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Last-modified: 2023-10-11 (水) 20:28:05

世界移動シナリオ-ARMORED CORE Paradise of Stain編のイベント

文々。新聞

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Back Number01

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第13回
現役で活躍するリンクスを相手に対談形式でインタビューを行う企画。
今回インタビューを了承してくれたのは、カラードランク3 独立傭兵のフランドール・スカーレットさん(吸血鬼)
かつてのローゼンタールの主戦力であったあの「破壊天使」の素顔に迫った。
そして話を進める内に彼女の意外な一面など、興味深い話が飛び交う内容となった。
今回のインタビューが諸氏らにとって得るものがあれば幸いである。

fran.jpg*1

――今回、お忙しい中快諾頂き、有り難うございます。
  文々。新聞の射命丸 文と申します。今日はよろしくお願い致します。

「フランドール・スカーレットと申します。
 独立傭兵のリンクスとして、現在は東欧から中東を中心に活動をしています。
 本日はよろしくお願いしますね」

――はい。では、早速なのですが……

「あ、ローゼンタールの話題についてはそこそこにして下さると助かります。
 あまり深く込み入った話をすると、あとで苦情(物理)が来ますので…」

――苦情(物理)ですか?(笑)

「はい、苦情です(苦笑)
 旧式の蹂躙兵器が、ホームポイントに嫌がらせしてくるんです。
 大した相手ではありませんが、迷惑ですね」

――…こう言っては、他人事のような言い方になってしますが、大変ですね。

「いえ…AFをけし掛けられないだけ、対処は楽です」

――では、お互い機密に抵触しない程度に。
  フランドールさんといえば、かつてのローゼンタールの最高戦力として有名ですが…
  そのローゼンタールを抜けた切っ掛けはなんでしょうか?

「いきなり斬り込んできましたね…」

――ガンガンいこうぜという名セリフがありますからね。

「切っ掛けらしいものと言えば……リンクス戦争当時、生き別れになった姉*2がレイレナード側のリンクスで
 それと戦場で交戦したことが節目でしょうか」

――偶然肉親と再開して、ですか?

「そうですね。今思えば、よく互いに五体満足にいられたな、と」

――成程、あとの流れはそれとなく予想がつきそうですね。

「あの時点で、私が企業の下に付いて戦う理由は無くなってしまいました。
 『身勝手な理由で義務を放棄するとは、どうしようもない』とも言われますが」

――複雑ですね。私個人としてはそうなって良かったと思いますが。

「だからこそ騎士道精神やノブリス・オブリージュなんて掲げるローゼンタールには相応しくないでしょう」

――では、今もこうしてリンクスとして戦う理由はなんでしょうか?

「結局のところ、生きたい、からでしょうか。
 矜持がないわけではないけど、思想や理想だけでは生きてはいけませんよ」

――やはりそこに行きついてしまいますか。

「結局そうなってしまいます。
 今も企業がある程度の影響力を持っているとはいえ、パックス・エコノミカが崩壊したアナーキーな時代。
 そして、特定勢力の後ろ楯を持たないリンクス。眼を付けられるには十分でした。
 素性を隠して隠遁するにも、ホームポイントや家族や友人を含め、人員の規模が大きすぎました。
 その当時は、ラインアークという駆け込み寺もありませんでした」

――リンクス戦争終戦後の最初期ですね。

「コジマ汚染の拡大、クレイドル体制の移行。各地で発生する紛争。パワーバランスの見直し。
 最初の数年は本当に慌ただしかったですね。
 企業の下で只管機械のように生きることを強いられていたパックス時代よりもずっといい、という人もいましたが」

――フランドールさんも、その一人でしょうか?

「どうでしょう。
 ですが、パックス時代では家族や友人と一緒に衣食住を共にできなかった事は確かです。
 その点で、現状に満足はしてます」

――ふむ……。では話題を変えて、最近話題になっている「ワンダフルヘヴン」*3について
  フランドールさん視点での御意見をお聞きしたいのですが。

「ワンダフルヘヴンですか。
 依頼で関わる事は少なからずあります。
 あの広大な地下空間の内部には自律兵器群が徘徊しているのですが……
 あれが、少々腑に落ちません」

――どういった具合にでしょう?

「あれの排除のために依頼で駆り出されたことが何度あったのですが、どうも面妖というか。
 確証はありませんが、依頼を重ねる度に遭遇する自律兵器全般の性能が改良されている節があります。
 それに関連して何かしらの武装勢力が騒いでいるという話もあります。
 企業が掲げている御題目に沿えるのかどうか。
 …全てを排除し尽くしてしまえば、それこそ結果が過程を正当化するのかもしれませんけどね」

――…少しキナ臭い話ですね。ちょっと探りを入れてみる必要があるかもしれません。

「あまり深入れしないように気を付けてください。
 陰謀屋気質の連中が関わっている事を踏まえても、あそこは少し不穏ですから」

――肝に銘じておきます。



――では、話題を別の方向に変えましょうか。
  先の話題に出てきた御姉さんとの御関係は良好なのでしょうか?

「それについてはこうして姉の下にいるのが何よりの証左です。
 食べ物の好き嫌いが多い、気位が高すぎることを除けば良い姉ですよ。
 たまにアセンや夕食の内容で殴り合いの喧嘩もしますが、概ね良好な関係を築いていると思います」

――あやや、微笑ましい話です。…しかし、こうしてお話してみると、結構アクティブですね。
  失礼ながら、ローゼンタールという出自から、深窓のお嬢様という印象がありましたので。

「……深窓ですか? 姉や知人が聞いたら腹を抱えて笑い転げそうです」

――違うんですか?!

「表向き、礼儀正しいとは言われますが、違います。
 腹の底では何を考えているのかわからない、なんて言われますし」

――何を考えているのかわからない、ですか。

「タメ口している時とそうでない時の落差が大きいからみたいです。
 余り自分から積極的に話さないのもあるんですけどね」

――そうでしょうか? 失礼ながら、結構な饒舌に思えるのですが。

「音頭さえ取ってもらえれば、話題には参加できます。
 それにだんまりじゃ、このインタビューを引き受けた意味がないじゃないですか(笑)」

――あやや、そりゃ御尤もですね(笑)



――では、次はリンクスの世代についてお聞きしたいと思います。
  カラード設立からだいぶ経過しましたが、世代も大きく入れ替わってしまいましたね。

「もう8、9年くらいでしょうか。
 上位ランカーは大半が健在ですが、あの頃から今も最前線で戦い続けている方はだいぶ減ってしまったと思います」

――フランドールさんは、ランク3。カラードランクで言えば相当な重鎮ですね。

「そうでもないと思います。
 私のランク自体、過去の経歴が強いですし、これといってたいした権利も義務もありません。
 むしろこの外見ですから、重鎮といった目で見られる事はほとんどないです」

――外見で下に見られることは私も経験あります。イラッときません?

