作品集105

Last-modified: 2015-07-24 (金) 08:09:55
紅魔館の一日 ~紅美鈴編~  miyamo氏

【作品集】105
【タイトル】紅魔館の一日 ~紅美鈴編~
【書いた人】miyamo氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268820234&log=105
【あらすじ】
レミリアが幻想郷に紅い霧を撒いて数日後、紅魔館の門番である紅美鈴は、飛んでくる巫女装束の少女を見つけて………

【感想】
東方紅魔郷 in 美鈴視点
原作のセリフやスペカをきちんと踏襲しており、場面ごとに美鈴らしい性格が現れている所を見るに、原作への愛が感じられる
ただやはり初投稿で書き慣れていないためか、全体を通して少しぎこちない文章だと感じた。これからの成長に期待したい。

針巫女プラクティス  風流氏

【作品集】105
【タイトル】針巫女プラクティス
【書いた人】風流氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268820264&log=105
【あらすじ】
「封魔針の扱いを教えてくださいッ!」突然博麗神社に訪れた早苗。霊夢は彼女に稽古を付けるのだが………

【感想】
ありそうで無かった原作のオプション談義。それぞれの武器に対する描写や解釈を上手く描けていると思う
稽古を付ける霊夢の新鮮さも相まって、自分としては中々面白いと思った。
特に突き抜けたところはないが、安定して読めるオススメの一作。

べろちゅーは世界を救う  手負い氏

【作品集】105
【タイトル】べろちゅーは世界を救う
【書いた人】手負い氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268827037&log=105
【あらすじ】
「接吻だ!」開口一番意味不明な事を口走る藍の真意は?
そして幻想郷の明日はどっちだ

【感想】
タイトルで百合な話かと思ったら、終始ドタバタ劇でした
振り回され体質な霊夢と自重を知らない藍、ノリのいい魔理沙にドロワーズハンター紫
彼女たち4人の繰り広げる楽しげな空間をお楽しみください

『夢追い共が、夏の後』  コーラの王冠氏

【作品集】105
【タイトル・作者】『夢追い共が、夏の後』 コーラの王冠氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268828426&log=105
【あらすじ】
花屋の少女に相談を受けた慧音。
その少女には恋い慕う相手がいるのだが、その相手の少年もまた片思いをしているとのことだった。
そして、その片思いの相手が厄介な妖怪で……。

【感想・ここが面白い・私的評価】
求聞史紀に登場した花屋の娘の恋愛模様を描いたお話です。雰囲気はほのぼの、ところによりシリアスとコメディです。
この作品は求聞史紀キャラのお話なのですが、求聞史紀を読んでいない人でも問題なく読めると思います。
メインは花屋の娘と妖怪なのですが、個人的には歯に衣を着せない阿求が面白かったです。また、作者さんの表現の仕方がわかりやすくも、味のある書き方で楽しく読めました。
気になったのは、ラスト。妖怪の言葉を受けた少年に少女がどう接するかというこれから盛り上がる場面で終わってしまっていて、尻切れトンボの印象でした。
また、作中では人間と妖怪の種族間の距離についても言及していますが、浅く書かれています。この辺はもっと書き込んでも良かったように思います。花屋の娘の恋愛模様に重点を置いているとすれば不自然ではありませんが、その花屋の娘にしてもあまり書かれていませんし。全体的に深く掘り下げている部分がないような気がしました。
ところで、ラストの睡蓮の言葉は皮肉か祝福のどちらなのでしょうかね。
★★★☆☆(読んで損はしません)

【こんな人におすすめ】
花屋の娘が好きな人、
毒舌阿求が見たい人、
人間と妖怪の恋愛模様が見たい人、におすすめです。

 

【作品集】105
【タイトル】『夢追い共が、夏の後』   【書いた人】コーラの王冠氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268828426&log=105

【あらすじ】
花屋の少女は、恋をしていた。相手は大工の息子、夢太。
悩んだ末、少女は寺子屋の先生に相談をすることにした。
しかし、実はこの少年もまた恋をしていた。それも、かなり厄介な相手に。
その相手とは、少女の花屋によく現れる、あの妖怪。

【感想】
人里に焦点を当てたお話です。これもまた一つの幻想郷の見方。
文章は丁寧で分かりやすく、非常に読みやすいです。所々に出てくる花関係の言葉がニクいですね。
少女の悩み、少年の気持ち……青春ですわぁ。
慧音先生と阿求も良い味出してます。
幽香様素敵っ! えっ? 死ね?

