないんだろうし、むむむ?
というか、常にこんなこと考えている輝夜がキモい。いや俺は大歓迎だけど。
俺はキュッキュッキュッでゆめにっきを思い出した。
【五段階評価】★☆☆☆☆(読む価値は無いかも。こういう輝夜やキャラは好きである。ハッピーエンドの後ラブラブイチャイチャしたい)

くるくるまわる  パレット氏

【作品集】85
【タイトル】くるくるまわる  【書いた人】パレット氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1252306664&log=85
【あらすじ】
魔理沙はアリスが好きだった。アリスを宴会に誘っていた。いずれ種族魔法使いになる予定らしい。アリスのために。
霊夢とアリスはどう考えているんだ?……アリスは決断する。三人で、くるくるまわり続けるために。
【感想・考察】
作品集40「二人だけの世界」は霊夢が弱く、作品集81「アイシテルワスレナイ」はアリスが弱かった。
さて、このSSでは誰が弱いのだろうか?
霊夢とアリスと魔理沙の三角関係の苦悩はどうやらメジャーな題材らしいが
その中でこのSSが奇特であるのは誰も壊れていないことだと思う。
いずれ壊れるのかもしれないし、ひょっとしたら既に壊れ始めているのかもしれないが
読み終わった時、あなたはきっと彼女たちに尊敬の念を抱くと思う。
……魔理沙はどのSSでも自分勝手なんだな、動かしやすいからだろうけど
[HE力]★★☆☆☆(俺たちの戦いはこれからだエンドとも取れる)
[鬱力]★★★★☆(彼女たちに救いはない)
[グロ]☆☆☆☆☆(一切無い)
【総合評価】★★★★☆(最高に面白い三角関係描写。独白だしもう少しわかりやすくして欲しかったかも)

彩雨美鈴  bernerd氏

【作品集】36
【タイトル】彩雨美鈴   【書いた人】bernerd氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1167609494&log=36
【あらすじ】
どこかで鈴が鳴っている。
美鈴は、記憶喪失であった。記憶を取り戻さなければいけない。
【感想・考察】
一応ミステリーの形を取っているためあまりネタバレはできないものの
ありそうでなかった紅魔館の悲劇で新鮮だ。もっとも俺のSS読んだ数が少ないだけかもだけど……
伏線が少な気味で、もっともっと上手くたくさん張って欲しかったかなぁ。
美鈴の記憶はどこにあるのだろうか。美鈴はどこにあるのだろうか。
[HE力]★★★★☆(悲しいことに、完全無欠のハッピーエンドとは言い難い)
[鬱力]★☆☆☆☆(鬱になるような話ではない)
[グロ]☆☆☆☆☆(無い)
【総合評価】★★★☆☆(ほぼ独自の設定追加してもまだわかりづらい構成が難)

亡霊奇譚  与吉氏

【作品集】70
【タイトル】亡霊奇譚   【書いた人】与吉氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235894810&log=70
【あらすじ】
森近霖之助は朧月を見ながら酒盛りするのを楽しみに、紅魔館の湖のほとりに夜中に遊びに来ていた。
そこで亡霊の少女と出会う。さあ、通りすがりのチルノと共に、記憶すら失った彼女を成仏させてあげよう。
【感想・考察】
基本的にグロである故に埋れた良作を発掘するためにこのレビューを行っているわけだけど
これはちょっと例外的にレビューしたくなった。
夢のなかの出来事、淡々と少女を救うため霖之助、そして親になるチルノ。
馬鹿の墓だったり、はじめてのおかあさんであったり、こんにちは文ちゃんであったり
チルノはとにかく親性(母性に限らない)を見せることが多いと思う。
それは多分愚かに見えて包容力があったときのギャップが強烈であるからで
そしてそれは俺がばかキャラのことを好む理由でもある。
[HE力]★★★★★(多分奇跡起きる)
[鬱力]☆☆☆☆☆(二人がぶち壊してくれる)
[グロ]★☆☆☆☆(亡霊の少女の遺体の描写のみ。ほぼ無いに等しい)
【総合評価】★★★★★(霖之助アレルギーがなければ是非)

何も見えない  露草氏

【ジェネ】45
【タイトル】何も見えない   【書いた人】露草氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1245911334&log=45
【あらすじ】
常に闇を纏う妖怪ルーミアの目には、何かが見えているのだろうか?
【感想・考察】
物語の体裁すら取っていないため、レビューの仕様がない。
ただ、この背後にある物語だけは推測できて、それは俺にとっては面白い。
それにしたってオチの一言がアレだけど……。
例えば恋が叶わなかった少女がいて、そいつが二度と憧れの人を見なくて済むよう自らの目を潰し
目が潰れたならば光があろうとなんだろうと関係なく
だから闇の力を使えるようになった……まぁ、そんな過去は宵闇妖怪ルーミアには関係ない。
だって、どうせ元々彼女には光なんて必要なかったのだから。
このストーリーで50kbくらい誰か書いてくれませんか。
[HE力]☆☆☆☆☆(無い)
[鬱力]★☆☆☆☆(内容自体が薄いため微妙)
[グロ]★★☆☆☆(自傷描写はきつい人にはきつい)
【総合評価】★☆☆☆☆(SSとは言えなさそう)

グロは蓬莱人の専売特許  脇役氏

【ジェネ】45
【タイトル】グロは蓬莱人の専売特許   【書いた人】脇役氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1246299113&log=45
【あらすじ】
そこには大量の目玉や右腕や子供の死骸が……!
仲良くなり、輝夜を自宅に宿泊させた妹紅はそれを、自分と同じところまで下がれ、私は一人でずっと生きてきたんだ、と言いながら食べさせようとする
輝夜はどうするのだろうか……
この時点で興味が芽生えたならここから下を読まずにURLをクリック
【感想・考察】
何と言うか、レビューしようとしたのが間違いだったと思わせる感じの作品である。
とりあえず、お嬢様でヘタレな輝夜が可愛いのでそれだけでもういいや
実にジョークの分かる妹紅である
[HE力]☆☆☆☆☆(読めば分かる)
[鬱力]☆☆☆☆☆(読めば分かる)
[グロ]☆☆☆☆☆(読めば分かる)
【総合評価】★★★☆☆(絶対既に誰かやってそうw)