「ちょっとだけ、カチンときますね」







――ふう、ありがとうございます。お陰で興味深い取材になりました。

「いえ、こちらこそ。何かのお役に立ったなら幸いです」

――…あ! 最後だけもうひとつ質問があるのですが。

「はい、なんでしょう?」

――巷で良く噂になって、前回の購読者からの感想メールもこの話題ばかりなのですが……
  ……実際の御年齢は御幾つなんでしょうか?

「えっ」

――レミリアさんやランク6の西行寺さんもですが、アンチエイジングってレベルじゃないんですよ。
  ……不可解です。一体どうやったらそんなに瑞々しい肌質を保てるんですか!

「……秘密です!!」

(黙秘を貫いた為、結局聞き出せず。無念)

frantonext.jpg

Back Number02

From文々。新聞
Subjectフォーミュラフロントに衝撃 オーガが不祥事
X月XJ日、知性と戦略を競う筈のフォーミュラフロントにて唾棄すべき出来事が発生した。
レギュラーリーグ出場チームのひとつ、オーガCFデュエリング(以下、オーガ)のアーキテクト、ディアボリク氏が先日の試合における対戦チームだったブルーティッシュワイバーン(以下、BTワイバーン)のスタッフに対し、傷害事件を起こしたのである。
また、これに連なり、同氏がBTワイバーンのアーキテクト、ライナス氏が手掛けたAIデータを盗用した事実も発覚。
致命的な不祥事を起こしたオーガの代表は「アーキテクトの腕を信頼し、甘やかした結果。申し訳ない」と謝罪。

FFA*4はこれを受けて、ディアボリク氏のアーキテクトライセンスの剥奪を決定した。
この事件と対応に対し、BTワイバーンのライナス氏は「ディアボリク氏の腕が良いものだけに今回の件は非常に残念です」と発言する。
また、FFの名スポンサーとして名を馳せる有澤重工の有澤 隆文氏(同社43代目社長)は
「我が故国に【郷に入っては郷に従え】という諺がある。それはFFも例外ではない」と重々しくコメントした。

蛮行を犯したオーガは勝利のためなら反則行為すれすれの手段すら是とする姿勢で知られている。
同チームの姿勢は知性の場であるフォーミュラフロントにふさわしくないと周囲から批判が多かったが
今回の事件はその在り方が最悪の形で露見する格好となった。

(射命丸 文)

Back Number03

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第14回
現役で活躍するリンクスを相手に対談形式でインタビューを行う企画。
今回インタビューを了承してくれたのは、なんとカラードランク1 オーメル・サイエンス社所属の汚い忍者さん!
……ではなく、彼の専任および同社所属のランク21 ジャルジー・ウォーターブリッジさんのオペレーター オイス・サブリメンさんになった。
ランク1への取材は叶わなかったが、ランク1の謎、オーメル社や彼の地、ワンダフルヘヴンの裏側について、
この記事をご覧の諸氏にその片鱗に触れていただければ幸いである(下手に深いことを聞くと互いの命が保証できなくなるそうだ....おお、こわいこわい)

――今回、お忙しい中快諾頂き、有り難うございます。
文々。新聞の射命丸 文と申します。今日はよろしくお願い致します。

「オーメル・サイエンス社軍事部門主力戦術部戦術情報課所属 主力専任管制官のオイス・サブリメンです、
本日はよろしくお願いします」

――汚い忍者氏に代わって取材を受けていただきありがとうございます

「すみません、彼はかなりの秘密主義なもので。
彼に代わって僕が答えられる限り答えさせて頂きます」

――秘密主義、とは?

「彼は他人に自分のことを探られるのが嫌いなんです。
顔を出す必要があるカラードの会議でサングラスをしてるくらいですし。
僕に下手なことを聞いたら明日貴女のデスクに黒いライールが飛んで来るかもしれませんよ?」

――……それは、脅しですか?

「いやいや、下手なことを喋ると僕の首も危ないので(笑)
忍者が止めてくれましたが、上は僕に代わって対外部所のアディさんに対応させるって言ってたくらいなんですよ。
そういう訳で答えられないものは答えられませんが肩肘を張らずにどうぞ楽になさってください」

――は、はぁ、えーっと、では今回オイスさんを介しての取材の許可を下さったランク1 汚い忍者氏とはどのような人物なのでしょうか?

「プロフィールや経歴には触れられないので人物像だけですが。
性格は自信家で毒舌家なのと、有名なところでは極度の効率主義・実益主義というのは知られていますね。
必要ならば手に入れた他社のパーツを利用し、それでミッションを完了することでそれを認めさせています」

――さながら、かつてのリンクスナンバー1のベルリオーズのようですね。
彼もレイレナードに属しながらも、GA系有澤重工製グレネードを愛用していました。

「彼はもっと極端です。
企業のため、忠誠を尽くすために特別な武装を行っていた模範的な軍人ベルリオーズとは違い、
彼は企業の指示した『過程』を無視してでも指示した目的を完璧に果たし『結果』を残すというスタンスを取っていますからね。
そのため彼のブリーフィングやオペレーションには神経を使いますよ」

――ふむ、失礼ですがオイスさんは若いのに重要な部所を任されているようですね。
『軍事部門主力戦術部戦術情報課所属主力専任管制官』
つまりは『ネクストの戦術的運用において、戦闘における情報を司る課に所属する、リンクス専任オペレーター』
どうやら課の重役のようですが。

「この位置は僕の能力より彼やジャルジーから専任されてるというのが大きいです。
使えないなら何でも容易に切り捨てる彼に認めて貰えているので能力はあると思いたいのですが」

――あやや、リンクスのお二人とは随分と親しい間柄みたいですね。
皆さんは一体どういった関係で?

「うーん…友達、ですかね?
これも詳しくは言えないのですが、彼らとは色々と縁がありまして。
あ、これ以上踏み込むとライールが飛んで来ますよ。しかも黒と緑の2機!(笑)」

――あやや!冗談はやめてくださいよ!
しかし、前から思っていましたが問題行動が目立つのに何故彼はランク1の位置を維持できているので?