【こんな人にお勧め】
サブキャラの話が好きな人、にオススメです

【五段階評価】
★★★★★

『不燃』  藤村流氏

【作品集】105
【タイトル・作者】『不燃』 藤村流氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268890852&log=105
【あらすじ】
ある集落に住む青年は、森の深くに居ついた浮浪者の少女に恋をした。
青年は少女に関わり続けた。
時が過ぎ、いつしか青年の体つきはたくましいものになった。しかし、少女の見た目はなんら変わりなかった。

【感想・ここが面白い・私的評価】
妹紅の過去を描いたお話です。傾向はシリアス。落ち着いた、というより暗めの雰囲気がありますね。
内容は割とありふれた蓬莱人としての葛藤を書いたものです。あっさりと日常談話のように描かれているのは、不死の生物からすれば瞬く間の出来事だという表現でしょうか。
直接内面を書かずに、情景描写から人物の心情を想像させるつくりになっています。
なによりも文体が好みでした。しんみりとした読後感を味わえます。
ただ、前述したとおり内容自体はありがちで、独創性が強く感じられませんでした。青年がもう少し動いてくれれば良かったと思います。
死生観をテーマにするのに蓬莱人は格好の素材ですが、だからこそ変わったアプローチがほしいところです。
★★★☆☆(読んで損はしません)

【こんな人におすすめ】
暗めのお話が見たい人、
妹紅の過去話が見たい人、におすすめです。

『エクステンドクローズ ~ 蓬莱服』  goma氏

【作品集】105
【タイトル・作者】『エクステンドクローズ ~ 蓬莱服』 goma氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268901905&log=105
【あらすじ】
妹紅を初めて自宅に泊めた慧音。
そこで彼女は妹紅が服を脱がずに入浴しているところを見て、何故脱がないのかと疑問に思う。

【感想・ここが面白い・私的評価】
服を脱がずに入浴する妹紅の秘密を描いたお話です。傾向は掌編。
性急な展開ではあるものの、見事なオチが待っていました。描写もそこそこに抑えられていますが、それがスピード感を生み出し、オチまで飽きさせなくするつくりでした。元々尺は短いので途中で飽きてしまう、なんてことはないと思いますが。
蓬莱の薬の考察ものとも言えますね。
ただ、オチ自体は納得のできる形であり、かつとても面白いものだったのですが、それまでのお話がすべてオチのためだけにあるように思います。
そのため過程に面白みがなく説明くさくなってしまっています。
その過程にも多少の無理があるように感じました。人里の祭りであるのに妖怪たちが大勢集まることを慧音が良しとしたのか、とか。
オチ自体は確かに笑えるものでしたので、単にお話の練り上げが足りなかったのではないかと思います。
★★★☆☆(読んで損はしません)

【こんな人におすすめ】
秀逸なオチが見たい人、
コメディが読みたい人、におすすめです。

『映姫の雪、阿求の庭』  鏡石氏

【作品集】105
【タイトル・作者】『映姫の雪、阿求の庭』 鏡石氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1268929042&log=105
【あらすじ】
八代目御阿礼の子、稗田阿弥は今まさに力尽きようとしていた。だが、彼女にはどうしてもやっておきたいことがあった。
布団の中で横たわる彼女の前にいる「その人」に、見せるべきものがあったのだ。

【感想・ここが面白い・私的評価】
八代目御阿礼の子、阿弥と映姫を描いたお話です。傾向は百合。正統派の恋愛小説を読んだという気になれました。
内容は御阿礼の子としての存在価値や性質に葛藤する阿弥、それを救った映姫、その二人の様子を書いたものです。
自分のやっていることは本当に自分にしかできないことなんだろうか、自分は必要なのだろうか、自分がいる意味は、なんてことを考えてしまう短命な人間よりも短命な阿弥のらしさが如実に表されていますね。
映姫の閻魔についての掘り下げも多少はされていますが、メインが阿弥であるために意図して抑えたのだと思います。
阿弥の回想と現在の場面が交互に書かれる形式でした。回想が現在の場面で浮かぶ疑問の回答の役割をしているので、読みやすかったです。構成が巧いと感じさせます。
表現が若干わかりにくい部分もあり、咀嚼するのに少し苦労しました。分量も相まって読むのには時間がかかると思います。
しかし、読み終わったときの満足感もその量ほどあるのではないでしょうか。
個人的には大満足のお話でした。ハッピーエンド好きにはたまらない作品ですね。
★★★★☆(読んでおきたい佳作です)

