シナリオ/世界移動シナリオ-倫理崩壊編のイベント。
ヒーローズ・リボーン
- 主人公が善よりで、????が復活しており、髭面の男に複数回遭遇する。
だが、ふと唐突にオッサンが真剣な顔になると「ヒーローってなんだと思う?」と言い出した。
この倫理が崩壊し、腐敗と絶望と暴力の只中にあって、何を聞くのだこのオッサンは。
主人公がどう答えるにしろ、答えないにしろ、オッサンはフンと鼻息を鳴らして口を開く。
「俺たちは実は凄い力を持っているんだが、ソファに座ってビール片手にテレビを見ているだけだ。
スーパーパワーがあったって、やっぱりソファに座ってビール片手にテレビを見てるだけだろう。
馬鹿がコスチュームを着たところで、変な格好のおかしな奴が1人増えるだけだ。
ヒーローってのはスーパーパワーがあるとか、コスチュームを着てるって事じゃない。
自らの意思でもって世界を良くしようと戦う人々の事を言うんだ」
そして呆然としている主人公を前に、オッサンは初めて二カッと満面の笑みを浮かべた。
「良いじゃないか、パワーがなくたって。
空も飛べないし、ビームも撃てない、怪力もなければ、ハイテク装備だって持ってない。
でも、“アイツ”の尻を蹴っ飛ばす(KICK ASS!)事はできる。
それで良いのさ――重要なのは魂って奴だからな!」
そして言わせんな恥ずかしいと呟いて、オッサンは廃墟の中に去って行った。
もう、主人公の中に迷いはなかった。
- たとえ世界が滅んでも……。
この荒廃した世界を行く聖戦士。或いは狂人。
彼の魂を継ぐことを主人公が決意したなら、重要なのはマスクと日記である。
シナリオ/ヒロイックエイジをクリアしたプレイヤーならば知っている筈だ。
彼が普段持ち歩いている日記は下書きであり本物は別にあることを。
ネ実市の廃墟を探し、コバックスが自宅としていた廃アパートを探し出し、
更にそこをくまなく探索する事により、予備のマスクと本物の日記を発見できる。
この状態でもロールシャッハとしての戦いを開始する事はできるが、
それでは単に「ロールシャッハになったと思い込んだ主人公」でしかない。
重要なのは、なぜ彼がロールシャッハとなったのか。
日記に残された思いを、記憶を、超人的な意思を、主人公が追体験する方法。
これを探し出し――この凄惨な世界を作り出したのが誰なのかを理解する事こそが、
善ルートにおけるロールシャッハ復活条件なのである。
彼の魂を引き継ぐ事だけが、ジョーカーを抹殺できるたった一つの方法でもある。
何故ならそれは、ジョーカーの狂気に屈したが故の行いではないのだから。
ロールシャッハの凄惨な処刑方法は、狂人になりつつある輩を心底まで震え上がらせるのだ。
- 時代が望む時……。
特別危険地域、そこに残るある男の亡骸が眠る場所。
自分はそこに立っていた。
亡骸の傍で手に入れた仮面を手に取り、考える。
この仮面の持ち主は世界の真実を知り、人類の為に全てを裏切り、仮面を捨てた。
だが、何故彼は裏切った時にこの仮面を捨てたのか。
裏切るだけなら、この仮面を捨てる必要など無かったはずだ。
だが、今の自分には仮面を捨てた理由を理解できる気がする。
仮面に籠められた願い、それは人類の自由と平和を守るという事。
その為に命ある限り戦い続ける覚悟。
だからこそ、彼はこれは仮面を捨てた。
だが、この仮面に籠められた願いを共にする仲間達もいた。
姿は違えど、人の平和と自由の為に戦い続ける戦士達が。
一度は全滅させられたとはいえ、新しくその姿と志を継いだ戦士達が。
仮面を被り、決意する。
ならば、自分はこの男の後を継ごう。
『始まりの男』本郷猛の魂とその名、『仮面ライダー』を!
- 犯罪と欲望が蠢く都市ネ実市……。
まずはネ実市の何処かにある、かつて『暗黒の騎士』と呼ばれたヒーローの拠点を探す事になる。
髭面のオッサンから聞いた情報を元に、廃墟と化したネ実市を旅して「ケイブ」を目指せ。
しかし、辿り付いた「ケイブ」には漆黒のコスチュームがあったものの、彼の姿は無い。「ケイブ」に残された情報を元に、スラム街の外灯へと向かう主人公。
町並みは随分と荒廃していたはずなのに、その区画だけは何故か昔のままだ。
外灯の前にある酒場では、誰かの葬式をやっているとか。
不思議と懐かしい女性の声に誘われて葬式会場に足を踏み入れた主人公は、
そこで何が暗黒の騎士に起きたのかを知る事になる。
霊夢が、悟飯が、小傘が、ジョーカーが、大統領が、『自殺志願』が……。
会場に集った人々が語る、暗黒の騎士が迎えた最期の記憶。
時に戦いに敗れ、時に巨悪を道連れに華々しく、時に人知れず密かに、
火事から子供を救うも火に巻かれ、怯えた紳士の反撃にあい……。
そして死ぬ。必ず最後は死ぬ。それしかないのだ。
彼はヒーローだ。彼はネ実市を守り。彼は犯罪と戦い続けた。
にも関わらず、失われた生命を助けることはできないのだから。
でも・・・・。「ヒーローになったことのご褒美は何かわかってるの?