百舌の早贄  悠里氏

【作品集】99
【タイトル】百舌の早贄   【書いた人】悠里氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1265651845&log=99
【あらすじ】
さとりがふとデスクワークを離れ、地霊殿を取り囲う7メートルほどの鉄柵を見上げると
そこには死体があった。さて、これは誰の行いだろうか?
【感想・考察】
軽妙な文章から始まるこのSSは、あるべきところに落ち着いていく。
最終的に「さとり」の過去に話は飛んで行くのだが
この容量でこの二人をここまで綺麗にまとめ上げたのは凄いと思う。
これが妖怪である。目を背けてはいけない。
[HE力]★★☆☆☆(良い関係だ)
[鬱力]★★★★☆(ちょっと文章がノリすぎたか?もっと薄暗い雰囲気なら★5だった)
[グロ]★☆☆☆☆(死体の描写のみ。わりとどうでもいい)
【総合評価】★★★★☆(★5と迷った。もっと終盤を陰鬱に、全体を20kbくらいでかっちり心を描写してくれたら良かった……しかし、読む価値はあった)

今夜は咲夜さんがいないんです  じじじ氏

【ジェネ】38
【タイトル】今夜は咲夜さんがいないんです   【書いた人】じじじ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1232218780&log=38
【あらすじ】
今夜は十六夜咲夜がいない。レミリア・スカーレットは毎日のように血の風呂を作り入っているのだが
十六夜咲夜がいないため、小悪魔が血の風呂を用意することになった。
【感想・考察】
とことん合わなかった……小悪魔が一人称ってなんかオリキャラ一人称と似たものを感じませんか……
それぞれに小悪魔観があるからオリキャラ一人称より酷いかもしれない……
それを無視してまで読むSSではないと思う。逆に言えば、最初のページ見て小悪魔っぽいなと思ったら
時間つぶしに読んでみてもいいかもしれない。多分これ身内に向けて書いたんじゃないかな、と思えるノリの文章で
悪く言えば勝手に盛り上がってるし、良く言えばユニークだった。
[HE力]★★★★★(フランちゃんウフフ)
[鬱力]☆☆☆☆☆(レミリアのカリスマが……)
[グロ]☆☆☆☆☆(無いに等しい……でも紅しょうががグロいと思うなら見ない方が)
【総合評価】★☆☆☆☆(レビューの主旨とちげぇ)

永遠に夢の中に  TNK氏

【作品集】70
【タイトル】永遠に夢の中に   【書いた人】TNK氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1235152036&log=70
【あらすじ】
霊夢は赤い空を見上げ布団を敷いた。
遊びに来た、体がぐちょぐちょになった魔理沙を見た。
紫が私と一緒に来て、と誘った。
【感想・考察】
告白させてもらうと、俺は簡単に点数が取れるメジャーカップリング百合が大嫌いだった。
特に、マリアリ、紫霊夢、などはそれの極みである。とりあえず紫を神社において、イチャイチャ。
これだけで5000点だ。いくら需要と供給の関係があるとは言え、俺はそのことが嫌だった。
だがこの作品は、きっちりと、句点の多い特色のある文体で
幻想郷が滅びた後の二人のカップリングをきっちり描ききっている。
こういう雰囲気は大好きだ。
鬱パートの後に、意図的に挿入しているらしき、紫のコミカルな立ち振る舞いとか。
やがて生まれる。
霊夢と紫により、生まれるのだ。
やがて彼女たちは、コンティニューするだろう。新たな未来を。
幻想郷が滅びた原因を特に描写しないのは意図的であろうが、そういうところからも作者のこだわりを感じられる。
この人と一度語り合ってみたい。名前読みしたいなと思った作家は初めてだ。
[HE力]★★★★★(幻想郷であると感心はするがどこもおかしくはない)
[鬱力]★★★★☆(鬱パートが少なかった……もっと欲しい……幻想郷の各勢力全部描写とかして欲しかった)
[グロ]★★★☆☆(魔理沙死亡)
【総合評価】★★★★★(退廃系への手引き。ハッピーエンドだし、ゆかれいむ好きは鬱無理でも余裕でいける)

テトラポット  碑洟氏

【作品集】83
【タイトル】テトラポット   【書いた人】碑洟氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1250108883&log=83
【あらすじ】
ある日紅魔異変の直後。レミリア・スカーレットは、博麗霊夢にリベンジするため、神道についての本を図書館に探しに来ていた。
そこに、本の山に埋もれ、レミリアに助けを求める、紅魔異変の折、幽閉から開放されたフランドールがいた。
いつか、何かをやらかすのではないだろうか……。それを思うと、レミリアは気が気でない。
【感想・考察】
姉妹愛を描ききった名作だと思う。
予定調和のように収まる結末。フランドールの行動の理由。レミリアの成長。
おそらく1000点以下である理由は予定調和すぎてコメントをつけにくいこと、また一ページ目、もしくはそれ以降の文章の煩わしさだと思われる。
逆に言えば欠点はそれだけ。簡易50点の多さから、この作品のクォリティの優秀さがわかると思う。
グロタグあるのにグロとも程遠く、筋書き自体は紅魔館フランもの入門に最適だと思う。
フランがいない紅魔館は見飽きた。俺はフランドールが見たかったのだ。そういう意味ではこのSSは丁度ありがたかった。
ただ、あとがきでタイトルの由来語るのがちょっと
[HE力]★★★★★(姉妹愛にかえる時がきたようだな!)
[鬱力]☆☆☆☆☆(無い)
[グロ]★☆☆☆☆(ほぼ無い、グロ表現軽くして微グロ外せば高得点狙えたのでは……?)
【総合評価】★★★★☆(これが1000点以下はちょっと無い)