【こんな人におすすめ】
恋愛小説が読みたい人、
御阿礼の子と映姫の組み合わせが好きな人、におすすめです。

生きるか死ぬか咲夜さん  イムス氏

【作品集】105
【タイトル】生きるか死ぬか咲夜さん
【書いた人】イムス氏
【あらすじ&感想】
 霊夢の占いにより死を宣告された咲夜さん。初めは一笑に付していたが……。
 
 超展開の真の使い方というものを見た気がした。
 伏線など知った事かと言わんばかりに動くストーリーは、
 さながら連鎖無しで相手を圧倒するぷよぷよの如し。
 始まりからオチまで全力疾走の、爽快感抜群な一作でした。
 
 ★★★★☆(テンションに乗り切れないと白けるかも)

只聞こえない音だけが、其の二人を繋ぐ唯一の欠片だった。  katharsis氏

【作品集】105
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269357066&log=105
【タイトル】只聞こえない音だけが、其の二人を繋ぐ唯一の欠片だった。
【書いた人】katharsis氏
【あらすじ】
ある日の霖之助の店を訪れた魔理沙。彼女は声が出なくなっていて……

【感想】
よくある魔理霖と思わせておいて、最後に意外な展開が待っている。思わずまた最初から読み返してしまった。(短いから)
この手のSSにしては珍しいアイデアだと思う、好きな人は好き。少なくとも俺は気にいった。
短い事が長所でも短所でもあるか。
説明や描写が足りない気もするが、これはこれで独特の空気があっていい。
何故かタグがない。せめて霖之助くらい付けて欲しかった。

★★★☆☆(好きな人は好きだが人は選ぶ、俺は好き)

『始まりの兎は、月を望む』 pys氏
ある日、永遠亭に乳飲み子が預けられ、鈴仙とてゐが里親代わりをすることに。

【作品集】105
【タイトル・作者】『始まりの兎は、月を望む』 pys氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269445030&log=105
【あらすじ】
ある日、永遠亭に乳飲み子が預けられ、鈴仙とてゐが里親代わりをすることに。
不慣れな子育てに奔走する鈴仙に、てゐの知られざる過去が明らかになってゆく。

【感想・ここが面白い・私的評価】
鈴仙とてゐが子育てに奮闘しつつ、互いのお話。結構な分量もあり力作である。
子育てコメディとはまたよくあるネタかと思っていたが、読んでみると相当に重厚なテーマを扱う作品であった。
赤ん坊テーマに、人間、月人、妖獣の種族としての生死のあり方の違いを絡めたところに着眼点の妙が光る。

ただ、やはり全体的に重いテーマを扱っている割にはいまひとつ書きたいことがよくわからなかった。
寿命の話なのか子供の話なのか、それとも月の話なのか後半に行くにつれてどんどんバラけていっている印象。
これはひとえに話全体を纏めるための支柱が弱いからだと思われる。
タイトルにもある「月」をもう少しストーリーに絡める必要があるのではと個人的に思った。

何より、てゐとこのオリジナルの設定の重さが決定的に合わないのでいまいち感情移入が難しい。
要するにてゐが最後の最後まで綺麗過ぎる。いつも通りのてゐと子育て中のてゐではどう違うかの対比が欲しかった。

いいテーマを料理しながら、最終的にまとまりを欠いてしまった印象が強い。書きたいことがたくさんあったのだろう。

★★☆☆☆(暇があるならどうぞ)

【こんな人におすすめ】
綺麗なてゐが見たい方

永遠亭の子育て騒動です。

【作品集】105
【タイトル】『始まりの兎は、月を望む』
【書いた人】pys氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269445030&log=105

【あらすじ】
永遠亭には様々な患者が運び込まれる。
症状はもちろん、それぞれ抱える事情だって様々だ。
でも、だからって……

「おぎゃぁぁぁぁぁぁあああああっ!」

こんな怪獣の世話は管轄外だわっ!
ウサ耳には辛すぎる! 誰か助けてぇぇええ!!

