キャラ攻略/古明地こいし

Last-modified: 2015-01-20 (火) 19:08:09


ルート概要

閉じた心の狂言奇行、底抜けに明るく、全てが他人(ひと)とズレている少女、古明地こいしの攻略をしようという旨のページです。彼女の奇行の意味を知るのも一興、それを正すのは至難。全てはプレイヤーの腕次第?

出現条件

  • さとりとの好感度一定以上で飼育小屋に行くと、妹の話について聞ける。
    この話を聞かなければこいしを登場させることは出来ない。
    さとりの話を聞いたあとで飼育小屋に行くと10%の確率でこいしが登場する。
  • 彼女に会えるかどうかは全て確率がものを言う。何処に現れるかは定まっておらず、それらしい場所に行っても全く会えなかったり、まったく関係ない場所でばったり会ったりなど他キャラを攻略するうえでも厄介な性能を誇っている。
  • 会う確率を上げるには、戦闘力を上げることと、魅力的になること(CHRが高いと出会える確率が上がる)。それと、所々の選択肢で、奇抜なものを選ぶこと。選んだ後で「ガイアが俺に囁いて…」という理由が付いたりするものである。

フレリスト登録条件(戦闘参加)

  • 彼女の遊びに付き合ってあげると(失敗すると1ヶ月入院する羽目になる)、それ以降「一緒に遊びに行く」と称してPTに空きがある時にランダムでいつの間にかパーティ内にいることがある。

ルート攻略

  • 彼女を攻略するためには、ステータス・学力・人気に加えて、何をおいてもストレス管理と広大さ強化、そして彼女に見合うだけのブッ飛んだキャラクター性が必要となる。常識人では彼女の真意を理解できない。常識にとらわれまいとしても、そのちぐはぐな行動原理や自分の興味に一辺倒なところはストレスをマッハにする重大な要因となる。
  • そういった意味で、オススメ攻略キャラは内藤、そしてリューサン。考えが単純一途でストレスが溜まらず、何より草を生やしまくっては学園のあらゆる方面から良くない方向で注目を浴びる内藤は、序盤にこいしと接触できる可能性が他のキャラよりも高い。片やリューサンは広大さの初期値が他に比べて非常に優秀。ストレスも内藤ほどではないにしろ処理しやすいので長期的に見ると攻略しやすい。
    しかし、もちろんお互い不安な面もある。内藤はどんなブッ飛んだ行動をしようが普通に進めていると臼姫とフラグが立ってしまうので、こいしルートに分岐させた結果臼姫BADのフラグが立っていた…なんてことがよくある。一方リューサンは、時にハメを外すことはあれどバリバリの常識人。「普通」に行動している限り、こいしに注目される確率はほぼ間違いなくゼロ。ルートどころか遭遇すらできないかも。
    …とはいえ、ちょっとしたことでストレスがマッハなブロントさんや汚い忍者と比べてよほど攻略はしやすいのは間違いない。
  • 餡刻を初めから認知できるキャラの一人。基本方針は他PCとさほど変わらない。
  • 『餡刻で攻略を目指す場合』
  • 関連の深いこころが追加されたのに合わせて、こいし側にも変化が訪れた。
    具体的には、こころの攻略報酬である「希望の面」を手に入れる事で、今までとは異なる方向でこいしを攻略することが可能になったのだ。便宜上、既存のルートをa、希望の面を必要とする方をbと呼んでいる。
    アイテムが必要になる分、bルートはaルート程PCが苦労しないようになった。
    基本は今まで通りで大丈夫だが、bルートでTRUEENDを目指す場合は、こいし自身の変化も必要になる。
    人との関わりが怖くて心を閉ざした彼女に、「人に注目される喜び」を教えてあげよう。そのためには、常に評判アップに努めるのが重要だ。
    君は彼女に芽生えた小さな『希望』を育てられるか。