お味噌汁  はるか氏

【ジェネ】55
【タイトル】お味噌汁   【書いた人】はるか氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1263809973&log=55
【あらすじ】
天狗のインタビューで、古明地さとりは妹の変化について語る
【感想・考察】
URLを打ち込んだ後のインパクトが酷い。
周囲の人間が成り代わって行ってるネタ。
グロと言うより……ホラー?文字色の演出が良い感じ。これは演出勝ちかもしれない。
読んでる途中に脳みそいじられてエロい声だしてるこいしとか
こいしに捕まってエロいことされてるさとりが思い浮かんでちょっとやば……なんでもないです
一番かわいそうなのは射命丸だが、こういうホラーで嗅ぎ回ってる奴が消されるのは伝統か。
[HE力]★★★★★(ォ姉ちゃンのォ味噌汁ォィιぃナ)
[鬱力]★★☆☆☆(ホラーより)
[グロ]☆☆☆☆☆(無し)
【総合評価】★★☆☆☆(いつかこの色は真似したい)

忘却=幸福  maruta氏

【作品集】101
【タイトル】忘却=幸福   【書いた人】maruta氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1266442206&log=101
【あらすじ】
なりゆきで黒谷ヤマメと一緒のベッドで、さとりは寝た。
さとりは黒谷ヤマメの夢を読み取り、起きているあいだは読み取れなかった無意識のトラウマを読み取る。
だが、夢はさとりの領分でなかったため、ヤマメを助けること無く逃げ出してしまった。今度は助けたい。
【感想・考察】
ヤマメの過去について深く掘り下げた名SS。
クライマックスのバトルシーンは伝奇物っぽくて中々爽快。
しっかり人名などを出されると、歴史に無知な俺にはしっかりしてるんだなという印象しか残らない。
ただ、クライマックスに盛り上がってる時にヤマメへの恋心を書かれると萎えた。それはやめて欲しかった。
ついでに、流石にもっとシリアスシーンはシリアスに決めてくれ……w
というか、さとりどんだけ肉体派だよ、なんで鬼だの源頼光(刀装備)だのと殴り合いしてるの
色々と惜しい作品だったと言わざるをえない
[HE力]★★★★★(黒谷ヤマメは幸福である)
[鬱力]★☆☆☆☆(ラスボスはかませ犬)
[グロ]★☆☆☆☆(そんなのあったっけレベル)
【総合評価】★★★★☆(突っ込みどころが多すぎた……)

凡人『霧雨魔理沙』  aho氏

【作品集】110
【タイトル】凡人『霧雨魔理沙』  【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272191660&log=110
【あらすじ】
霧雨魔理沙はルーミアの食事風景、セーラー服の女学生が食われている場面を見ていた。
その後日、今度は別の外来人がルーミアと遭遇した場面に出くわす。
霧雨魔理沙はその人間を助け、ルーミアに自らの価値観を話す。
【感想・考察】
意味がわからない。何でこの起承転結でこんな綺麗にまとまるんだ。
多分文章の長さの配分とか言葉の選び方とかがありえないほどの経験の結晶でノウハウ化されてるんだろう。
基本的に霧雨魔理沙の生きざまを掘り下げた作品で、ヤマがない。
そのためエンターテイメント性に欠けて、読む価値はない。
ただ、妖艶で馬鹿で無邪気なルーミアと、霊夢に劣等ではないコンプレックスを持つ魔理沙が良くキャラとして成立しており、流石の二文字につきる。
[HE力]★★☆☆☆(コメの言葉を借りると「超二流」の魔理沙が幻想郷を征服する)
[鬱力]☆☆☆☆☆(最初の外来人が可哀想ではある)
[グロ]★★★★☆(食事描写。星3と迷った。ストーリー上必要な物なので、多分我慢できる?)
【総合評価】★★★★☆(このくらいで)

魔理沙さん家のハッスルキノコ鍋  丸々氏

【作品集】35
【タイトル】魔理沙さん家のハッスルキノコ鍋   【書いた人】丸々氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1228248808&log=35
【感想・考察】
短い。BBjokerという作品のパロディネタらしいので、この名前にピンと来た人はどうぞ。
燐は地味にこういうキャラも似合うな。
[グロ]☆☆☆☆☆(人間的グロさというより、ドラえもんが怖がりそうな感じ。というかグロくない)
【総合評価】★☆☆☆☆(パロディもの)

やまいだれ  奈利氏

【作品集】50
【タイトル】やまいだれ  【書いた人】奈利氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1204850349&log=50
【あらすじ】
アリスと魔理沙と霊夢はいつも三人だった。やがてアリスと魔理沙の距離が縮まり、三角のバランスが崩れ始める。
その憂さ晴らしに霊夢は雛を虐殺せしめんとし、逆に雛の厄に取り付かれ、博麗の巫女は堕ちてゆく。
【感想・考察】
いっつも意図的にこの感想考察欄は鬱物に慣れ切って退屈になった人間のような文面になるようにしているのだが
これはその通りとはいかない。少し放心してしまった。伊達に今も語り継がれる名作というわけではないようだ。
陰鬱とした三角関係、霊夢の飢えへの苦しみ(マイ○ス○ラ○バー氏のアレを思い出す精度の描写で)
最終的に厄は二人を結んだわけであるが
この作品には霊夢と雛への歪んだ愛が纏めて叩きつけられおぞましいオーラを放っている印象がある。
ただ、この際他の大妖怪が出てこないなんて言うのは二人のセカイには野暮としても
アリスと魔理沙に復讐を考えないのが不自然であると思った。
名もなき厄神一つになる前に幻想郷最強と厄神様が二人を華麗に惨殺して
それから晴れやかに未来に二人で歩き出す、そんなエンディングを見たかったと言える。
まぁ、それをしないからこそハッピーエンドであると感じた人もいると思うし、色々難しいところ。
ただ一つ言えるのは、精神病等の治療には「病識」という、要するに自分が病気であるという気づきが必要で
この結末もまた霊夢が本来の気づきと別の気づきを得た、と、ただそれだけのハッピーエンドであるということ。
これを読んだら鬱物全てに惚れ込んでしまいそうで、親しい友人にはオススメすることができなさそうだ。
というか、注意書き書かなくてもいいかもねって感想がついてたのは驚き。
SS自体のパワーによってはそこまで許されるのか、妬ましい妬ましい……
[HE力]★★★★★(彼女たちは幸せでした)
[鬱力]★★★★★(途中までは読みたくないと思ったレベル)
[グロ]☆☆☆☆☆(飢えた霊夢の描写に注意)
【総合評価】★★★★★(背徳系鬱の頂点、このレビューを追いかけるのならまずはここから)