って、てゐ?
あなた、なんでそんなに手慣れてるのさっ!?

【感想】
永遠亭の子育て騒動です。
赤ん坊はマジで怪獣ですね。可愛いけど。
多少オリ設定がありますが、違和感が生じるようなものではなく、納得のいく上手い設定でした。
月の玉兎と地上の妖怪兎の違いについても考えさせるものがありました。
人物の動きに多少の唐突さがありましたが、むしろ気分屋ばかりの永遠亭組らしいかもしれませんね。
しかしてゐは強いなぁ。

【こんな人にお勧め】
永遠亭組が好きな人、と
子育て話が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★☆

涙腺が緩みました。

【作品集】105
【タイトル】始まりの兎は、月を望む
【書いた人】pys氏
【容量】約37kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269445030&log=105
【あらすじ&感想】
赤子を世話する永遠亭の兎コンビ。赤子の母は出産後まもなく死んでしまったのだ。
ウサ耳を掴まれたり耳元で泣かれたりして散々な目に逢う鈴仙だったが、ようやくてゐと交代しあまり見ないてゐの困る姿を見ようとする。
しかしてゐは何故か子供慣れしていたのであった。そのてゐの前で月兎のプライドから放った言葉はてゐを怒らせる。
何故てゐは人間の子にそこまで拘るのか、そしててゐの描いていた夢とは。

涙腺が緩みました。てゐはしばしば永琳と共に老獪さを見せ付ける行動で描かれますが、
年をとっているということは(失礼)母性も備わっているということでもあります。
彼女が因幡の素兎本人(兎?)だとしてどのような思いで沢山の兎と共に暮らして来たのか。少し鈴仙が嫌な人(?)っぽいですが、
月の民はこんなものなのでしょうか。これも書く人によって変わるところであります。
★★★★☆(そういえばてゐメインだと昔話は不可避なのですね)

Worlds' End With You(上)(中)(下)  蛮天丸氏

【作品集】105
【タイトル】Worlds' End With You(上)(中)(下)
【書いた人】蛮天丸氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269068710&log=105

【あらすじ】
『「愛しのアリスちゃんへ~あなたのママ 神綺より」』

【感想】
あらすじはほぼ書かない主義にしようとしたら感想も書き辛いことに今気づきました。
どことなく不安と葛藤を孕んだ雰囲気は読者をすっかり作品に浸らせてしまいます。
劇中で苦悩し、傷つき、それでも進もうとするアリスが余すことなく伝わってくる作品でした。
こういった作品でのアリスや紅魔館面々の弱さは自分は気になってしまうのですが、
弱さをしっかりと書き、そこから前進させるから魅力を感じるのでしょう。
登場人物の関係がまた良いです。

【オススメ度】
★★★★☆

壊れやすい本の話/壊れて消えたひとの話  デルフィ氏
『死亡確定、パチュリー・ノーレッジここに眠る。死因はショートブレッド。』

【作品集】105
【タイトル】壊れやすい本の話/壊れて消えたひとの話
【書いた人】デルフィ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269153718&log=105
【あらすじ】
『死亡確定、パチュリー・ノーレッジここに眠る。死因はショートブレッド。』

【感想】
阿求とパチュリーの話がこれでもかと思うくらい詰め込まれ、それらに笑い、泣き、切なくなる間に
あれだけの分量でも足りないと思うほどもっと二人を見たくなる作品。
二人以外の登場人物も素敵で彼女たちと阿求、パチュリーの話もまた気になってしまいます。
後編へ移るころにはもうこの作品からは逃れられないでしょう。
最後の部分が少し気にはなりましたが、全体が綺麗な芸術のようでした。

【オススメ度】
★★★★★(たぶん自分はパチュリーに甘いです)