「その理由は3つあります
1つ目は口相応、いやランク相応の実力
2つ目は効率・実益主義ゆえの任務成功率
3つ目は広報から喋るなと言われてるので黙ります」

――……カラードでのオーメルの発言権獲得のための政治カード、と?

「ご想像にお任せします」

――うーむ、そうですか。
では新しく質問を、汚い忍者氏の『噂』についてどう思っていますか?

「『彼の経歴の謎』、よく聞く話ですね。
彼の元乗機「ハングドマン」の武装が旧レイレナードの標準機 「03-AALIYAH」の標準武装に似ている、とか
シルエットがコロニー・アスピナの傭兵の乗機、旧「ホワイト・グリント」に似ている、とか。

では逆にお聞きします、ジャーナリストの射命丸 文さん。
貴方はこの噂をどうお思いですか?それ如何によってお答えしましょう」

――えっ?!えっと、旧レイレナのリンクスは戦争中に抜けた人以外はアナトリアの傭兵に討ち取られて、
アスピナの傭兵は終戦後の混乱期に戦死したと聞きましたけど。

「ふむ、流石の事情通ですね。
確かにオーメル社は戦後にレイレナードを吸収、およびにコロニー・アスピナを研究機関として傘下に納めました。
けれども彼らの所有していた戦力、
No.11 ブラム・ストーカー、No.33 白楼は抜け、
No.1 ベルリオーズ、No.3 アンジェ、No.12 ザンニ、そしてNo.40 ジョシュア・オブライエンは戦死
とまあ既に彼らの下にリンクスは もう既にいなかった 。つまりはそういうことです」

――つまりは根も葉もない噂であると?

「言い切っちゃうと面白くないでしょうからご想像にお任せします(笑)」

――うーん、そうですか……。
しかしオイスさんって面白い方ですね。
オーメルの関係者ってみんな腹黒か嫌味か根暗と思ってました(笑)。

「うーん、一概に反論できませんね(苦笑)
今の僕の口調も対外対応モードですし」

――え、じゃあ素の口調はどんな感じなんですか?

「フランクすぎて身内に嫌がれるくらいなのでここでは控えさせて頂きます(笑)
それに僕もこんな見た目で結構腹黒いんですよ?じゃないとあそこではやっていけませんから」

――そ、そうですか、じゃあ質問を変えて
最近話題になっている「ワンダフルヘヴン」について、意見をお聞きしたいのですが。

「オーメル・サイエンス社は同盟企業アルゼブラ社と共にワンダフルヘヴンの調査・開発の先鋒となっていす。
地下空間にはいまだ探索しきれないほどの清浄な空間が広がっており、その開発の意義は大いにあると私達は思っています」

――……急に宣伝みたいな物言いになりましたけど。

「不透明なことが多くて彼も僕もまだ何とも言いがたいのが本音なんです(焦)。
調査結果も研究部門に優先的に回ってから僕のいる戦術情報課に来ますので」

――むむむ、企業内、ましてやカラードランク1周辺でも情報に隔たりがありますか。
どうやって探りを入れたものか……。

「後ろ楯のない身であそこへの干渉は控えてください。企業間対立の渦中にある場所なんですから。
これはただの注意や企業の脅迫じゃなくて僕個人からの警告です」

――……留意しておきます。
では、最後の質問をさせていただきます。

今後の世界が向かう行く末について
オイスさん個人として、そしてある意味世界の先進に立つリンクスのオペレーターとしてどう思いますか?

「……コジマ汚染深刻化により急激に地上の自然・生活環境が悪化して十余年が経ち
人類は新たなフロンティアとし宇宙を目指していましたが、コジマ技術が先進しても未だに技術的な壁に当たっています。
しかし、清浄な地下空間であるワンダフルヘヴンの発見により、それが新たな人の拠り所として注目を浴びています」

「モニター越しですけれども実際にそこを見たからこそ明確に言えますが、一般的に言われているようにあそこが今後の世界情勢の中心となっていくでしょう。
しかし、人は空の揺り篭に揺られるのか、母なる大地に抱かれるのか、それとも自らの手でそれさえも冒してしまうか、そこまでは僕にもわかりません。
僕個人が言えるのはこんなところです」

――……貴重なご意見、ありがとうございます。
その行く末を、その答えを決めるのは私たち人類なのでしょうね。

「……ええ、そうですかね。
では、本日の取材は以上でしょうか?」

――あ、最後に一つ質問が。

「はい、なんでしょう?」

――では、ランク1 汚い忍者氏とランク21 ジャルジー・ウォーターブリッジ氏の関係、ですが。

「ああ、気になりますよねーそれ(笑)
けどそれをいうと貴女にライールじゃなくて僕に拳が飛んでくるんで内緒です(笑)」

――あやややー、そうですかわかりました(笑)
では今回はなかなかお聞きできない貴重なお話をさせて頂きました。
本日は取材させていただきありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとうございました。
機会が有りましたらまたお会いしましょう」)



Back Number04

From文々。新聞
Subject技術のキサラギ 生体兵器開発進める
X月 KI日、キサラギ社がMTやノーマルACに代わる新たな戦力として生体タイプの兵器の研究を進めていることを明かした。
生体兵器とはその名の通り、生命体をベースにした兵器だ。自己進化や修復を遂げる場合もあるらしい。生命に対する畏敬云々という声もあるだろう(一応、筆者も思うところはある)が、ある意味ナンセンスなので敢えて伏せておく。
そのテストケースとして初めに開発されたのが「AMIDA」であるという。運用形態は不明だが、アッと驚く方法を用いて戦場で活躍するとのこと。
スポンサーであるトーラスを介して、マリー=セシール・キャンデロロ氏(インテリオル・ユニオン広報部)は「AMIDAとは阿弥陀仏というジャパニーズの神様を由来にしています。その名前の通り、見ているだけで落ち着くような、可愛らしい外見が一番の売りです。丸い複眼、跳ねまわる様な動き、とても愛らしいとは思いませんか?」とコメントする。どこが着眼点がずれていると感じるのは筆者だけだろうか。
「技術のキサラギ」で知られる同社らしい奇抜な奇想兵器だが、形態が形態だけに制御可能なのか、技術者やレイヴンからは不安や疑問の声が聞こえる。