少女発狂中  真心氏

【作品集】87
【タイトル】少女発狂中   【書いた人】真心氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1254029229&log=87
【あらすじ】
遠い昔の博麗霊夢は、妖怪を狩っていた。何匹も、何匹も。
時は変わり、霊夢は、謎の肉を食べていた。魔理沙がその肉を奪い食べると、とてもおいしいことに気づく。
この肉は何の肉なのだろう。調べてみよう。
【感想・考察】
ところどころ突っ込みどころが多数。幻想郷に冷蔵庫があるか。ヴワル図書館って古典的すぎだろ。
まぁそれはさておき、食人思想に回帰する霊夢と、それを受け止める魔理沙というストーリーは良い。
ただ、霊夢と魔理沙が二人歩み始める前の、まりさが抱きしめるシーンが、あまりにもあざとすぎて拒否反応が出た。
百合苦手な人は注意。
あー、あえて今この作品の大きな謎のような物を明かした。
誤解を恐れず言うと、それはこの作品が単なる謎解きミステリーとは別のものを持っているからである。
意図したものかどうかは知らないが、この作品は変な喩えではあるがダチョウ倶楽部みたいな魅力がある。
かなり真相へのヒキが、ぐいぐいとクる。上手い。
……まぁそれは安易に想像できるオチであることの裏返しでもあるんだけれども。
[幸力]★★★☆☆(二人揃い絶望へと歩いていく)
[鬱力]★★★☆☆(鬱い部分は前半だけ)
[グロ]★★★★☆(人間の生きたままの解体シーンが出てくる。無理な人は無理)
【総合評価】★★★★☆(ストーリーだけなら★5にしたいレベルだった)

何も無い日、いんわんだーらんど  大根大蛇氏

【作品集】55
【タイトル】何も無い日、いんわんだーらんど  【書いた人】大根大蛇氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1213795028&log=55
【あらすじ】
とある普通の姉弟がいた。弟が死んだ。でも、目の前にその弟がいる。
弟が何故死んだか回想しながら、目の前の弟を追いかけつつ、姉はやがて幻想郷にいたる。
本当に弟は、何で死んだんだろう?
【感想・考察】
小学生としての幼稚っぽさを表した、特徴のある一人称に、オリキャラ。
多分そこそこの人が最初の一画面の時点で読むのをやめたのかもしれないが、この作品自体は凄く良いSSである。
終盤の流れは誰もが感動できる物だと思う。生死が絡むのは安易なのかもしれないけれど。
しかし作者さんは紫にごめんなさいしないといけないよね……。出す東方キャラの役割等がちょっと練られてなかったかなと思う。まぁ、「何も無い日」だからこそであるのかもしれない。
東方キャラの描写、そして姉弟自体は凄く上手い。
博麗霊夢辺りは結構ツボに入ったし、姉と弟には十分な無個性さと共に十分な個性を感じた。うむ、自分でも何言ってるか分からん。
評価されてないのが腹立たしくてついこのレビューにいれました
[幸力]★★★☆☆(きっとハッピーエンド)
[鬱力]☆☆☆☆☆(幻想郷にとっては何も無い日だし、文体のせいで展開の割りに鬱にならない)
[グロ]☆☆☆☆☆(無い)
【総合評価】★★★★★(オリキャラものの鑑であるように思う)

落月奇譚  deso氏

【作品集】43
【タイトル】落月奇譚   【書いた人】deso氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1189335776&log=43
【あらすじ】
ルナチャイルドは落とし穴に落ちた。どうしてこんなことになったんだろう。ぬめぬめとした泥と、ウツボカズラのような穴の形状に絶望しつつ、回想する。
「そうだ、人間にいたずらしようとして、そいつが私たちに気づいて、そいつから逃げて……いつの間にかここに」
さて、ルナチャイルドはどうなるだろうか?
【感想・考察】
読んでいる人間を恐怖させることに特化した作品。
詳しいことは言えないが、とてもよく練られたのであろうこの構成からもそれは読み取れる。
後書きも秀逸で、わかりにくいまま恐怖を残し終わってしまったこの作品を助ける物となっている。
ただ、本当に誰も幸せになってない。清々しいまでに誰もが不幸だ。
そのきっかけは偶然と無垢。もはや笑えてくる。
いやぁいい作品です
あとは、鈴仙の複雑な心情に乾杯。ちょっとだけ、鈴仙スピンオフが見てみたいなと思った。
[HE力]☆☆☆☆☆(誰も幸せになってねぇ)
[鬱力]★★★★★(鬱というより恐怖)
[グロ]★★★☆☆(欠損あり)
【総合評価】★★★★★(夏の暑い夜に)

人喰い神様と人形師  酢烏賊楓氏

【作品集】75
【タイトル】人喰い神様と人形師   【書いた人】酢烏賊楓氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1241110564&log=75
【あらすじ】
霊烏路空は、暇つぶしに出歩いた魔法の森の中で、人間の死体を食らっていた。
そこに通りすがるアリス・マーガトロイド、彼女は元人間ということをお空に話す。
人間と妖怪の垣根ってなんだろう。そう考えていると、さっきまでお空が何気なく食べていた人間の怨念が、お空に伝わってくるようだった。
【感想・考察】
教訓的なお話。
自分と同じ経験をしたさとりが、お空を暖かく見守る様はホントに暖かい。
けれど色々押し付けすぎに俺は感じた、東方でやるなとは俺は言えないが……なんだろう、創想話というより、チャレンジ三年生というか。
タグのムード×は伊達じゃなく、文章に縦読み仕込んだりしてたり、さとりの一人称がエロにまみれてたり
ついでにお燐が常にお空やさとりに発情してたり、さとりの目がいつでも閉じれるようになってたりする……。
ただ、最後にお空がお燐に頼んだあの台詞にこのSSの可能性を見出してみる。
このSSは、そしてこのSSのセカイは、ハッピーエンドなんかじゃなく、もっとおぞましい何かだと俺は信じる。
そう考えると、このSSもこっちの意味で面白くなってくる。
あと、これはホントのホントにどうでもいいことなんだけど、うにゅうにゅうるさい。
[HE力]★★☆☆☆(ハッピーエンドなんだろうけど、何と言うか、なんだろう)
[鬱力]☆☆☆☆☆(終始ほんわかとしたムード。基本的に燐がぶち壊す)
[グロ]★★☆☆☆(最初にちょっとした食人描写)
【総合評価】★☆☆☆☆(俺の主観だと匿名10点。文章がおkな人は★3くらいになるんじゃないかなぁ)

