イベント/突撃型試作AF破壊-試作型AFスティグロ防衛

Last-modified: 2013-10-16 (水) 03:14:16

世界移動シナリオ-ARMORED CORE Paradise of Stain編のイベント

突撃試作型AF破壊-試作型AFスティグロ防衛

 
 
(・ω・)
 
No Kemono Recording Data
CSD-No.0102
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Kitanai Ninjya
Ois Sublimen
 
......
 
 
 

[Ois Sublimen]
……VOB使用限界、間もなく
戦闘と接敵の準備を

 

……作戦領域内にネクスト反応だ
該当機体解析中

 

[Kitanai Ninjya]
ミッション目的は試作段階の突撃型水上AFの破壊、
そいつをぶっ壊したらケツまくって逃げるだけだ

 

小賢しい九官鳥か陸に上がった魚なら楽に捌ける、が さて

 

[Ois Sublimen]
機体解析完了
機体フレーム・インテリオル標準機「Y11-LATONA」、背部兵装「HLC09-ACRUX "カスタム"」
該当機体 インテリオル所属ネクスト、『カゼハフリ』と断定 武装は標準装備だ

 

[Kitanai Ninjya]
巫女か、試作最新鋭の護衛なら順当だな

 

[Ois Sublimen]
無視して突っ切るのが得策だろう
だが、そう簡単に終わるミッションじゃあなさそうだね

 

[Kitanai Ninjya]
AFは『コレ』で済む、問題は『ネクスト』だ

 

アレを沈めて素直に引き下がる相手じゃねぇし
燃費の差で逃げ切れるかも怪しい

 

[Ois Sublimen]
そもそもランク1と2 穏やかじゃない
3分以上、以下 どっちに賭ける?

 

[Kitanai Ninjya]
以下 ま、AFは手こずって1分
巫女が相手なら3分じゃあ済まねぇか
それとも一瞬でカタがつくかだ

 

さて、VOBも限界だ
往くぞ

 

[Ois Sublimen]
ああ、往こう

 

ミッション開始

 
 
 

位置情報が作戦領域内に入ったことを示すとともに
右目の視界にVOBの展開を示す警告が上がる。

 

それと共にメインブースターを勢いよく噴き上げ、
その衝撃によってVOBが舞い上がるように自壊を始めた。

 

機体はその慣性に任せたままに超音速で突き進み、
勢いが殺される前にオーバードブーストを展開、
ジェネレータから生成されるコジマ粒子を集中させ、それを吹き上げる。

 

眼下に見えるのはかつての誇った栄華の残骸を穢れた海上に晒す旧チャイニーズ上海区域。
その墓標を跋扈するのは無数の眼光でこちらを睨む強大な海魔と、それを飼い慣らす白い破壊天使。

 

[Kotiya Sanae]
……襲撃の可能性は聞き及んでましたが
よりにもよって貴方ですか

 

見上げた薄汚くくすんだ空を背に追う業火で引き裂きながら降りてくるそれは、
不気味に揺らぐ眼光でこちらをゆらりと睨みながら閃光の一閃を描きながら駆け抜けてくる。

 

それを迎撃せんと海魔・スティグロは目標を目掛けてミサイルによる弾幕を展開する。
しかし、そんなものにみすみす当たって落ちてくるような軟な相手ではないだろう。

 

敵はギガベース・イクリプスと各グループ最新鋭AFを叩き潰してきた正真正銘の魔物なのだから。

 

[Kitanai Ninjya]
盛大な歓迎ありがとよ
お望み通り とっとと終らせるかね

 

憎まれ口一つ呟くと共に閃光を負うそれは、絶えることなくフレアを吐き出し、
音速のまま海面に触れて、空と海面を切り裂きながら前進し、
こちらを飲み込もうとする海魔が放つ重厚な弾幕、刈り取らんと放たれる光波、
そしてこちらを見る無数の眼光と相対す。

 

[Kotiya Sanae]
……っ!いけない!