「(変態度数的な意味で)この兵器は凄いですよ」(岡部いさく氏 [軍事評論家])
「暴走することがあるなら、その時は俺達が駆り出されるんだろうな…」(フォグシャドウさん [レイヴン])
「そんな兵器で戦う気か? 舐められたものだ!」(アモーさん [レイヴン])
「なんだか腐った桜餅みたいな色をしていますね…」(魂魄 妖夢さん [リンクス])
「さっさと失敗してしまえばいい。こんなものが流行ちまったら仕事がなくなる」(ゴールディ・ゴードンさん [レイヴン])
「うーむ…頭に被ってみたくなるのは何故だろうなあ」(ソラールさん [リンクス])

この生体兵器開発が戦場にどういった流れを生むのか、その進捗が待たれる。

(射命丸 文)

Back Number05

From文々。新聞
Subjectキサラギ 生体兵器開発中止
C月 ZZ日 以前、キサラギ社が自身を持って取り組んでいた生体兵器研究の開発中止が決定した。
研究の最中、被検体が暴走・研究所の脱走。技術チームはレイヴンやリンクスを雇い、その後始末を依頼していた模様。また、今回だけではなく過去に2回程度同じ事例が発生していた事が発覚した。
この事態に企業連はキサラギに該当兵器の開発中止を要求。トーラスとアスピナ機関は「何も分かっていない。技術の結実に失敗は常に付き物だ」「彼らの技術は確かなものだった。ただ、運が悪かっただけなのだ」とキサラギの擁護と企業連の決定に批判したが、オーメルの鶴の一声で最終的に同意する結果に収束した。
この事件に対し、ハマーン氏(クレスト・インダストリアル代表)は「ある意味予想できた結末。人間や妖怪でさえままならないというのに」と痛烈なコメント。その他に各所から様々な声が上がった。

「技術屋として反面教師にするべき事件。色々思うところがある」(鈴仙・U・イナバさん [技術者])
「やはり弱者とはやれんな…」(ジャック・O氏 [レイヴンズアーク代表])
「何れこうなるとは思ってましたが……頭が痛いです」(東風谷 早苗さん [リンクス])
「三度目の正直というものか。良い薬にはなるだろう」(エヴァンジェさん [アライアンス戦術部隊司令官])
「ホッとはしています。虫は苦手ですから…
 でも、この事件の話って確か情報規制されてた筈じゃ(以下略)」(長江 衣玖さん [リンクス])

意外にもまあわかってた(予知夢)的リアクションが多い。
が、慧眼というよりは「まあ、あのトーラスの子会社だし」という達観した姿勢だった。

(射命丸 文)

Back Number06

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第15回
現役で活躍するリンクスを相手に対談形式でインタビューを行う企画。
今回インタビューを了承してくれたのは、カラードランク2 インテリオル・ユニオンに所属する東風谷 早苗さん!
同企業の最高戦力として名を馳せる彼女に普段は言えないというあれこれについて訊ねてみた。
肩書に見合わぬ気さくさで迎えていただけた今回の対談。
最高戦力と謳われるだけあって、背負う責任が通常戦力の比ではないことを改めて知る内容となった。



――お忙しい中快諾頂き、有り難うございます。
  文々。新聞の射命丸 文と申します。今日はよろしくお願い致しますね。

「こちらこそ。インテリオル・ユニオン、東風谷 早苗です。
 キサラギ絡み*5以来ですね。本日はよろしくお願いします」

――あれはいろいろ大変でしたね…。

「おかげでカラードの会議では周りから胡散臭い目で見られました。同情する方もいましたが」

――御苦労なされているようですね。

「慣れればどうということはないです。たまにトーラス本社を襲撃したい欲求に駆られるくらいで。
 あ、今のは冗談ですけど、オフレコでお願いしますね」

――了解しました。本題に入りましょう。
  早速ですが、最高戦力と言う立場上、苦労される事も多々とあるのではないでしょうか。

「それはありますね。立ち場に見合う活躍はたびたび要求されます。
 また先のカラードの会議では私は『インテリオル代表、若しくは窓口役』という扱いなのですが、
 これがなかなか大変ですね」

――と仰いますと?

「傘下企業の不祥事の際には私から率先して苦情が届く事が多いんです。
 一応、そう言った対処の為に苦情課がインテリオル内に設立されているんですが…」

――大変ですね…。

「慣れました(笑)
 それに会議と言っても、簡単な意見交換の場です。形式ばった物言いはあまりないですね」

――そうなんですか? ナンバーが刻まれた長方形の物体を介して連絡しているイメージがあったのですが。

「それじゃ悪の組織ですよ(笑)
 上位ランカーと言っても、これ以外に何かある訳ではないんです。
 あと、企業に所属するリンクスなら企業の待遇が変化するくらいでしょうか。
 会議に参加できると言っても、全く意見を出さずに物見に耽っている人もいますし」

――あやや…。意外かつ貴重な言質ですね。

「実際に見たら胃が痛くなるか幻滅すると思いますよ(笑)」

――そういえば、東風谷さんはよく「博麗 霊夢の再来」と言われるのを各所でお聞きしますが…。

「戦い方についてでしょうか?
 私がネクストやACの操作を学んでいた頃、あの人が教官だったんです。
 戦法についてはそれで色々薫陶を受けた結果かなあと。
 …再来って、性格面の事ではないですよね?」

――い、いえ! そんなことはないですよ?!

「……初対面の方によく身構えられるんですよ。
 何をしてきたんでしょうか、あの人…」

――それは…物凄いとしか…。
  今でこそ行方不明になっていますが、死亡したとかそういう噂が聞かれない辺りで……。

「……殺しても死にませんから、あの人(苦笑)」



――次に、昨今の話題の中心地であるワンダフルヘヴンについてお尋ねしたいと思います。

「それについては、上層部より簡易的な方針を言い渡されていますので、それを以って返答とさせていただきます。
 ワンダフルヘヴンの技術に関しては、非常に魅力的。
 しかし、それには不安要素も多々とあり、慎重な立場を取らざるを得ない。
 また、一部勢力による突出した行動は好ましくない。
 遺産は公平かつ均等に分配されるべき――これがインテリオル側の回答です」

――成程。インテリオル・ユニオンらしい回答ですね。

「ええ。ありがとうございます」

――では、東風谷さん個人の御意見としてはどうでしょうか?

「私自身、あの遺構に積極的に介入している訳ではありませんから、難しいですね。
 強いて言うのであれば、其処から取得できる技術で、地上に残された市民の居場所が切り拓ければとは思います。
 戦争だけが技術の能ではありませんから」

――…地上の環境は劣悪ですからね。新しい受け入れ先になれば良いのですが。

「そう願います。例え、私達リンクスの居場所がそこになくとも」

――こんな所でしょうか。お陰で有意義な話が聴けました。
  本日は時間を割いていただき、本当にありがとうございました。

「いえ、こちらこそ。私も普段は言えない事を言えてスッキリしました(笑)」

――……言っちゃって大丈夫だったんでしょうか?