パチュリーは幻想郷縁起を書くために直接図書館へとやってきた阿求と正に衝撃的な出会いをする。

【作品集】105
【タイトル】壊れやすい本の話|壊れて消えたひとの話
【書いた人】デルフィ氏
【容量】約262kb
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269153718&log=105
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269153810&log=105
【あらすじ&感想】
パチュリーは幻想郷縁起を書くために直接図書館へとやってきた阿求と正に衝撃的な出会いをする。
魔女として知識的欲求度が高いパチュリーは、自然とその一度見た物を忘れない程度の能力を持った御阿礼の子へと
深い興味を抱いて、その自分では想像もできない忘れることがない頭脳から見る世界へと思いを馳せる。
しかし交流を深める内にその特殊な能力だけでなく一人の少女としての阿求への思いを募らせるようになる。
だが当然その短い寿命を運命付けられているその立場も知ることとなり、それを受け入れようと
気持ちの整理をして濃い時間を過ごそうとしていた――はずだったのだ。その儀式の日までは。

知識の少女と記憶の少女、その歴史と情報を積み重ねた少女達でも
その織り成す世界は可愛らしいのが面白いです。
キャピキャピしてる方面の意味ではなく少女少女していて特に前半はニヤニヤとしながら読んでしまいます。
中盤からの結末を知ってしまいながらも突き進む二人の物語は読むのが止まりませんでした。
このような話において脇役?と言うべきかわかりませんがヒントを与える、諭す、
他人の目から評価するといった別の立場から物語を見たり関わったりする人物というものは重要なのでしょうが
その第三者の人(?)選や描き方が上手くはまっているなあという感想も持ちました。
キャラが絡んだ場合の可能性を目一杯注ぎ込んだ作品と言えるでしょう。
★★★★★(他ジャンルでの創作経験が豊富な方はやはりストーリー作りに熟練されている感があります)

ふとしたきっかけから始まった、糖分たっぷりかつホロ苦さに溢れたパチュあきゅ話。

【作品集】105 【タイトル】壊れやすい本の話(前編) / 壊れて消えたひとの話(後編)
【書いた人】デルフィ 氏  :【長さ】□□□□■(263KB ボリューム満点の長編)
【注釈】
 タイトルが違う二つの作品だが、内容は連続している2作品なので読む時には注意。
タグにある通り、「壊れやすい本の話」が前編、「壊れて消えたひとの話」が後編である。
【あらすじ】
 稗田阿求。求聞持の能力をもつ彼女は、あらゆることを覚えている一冊の本だった。
突然図書館を訪れた事から始まった、動かない大図書館と、彼女が生涯にわたって最も愛した少女の物語。
【感想】
 ふとしたきっかけから始まった、糖分たっぷりかつホロ苦さに溢れたパチュあきゅ話。
 文章創作において恋愛と死別を扱った作品は数多い。近年の一般小説然り、ライトノベル然り。
出会いと別れの究極系であるためか、感動作と言われる物の多くが中心に据えている題材である。
創想話もその例外ではなく、主従で寿命の大きく異なるレミリアと咲夜、人間である霊夢・魔理沙と他の東方キャラ、不老不死である妹紅と慧音、早逝である阿求などを題材に、多くの作品が投稿されている。
 この作品もその一つで、パチュリーと阿求の、糖分たっぷりだけどホロ苦さに溢れた、甘く切ない物語。
まずは前半。最初は距離のあった2人が、段々と距離が近づく過程で性格にまで変化が起きていく。
この過程で一気に心を掴まれた。突然の来訪でドタバタする2人、最初は一方的にだった二人の関係が
段々と相互の物になっていく様子が凄く甘く、微笑ましく読めた。
それでいて、阿求の死の予感が文章の間から幾度となく漏れ、以降の展開が非常に気になった。
 続いて後半は阿求との死別がテーマとなる。死別を回避しようと模索するパチュリーの姿から始まり、
阿礼乙女らしい転生儀式前の生前葬、そこから転生に至るまでの3年もの間のパチュリーの看取りと、
別れなければならない大事な人への思いがぎっしり詰まった構成となっている。
何より心に打たれたのが、前半以上にどのキャラも真摯な態度で、非常に感情が繊細だった事。
特に、転生の儀以降の映姫とのやり取りは必見。どの台詞も一句一句が心に突き刺さってくる。
他にも、これまでずっと冷静だったのに、死に臨むになって乱れる阿求など、
繊細な感情が繊細な文章で丁寧に描かれていて感情移入せずには居られなかった。
 がっつり長い長編だけれど、非常に緻密に作られた丁寧な作品。文句なく名作と紹介出来る大作。
【構成】     ★★★★★ (小さいイベントも満載で、緩急の付いた構成)
【文章】     ★★★★★ (風景も感情も非常に丁寧な描写)
【読み易さ】. ★★★★★ (かなり読みやすい。長さが全く苦にならない)
【総合評価】 ★★★★★ (どんな人にも勧めたい名作。時間を忘れて一気に読んでしまった。)

