Intermezzo:Chapter2

Last-modified: 2012-11-29 (木) 04:05:24
 
 

 

「あのリンクス」が着々と戦果を上げ
少しづつ周囲から注目されていた頃

 

世界中の興味は一つの地域へと向けられていました

 

ワンダフルヘヴン

 

中東の地底の奥深くより見つかった、未踏のフロンティア
技術体系、出自すら不明、一切が未知と危険に包まれた
得体のしれない遺跡

 

そうと知りながらも、企業はその利益を得るために
水面下で激しい争いを繰り広げていました

 

この時点で、うすうす気付いていた方もいたようです

 

天国、楽園の名を持っていた其処が
無機質な悪意を内包した
パンドラの箱だということに

 
 

―比那名居 天子の回想―

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

世界移動シナリオ-ARMORED CORE Paradise of Stain編のイベント

Intermezzo:Chapter2

 

「えーっと、伊吹と小野…じゃなくてオブライフが、俺がリンクスだって?」

 

「はい。話を聞いて来いと」

 

「久々に顔を見せたと思ったら、あ、あいつらなあ……」

 

「…教えてください、エース」

 

「……」
「……」

 

「ふぅ
 ……君がどうしてそこまで必死なのかはわからないが……
 安易な興味や不純な動機やじゃないのは、確かだな。
 その眼を見れば何となく察しはつくよ」

 

「……昔の事を弄り回すようで、ごめんなさい」

 

「いや、弄られるのには慣れているさ。最近はめっきり減ったけど」

 
 
 
 

「本質的には、レイヴンもリンクスも変わりないんだ。
 報酬を糧に、雇い主に対し、走狗のように任務に就く。

 

 でも、両者には決定的な違いがある。

 

 此処で質問だ。
 天子ちゃんは、リンクスって聞くとまず何を思い浮かぶ?」

 

「えっと…ネクストを動かす人……でしょうか」

 

「ははは、普通ならそうだね。じゃあ、ネクストがどういった代物か考えたことはあるかい?」

 

「確か、スクールの授業だと……AMSによってリンクスと機会を接続、思考をダイレクトに反映した動きによって、
 実戦経験を持たない人間でも縦横無尽に動かし事が出来る。
 そしてコジマ粒子を用いた技術を搭載し、ノーマルACを大幅に凌駕する戦闘能力を持つ……
 ! コジマ粒子……」

 

「そう、汚染源の大元と言っていい。
 …当然、ネクストを駆るリンクスは、それに最も晒される存在だ。
 ネクストに乗ることは即ち、搭乗者の寿命を、縮めてしまうことにも繋がってしまうんだよ。
 俺が知るリンクスにも、汚染の影響で子供を残して逝ってしまった人達がいる」

 

「そんな……
 じ、じゃあ、エースも……?」

 

「個人差があるから、たまに恐ろしいくらい長生きな人もいるけどね
 うん、俺は途中から逃げた臆病者だけど、やっぱりそんなに長くないと思うよ」

 

「と、途中から、ですか? それに臆病者って…」

 

「そう、俺は臆病者だよ、10年経っても、リンクスとしてまだ戦い続けている人もいるんだ。
 ある人は大切な人と場所を護るために、自分の身を構わず、今でも戦い続けている。
 俺がレイヴンになったのも、その人の影響があっての事なんだけどね……
 どうも、一生かけても追いつけそうにない」

 

「……」

 

「すまない、愚痴みたいになってしまったな。
 でも、最後に覚えておいてほしい。
 リンクスは、テレビや漫画の中のような、決して煌びやかな存在ではない
 あくまで、この世界で死に近しい者達の一部だということを」