「それについては大丈夫です。
 手離しには喜べませんが先任が先任でしたので。それくらいなら許容されてるんですよ」

――ああ…「あの」先任なら仕方がないですね…。



Back Number07

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第16回
現役で活躍するリンクスを相手に対談形式でインタビューを行う企画。
今回インタビューを了承してくれたのは、GA社の期待の新鋭、太陽騎士アストラ家の次期当主、カラードリンク18 ソラール・アストーラ氏。
彼のGA社の新ネクスト戦略、NSS計画(プロジェクト・ニューサンシャイン)の成功例にして敬虔な宗教者として名高い彼の実像に迫ってみた。
信仰の理由でリンクスになったというエキセントリックな経歴で有名な彼であるが、そんな彼が語ったのは、リンクスとしての名誉と苦悩であった。
その数は世界に数えるほどしかいないリンクス、彼等はどのような思いで戦場に立っているのだろうか。


――今回、お忙しい中快諾頂き、有り難うございます。
文々。新聞の射命丸 文と申します。今日はよろしくお願い致します。

「太陽騎士家次期当主、GA社所属リンクス、ソラールだ。射命丸殿、今日はよろしく頼む」

――え、ええ、では、早速質問に入らせて貰っても宜しいでしょうか?

「ああ、大丈夫だ。
気にせず、楽にしてくれて結構だ」

――あ、いえ、お気遣いなく。
では、質問の方を失礼して、ソラールさんがGA社のリンクスとなったのは信仰上の理由とお聞きしましたが詳しい経緯を伺って宜しいでしょうか。

「私は人々を別け隔てなく明るく、温かく照らす太陽を信仰している。
昨今の世界の情勢を憂い、何かできる事はないかと思案している時に見付けたのが我が領を管轄下に治めるGAのNSS計画だった」

――ふむ、それと太陽信仰との関係は?

「名に惹かれたのもあるが、それ以上に領内の、コロニーの人々の惨状を憂い、そして太陽の偉大さを垣間見たからだ。
森が枯れ、水が汚れ、大地が朽ち果てようとも、太陽だけは変わらず聖堂で私達を優しく照らしてくれた。私もあの太陽みたいに大きく、温かい存在になりたかった。
そして、私がGAのリンクスとなれば領民を私の関係者としてクレイドルにあげることが出来る、皆を救う太陽に成れる。そうして私はリンクスとなったんだ」

――皆を照らし、救う存在、『太陽』になりたい。
それがソラールさんがリンクスを目指した理由、ですか。

「ああ、そして私はこうしてリンクスとなり、多くの領民をクレイドルに上げることができた。
けれども私が今も住んでいるこのコロニーに好き好んで残ってくれる人もいるがね」

――ソラールさんは『太陽』になれた訳ですね。

「....いや、俺は、私は『太陽』ではない」

――....というと?

「私は領民を救うことは出来ても、彼等のために戦うこと『しか』出来ない。
それは私が求める『太陽』とはほど遠いのだよ」

――企業のために戦うリンクスであるかぎり、
自分は皆を照らし、救う『太陽』にはなれない。
つまりは、そういうことですか?

「そうだ、けれども私は領民を救い、私達を助けてくれる彼等への恩義がある。
だから私は彼等のため、彼等が守る人々のために武器を取る。私が彼等の『太陽』であるために、本当の『太陽』になるその術を知るまで」

――....そう、ですか。

「愚かと笑ってくれても構わない、嘲笑には慣れている」

――いえ、立派な意志を持っていると私は思いますよ。

「....ウワッハッハッハ!ありがとう射命丸殿!
今日、貴女に会えたことを太陽に感謝だ!太陽万歳!」

――....あの、そのポーズは?
(立ち上がって背筋を伸ばし、空を見上げながら両腕を広く広げる)

「太陽騎士の祈りの姿、太陽讚美、だ。
ウワッハッハ、ちょっと熱くなってしまったな。済まない、取材に戻ろう」

――はい、では、昨今の話題となっているオーメルとアルゼブラの軋轢に関しての見解を頂けませんでしょうか。

「うーむ、GAとしてはオーメルグループの亀裂を好機と見ているだろう。
ワンダフルヘヴン開発に遅れたGAにとって、その先鋭を成し、それを理由にアルゼブラとの軋轢を産んでいるオーメルに牽制できる良い機会だ。
当のアルゼブラ内はオーメルとの同盟を重視する派と自社の利権を主張する派に分かれていると聞く。敵の敵は味方とアルゼブラの反オーメル派と結託するかもしれないな。
それにGAの宿敵と言われるアルゼブラだが、リンクス戦争時にレイレナード陣営を討つためにGAと旧イクバールとが協調した例もある。決してないとは言い切れまい」
「だが、私にとっては同じ太陽に照らされる者同士が憎しみ合うことほど、辛いものはない。そう思う」

――....そ、そうですか、はい。

「おや、私をただの奇人と思っていたかい?
今の世を憂う程度の知恵はあるさ、ウワッハッハ!」

――いえいえ!滅相もない!
しかし、実際にはオーメルとアルゼブラの軋轢にGAが干渉した場合はどうするので?

「私は『騎士』の家の者だ。恩義がある主君には誠心誠意尽くす。
太陽の加護と騎士の誇りを持ち、今に連なる太陽騎士の我が名に掛けて」
「それに、弱き者の前に立って戦い、戦を終らせるのもまた騎士の務めだ」

――....あの、ソラールさんってローゼンタールの方でしたっけ?
いや、正直あそこの人達よりよっぽど貴族らしいんですが。

「高貴なる者の務め、か。
あながち間違いではないな、ウワッハッハッハッハ!」

――このコロニーの事実上統治者であるソラールさんから見て、昨今のコジマによる環境汚染とワンダフルヘヴンについて、どうお考えですか?