ネクロファンタジア2009 ~スイート・ホーム~  aho氏

【作品集】81
【タイトル】ネクロファンタジア2009 ~スイート・ホーム~   【書いた人】aho氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1247695751&log=81
【あらすじ】
こいしが人を殺しに人里へ行った。お燐は慌て、それをさとりに相談しにくる。
お燐とさとりの話と、こいしと殺したい対象との話が並行していく。
【感想・考察】
ヤマもオチもしっかりした良い話。
鬱とは程遠かったけれど、少女とこいしとの対比や、最後の暖かい地底の描写
地霊殿一家の暖かい描写が良い感じでした。
これから先、いつしかこいしの第三の目が開くといいなぁ、と、不覚にもそう思ってしまった作品。
[HE力]★★★★☆(さとり達の戦いはこれからだ!)
[鬱力]☆☆☆☆☆(無し)
[グロ]☆☆☆☆☆(あったっけそんなの)
【総合評価】★★★★★(★5と★1で迷いました。少なくともこのレビューにはそぐわない)

紅魔達の夜  臣民氏

【作品集】111
【タイトル】紅魔達の夜   【書いた人】臣民氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272478558&log=111
【あらすじ】
レミリアは今、英国で、パチュリーと共に聖職者達から身を隠す生活を行っている。
だというのに、暇つぶしに散歩に行った先の茶屋で東洋人の少女と出会う。
その子を従者にしたい。
【感想・考察】
あーこっちか。あーなるほどね。良いんじゃないだろうか。と、思った。
ただ、出会い系のテンプレに則った、「名前をあげましょう」系であることから離れたわけじゃないので
テンプレから離れきれた感じはない。
そして最後に唐突に百合られて、俺は置いてけぼりだった。
戦闘描写などは丁寧だったので、展開を何とかして欲しい。
あと、グロテスクな描写はただ入れればいいってもんじゃないと思う。
人が人を殺すときは、高尚なテーマが必要なのだ。その高尚なテーマのために、僕たち物書きは赤い夢の中で人殺しをすることを許される。
この場合は多分少女の強さをアピールさせたかったんだろうが、意味もない殺しをする阿呆、とも取れてしまう。
というか、マジでこのキャラクターが、一応拾ってもらっておきながら殺した意味が分からない。そこはキャラの造形の違いなのか?
適当にグロテスクな描写を入れたかっただけとしか思えず、そこはちょっとなんか。なんか。
[HE力]★★☆☆☆(このあと多分彼女も探しに行くのかなぁ)
[鬱力]☆☆☆☆☆(特に)
[グロ]★★☆☆☆(人間を蹂躙する描写)
【総合評価】★★☆☆☆(物語の構成が微妙だった)

罪と罰  twin氏

【作品集】110
【タイトル】罪と罰   【書いた人】twin氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1272180427&log=110
【あらすじ】
弱く温厚な、人里に隠れ住んでいる妖狐の一族は、今、妖怪を疎む人の手によって滅ぼされようとしていた。
【感想・考察】
濃厚な文体。読みにくいが、しっかりとこの作品に漂う陰鬱な雰囲気を助けている。
さて、この作品に起承転結の感動を求めるのは少し違うようで、どうレビューしていいか迷っている。
この作品のメインテーマは、正義とは何か、ということであろう。
卑劣な虐殺を図った首謀者、淫行を犯したその協力者達、激情にかられた役立たずの巫女。
妖怪を正しく畏れた首謀者、恐怖と戦ったその協力者達、自らの正義に従った幻想の巫女。
この合わせ鏡のような立ち位置を、上手く表現できていたと思う。
ただ、霖之助の手紙という形式が少しくどかったように感じた。のだが、
これは俺には良い代替案は見つからない。最後のオチは非常に綺麗な物で、それはこの形式でなければいけなかったように思う。あっちを立てればこっちが立たずだ。難しい。
総評としては、物語としては面白くないが、作品としては上手くできていたと思う。
幻想郷の妖怪と人間についての考察入門者には、まずはこれから読んでみることを勧める。
[HE力]☆☆☆☆☆(物語ではない)
[鬱力]☆☆☆☆☆(物語ではない)
[グロ]★☆☆☆☆(強姦描写)
【総合評価】★★★☆☆(凡人霧雨魔理沙と同じ系統のお話。完成度、メッセージ性自体は非常に高い)

少女ワルツ  海綿氏

【作品集】76
【タイトル】少女ワルツ  【書いた人】海綿氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1242558029&log=76
【あらすじ】
地霊殿の面々が踊っている。
慧音は、妹紅にとある女性の相談に来ていた。その女性は、醜すぎるゆえに誰からも愛されず、少女の時から心が育たず
少女のまま老婆となってしまった女性だった。彼女を黒猫が踊りながら迎えに来る。
【感想・考察】
文章は最初は読みにくいが、だんだん読みやすくなっていく。これは意図的なものなのだろうか?だとしたら恐るべき演出と言わざるをえない。
慧音のエゴや、嫌われることの罪にさらっと言及し、またすぐに元に戻っていく文章には、どこか幻想的な印象を抱く。
また、登場する人物全員が意味を持っている構成には脱帽。
てゐはちょろちょろと動き話に味を出してるし、妹紅は上手く幻惑される慧音を動かしている。
こいしとお燐は良い悪役を演じている。
オチもやられた。これは俺が完全に不覚を取っただけだが、当然彼女の名前は彼女にしか分からないよね。
一体どうすれば彼女はしやわせになれたのだろうか?俺には全く分からない。美人に生まれれば……
[HE力]★☆☆☆☆(なまえをよんでもらえてよかったね)
[鬱力]★★★★★(気が狂いそうな文章、気が狂いそうな誘惑)
[グロ]☆☆☆☆☆(無し)
【総合評価】★★★★★(新しいジャンルを俺の中に開拓してくれたほどの作品)