『あなたと私はちょっと似てる』

初遭遇時、何故かお互いを認知できる事とその身に抱える莫大な業に興味を持ったこいしが粘着してくる。
これにより、運が良ければ4月中にさとりの協力無しでこいしに会える。
認知されるだけで喜ぶ餡刻は、常にこいしを認知できるため不意打ちを喰らう事も無い。よってストレス管理は他と比べればだいぶ楽。認知障害によって浮気する事が非常に困難な事も手伝って、こいし攻略は誰よりも向いている。
あまり奇抜な事をしなくてもこいしの興味は薄れにくいが、攻略の基本は一緒。ただし、お燐やお空は餡刻が認知できず、内なる業を警戒したさとりは他のPCより非協力的になる事は憶えておこう。
この当たりまでに鈴仙と友人になっておき、認知障害を一時的に解除できないと結構辛い。
『こいしの過去』発生後、第三の目が半開きになったこいしの前で「業の開放」は厳禁。即SADENDやBADENDに突入する事になる。
デート中は2人共あまり認知されないため、粘着も極端に少ない。俺TUEEEEEEEE!はよそでやろう。
最大の難関はイベント『姉の決意』。餡刻は他のPCに比べて強く警戒されているため、他PC時よりもさとりが強い。準備は万全にする事。

序盤

  • 行動の選択肢などが反映されるには6月くらいまで待たなければならないので、それまでは各ステータスの強化を念頭に入れて行動しよう。特に、広大さは彼女と付き合う上で必須のものなので、なんとしても上げておきたいところである。できることならば、ステータスを引き継いで広大さを出来るだけ上げた状態ではじめておきたいものだ。
  • 6月中に2,3度彼女と出会えればひとまず活路が見えたというところだろうか。彼女に目を付けられてしまえば、どこに行こうと何故かそこにいなかったのにいたという表情になるので、自然と相手にすることが多くなる。そして、ここからストレス管理が本当の地獄になってくる。
  • さとり、お空、お燐と一緒の時に会うと、こいしの好感度は上げやすい。しかし、ストレス管理がうまくいってない状態でさとりを連れてこいしに会うのは避けよう。さとりに「こいしがPCと接触するのは良くない」と思われると、さとりがこいしにきつく注意して、それ以降こいしがPCの前に現れなくなってしまうためである。
     
  • こいしへのプレゼントとして「希望の面」を渡せば、bルートへ進行できる。
    当然、希望の面はなくなってしまうが、こいしルートのED後に返却されるのでそこは安心。ただし、渡した後でこいし以外のEDを迎えた場合は返してもらえない。

中盤

  • だんだん好感度が上がっていくと彼女が自分の意見を言う機会が増える。重要なのは、彼女にも彼女なりの理屈があるということ。理屈といっていいかは判断しかねるが……
    彼女のことを深く知るためにさとりやお燐、そしてお空の意見を聞きながら、こいしと上手く付き合っていく事が必要となる。
  • この時注意しなければならないのは、嫌われない状態を保ちつつ、彼女に少しずつ常識的行動というものを教えていかなければならないということである。まだ彼女について断片的な情報しか与えられていないPCではあるが、少しずつ彼女に『人』としての生き方を教えていこう。
    • 失敗した場合、PCの認識がこいしのそれに侵されてしまい、PREPOSTEROUS DEADEND『乖離、再構築、日常』に。
  • 順調にいくと、10月~11月くらいにGOOD以上を狙う上での必須イベント『こいしの過去』が発生する。

『こいしの過去』

  • 好感度が高いと第三の瞳を閉じてしまった話を聞ける。
    いつも楽しそうにしているこいしだがこの時だけは少しシリアスになる。
    これ以降は第三の瞳が半開きになり、今までに無い台詞や表情が見られる。
    また、アビリティ「荒ぶるグリコのポーズ」を覚えられ戦闘時の構えを変えられる。ヘイスト状態になるがカッコ悪い。
    ここを過ぎるとこいしと約束が出来るようになり、任意の場所に呼べるようになる。ただし言ってることは相変わらずぶっとんでるので許容の心で見てあげよう。
    ここまでくるとストレス管理も一応ひと段落するので頑張ろう。

終盤

  • とにかくこいしの動向に気を配る必要がある。半分心を開いたこいしに対して、常識をかなぐり捨てるような問題分子を引き合わせるような事態は何としても阻止しなくてはならない。
  • その後の経過に伴い、今の妹に外は危険すぎるとして、さとりがしばらくこいしを屋敷に留まらせるよう提案する。が、そこでまた独りぼっちにさせてしまうのはNG。外の事を知るべきは今なのである。
    提案を蹴ると、以降さとりとPCの間でしばしば諍いが起こるようになる。彼女も真剣にこいしの事を思っての意見なので、出来る限り真面目に彼女のために応対するべきそうすべき。
  • この後、こいしルート最大の山場『姉の決意』が発生。ここで勝てなければGOOD以上は臨めないので、準備は万端にしておくこと。