「....私は次期当主だが答えられる限り答えよう。
簡潔に述べると環境汚染に関してはかなり深刻になってきている。
南米は先の戦火から大分免れることができ、アルテリア施設の建造も少なく、コジマによる汚染は少ない。
しかし、先に述べたようにコロニー圏の森が次第に枯れ、水の汚染も見られ始めた。そしてそれ以上に問題なのは、希少となった自然資源の乱獲だ」
「乱獲による環境破壊とコジマによる汚染が砂漠化に拍車を掛け、それが原因で乱獲を加速させるという悪循環になっている。
コロニーによる警備も強化しているが、悪化の一途を辿るばかりだ。このままでは森が砂漠に沈むのも時間の問題だというのに
....だがコジマ汚染の原因を担っている私が言えたことではないか。すまない」

――いえ....。

「ワンダフルヘヴンについては、最悪の事態を考慮すれば、母なる大地に抱かれるのが得策と見るべきだろう。しかし、人類が父なる太陽の慈愛を失うというのは忍びない。
それに、彼の地が人類の行く先だとしても、汚染された地上に残る者は少なからずいるだろうな。
私のように地下に住むことを良しとしない者、社会的地位によって留まらざるえない者、地下資源確保のために従事する者とそれを奪いあうために戦う者、
あとコジマを忌むことになる地下コロニー内から追放されたコジマ科学者・技術者あたりか」

――……しかし、実際にそんなことが起こらないことを私は願います。


「そうだとも、私のように今のこの生活が変わらず続くように祈る者がいて、微力ではあるがそう努力する者がいるのだ。
(聖堂がある中庭を覗く、未だに芝や若木が残っていた)
希望的観測に過ぎないが、このコロニーは守り抜ける、いや守り抜いてみせる。私はこの日々を、ここにいる人々を守って行きたい、そう思う」

――そう、ですか。
(けたたましい警報が鳴る)
....!?

「....っ!済まない!武装勢力の襲撃を確認したようだ!取材はここまでだ!
中庭の聖堂の中まで行けばシェルターがある!君はそこに行ってくれ!」

――ソラールさんは!

「俺もネクストで出る!プライマルアーマーを展開しなければ汚染のリスクはほぼ無くなるからな!
奴等は俺がPAがないと戦えないと思って直接侵攻してきたのだろう!領を荒らしに謀った奴等を討伐してくる!
友を守る栄誉を与えてくれた太陽に感謝だ!太陽万歳!ウワッハッハッハッハ!」

(この後二時間ほどで避難命令は解除されたが、ソラール氏はAMS停止処理のために安静にしていたため、個人的な話は出来たが取材はできなかった。
武装勢力が展開されていたノーマルはアルドラ製、すなわちインテリオルの息のかかった襲撃であった。
恐らく自然資源の目的だけではなく、アルテリア建造のための土地の利権も兼ねてのものと考えられる)





Back Number08

Back Number08-1

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第17回前編
現役で活躍するリンクスを相手に対談形式でインタビューを行う企画。
今回インタビューを了承してくれたのは、何と!
話題の中心、オーメル・サイエンス社より独立したカラードランク1 汚い忍者さんが正式に!当新聞独占で!インタビューを受けてくれました!今度こそ本物です!

先日取材を受けてくださったオイス氏から独立を機にオファーを頂き、本日のインタビューが実現した。
今回もインタビューを受けてくださいまして、この場を持ってお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

今回のインタビューは企業からの箝口令を解かれたばかりの二人からはかなり過激な回答が飛び出した。
……それに伴って後ろ楯になってくれると言ってくれたが、正直記者は不安である。


――今回、お忙しい中快諾頂き、有り難うございます。
文々。新聞の射命丸 文と申します。今日はよろしくお願い致します。

汚:「独立勢力代表、カラードランク1位、汚い忍者だ」
オ:「独立勢力『汚忍特戦隊』代表補佐、オイス・サブリメンです。
本日はよろしくお願いします」

――お久しぶりです、オイスさん。
今回はインタビューのオファーを頂きありがとうございます。

オ:「いえこちらこそ、この場を設けていただきありがとうございます
この人かなり悪口がキツイから我慢してくださいね(笑)」
汚:「……余計なことを言うな」

――しかし、『汚忍特戦隊』……とはまた変わった名前ですね。
一体、どんな経緯で名付けられたので?

汚:「……ジャルジーの養子のネーミングが思いの外、通常部隊やエンジニアの連中に好評でこうなった」
オ:「あれは笑いましたよ(笑)
会議中に乗り込んできた彼女が上げた案に皆が悪ノリしまして(笑)」

――あやや、随分と楽しそうですね。

オ:「皆、この人を中心に自分の意志で離反した人ばかりですからね」
汚:「政治や開拓に夢中の陰謀屋から技術者や通常部隊の人材を引き抜くのは簡単だったそうだ。
得体の知れない楽園に夢中なあいつらの底も見えたようなもんだな」

――……そ、そうですか。
……では、取材を始めてさせてもらいます。

汚:「ああ」
オ:「お願いします」

――では、オーメル離反の真意についてですが、どのような思惑での行動だったのでしょうか

汚:「あの陰謀屋の茶番に付き合うのも飽き飽きしたからだ。
先の陰謀屋が企連の名目でやったラインアーク侵攻ではあのプロトタイプの前座にされたしな。
後援の質と政治力だけが魅力だった陰謀屋共にもホトホト愛想が尽きたわけだ」

オ:「実際問題、彼等の最近の傲慢さは目に余りますからね。
楽園の発掘技術の軍事的悪用、同盟企業であるアルゼブラとの経済圏問題の軋轢、
そしてあの最悪の遺物、リンクス戦争間に使われた最悪の兵器 00-ARETHAによるラインアーク侵攻。
……まあ僕が一番気に食わないのは奴等の尖兵を長年担ってきた彼を容易に切り捨てにしようとしたことですがね。
何が世界は更新される*6、だ。
軍事バランスを崩壊させ、世界の均衡を崩し、環境を悪化させて、
世界を終わらせる気でもいるのでしょうかね、あの陰謀屋は。
こちら側から見ればあんまりにもくだらない冗句だ。笑わせないでくれるかな、本当に」

――……随分と言いますね

汚:「文句があるなら抗議だの、抗議(物理)だのしてみろってな。
自慢のポンコツだの、GAから買ったランドクラブだの、アルゼブラのカブラカンでも借りて攻めてみやがれ。
GAの連中が喜ぶぞ」
オ:「ランドクラブ程度ならジャルジーも落してますからね。
ランクは21ですが彼女もランドクラブおよびギガベースでジャイアントキリングを多数達成済みです。
傀儡のローゼンタールも相手が悪いとネクストを出し渋るでしょうし、関係が悪化しているアルゼブラに泣きつくわけにもいきませんしね」

――……あの、これ、公共に流して大丈夫なんでしょうか。

オ:「不安なら僕たちが貴方のスポンサーになりますよ?
GA系やインテリオル系の方もいくつかいいところに声を掛けときますし」

――……え、何でそんなコネクションが?

