あまりに早すぎた第二次リンクス戦争の終焉
安堵と荒廃への憂いに浸る間もなく、それは突如として起きました
ワンダフルヘヴンより地上に向けて発射された大型ミサイルの雨
同時に、オープンチャンネルを介して、ワンダフルヘヴンから一つの声明が表示されます
『I'm Administrator』
私達がワンダフルヘヴンと呼ぶ遺構を制御していた存在「管理者」
それは管理者から、人類への明らかな宣戦でした
「秩序を乱す全ての勢力の排除」
「戦力を失い、平らかになった人類を、適切な判断の下、再び管理・再生する」
「そうしなければ、人類は何れ死滅する」
「修正が必要」
そう謳い上げ、滅びを指摘する集積回路と、それによる絶対的な秩序の施行
最早、企業、紛争どころではなく、人々は諦観か恐怖か 二択を強いられました
ですが、それに抗ったのは、管理者が滅びを是とする者
各々の理由が為に戦い続けた、後がない者達
…きっと、リンクス戦争の頃からそうだったのでしょう
秩序を打ち崩すのは、常にイレギュラーと呼ばれる存在でした
―比那名居 天子の回想―
世界移動シナリオ-ARMORED CORE Paradise of Stain編のイベント
Intermezzo:Chapter5
「――結局、曖昧な理想だけじゃ、駄目だった。
…理想を謳っても、やっている事は企業の戦争屋と変わらない。
…私が何より疎っていた彼らと、なんら変わらなかったの」
「…」
「私達では世界を変えることなどできなかった
リンクス戦争で疲弊した世界を徒に荒廃させるだけだったわ」
「……。
……私は、そうは思っていません」
「……」
「もし、今までの事が起きなかったら、
私はきっとクレイドルに籠ったまま世界の実情も知らず、怠惰に腐り果てるだけだった。
DRAKやリンクス戦争、ワンダフルヘヴン… それらを通じて、私は貴女と向かい合えるんだって信じています」
「世界を変える事など不可能なのかもしれません…でも、そこに遺した意思だけは違う。
それだけは無駄ではならないと信じたいんです」
「…変わった人ね、貴方は」
「話してくれるアリスさんも相当だと思います。私なら心が折れてますよ」
「……言うなあ」
≪VOBの動作不良!? くそっ! こんな時に……何のための整備だ!≫
「…!
あのニュース中継に写ってるのって…!」
「管理者の疑似ネクストと…No.31のリンクス…」
≪VOBが破損した以上、残りは自力で接敵するしかないわ。チャージ光を見計らいながら回避、そのまま接敵して!
……絶対に、死ぬんじゃないわよ……!≫
「……形は違っても、今も、彼女は戦っているのね」
「あのネクストのオペレーターは…?」
「知り合いよ。今、世界を変えようと戦っているリンクスの相方。
……存外、貴方の言う事も突飛じゃないのかもしれないわ」