『姉の決意』

  • さとりは主人公の存在を危険視してこいしから離れるように警告する。それは主人公が人である以上こいしを裏切る可能性を危惧しての行動。せっかく開きかけた心をまた閉じさせるようなことはさせたくないというこいしに対してと主人公に対しての姉の想いからである。
    イベント後、次にさとりと出会ったら決断をしなければならないのでそれまでにパラメーターを上げておこう。

  • さとりは攻撃力も防御力も低くそれほどでも無いが、HPが半分になると「第三の瞳」が発動。
    「第三の瞳」の効果
    命中率・回避率・クリティカル率がかなり高くなる。
    主人公の攻撃をそのまま、もしくはアレンジして返してくる。
    過去の主人公の戦闘から今まで戦ったことのある攻撃を再現してくる(その周回に限る)。
    心をえぐるような煽りや挑発でペースを乱してくる(ランダムで怯み、魅了)。
    生半可なステータスでピチュってしまうのはおろか、必殺技をマネられてしまい逆にピチュってしまうこともある。HPは9000↑が望ましい、オススメジョブはナ/忍。魔法メインで戦うとマネられて威力が増大した反撃を受ける可能性があるので魔法メインになるであろう墨樽ではかなり厳しい戦いになる。


    裏技として雑貨屋「世界樹の洞」で手に入るアイテム「コスプレ例大祭」を戦闘中に使うとさとりの能力が半減するのでどうしても!と言う人は無理せず使おう。
    これを使うと「い、いやらしい・・・」とさとりがつぶやき、第三の瞳を強制解除。戦闘中はずっと軽蔑の眼差しで見られる。一部の紳士の間では「さとりさんに軽蔑の眼差しで見られて罵倒されたい!」という人も多いとか。


    戦いに勝利するとさとりの本心を聞けると同時にさとりの泣いてる姿が見れるのでファン必見。
  • 『姉の決意』クリア後は、いよいよ佳境に入る。これ以降、こいしが特定の表情でいる時は無意識に何かを避けていることを示している。それらの問題を解決し、立ち向かう心、逃げない心を教える事がTRUEフラグの一つとなっている。特定の表情とはつまり、目が笑っていない(と言っても怒ってるわけじゃない)笑顔である。

関連イベント一覧

始業式/入学式

  • 姿を見る事は出来ない。ただ、ちょっとわずかに視線を感じたり、誰かに声を掛けられたような気がした時に、シルエットのみ拝める。但し、低確率でしか起きない上に、ステータス的にはストレスが溜まるだけなので注意。

デート

  • 神出鬼没の彼女はどこにでもぽっと出てきて、勝手にデートと称して連れ回されることが稀によくある。攻略しようというならそれでも問題ないが、他のヒロインとのデート中にpopする危険性がある。そういう場合は出現条件を満たさないようにしよう。
    問題なのは、攻略するために好感度を上げたらそのままこいしの出現条件を満たしてしまう姉のさとり、そして彼女達と関係の深いお空、お燐である。さとりは姉の立場があり、お空はお⑨故大した問題は無いが、PCとお燐のストレスはマッハになりやすくなる。
  • こいしの興味を引くデート場所としては、美術館が挙げられる。理解不能状態のPCの横で、巨匠の作品を前に目をキラキラさせながらその細部の表現を意味不明な言葉で述べるこいしの姿は、やはり理解不能だがどこか可愛い。
    遊園地も悪くは無いが、どれだけ絶叫系に乗っても疲れず、むしろもっと乗りたいと言い出すので、PCが疲労でマッハに。出来るだけ体力を鍛えてから行きましょう。
  • 喫茶店では、メニューとは全く関係なく「なんとなく出来たものを出して」と店員に言う。その店の対応で反応が変わるので、『ベヒんモス』に行くのが良い。