オ:「カラードランク一位のネームバリューは価値が高いですからね。
先日も他グループから最新鋭のACパーツを幾つか提供して頂きました」
汚:「GAの伝統ある実弾武器に傘下の堅実な動力やニーズの広いミサイル、有澤の強力なグレネード、BFFの精密兵器群に長距離FCS、インテリオルの最新鋭の光学兵装、アルドラの運用面で洗練された重火器、アイツらの文句が無くなって良いものが手軽に手に入るようになった。
……あとトーラスのコジマ兵装は俺の機体に積むには辛いが、凄かったなアレは」
オ:「……うん、ためし撃ちで廃墟のビル数楝が跡形なく吹っ飛んだし」

――……そんなこと言って、オーメルグループのパーツはどうするんです?

汚:「アルゼブラには俺の機体にも合う軽量化重火器を貰った、有効に使わせてもらう。
ローゼンタールは何の反応もねぇし、見た目以外に特徴がないからいらねぇ。
オーメルの最新鋭パーツは既に提供済み、もとい技術者がパクってきて寝床に輸送済みだ」
オ:「それを修理するネクスト技術者は楽園開発のせいで不遇でしたので僕らが引き抜きました。
ですよね、整備士さん」
み:「ひゅい?!
え、ええ!こ、この前、技術者の人に忍者さんのレーザーバズーカの構造を教えていたただきました!」

――うわぁ……徹底的にやりましたね。

汚:「完璧主義者なんでな」
オ:「この人が満足するまでの下準備は大変でした。
それに生半可な計画で支配者たる企業から離反出来るとは想ってはいませんので」

――しかし、これほどの計画が練られていたということは、
前々から離反を計画されていたので?

汚:「計画はこれが練った、こいつに聞け」
オ:「ええ、先日の取材でも話したように上層部と研究部所の暗躍は、オーメルの身内でも黒い噂になっていましたし、
それに僕等は『ある理由』で、もともと奴等に好意的な感情は微塵もなく、奴等も同じで利用価値がなくなったら直ぐ切り捨てる気だったのでしょう。
まさしく、この前のように」

汚:「で、俺もジャルジーもいい加減嫌気が刺したからこいつの策に乗ったってわけだ。
そして、俺らに必要なモノを粗方あいつらの懐から頂いて大脱走、ってな」

――そして現在に至る、というわけですね
今後、独立勢力となった皆さんはどうするつもりで?

汚:「俺等はオーメルに離反しただけで企業連に歯向かう気は毛頭ねぇ。
カラードからの依頼は『俺 の 意 志 で』カラードの理念通りに『ど こ の 勢 力 か ら で も』受けるぞ」
オ:「あと通常部隊が所有するハイエンドACに関して、一部レイヴンズアークから雇用をしていますがアライアンス戦術部隊に関してこちらからは干渉しません。
彼等は『あ く ま で』護衛戦力ですから」

――……あ、あの、私、こういうことに関しては中立を貫いてるのですが

汚:「俺は発言したいように発言してるだけで、俺の発言とお前は関係がねぇだろうが。
中立だっていうのなら俺が言ったことをそのまんま書いて広めれば言い」
オ:「まぁこの程度で奴等が僕等じゃなくて貴女に危害を加えるようなら、本当に堕ちたものですからねぇ(笑)」
汚:「天下の三大企業グループが、出来たての独立勢力が怖くて、代わりにジャーナリストに八つ当たりか。
はっ、笑えるじゃねぇか(笑)」
オ:「ですよねー。……さて、僕等は言いたいことを全部言い終えたので取材に戻りましょうか」)
(後編へ続く)



Back Number08-2

From文々。新聞
Subjectインタビュー・ウィズ・ネクスト 第17回後編
――……え、えーっと
じゃ、じゃあ、企業から独立して大きく変わったこととかありますか?

汚:「何かと自由と不自由になったことがあるな。
自由になったのは企業の制約がなくなって仕事道具を造りやすくなったのと、上から来る形式ばった事務仕事がなくなったくらいか。
不自由なのは寝床の都合上面倒が増えたのと、独立勢力の長ってんでまたその手の色々な面倒が増えた。
前線出身なんであんまり大勢の上でどうこう言うのは好みじゃねぇんだがな」

オ:「基本的に事務関係は僕とその仲間がやってるんですが、この人結構神経質なんでそういうのも気になりがちみたいで。
僕も色々と自由になった代わりに組織の重役としての仕事が増えましたね。けども有能な方々がついてきてくれたので何とかやって行けてます」

――うーん、企業を離れてから色々と大変そうですが、
本当にいろんな方々が一丸となって勢力の元で働いているようですね。では、次の質問を

『DRAK戦役の英雄』と呼ばれることについて、どう思っていますか?

汚:「……悪い気にはならねぇがそんなにいい気分にもならねぇな。
あの戦争での戦果はほとんど間違っちゃいないが、細かいところは殆ど奴らのプロパガンダ塗れだ。
実際には毎戦、毎日がギリギリ続きで攻防戦では何度死にかけたかも覚えちゃいねぇ、
ほぼ一対四で本隊に勝利したってので有名な北セヴェルヌィの決戦では勝つためにコジマを派手にばら撒いた」
汚:「英雄なんざ言っても、生きるか死ぬかで勝つためには手段を選んじゃいられねぇ、
戦場で生き残るためにはどんな惨めな目にでもあわなきゃいけねぇ、そして、どんな大業な理想や正義を掲げようとも所詮俺らは人殺しだ。
結局、どんなに英雄を気取っても、どんな理想を掲げても、俺らは汚れた兵士にしかすぎねぇのさ」

――……貴方のリンクスネームはそういう意図で名づけられたので?

汚:「さあな」
オ:「さて、古い話題はこの辺にして次にいきましょうか」

――……わかりました。
では、次の質問ですが……

?:「わーい!忍者ー!オイスー!」
(急に現れた少女が忍者氏の頭に飛び付く)
汚:「オウフ、頭に飛びつくなメメ子、サングラスが落ちる」

――あら、可愛いお嬢さんが来ましたね。
あ、ひょっとして先程仰っていた。

オ:「ええ、ジャルジーの養子のメディスン・メランコリー……なんですが」
メ:「メディって呼んでね!」
オ:「メディちゃん、ジャルジーと一緒に待っててって言ったでしょ?」
汚:「……おい、ジャルジー」
ジ:「……ごめん、一瞬の隙を突かれた」
汚:「お前、リンクスだろ。音速のミサイルがかわせて、ガキが捕まえられないってどういうことだ」
ジ:「私に追加ブーストは付いてないもの」
汚:「いや、そういう問題じゃなくてだな」

――ふふっ、随分と仲がよろしいようで。

オ:「いやはや、見苦しいところをお見せしました」
汚:「……はあ、興が削がれた。
インタビューどころじゃあねぇなこりゃ」

――興味深い意見は沢山頂きましたし、本日はこれで終いにしますよ?