黒日記  脇役氏

【作品集】46
【タイトル】黒日記   【書いた人】脇役氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1247610773&log=46
【あらすじ】
美鈴が受難していた。彼女は夢見る薬に逃げようとする。
【感想・考察】
以前このレビューで、美鈴が肉を配給されなくなったことにより凶暴化するお話を取り上げさせて貰ったことがあったと思う。
あの美鈴は人の肉に飢えて発狂し、この美鈴は夢見る薬に逃げて発狂する。他の大筋はほとんど変わらない。
理不尽な扱いを経て、最後に、意味のある偶然の結末を得るのだ。
例えばこの話を見て、「美鈴がひどい目に会っているのはギャグだ。くだらない、こんなこと考えられるなんて正気か?」
と感じた人がいるとする。
お前はそれでいいのか? 約束に頼ってファンが不愉快にすらなる可能性のある笑いを取ってお前本当にそれでいいのか?
とまぁそういう意味で、俺はこの作品を評価してみたい。
と言っても、色々書きはしたが、この作品は文章自体が微妙だ。
後書きに書いてある通りに衝動的に書いた物だからだろうが、短く、日記形式の悪い面を存分に出してしまっている。
この作品の完成版をいつか見てみたい。
[HE力]★★★★☆(後書き加筆はハッピーエンド)
[鬱力]★★☆☆☆(日記形式で、軽妙な文章。凄く微妙)
[グロ]★☆☆☆☆(薬にはまる人の描写あり)
【総合評価】★★☆☆☆(せかいにさよなら)

白日記  脇役氏

【作品集】47
【タイトル】白日記  【書いた人】脇役氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1248812133&log=47
【あらすじ】
黒日記の続編。ハッピーエンドの続き。
【感想・考察】
うーん、前半部分は好きになれない。こんな優しい紅魔館なんてあるわけないじゃないか?
薬漬けになり、復帰した美鈴が紅魔館全体のとてもふわふわとした好意を受けるお話。
だけどこれは……これはいい
どんな物においてもギャップと言うものは大切で
それは例えばツンツンデレデレの落差だったり、起承転結の転が短く落ちれば堕ちるほどいいと言われていることからもわかるが
これは良い感じにそれをやってくれたと思う。黒日記からの流れとして当然なので、すっきりはしているし、納得の行く最後だ。
[HE力]★☆☆☆☆(紅魔館のメンツがやけに優しかったのもひょっとして……)
[鬱力]★★★★☆(踏み出す足先、色づき満ちていく)
[グロ]☆☆☆☆☆(無い)
【総合評価】★★★☆☆(二つ合わせたら良SS)

はらり、はらり  パレット氏

【作品集】114(最新)
【タイトル】はらり、はらり   【書いた人】パレット氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1274969736&log=114
【あらすじ】
もういなくなった十六夜咲夜やパチュリーやレミリアとの過去を回想しながら
フランドールスカーレットは投げやりに「みんないなくなった、わたしもいなくなるんだろう」と呟く。
【感想・考察】
一人ひとりいなくなっていく紅魔館。最後にフランドール一人が残る。
切なさを感じさせる文体と文章の質は高い。
四人が消えた紅魔館で、フランは一体何を思って逝ったのだろうか?
少し話は変わるが、この切なさ、この危うさこそが紅魔館だと思う。
紅魔館のバランスの危うさについて皆さんも少し考えて頂きたい。
パチュリーは図書館があるからいる。図書館は十六夜咲夜に存在を頼っている。
フランドールがいる。フランドールは狂気をいだいている。
レミリアがいる。彼女はわがままだ。幼稚でもある。咲夜に精神的に依存している面も作れる。
十六夜咲夜はいずれ死ぬ。レミリアに精神的に依存している面も作れる。
一人が死ねば、そして誰もいなくなる。だからこそ、この勢力は今までずっと愛されているのではないか。俺はそう思う。
[HE力]★★★☆☆(そして誰もいなくなった)
[鬱力]★★☆☆☆(どちらかというと切ない)
[グロ]☆☆☆☆☆(無し)
【総合評価】★★★★★(★4と迷ったが、紅魔館の良さに改めて気付かされたという意味で★5)

箱の中と箱の外が混ざれば良いのに?  らすねーる氏/nekojita氏

【作品集】114
【タイトル】箱の中と箱の外が混ざれば良いのに?   【書いた人】らすねーる氏/nekojita氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1274638638&log=114
【あらすじ】
霧雨魔理沙は宿敵アリス・マーガトロイドを殺すため、今日も行く。
立ちふさがる敵は全員退けろ。
彼女こそが私の敵で、世界の敵なのだから。
【感想・考察】
単純明快な箱庭もの。人形劇を繰り返し続けるSSは、ジェネのほうに、まりさが死んだ形のSSがあったと思うが
これはふたりとも生きている。
生きたまま、ずーっと主人公でいて、ずーっと彼女に殺される、そんな夢を見る。
なんてハッピーエンドなんだこれ。甘えすぎだろ。と思ったが、もう殺しちゃったか。もう繰り返せないか。
これから魔理沙が崩壊するのか。その崩壊するところが肝心なのに、そこを全部書かないでどうするんだろう。
勝手な期待であることは百も承知だが、火車考のnekojitaさんなら、ループ物にして、繰り返し続けて、徐々に崩壊して行くセカイとか
アリスが死んだ瞬間色彩を失う紙芝居のセカイまで描いてくれることを期待したかった。
ついでにいうと、作り込みも足らない。
二人をセカイに叩き込んだのは霊夢?霊夢がそんなことをできるのか?
こういう系統の話は好きだ。好きだが、好きゆえに次からはもっともっとものすごい物を期待したい。
[HE力]★★☆☆☆(幸せになれそうでした)
[鬱力]★★★★☆(ダメでした)
[グロ]☆☆☆☆☆(無い)
【総合評価】★★☆☆☆(物足りなさ過ぎる)

