Intermezzo:Chapter6

Last-modified: 2013-01-07 (月) 16:08:10
 
 

 

後に『遺構戦争』と名付けられた戦い。
最初は圧倒的優勢を保っていた管理者も、やがて人類側に押される形へ戦況は進みます。
それは、かつてのネクストとアームズフォートの関係の様に。
ジャイアントキリングという「奇跡」が「常識」の範疇へと押し上げられたのです。

 

秩序をもたらす為に、不確定要素と異物を排除する集積回路。
各々がそれぞれの「理由」から、生きる為に戦い続けてきた者。

 

それが愚かな抵抗だとしても、世界を壊死させる行いだとしても、
彼らにとって、それは譲れないものでした。

 

ですが、それもようやく終わりが見えます。
どちらが正しかったのか、それを証明するものはそれまでこの星を蝕んできた「戦い」でした。

 

「存在意義」の為に生み出された者と、「答え」と「理由」の為に戦い続けた傭兵達。
その最後の戦いが、火ぶたを切って落とされます。

 
 

―比那名居 天子の回想―

 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

世界移動シナリオ-ARMORED CORE Paradise of Stain編のイベント

Intermezzo:Chapter6

 

「死にかけていたアイツを拾ったのが事の始まりだったかしら。
 どう見ても非戦闘員なのに、戦場の真っただ中にいてさ。流れ弾貰って、三途の川渡りかけてたわ」
「……」

 

「…この時点で相当アレだったんだけど、話す内容もユニークでね。
 なんでも『こことは違う世界からやってきた』んだってさ」
「こことは違う世界…から?」
「信じられない話よね。私自身、アイツが持っていたヘンな機械を見て、ようやく信じたわ。
 『魔法』だなんてだいぶ前に廃れた代物についても詳しいし、色々得体のしれない奴だった。
 ……嘘だとしても羨ましかったわ。
 アイツが来た世界、すごい平和で、みんな楽しそうに馬鹿やってる様な所なんですって」

 

「そんな人が…もしその話が本当だとして、こんな荒れ果てた世界にやってきて、
 どうして戦っているのでしょうか?」

 

「『戦い続けた先にあるものを見つけたい。』アイツはそう言っていた。
 痛い目を見たんだから、さっさと帰ればいいのに、アイツは真面目で、真剣で…結局私が根負けしたわ。
 だから、私はほんの少し後押しした。できるだけ長生きできるようフォローしたりもした。
 ……あんたも知っての通り、あいつの才能は想像以上だったけどね」

 

「…戦い続けた先にあるものを見つけたい、か」
「あんたの事はクラーナ達から聞いてる。やり方は違うけど、見届けたいんでしょ?
 この戦いの先に何があるのか」
「……私はずっとぬるま湯の中で生きてきました。
 嘘に塗れた揺り籠の中の暮らしを、世界の全てと思いこみ、傲慢に怠惰をむさぼり続けてきました。
 興味と放蕩に感けて、何も知らずに地上に降りて、打ちのめされて、ようやくこの世界の実情を知って。
 ……確かめたいんです、今、この世界が歩む最新を」

 

「……似てるのね、あんたとアイツは」
「私も、その人もこの戦いの先に何があるかを知りたい。…確かに似ていますよね」

 
 
 

「……ん? …カラードの方から依頼の連絡か。
 ごめん、アイツが帰ったら紹介しようと思ってたけど、今回は無理そう」
「いえ、いいんです。その代わり、託を届けてくれますか?」
「ことづけ? いいわよ、どんなの?」

 
 

「『絶対に生き残りましょう』」

 
 
 

「お互いが求める答えの為に」