オ:「よろしいので?」

――ええ、皆さんのお邪魔するのも悪いですし。
……それにこれ以上聞くともっと過激な発言が飛び出しそうなので(苦笑)

オ:「ははは、愚痴みたいになっちゃいましたしね」
汚:「あいつらの粗ならもっと出せるぞ?
書類にまとめて提供しようか?(笑)」

――やめてください、死んでしまいます。
(忍者氏のサングラスが落ちる)
……っ?!
……忍者さん、その、目は?

汚:「……あーあ、見せ物じゃあねぇんだがなぁ。
あの決戦の時に目の中がやられて視力をなくしたんでな。
そん時に右目をこれ(精巧な機械義眼)に代えて、左目は虹彩認証のために残して視覚素子だけ入れた。
不自由はしてねぇし、これは機能が色々ついてて便利なくらいだ。まったく、AMS適正様々だな」

――……そう、ですか
あの、右目の瞳が緑なのはひょっとして彼女とお揃いだからですか?

汚:「……私情に突っ込むのは感心しねぇぞ、ったく。
あと、最後にこれを読んでる奴に一つ言わせろ」

――……どうぞ、お願いします。

汚:「人は時に戦わなきゃならん。
だが耳障りの良いことを宣う自分側がなんにもなく無事で済むのは餓鬼の娯楽だけだ。
敗者は滅び、勝者も傷付く。喜ぶのはその影で暗躍している奴等だけだ。
10年前を思い出せ、そんで忘れるな。戦争ってのは結局『こういうもん』だってな。
……俺の言いたいのは以上だ」

――……ご意見、ありがとうございます。
では、インタビューは以上です、本日はありがとうございました。

オ:「ありがとうございました」
汚:「ああ」

メ:「終わったの?ねぇ忍者、今日の晩御飯なーに?ハンバーグ?」

――……って、ええっ!?ご飯、忍者さんが作ってるんですか!?

オ:「ええ、ジャルジーは料理が苦手なので僕と彼が交代で作ってます(笑)」
汚:「……お前、私情に突っ込むなって言ったばかりだろ」

(記者は取材後に彼の輸送機でカレーをご馳走になった。出来ることなら彼等の生活の方にも今後取材してみたいものである。
ちなみにカレーはちくわが入ったシーフード、味はランクの割に物凄い庶民的だったが美味だった。忍者氏、御馳走様でした)



Back Number Special

From文々。新聞
Subjectトップランカー敗れる
カラードに登録されているリンクスの最上位、トップランカーであった汚い忍者氏がオーダーマッチにて後進に勝利を譲った。相手はカラードランク31のリンクス。つい最近、リンクスとして登録されたルーキーで、どこの企業にも属しないフリーランスの傭兵だ。
故人としての情報もほとんど不明だが、短期間でメキメキと頭角を現し、ランク2やランク9を初めとする上位ランカー達を撃ち破ったことは傭兵諸子には周知の事実であろう。そして今日、オーダーマッチとはいえ頂点の座を譲り渡す事態となった。頂点に君臨していた王者を、新参の傭兵が打ち倒す…形は変わるが、アリーナマッチの伝説でしばしば語られる「世代交代」がオーダーマッチで実現されたことになる。
一連の勝敗について、彼のリンクスと腕を競ったランカー方にも話を伺ってみた。

「やっぱりか! やったんだな、あのルーキー!
 タダモンじゃあないとはわかってたんだがなあ、いやあ…驚いたぜ」(チャンピオン・チャンプス)
「・・・・凄い漢だ。」(Mrシ=ハンさん)
「勝って勝って勝ち続けて…ランク1まで倒すとはな。
 ふん…せいぜい浮かれていればいい。トップランカーも奴も、最後に倒すのは俺だ」(ダリオ・エンピオさん)
「見事な仕事だと関心はするがどこもおかしくはない」(Unknownさん)
「あのリンクスの強さを利用されないことを願う。
 強過ぎるあまり、疎んじられることは珍しくないからな。
 だが、単なる強さだけで、ああも勝ち進められたとも思えないんだ」(ヤーナー・S・タチバナさん)
「何となく予想していたけど、本当にやったんだ、あいつ。
 ほんと、面白いやつだよ。色々と」(レミリア・Sさん)
「関心を通り越して恐ろしくなってしまいそうね、ふふふ」(西行寺 幽々子)
「世代交代…そう呼べるだけの時間が過ぎたか。
 存外、私もその時が近いやもしれぬな」(エヌ・オーさん)
「立ち場や勝ち負けはどうあれ…あの人も
 好きなように生きて、好きなように死ぬだけ、でしょうね。きっと」(フランドール・Sさん)
「あの理不尽な強さを、不思議と懐かしく感じます。
 何故そう感じたのかは、まぁ…ちょっとわかりません」(東風谷 早苗さん)
「確かに俺は負けた。ああ、認めてやる。同じ土俵で負けたのは久方ぶりだ。
 だが、勝ち逃げさせてやるつもりなんざ毛頭無ェ。つまりそういうこった」(汚い忍者さん)

トップランカーを下したという事実は大きく、現に複数の企業は"傭兵"への動向を探っているようだ。懐柔か、それとも…
当記者も例の"傭兵"への取材を試みているが、成果は芳しくない。

(射命丸 文)

*1 取材と同じくして写真撮影を訊ねてみたところ、快く応じてくれた。この場を通して、改めて感謝を。
*2 ランク7 レミリア・スカーレットさん 独立傭兵組織を率い、フランドールさんもそれに所属している。彼女にもフランドールさんより前に当新聞のインタビューに対応してもらった
*3 中東で発見された、未知の技術によって構成された広大な地下遺跡。現在、企業や個人勢力が利益を狙って絶賛虎視眈々
*4 フォーミュラフロント運営局
*5 Back Number04,Back Number05参照 ちなみに緘口令の対象は公的な報道機関である。当メールマガジンは規制の対象に入っていない
*6 最近のオーメルの広告に記された標語