パチェあきゅ。

【作品集】105
【タイトル】壊れやすい本の話/壊れて消えたひとの話 【書いた人】デルフィ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269153718&log=105
    ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269153810&log=105

【あらすじ】
 パチェあきゅ。

【感想】
 「壊れやすい本の話」を前編、「壊れて消えたひとの話」を後編とした、総計243kb(うぎぎ調べ)の作品。
 この作品を一言で表すなら──あらすじでも書いているとおり、パチェあきゅである。

 パチェあきゅ。この作品はそれをやっている。やり通している。
 パチェあきゅをやり通している。言葉にしただけでは簡単に思えるであろうが、ここで一つ、それがどういうことなのかを考えてみてほしい。

 例えばゆかれいむやマリアリ等、原作で絡みがある二人ならば、読者の間で『前提』ができている。魔理沙とアリスがなんとなくイチャイチャしてようが、霊夢と紫がなんとなくちゅっちゅしていようが、まぁそんなもんなのだろうなぁという感じに、『そういうもの』として受け入れる下地ができている。これは勇パルやレティチルのような、公式で特に絡みはなくともなんとなく二次設定として受け入れられているカップリングでも同様だろう。
 しかし、パチェあきゅにはそれが無い。お世辞にもメジャーとは言えないこのカップリングには、読者の間で『前提』ができていないのだ。

 これを認識した上で再度考えてみてほしい。パチェあきゅをやり通しているとは、どういうことか。
 この作品に関して言うならば──出会いのところから。惹かれる過程から。二人の過ごす日常から。阿求の運命と、それを踏まえた二人の行き先と。それらを、読者の前提に頼ることなく、最初からしっかり描きこんでいる。
 そう、簡単に言ってしまうと、『すごく丁寧にラブコメ(コメ……?)が書けている』作品なのだ。
 それを綴る文章も、適度な装飾とフットワークの軽さを兼ね備えた、上手い──もとい、読みやすい、理解しやすい文章と言えると思う。容量としては多い方であろうが、読むのに負担を感じることは無かった。

 また、阿求とパチュリー以外のキャラの魅力をしっかり打ち出せているというのも、この作品の長所の一つだ。特にレミリアと四季映姫の二名は、ある意味この作品の全体的なイメージにも関わっているとすら言える。これはエピローグに顕著に現れているのだが──これ以上を述べると、あまりネタバレしたくない部分をネタバレせざるを得なくなってしまうため、このくらいに留めておきたい。
 ただ、少し、言うのならば。
 このお話は、よくできた、やさしい世界の物語だということだ。

 エピローグ。いつか未来、可愛らしく着飾って、黒猫が中に入ったバスケットを片手に幻想郷の空を飛ぶパチュリー・ノーレッジに、どうか出会ってほしい。

【五段階評価では分け足りないので百段階評価】78/100点

『あめの日』  蓋の甘氏

【作品集】105
【タイトル】『あめの日』   【書いた人】蓋の甘氏
【URL】http://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269448871&log=105

【あらすじ】
私は雨の日が苦手でした。どうにも気分が落ち込んでしまうから。
でも、ある豪雨の日。寺子屋の帰り。
私は彼女と出会ったのです。

「ばあああぁぁっ!!!」

傘の九十九神、多々良小傘という少女に。

いつしか私は雨の日が待ち遠しくなっていました。雨なら、彼女に会えるから。
授業も頭に入りません。雨の中の帰路が唯一の楽しみです。

『ひょっとすると、私はあの女の人に一目惚れをしてしまったのではないだろうか』

はぁ、小傘さん……

【感想】
阿求と小傘のお話です。百合成分多め。少しオリ有り。
こんなイケメン小傘、見たことないっ! あっきゅんも可愛くて素敵です。
ただの甘い百合ではありません。
細かく美しい心理描写が光り、ハラハラさせる展開に読む手が止まらず、最後に良い意味で予想を裏切ってくれます。
ちゃんとした物語が描かれているので、百合が苦手な方でも楽しめる、かも。
はぁ、あっきゅん……