またヒーローになれること。
それを馬鹿にするならあんたもう死ね!」主人公は全てを理解し、クラエア姉の言葉に頷いた。
そう、自分はかつてヒーローとして戦っていた。
この世界において、自分が『暗黒の騎士』となったように。
それが己の宿命であると同時に、選択した人生なのだ。
気がつくと主人公は廃墟の酒場の中で立ち尽くしていた。
その手には漆黒のコスチュームが握られている。
もはや、言うべきことは何も無い。
『暗黒の騎士』は『復活』したのだ。主人公はかつての拠点である「ケイブ」を訪れ、コスチュームを身に纏い、
主人公の事をを未だに信じて戦い続け、ボロボロになった少女を合衆国から救い出し、
敢然と世界を支配する狂気に対して戦いを挑むことになる。
もはや、言うべきことは何も無い。
『暗黒の騎士』は『帰還』したのだ。尚、このイベントの結果、現在この並行世界に存在している自分は、
自分を本物だと思い込んだクローンである事が判明する。
より正確にいえば、暗黒の騎士が自らの死後、その正体が暴かれるのを防ぐために作ったもので、
「自分が暗黒の騎士であった」ということを除いたすべての記憶が移植されている。
しかし同じ遺伝子、同じ記憶を持っているとはいえ、完全な同一人物ではなかったせいか、
その行動は生前の主人公と微妙に異なり、その些細な違い、ゆらぎが、バタフライエフェクトを引き起こし、
結果的に、倫理崩壊世界へと更に大きな変化をもたらしてしまったようである。 - 切なる祈りを胸に……。
オッサンの言葉を聞いたとき何故か、合衆国より奪還したこの鋼鉄の巨人が浮かんだ。
何も知らないのに、元の世界でも見たことがないのに、何かの声に呼ばれたような気がしたのだ。
そして、導かれるようにコクピットに座ったら「意思」が流れこんできた。
「すまない…」
この声が脳裏に浮かんだとき、ある少女の姿が浮かんだ。
そして「意思」は告げる、連れてきてくれと、この場所に。少女の場所に。
その少女を連れて来ることが出来れば、少女に「意思」は語りかける。
もういない愛した男の意思、存在しなかった男の意思、数え切れぬ意思。
それは、鋼鉄の歯車の奥、デモンベインの魔術的構造の最奥に蓄積された力の「意思」の余波。
彼らはそこにいる。
それを少女が知ったとき、絶望から解き放たれた少女は主人公と契約する、「意思」に選ばれ、魔を断つ剣を執るに相応しいとして。
三位一体はなり、デモンベインは「帰還」し明日への道を切り開く。 - そう、それを果たすのも……。
オッサンと別れた主人公は気が付くと何処とも知れない場所に立っていた。
困惑する主人公の前に一人の青年が現れる。
青年は並行世界を流離った末にこの世界に辿りつき、αナンバーズと協力して戦っていたが、仲間達を守るために自らの身体を失ってしまったという。
青年の「俺の大切な仲間達を助けてほしい。そして俺の代わりに虚空の使者として全ての並行世界を守ってほしい」という言葉に、主人公が頷く。
「唱えよ、テトラクテュス・グラマトン!」
「テトラクテュス・グラマトン!」気が付くと主人公はオッサンと別れた場所に立っていた。
先ほどの出来事は夢だったのか?
そう思った主人公は次の瞬間、あれが現実の出来事だった事を悟る。
主人公の目の前には銃神「ディス・アストラナガン」が新たな主を迎える為に立っていた。
ここに、新たな虚空の使者、並行世界の番人が誕生したのだ。このイベントを経過した状態で論理崩壊編のEDを迎えると、主人公は元の世界に戻らずに並行世界の番人として他の並行世界を守るために旅立ってしまう。
つまり、元の世界のシナリオに戻る事無く特殊ENDとなってしまう。
なお、虚空の使者ENDを迎えた場合、他の世界移動シナリオやヴォヤージュ1���、ヴォヤージュ201�、で最後にこのENDを迎えた主人公が「並行世界の番人」として登場する。