 

その光景に、ひどい違和感を覚えて思わずそう叫んだ。

 

相手はオーバードウェポンを積んではいない。なのに、なぜ
軽量機が突撃型AFを攻めるにはリスキーな正面から突っ込むのか

 

左腕のブレード。
あれはアルゼブラのアンブレイカブルエッジが用いている射突型ブレードの類。
超硬度超高温の杭と凄まじい衝撃でAFの装甲を紙細工のように貫き引き裂いてみせる代物。

 

それを見てこちらもブーストを噴き上げ、無策に突進するスティグロを追うも
ネクストに匹敵する機動力で突撃するスティグロには援護も警告も遅すぎた。

 

[Kitanai Ninjya]
所詮はハードウェア
くだらん行動パターンだ

 

つぶれろ

 

音速で眼前に迫る海魔の眼光を見据え左腕を振りかぶり、
その腕は緑色の燐光を上げ、AFの右側面を霞めると同時に、
禍々しく吹き上げる燐光の軌跡は

 

天を焦がす炎と大洋を飲み込む爆音と共に
海魔を頭から尾までを抉るように焼き切った

 

[Kotiya Sanae]
……っ?!
くっ!コジマブレード

 
 
 
 

巨大な海魔を打ち据えた魔物は海上にゆらりと浮き上がりながら、
一瞬で焼き潰れ、爆炎を噴き上げる残骸を冷たい眼光で見据えると、
左腕の魔剣と肩のフレアを海中に放り投げ、再びオーバードブーストを噴き上げながら海上を切り、廃墟からの離脱を試みる。

 

[Kitanai Ninjya]
じゃあな、あばよ

[Kotiya Sanae]
みすみす見逃すものか!

 

それを追うようにカゼハフリはブースタを噴き上げて舞いあがり、
その背に喰らい付きながら後方からレーザーを撃ち込む。

 

ダーティストライダーは海上に白い軌跡を描きながら、
無数に降り注ぐ雷の矢を音よりも早く掻い潜り、
閃光突き刺さる海上には無数の蒸気が吹き上がる。

 

[Kitanai Ninjya]
失せろ お前の撃破は任務目的にない

 

[Kotiya Sanae]
"彼等"が浮かばれません!
しぶとい貴方を討ち取れるとは思ってはいませんが
せめて腕の一本は頂きましょう!

 

機動力はそちらが上ですが息の長さはこちらが上です!
逃がすものですか!

 

その声を受け、ストライダーはオーバードブーストを止め、
サイドブーストを噴き上げて、ふわりと浮きあがりながら上空遥か後ろの敵に向き直る。

 

亜音速で投げ出された機体は、
灰色の海を切り裂き、海上に盛大に水柱を上げながら、
急激に、そしてゆっくりと静止した。

 

そして、左肩の4連装ミサイルランチャーを広げ、3連装のミサイルセルを開き、
右目のみのカメラアイで、上空に浮かぶカゼハフリをゆらりと睨む。

 

[Kitanai Ninjya]
はっ、殺す気満々の語気でほざくな
端からお前相手に逃げ切れると思ってねぇ、
赦されるとも思っていねぇよ

 

[Kitanai Ninjya]
ま、やるって言うのなら
本気でやろうか

 
 

その呟きと共に、海上に浮かぶ影は一瞬の閃光の瞬きの後にゆらりと消え失せ、
影から破壊天使に向けて四発のPMミサイルが上方から、六発のVTFミサイルが前方から襲い掛かる。

 

巨大な右手のように迫るミサイルの弾幕を掌に飛び込むようにかわし、
目標を見失いぐるりぐるりと回るPMと、ゆっくりとこちらを追従してくるVTFミサイルを後ろ目に、
視界から消えたダーティストライダーの影をレーダーの情報から探る。

 

[Kotiya Sanae]
そう簡単に 死角はとらせませんよ!

 

レーダーに敵を捉え、サイドブーストを噴き上げ、
後ろを振り向くと共に、迫りくるミサイルにパルスキャノンを浴びせかける。
投げ付けられた飛沫のようなパルスを受けて、
ミサイルは強烈な炸薬を敵ではなく、後続のミサイルを巻き込むように爆発した、

 

が、その爆炎による黒煙に一縷の閃光が射し、
黒煙をずるりとすり抜けて、左腕に刃を携えた魔物の姿が現れる。

 

[Kitanai Ninjya]
そうかい
じゃあ切り込む

 

[Kotiya Sanae]
させるものか!

