イベント/贖罪する者される者

Last-modified: 2011-05-01 (日) 20:04:20

シナリオ/世界移動シナリオ-銀河大戦争編のイベント。
お空が蟻の巣で生きていて忍者と天子が接触すると発生。


第三章の蟻の巣奪還作戦直前に必ず発生する。
「あなたが忍者ね?」
忍者に話しかけてきた女性。忍者には誰だか分からないが・・・。
「はじめまして、比那名居天子です。ブロントさんの妹と名乗れば分かるかしら?」
ブロントの身内。そうだと分かった忍者は驚くと同時に、それこそ驚く程冷静だった。
ついにこの時が来た。そう思ったのだ。贖罪の日が来たと。
「・・・俺を殺しにきたのか?」
「忍者は地球を守る私の同士でしょ?何で殺さなくちゃいけないのよ」
その言葉に、今度こそ本当に驚いた。忍者にとって、自分が犯し続けてきた罪の被害者に会うことは『死』を意味していた。それなのに殺さないどころか何故殺さないのかに疑問を抱くだと?
「あんまり憎くて気が狂ったか。良い病院紹介してやろうか」
「失礼ね、私は正常よ。」
ならば何故自分を殺そうとしない?忍者の疑問は消えず、目の前の天子を薄気味悪いとさえ思いはじめていた。
「私が何故あなたを殺さないか?簡単よ、もう恨んでないから」
「・・・何だと?」
「時間ってやつは優しくて残酷でね。軍人になって、仲間に囲まれて、いっぱい笑って。そうしてる内に昔の感情なんて薄れていった。生みの親の顔も、あなたへの憎しみも、全部かき消えていったわ」
「・・・薄情なんだな」
「なんとでも。でもね、私はお父様やお母様の優しさは忘れてない。顔は忘れても、あの温かさまでは忘れてないわ。今の仲間も温かい。みんな私の新しい家族だもの」
「新しい・・・家族?」
忍者は、知らず涙していた。『新しい家族』。たったそれだけの言葉が、冷えた心を癒したような・・・そんな錯覚を覚えた。そんなはずは無いのに。自分が安らいで良いのは、贖罪を終えた時だけのはずなのに。
「それども私に償いたいのなら・・・私の友達を助けて。地の底から飛び立てない翼に、空を見せてあげて」
「・・・気が向いたらな」
「じゃあもうすぐね!お空も喜ぶわ、きっと」
不思議な女だ。これほど強い心の持ち主がいたとは。・・・それとも、兄譲りなのだろうか?
「天子」
「何よ」
「すまねぇ」
「それはお兄ちゃんに・・・ブロントさんに言ってあげるべきね」
「・・・ああ!」