夏休み

  • 海に行くと、元気よく泳いでいたり、砂浜を走り回っていたり、形容しがたい砂のオブジェを作っていたりと忙しない姿が拝める。出現条件さえ満たしていればどこだろうが出現する可能性があるので、偶然ってレベルじゃねーぞな会合になる事もある。
  • 夏祭りに誘うと、屋台のおじさんにわけのわからない言葉で話しかけて、そのままタダで屋台の商品を貰ってしまったりする。屋台のおじさんには申し訳なくなるが、彼女はとても楽しんでいるようなので、しょうがないなという表情になる。
    花火が上がると、「花火と一緒に打ち上がれば綺麗なお花になれるかしら?」とのたまい、一緒に打ち上がりに行こうとし始める。冗談半分で承諾すると本当に夜空に散って、そのまま病院で栄養食を食べる羽目になるので注意。ただ、花火を見ながら語る表現はなかなか興味深い。

学園祭(文化祭)

  • 自分達のクラスの出し物がおばけ屋敷でPCがおばけ役をやることになると、PCのすぐ横にこいしが現れおばけ役が逆に驚かされるという状況になる。驚くPCの反応にこいしは笑いながら「キャー」と言って走り去ってしまうのだが、PCはとにかく心臓に悪かったらしく疲労がどっと溜まる。
  • 自分達の出し物がおばけ屋敷でない場合、他のクラスのおばけ屋敷に言った際に、まったくもって驚かず、余裕の表情でいるPCのすぐ後ろにこいしがpop!やっぱりびっくりしてしまう。
  • なお、『こいしの過去』の経過以前と以後で、こいしの反応がかなり変わる。まあどちらにしても好感度は(PCの疲労と引き換えに)上がるので狙って損ではない。

修学旅行

  • 学年が違うのだから旅行先で出くわすなんて事は流石にないはz…
    「お兄さん♪」
    オウフorz
    やっぱりそこにいなかったのにいたというか鬼なる。
    『こいしの過去』経過以後の場合、頭のヒットした連中に会わせないよう注意することが必要だが、色々連れ回したり、連れ回されたりと楽しくすれば好感度はアップ。文化遺産に対する評価も意味不明独創的。

期末テスト

  • 勉強なんてしない。でも成績はだいたい上位。堂々とカンニングしているから。
    PCの名声が低い場合、カンニングの共犯となり点数が滅茶苦茶な上がり方をする。
    名声が高い場合は勉強会もできるが、普通に勉強なんて当たり前のようにできない。自分だけでも勉強をきちんとしないと成績がガタガタになる。

冬休み

  • 『こいしの過去』経過後として話を進める。
    クリスマスムードで賑わう街中で、それを妬み、或いは暴走してpopする紳士、崖下どもに出会わないように注意する必要がある。嫉妬で寄ってくる連中に粘着された場合はまだ舌戦で退ける事も可能だが、崖下は…まずい…ので、粘着される前にカカッっととんずらすることをお勧めする。

クリスマス

  • こいしがキリスト教にまつわる様々なネタを思いッきり穿った視点で喋りまくる。聞き続けるとPCのSAN値がマッハになる危険性に加え、喋るだけ喋ってメインイベントに進めないまま終わるので、適度なところで会話を一端切る必要がある。実を言うとここでの長台詞は半分開いた心がどうすればいいか迷っていて、無意識に話題を逸らして逃げている、わかりやすく言うと照れ隠しなのである。
    それ以降は、「偶には普通に祝ってみるのもいいんじゃないか?」という選択肢を選べば、あっさりと承諾してくれる。この時の若干頬を赤らめた顔は多くのプレイヤーを萌死にさせてきた超パワーを誇るグラである。
    いろんな所を回ったり、雪が降っていれば、公園で雪遊びするのもいい。二人で作るちょっと歪な雪だるまが出来たりなんだり…

年末年始

  • 人混みで賑わう守矢神社でフリーダムにさせると、受験を控えた中学、高校生の心を折るこいしが見れる。当然の如くそこから怒りが有頂天となった学生がリンクして大惨事となるので注意。さらに、弊害として守矢メンバー全員の好感度が下がる。
  • 『こいしの過去』経過後、純粋に好感度を上げたいならやはり博麗神社が良い。人が多いとそれだけ心によろしくない事を考えている輩も増えるので注意が必要なのだ。博麗神社なら、そういった心配が少ないので安心して初詣ができるぞ。