 

カゼハフリは正面から超音速で接近する機体を右に飛び込んで振り切り、
パルスで牽制、デュアルハイレーザーを構え、突進を空振りして隙を見せたダーティストライダーの左側面に照準を向ける。

 

[Kitanai Ninjya]
これで終わりと思ったか?

 

まだだよ

 

だが、その照準が定まる前にダーティストライダーは閃光を噴き上げ、
カゼハフリの放つ飛沫のようなパルスを潜り抜け、PAで弾き、曲面装甲で受けながら、懐に飛び込んだ。

 

[Kotiya Sanae]
……っ!

 

相手の手は読めた。
だが、後退しようにもLATONAの設計はそれを想定していない。

 

眼前に迫るストライダーの整波装置が一斉に稼働、
プライマルアーマーが機体を取り巻くように禍々しい閃光を放ち始める。

 

反射的にカゼハフリは右にブーストを噴き上げた。

 

ハイレーザーの照準をダーティストライダーに捉えたまま。

 
 

ダーティストライダーを包む閃光は拡散し、二機はその光の中に消えた。

 
 
 
 
 

閃光が去った後に残っていたのは、機体各部を損傷し、火花を上げるカゼハフリの姿。
しかし、閃光でつぶされていた彼女の視界には照準に捉え、『確かに撃ちぬいた』敵の姿は再び消えていた。

 

[Kotiya Sanae]
……っ!
近距離戦は駄目!

 

警戒を厳としながら脳内を横切るノイズ混じりの電子情報を掬い上げ、
レーダー情報を探り当て、敵の位置を探り当てる。
その情報の中にあったその影が浮かぶ位置は

 

[Kitanai Ninjya]
相変わらずおっかねぇよなぁ
……てめぇらは

 
 
 

"真後ろ"

 
 
 

[Kotiya Sanae]
貴方だけには言われたくない!

 

彼女がふりむいた瞬間には
左腕を振りかぶるストライダーが眼前まで接敵。

 

それを見越し、展開していたブレードが、
こちらを斬りかかろうと、伸びてくる腕を"両断"した。

 

[Kotiya Sanae]
取った!

 

[Kitanai Ninjya]
……っ

 

切り落とした左腕が舞い上がった

 

眼前に浮かんだそれを見た

 

マニピュレータはほぼ焼き切れ
ブレードは潰れて火花を上げていた

 

それに目を取られた瞬間に、

 

アサルトライフルを載せた右腕が眼前に迫る

 
 
 

その切っ先はかろうじてかわした頭部を横切り、
右肩に展開しているパルスキャノンを貫通、打ち砕き

 
 
 

[Kotiya Sanae]
くうっ!

 

[Kitanai Ninjya]
まだだ

 

背部兵装をもぎ取られた衝撃で生まれた隙を突き、
パルスキャノンを貫いたライフルの先端をそのまま後ろに叩きつける。

 

その一撃はオーバードブースト格納とデュアルハイレーザーの接合部に当たり、
それは完全に圧し曲がり、火花を上げ、そしてライフルの銃身は頭部に迫る。

 

が、アサルトライフルは頭部を撃つと風防のブレードが根元で圧し折れ、
銃身が完全にひん曲がり、砕くまでには至らなかった。

 

[Kotiya Sanae]
ぁぐっ!?

 

[Kitanai Ninjya]
……ちぃっ

 

一瞬の接敵、一瞬の攻防、そして一瞬にして満身創痍に近しく傷ついた二つの魔物。
主力装備を砕く一撃を喰らわされたカゼハフリは
頭部の衝撃による情報の錯綜をねじ伏せ、前につんのめりながらも素早く体制を整え、
左腕をもがれ、右腕の兵装を圧し折ったダーティストライダーは
攻撃の勢いをそのままに敵が追う事のできない後方へと突き抜ける。

 

攻防の後に間合いを取った両者は睨みあうように海上に浮かび上がる。
片や背の主力兵装を根こそぎ奪われ、頭部の損傷により情報処理能力に軽度の障害が発生。
片や左腕をもがれ、背にミサイルこそあるものの右腕にあるのは頼りないハンドガン。
ほんの一瞬、数度の交錯で互いが満身創痍となり、戦力はほぼ拮抗、
プライマルアーマーも再生し、戦闘は完全に泥沼、互いに攻めあぐねる状態になった。

 

[Kotiya Sanae]
……貴方には翻弄されっぱなしですね

 

[Kitanai Ninjya]
……一瞬一瞬で殺しに掛かっといてよく言う

 

さて、俺は片腕、てめぇの御自慢はぶっ壊した
で、どうする?

