イベント/トラウマと金閣寺

Last-modified: 2012-01-26 (木) 11:51:36

シナリオ/そうだ、京都、行こうのイベント。


京都市北区金閣寺町。
この京都市の西北端にかの有名な金閣寺(鹿苑寺)があり。
1397年(応永4年)、かの足利義満が河内国の領地と交換に手に入れた西園寺を、改築と新築によって一新したものである。
義満の死後、解体されたり応仁の乱で焼き払われたり、1950年に放火されたりと、その都度不死鳥の如く蘇ったお寺である。

 

ちなみに鹿苑寺とは義満の法号「鹿苑院」から取られた名称。
(以上wikiを見ながら)

 

その歴史的世界遺産を死んだ魚の様な虚ろな目で見つめる三人の乙女の姿があり。

 

「金ぴか……ぴかぴか……いいなぁ……」
金箔に覆われた建物を羨望と諦観が入り混じった視線を向ける博麗霊夢。
「……」
鳥みたいな敵性体に過去のトラウマをほじくり返され、精神崩壊を起こし掛けたヒロインのような表情を浮かべる射命丸文。
「……」
射命丸程ではないが、それでも恐ろしいモノをみてしまったかのような戦慄の表情を浮かべる姫海棠はたて。

 

前者は神社とかお賽銭とか、そういった個人的事情が絡んでいるのだが、後者の2りにはそのような心境に陥る心当たりがまるでない。
前世まで続いている因縁かなにかのようにあの建築物に対しての恐怖心がとどまることなく襲いかかってくるのだ。もはや遺伝子単位で刻み込まれているレベルといえる。

 

「……どうしたんですか?」
あもりにも異様な3りを見かねて古明地さとりが訊ねる。

 

「ウチの神社もあんなに金ぴかなら客も集まるかなぁ……」
「欲の皮が突っ張っていると思われて敬遠されるのがオチかと。というか金箔を貼るお金があるんですか?」
「……わかっているわよ。夢くらい見たっていいじゃない……」
「それより、お二方は一体どうしたんです? 気分が優れないなら……」

 

「……こわい」
「えっ」
「天井こわい」
「……?」

 

「怖くて、シャッターが押せないんです……」
「どういうことなの……」
読心の力を力を持つ彼女を以てしても、彼女達の畏れの正体を見破ることはできなかった。無意識クラスで染み付いているというのだろうか。
「鹿苑寺が駄目なら、慈照寺(銀閣寺)にしては如何でしょうか? 次の行き先ですし」

 

「「駄目よ!」」

 

「!?」

 

「文化財一つ撮れないようでは、新聞部員の名折れなのです……!」
「あれを撮らなくては先には進めない……そう私のゴーストが囁いているのよ……!」

 

「は、はぁ……(めんどくさい方々ですねぇ……)」

 

結局七苦八苦あったそうですが、なんとか写真は撮れたそうな。
しかし、それだけのためにカメラのフィルムを全て使う必要があったのだろうか……

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