くるり狂って私も貴女も  禿頭氏

【作品集】114(最新)
【タイトル】くるり狂って私も貴女も   【書いた人】禿頭氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1274792693&log=114
【あらすじ】
フランドールがレミリアを食していた。
【感想・考察】
きっとこの地下室は彼女たちにとってのセカイだから、セカイ系でも別に広義では間違ってないのかもしれない。
タイトルのせいで勘違いする人が多いとは思うが、別に彼女たちは狂っているわけではないと思うし、作者に狂わせるつもりも無いと思う。
フランドールは幼いだけで、レミリアは力が無いだけで、パチュリーは愚かなだけだ。
そう見えるのは、果たして日常の描写が無いからだろうか。俺はそうは思わない。
ただ俺としては、物語の体裁として、これらの問題の解決を図って欲しかった。
たぶん、この作品自体は、読者が「レミリアとフランはセカイ系ループのドツボにハマっているんだな」と気づくことを目的としているのだと思うけど
それだけじゃ物足りないし、分からない人には分からない。
続きがあれば絶対読む。
[HE力]★☆☆☆☆(ハッピーエンドとは程遠い)
[鬱力]★★☆☆☆(彼女たちは何も進まずとどまるだけだから、別に鬱というわけでもない)
[グロ]★☆☆☆☆(あらすじの通りの描写。でも、あまり具体的ではないといえばない)
【総合評価】★★★☆☆(解説編、解答編が欲しい)

白百合畑でつかまえて  乳脂固形分氏

【作品集】42
【タイトル】白百合畑でつかまえて  【書いた人】乳脂固形分氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1188075100&log=42
【あらすじ】
アリスは魔理沙に恋をしてしまった。禁忌の恋だ。彼女に受け入れられるはずが無いだろう。
その事を永遠亭の医師に相談し、性愛を反転させる秘伝の薬を貰う。
その薬は一度飲めば二度と飲むことができない。そして、同性愛者を異性愛者に、異性愛者を同性愛者にすることができる―――
【感想・考察】
同性愛の禁制に真っ向から立ち向かった作品。綺麗な文章は、美しい絵画を思わせる。
俺の同性愛観の琴線に触れた。そもそも、禁忌の恋が簡単に受け入れられるわけがない、はずだ。
百合小説を書く人には一度でいいから読んで欲しい。別にこの同性愛観を受け入れろというわけではない。ただ、頭に置いておく、それだけでもお願いしたいのだ。
同性愛をひたすら忌避するアリスと、その救いと、救いに対する現実。こぼれ落ちた薬。
友情と愛情の境界が崩壊している魔理沙。魔女になりきってしまう、アリス。
そもそも同性愛が禁忌である以上彼女たちに救いは無く、救いが無い故に美しい。
強いて言うなら、もっとわかりやすくして欲しかったけれど、分かりやすさと美しさは多少相反するものだし難しいかなぁ。
[HE力]★★★★☆(二人は幸せ)
[鬱力]★★★★☆(美しく禁忌に向かって突き進んで行く)
[グロ]☆☆☆☆☆(無し)
【総合評価】★★★★★(同性愛物入門)

殺人鬼は夜霧に消える  猫井はかま氏

【作品集】107
【タイトル】殺人鬼は夜霧に消える  【書いた人】猫井はかま氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1270393441&log=107
【あらすじ】
19世紀のロンドンの、とある町外れの洋館で
銀髪の女が少女にメイドとして雇ってもらうために交渉していた。彼女は言う、自分が殺人鬼であると。
【感想・考察】
一読目の感想は、叙述トリックになってない叙述トリックを用いられた、良く分からないポエムだったのだけれど
じっくり味わってみると、二つの殺人鬼を対比させ、その上で咲夜のレミリアへの恋慕を際立たせた、とてもありえない力技でのレミリア咲夜の百合物だと思う。
ただ、力技には当然のように代償が発生するようで。
まず、これ咲夜ではない。咲夜っぽい銀髪をした何かだ。そして、オリキャラが出てくる。力技ってレベルではない。
それでもあまりこの二つが耳に障らないのは、作者がそれを自覚し、さらに使いこなし、とても恐ろしくも美しい恋を紡いでいるからなのだろうか。
[HE力]★★☆☆☆(三角関係の破綻)
[鬱力]★★★☆☆(死んだ切り裂きジャック)
[グロ]★★☆☆☆(殺人の描写)
【総合評価】★★★★☆(好きではないが、力技を昇華したという事で評価したい)

叩いて叩いて殴って蹴って掴んで(以下略)  大伴氏

【作品集】64
【タイトル】叩いて叩いて殴って蹴って掴んで絞めて強請って引掻き削り裂いて砕いて足掻いて踏んで潰して頭突き舐め噛みつきむしゃぶり歯は折れ舌は千切れ痛くて痛くて泣いて叫んで詫びて請うて罵倒して、幾多の破壊と血に染まりそれでも壊れぬ壁で私を閉じ込めて   
【書いた人】大伴氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_p/?mode=read&key=1274201261&log=64
【あらすじ】
フランドールスカーレットがある朝起きると、壁にこんな物語が記されていた。
彼女はそれを見て、考える。自分は天使であると。
【感想・考察】
コメント数が4というのはあまりにもおかしい。是非とも読んで欲しい。
二重三重のトリック。レミリアのフランへの愛情。綺麗にすれ違う二人。ただ淡々としている咲夜。
おそらくタイトルと冒頭の物語で読むのをやめた読者が多いと思う。
冒頭の物語は、本物の狂人の、本物の悪魔の物だ。だからそれゆえに狂気を帯びるのは仕方ない。
[HE力]★☆☆☆☆(フランも理解してるのだけが救いか)
[鬱力]★★★★☆(指を全てちぎっても報われない愛情)
[グロ]★★★☆☆(ちょっときついかも)
【総合評価】★★★★★(レミリアフランの頂点にすら感じた)