 

互いに切り裂かれた傷口から黒煙を噴き
火花を上げながら相対す二人の破壊天使。

 

嘲りのような軽薄な言葉の間に流れた刹那の沈黙。

 

[Kotiya Sanae]
言葉は、いりますか!

[Kitanai Ninjya]
…だよな

 

その沈黙を切り裂くように響く声と、それを受ける呟き。
それに続いて、互いのネクストが互いの視界から消え失せる。

 

くすんだ視界の外にいる敵をAMSから流れてくる情報で捕捉し、
閃光のごとく駆け巡る敵に喰らい付かんと宙を引き裂き、音より早く飛び回る。

 

そして、お互いがお互いを視界に定めた瞬間、
二つの影が、稲妻のような光の軌跡を描きながら互いに喰らい付こうと馳せる。

 

片やレーザーライフルとブレードを、
片やハンドガンとVTFミサイルを構え、
その銃口が火を噴こうとした。

 

[???]
そこまでです、お二人とも

 

[Kotiya Sanae]/[Kitanai Ninjya]
っ!/おっと…

 

赤熱した闘気と鋼のごとき沈黙を破ったのは
嫌味なほどにひどく慇懃な癖のある優男の声。

 

その声を受け、相討とうとしていた二つのネクストは、
空中でビタリとその動きを止め、構えていた得物を下した。

 
 

 
 
 
 
(・ω・)
 
No Kemono Recording Data
CSD-No.0102
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Kitanai Ninjya
Ois Sublimen
Ady Nathan
Kotiya Sanae
 
......
 
 
 

[Kitanai Ninjya]
よお、皮肉屋
慇懃な女狐が止めに来るかと思ったがお前が先か

 

[Ady Nathan]
流石に穏やかではない情勢と聞きまして

 

たかが試作型AFを巡る攻防で以て、カラードの最高戦力たる二人が衝突し、
ましてや片方が討たれた、ともなれば事は穏便には済まないでしょう

 

どうでしょう、お二方とも既に損傷激しい満身創痍の状態
無駄な遺恨を残さぬ様にお互い手を引く、というのも悪い話ではないと思いますが

 

[Kotiya Sanae]
……引き際、ですかね
これ以上事態を悪化させるのも考え物ですから

 

[Kitanai Ninjya]
そうかい
こちらもやることはやったんで退かせてもらおうかね

 

[Kotiya Sanae]
……やはり、貴方のような怪物とは戦いたくないですね
カゼハフリ、撤退します

 

[Kitanai Ninjya]
……お互い様だ、荒くれ
ダーティストライダー、退くぞ

 
 
 

 
 
 
 
 
(・ω・)
 
No Kemono Recording Data
SD-No.0296
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No Kemono
Kasamatu Nobuo
Ady Nathan
 
......
 
 

[Ois Sublimen]
お疲れ、忍者
……随分と危ない橋を渡ったじゃないか

 

[Kitanai Ninjya]
久々に鉄火場の感覚を思い出したくてな
好きになれねぇが、こいつを忘れちまったら困る

 

[Ady Nathan]
我が社の動向がワンダフルヘヴンに傾いてるとはいえ
貴方は我が社の重要な戦力、無茶な行動は控えてもらいたい

 

[Kitanai Ninjya]
フン、俺が下手なことをして焦ったオイスの伝で面を出したんだろうに

 

で、賭けの方はどうなった?

 

[Ois Sublimen]
あっ……ぎりぎり3分切ってないね

 

……汚いなさすが忍者きたない(#´-ω-)

 

[Kitanai Ninjya]
なぁに、汚いは褒め言葉だ
次の晩飯当番、お前な

 

[Ois Sublimen]
……はいはい、わかったよ(;′-ω-)

 

[Ady Nathan]
フ、先ほどまで命のやり取りをしていた人間の会話とは思えませんね

 
 
 
 
 
 
 

[Ois Sublimen]
……さてと、いい機会だ
実はね、貴方と一つ話しておきたいことがあるんだよ

 

アディ・ネイサン