【こんな人にお勧め】
小傘、阿求が好きな人、と
百合が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★★

『文々。と冬の終わり』  はちよん氏

【作品集】105
【タイトル】『文々。と冬の終わり』   【書いた人】はちよん氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269436680&log=105

【あらすじ】
レミリアの命により、盗まれた春を取り戻しに風上へ向かう咲夜。
すると、何故か文に出会った。何故か薄着で、凍死しかけている。
訊けば霊夢の追跡取材の帰りだという。
霊夢が動いたならば私の出る幕はない、と帰ろうとする咲夜だったが……

【感想】
妖々夢のif短編です。
春の鮮やかさ、暖かな雰囲気が丁寧に描写されています。
展開が急だったり、説明不足な部分がありますが、寛容な人なら気にしない程度のものです。
この柔らかい空気は素敵です。
リリー頑張れー!

【こんな人にお勧め】
咲文が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★☆☆

『本当に真面目なお方』  リーオ氏

【作品集】105
【タイトル】『本当に真面目なお方』   【書いた人】リーオ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269362599&log=105

【あらすじ】

「ラブとライクって、どう違うんでしょう」

これはまた哲学的な問だね、ご主人。

「『愛』ではいけないんですよ」

ふむ、禅問答に悩むのも良いが、とりあえずその耳と尻尾をしまって欲しい。誰かに見られたらどうするんだい。
あとさっさと槍の手入れを終わらせてくれ。

【感想】
友情と愛情の境界。博愛について。そんな感じのお話。百合ではないと思います。
「人も妖怪も分け隔てなく『愛』する」って難しい。『好き』では駄目なの?
星と聖の微妙な関係も難しい。
作者の言いたいことは分かるのですが、伝えたいことが曖昧すぎている感があります。
こういった難しいテーマで書くなら、自分の考えをハッキリさせてからの方が良いかと。
星ちゃんは真面目だというだけの話……ではないですよね? ね?

【こんな人にお勧め】
命蓮寺が好きな人、と
愛ってなんだ!? 若さってなんだ!? という人にオススメ。

【五段階評価】
★★★☆☆

『東方中不在 ~ Proliferation of Niceboat』  KASA氏

【作品集】105
【タイトル】『東方中不在 ~ Proliferation of Niceboat』   【書いた人】KASA氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269343679&log=105

【あらすじ】
幻想郷の危機ですわ。
あの忌まわしい事件の再来にならぬよう、私も動かないといけませんわね。
この連鎖は、あまりにも恐ろしい。

【感想】
物語の裏にいる人達のお話。グロは無いです。
レミリアとパチュリーが可愛すぎて生きているのが辛くなる。ああもう。
大ちゃんとチルノが可愛すぎて生きる希望が湧いてきた。よっしゃ。
最後までNiceboat.

【こんな人にお勧め】
甘かったり苦かったりする百合が好きな人、と
舞台裏のお話が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★★

『さぼてん』  カイ氏

【作品集】105
【タイトル】『さぼてん』   【書いた人】カイ氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269174220&log=105

【あらすじ】
今日の私は、なんだかとっても憂鬱。
今日一日は寝て過ごそうかな。

【感想】
フランドールの心のお話。
「気が触れている」を人間的に解釈すると、こんな感じになるのでしょうか。
この緻密な心理描写は、経験者だからこそ為せる業ですね。文章力も高いです。
少し辛くて、とっても優しいお話です。
タイトルがまた良い味を出しています。

【こんな人にお勧め】
紅魔館が好きな人、と
優しいお話が好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★★★

『ASK FOR THE MOON』  アルバトロス氏

【作品集】105
【タイトル】『ASK FOR THE MOON』   【書いた人】アルバトロス氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269075002&log=105

【あらすじ】
地上の男共は鬱陶しい。
今日も藤原のナントカという輩が求婚に来た。適当に難題をふっかけて追い払う。
だって私は、今でも永琳が好きだから。
――好き。永琳が、好き。永琳がいれば何もいらない。……だから