キズイロ  から☆ばれ氏

【作品集】78
【作品名】キズイロ 【作者名】から☆ばれ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1244303385&log=78
【あらすじ】
ある朝、早苗は調子が悪いようで、諏訪子や神奈子に心配されていた。
その昼、霊夢と会い、彼女から表面上だけの励ましを受けた。改めて自分がだれからも本当の自分を見てもらえていないという事実を把握する。
夜、彼女は自らを傷つける。
【感想考察】
早苗にもし自傷癖があったなら、の幻想入り。
生々しい絶望の一人称と、美しい家族愛の対比は、見る者の心を打つ。
孤独から逃げ、絶望を肉で削ぎ、惰性で骨を削る。
そんな幾重にも紡がれた螺旋は、より強固な愛でしか打ち砕けないだろう。
このSSは始まりにすぎない。本当の戦いはこれからだ。
[HE力]★★★★☆(早苗は人類にとっては小さな一歩だが、人間にとっては大きな一歩を踏み出した)
[欝力]★★★★☆(序盤は延々と陰鬱な雰囲気が続く)
[グロ]★★★☆☆(エグい自傷。注意)
【評価】★★★☆☆(自傷に興味が在る方は+★1.5)

想起「嫌われ者のフィロソフィ」  過酸化水素ストリキニーネ氏

【作品集】コンペ第9回
【作品名】想起「嫌われ者のフィロソフィ」 【作者名】過酸化水素ストリキニーネ氏
【URL】ttp://www10.atpages.jp/thcompe/compe09/?mode=read&key=1258765354&log=1
【あらすじ】
古明地こいしは「極刑」を閻魔に言い渡されていた。
さとりの視点から、なぜそれに至ったのかを解き明かす。
【感想考察】
姉妹二人の百合SS。ただし、ひどいすれ違いと退廃的な結末を伴う。
姉は妹を救いたいと願い、妹は姉と同じところまで堕ちようと願う。
読んで最初に思ったことは、このままじゃあまりに救いがなさすぎる、という感想だった。
それほどまでに短い。でも、密度が高いということでもある。たしかにここで終えるのが理想的でもあるのだ。
あなたは読んでみて、どう思うであろうか。そして、姉妹に幸せは来るのだろうか。
[HE力]★★☆☆☆(ひとりの願いは叶った)
[欝力]★★★★☆(二人はどこまでも堕ちてゆくかもしれない)
[グロ]☆☆☆☆☆(基本ない)
【評価】★★★☆☆(古明地姉妹のすれ違いが見たいならぜひ)

リヴァイアサン  A-氏

【作品集】62
【作品名】リヴァイアサン 【作者名】A-氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1226868084&log=62
【あらすじ】
霧雨魔理沙は地上と地底の仲の取り持ちに苦心していた。そんな時、通りすがりのパルスィと出会う。
結果として地上と地底の取り持ちには成功する。だが、魔理沙の自我はパルスィによって刻一刻と変化していた。
【感想考察】
霧雨魔理沙の変貌と、トリックスター的な水橋パルスィを上手く描ききった快作。
このパルスィはひどく無邪気で、そしてひどく妖怪面だ。
霊夢劣等コンプレックスとも上手く絡めて、最終的に霧雨魔理沙を作中でも作品外でも高次の存在に仕立て上げたと言っていいだろう。
無邪気で美しく嫉妬妖怪な水橋パルスィ、嫉妬に狂い始める霧雨魔理沙。
どっちのファンにも、パルスィファンにはなおさら読んで欲しい。これこそが水橋パルスィとも言えるかもしれない。
[HE力]★★★☆☆(二人にとってはハッピーエンド)
[欝力]★☆☆☆☆(陰鬱とした雰囲気はない)
[グロ]☆☆☆☆☆(なし)
【評価】★★★★★(物語の中核のキャラが好きな人間は是非とも読んで欲しい)

滅亡  ulea氏

【作品集】62
【作品名】滅亡【作者名】ulea氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225510834&log=62
【あらすじ】
人類の夢だった宇宙旅行が、革新的な発明によりみるみるうちに庶民にも手がとどくものとなった。
あらゆる絶望は幻想と化したこの世界で、一体何を後ろめたく思うことがあろうか。
しかし、メリーは、蓮子との宇宙旅行の中、いつまでも、後ろめたさをぬぐうことができなかった。
【感想考察】
幻想郷とは、と深く考察し、メリー≒紫説を掘り下げたら、きっとこうなるであろう、という実験作。
彼女の感じる後ろめたさは、やがて伏線の回収と共に顕在化する。
どこまでも現実的な蓮子と、幻想を棄てきれなかったメリー。
メリーという器はやがて爆発し、幻想郷の復活リセットと共に世界を滅ぼすだろう。
この作者さんは、ハッと絶望させるのが上手くて大好きだ。
[HE力]☆☆☆☆☆(ハッピーエンドにする気さらさらないよね)
[欝力]★★★★☆(どうしようもない)
[グロ]☆☆☆☆☆(幻想郷観を汚されるのが嫌いな人は注意)
【評価】★★★★★(東方ショートショートの名作。セカイ系的要素も含み、個人的には大好物)

繁栄  ulea氏

【作品集】62
【作品名】繁栄【作者名】ulea氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1225790697&log=62
【あらすじ】
ある女性が、重大な話があると天狗に呼び出されていた。
聞けば、産業革命を発展し発展し発展させ続け、幻想郷が、飽和状態で、まるで孵化直前の卵のようなのだという。
解決策は、ひとつしかない。
【感想考察】
滅亡と表裏一体のSS。滅亡ほどのインパクトはないものの、二つを照らし合わせるととても恐ろしい真実が見えてくる。
楽園とは一体なんだったのだろうか。
どちらが本当の夢で、どちらが本当の幻想なのだろうか。
答えは、読者ごとにあるのだろう。
[HE力]☆☆☆☆☆(ない)
[欝力]★★★☆☆(陳腐な設定で欝になりきれない)
[グロ]☆☆☆☆☆(「滅亡」に同じ)
【評価】★★★★☆(滅亡を読んだなら読んでしまいたい。恐ろしい解釈を与えてくれる)