イベント/伝説の甘味を求めて

Last-modified: 2011-11-02 (水) 20:35:32

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。

伝説の甘味を求めて

ネ・ジツ大陸が東方、ひんがしの国へとやってきた。
元の世界では教科書か映画村くらいでしか見れない様な純和風の街並を見てまわる主人公。
主人公以外にも他国の騎士や冒険者らしき観光者の姿を街中で稀によく見かける。初めてみるジャポネスクな風景に衝撃や感動を覚えているようだ。

 

思わずニヨニヨしながら街を練り歩いていると

 

「うーん……」

 

迷った様な、困った様な女性の声が耳に届いた。
そちらに視線を傾けていると、どえらい別嬪さんが店の前で唸っているではないか。
気になって声をかけてみると

 

「いや、ね。『貴重な異国の果実』ってものが入荷したと聞いたから、ちょっと様子を見に来たんだけどもう売りきれちゃったみたい」

 

とのことらしい。
どのような果実か訊ねてみると、『赤みがかった果肉は軟らかく瑞々しい、その味は蕩ける様に甘く、天にも昇るような心地』だという。相当貴重な代物の様だ。

 

「あなたは、異国の旅人さんかしら? でもそんな貴重な果実をそうそう持っている訳ないわよね……」

 
  • 女性が欲しがっている果実について
    彼女が欲しがっているのは『ペルシコス』という伝説の果実である。
    話の通り、この世界では非常に貴重な代物。普通ならばそう簡単に入手できるものではない。
    …普通ならば。実は簡単に手に入る方法がある。
     
    テンシに頼みこむことである。
     
    テンシは趣味の範囲ではあるがホッカイドゥでペルシコスを栽培しており、数に不足しないくらいは所持している。知りあっているのなら真摯に頼めば一個くらいはゆずってくれるだろう。
    ひんがしの町で屯している他の冒険者に話しかけると『ホッカイドゥ領主の娘が育てている噂を聞いたことがある』とヒントをくれるのでそう難しい話ではないだろう。
    日を跨いでいても女性は店の前で顔を曇らせているので、時間がかかっても大丈夫。
     
    「ありがとう、旅人さん。まさか本当に持ってきてくれるなんて……」
    先程の女性にペルシコスを渡すと驚きながらも感謝された。
    では早速と、女性がほんの少しペルシコスを齧ってみると……
     
    「柔らかい……それにすっぱさと甘さが絡み合った様な不思議な味……
    口にするのは初めてだけど、こんなおいしい果物があったなんて」
     
    「本当にありがとう。伝説の果実と言われるくらいだもの。手に入れるのにとても苦労したのでしょう?
    何かお礼がしたいのだけど……」
     
    慌てて断る。別にお礼とか下心があった訳ではない。
     
    「そう……では代わりにひとつだけ御話をさせて。それくらいなら構わないわよね?
     
    もしひんがしの国で何か困った事があれば『蓬莱山輝夜』という人を訊ねてみて。
    きっとあなたの力になってくれる筈です」
     
    そういうと女性は懐から美しい植物の枝を主人公に手渡した。
     
    「もし途中で猜疑の目を向けられても、これがその証明になるでしょう」
     
    そう言い残すと女性は主人公に一礼して去って行った……。