「ねぇ永琳、私のこと、好き?」

【感想】
永夜抄前のえーてるのお話です。
一途な輝夜とお堅い永琳。いいですね。
最後のシーンはグッと来ました。
ただ、輝夜が永琳に惹かれる理由が描かれていないのが残念です。
急な場面転換が多くて読みづらいのも惜しいですね。

【こんな人にお勧め】
えーてるが好きな人、にオススメです。

【五段階評価】
★★★☆☆

_____  碑洟氏

【作品集】105
【タイトル】_____
【書いた人】碑洟氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269261792&log=105
【あらすじ】
部屋の床一杯に死体を埋め尽くしてみたいと古明地こいしは思った。あとはただ実行するだけ。
【感想・考察】
何と言ったらいいか分からない。一応終わりだけ見ればただのさとりとこいしの姉妹愛を描いただけの凡作なのだが
途中のこいしの狂気や、死者と生者のコントラストの描写などが美しい。
グロテスクなものをこういう風に綺麗に描写することもできるのか、と感心した作品。
[HE力]★☆☆☆☆(さとりとこいしの話。オチは特に無い)
[鬱力]☆☆☆☆☆(無い)
[グロ]☆☆☆☆☆(死体はただアイテムとしてあるだけ)
【総合評価】★★★☆☆(終始綺麗に纏まってました)

古明地さとりにも分からないことはある。  おおとり 氏

【作品集】105
【タイトル】古明地さとりにも分からないことはある。
【書いた人】おおとり 氏
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269262411&log=105
【あらすじ&感想】
古明地さとりは霊烏路空の胸に埋まった赤い瞳が気になった。
が、調べるために触ろうとしたら拒絶された。
仕方ないから聞いてはみたが、見事に記憶から抜けていて能力でも読みとれない。
ならば自力で調べるしかない。

え、なにこれこわい。
読み終わった直後の感想がこれだった。
ツッコミどころ満載というか、オチが全てを持っていったというか。
お空のおっぱいが好きな人や、胸の眼の正体が何であっても大丈夫な人にお勧め。

【五段階評価】
★★★☆☆(確かにこの発想はなかった)

針はふれる  ワジンコ さん

【作品集】105
【タイトル】針はふれる
【書いた人】ワジンコ さん
【URL】ttp://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1269064140&log=105
【主要キャラ】紅魔館メンバー   【ジャンル】しっとりほのぼの   【容量】約13kb

【あらすじ】
咲夜の能力は時間を前借りするというものだった。他の時間を止めている間でも、自分の時だけはそのまま流れてしまうのだ。
それを知ったレミリアは以降、咲夜に能力の使用を禁じさせた。

しばらくの後、紅魔館では食道の時計が生活リズムの基準となっていた。
その時計が正しいとは限らない。しかし紅魔館の住人はそれを頼りにして動いている。
正確な時刻など関係無い。紅魔館には特別な時の流れがあった。
規則的なリズムで進む針は少女たちの手によって不規則な時間を示し、そしてまた人知れず正される。

【感想】
咲夜の能力の解釈、設定などは正直ありふれたものです。しかしそんな紅魔館ものの中でも、私はこの作品が特に気に入っています。
あえて咲夜の寿命そのものをメインに据えず、紅魔館の日常を描いてあるのが一捻りあって面白いと感じました。
ちょっとお茶目で優しい館の住人たちを、食道の時計は全て見ています。そしてそれを「彼女」は知っています。
咲夜はまだ生きているというのに、ただ「死んでしまった」という話よりも切なく、込み上げてくるものがありましたね。
文体も作品の雰囲気に合っていて読みやすかったです。

短編ながら読後に心地良い余韻を残してくれる作品。オススメです。

疲れちゃった  ずわいがに氏

【作品集】105
【タイトル】疲れちゃった
【書いた人】ずわいがに
【URL】ttp://coolier.sytes.net/sosowa/ssw_l/105/1269263799
【あらすじ&感想】
ある朝慧音が目を覚ますと、とてもだるかった。
色々なものに追われながら月曜日を迎えるひとたちに読んでもらいたい一作です。