バレンタインデー

  • 『こいしの過去』を経過したか否かで差し出されるチョコの形状がまるで変わる。
    • 第三の瞳が閉ざされたままの状態のこいしが作るチョコは、何の形かわからない、まさに名状しがたき形のチョコになる。ハート型と言えばハート型なのかもしれないが、とても普通の人の思い描くそれではない。アートと言えばこれもアートなのだろうか?ただ、一応言っておくと、かなり手の込んだチョコであることは確か。
    • 第三の瞳が半開きの状態だと、アーティスティックながらもどこか可愛げのある形のハート型チョコになる。こちらは一目でハート型と分かるフォルムで、それに装飾するような形で、所々様々なトッピングがなされている。
  • どちらにしても手の込んであることに変わりは無く、味もなかなかの逸品である。

ホワイトデー

  • こいしに喜んでもらいたいなら、それなりに手の込んだ物を作る必要がある。
    調理スキルの他、芸術面の能力やDEXも関わってくるので、こいしをうならせるだけの物を作るのはかなり難しい。それだけに、成功した場合の進展具合はかなりエゴい事に。

終業式/卒業式

『花開くココロ』

TRUEフラグを全て回収していると、こいしの第三の瞳が開くイベントが発生する。
このイベントも含めて、TRUEENDと言っていい。

エンディング一覧

TRUEEND『恋する幼きPhilosophin』

  • 『姉の決意』でさとりに勝利し、こいしのTRUEフラグを全て回収すると分岐

今年も、この季節がやってきた。
木々のさざめきが響き渡り、薄桃色の花弁が暖かな風と舞い踊る季節、春。
枝の蕾は既に開き、風に攫われ、ふわりふわりと飛ばされながら、桜の花はその生命の有り様を見せつけていた。

瞳を閉じた先でも、感じ取ることができる。
心躍る陽気の中、新しく芽吹いた命達が、その命の力を持って光り輝く様が…
冬の寒さを耐え、命はその輝きを、今この世界に示している。

 

「お兄さん♪」

その声を聞くのも、何度目だろうか。
振り返った先で見た彼女の姿は、初めて会った時となにひとつ変わらない。
お気に入りの帽子をかぶった、無邪気な少女。
違うといえば…
その左胸、
かつて閉ざされていた第三の瞳は、今ではぱっちりと開いている。

 

少し前までは、自分だけの世界に閉じ籠っていた少女。
誰を見ることもなく、
誰を思うこともなく、
孤独という極寒の冬に遊び続けた少女。
何より、その孤独の寂しさを識らぬまま生き続けていた少女。

 

そんな彼女の冬も過ぎ去った。
心は意識を灯し、独りの世界は一つの終わりを迎え、新たな春を迎えた。

 

彼女は、この世界の当たり前の美しさをまだ知らない。
これからもっともっと、新しい事を知っていくことになる。

今まで目を向けることもなかった全てのものを、
はっきりとその瞳に映し、胸に刻むことになる。

 

一方で、それは決して彼女の望むものばかりではないだろう。
例えどれだけ美しいモノも、その内側に目を背けたくなるほどの醜さを抱えていないとも限らない。
彼女が忌避した醜さだって、彼女は忘れているだけなのかもしれない。
だから、彼女がその事実に再び相対した時、果たしてどうなるのかはわからない。

 

それでも、
それでも、彼女には色々なことを知ってほしい。
自分の存在する世界は、これほど沢山の色と形に包まれている事をわかってほしい。

そのために、守ると決めた。
彼女の事を想う家族に、誓ったのだから。

 

「今日はどこに行きましょうか?…え、今日はこのままここにいるの?」

そうとも。どこかに行くことだけが、新しい事を知ることじゃない。
ここにいるだけでも、これだけの命の輝きが、わかるのだから。

 

「お兄さん、今なら見えるよ。お兄さんのココロ。」

 

「…うん。私もお兄さんのこと、大好き♪

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GOODEND 『開ける心のRanunculus』

  • 『姉の決意』でさとりに勝利以降、全てのTRUEフラグ回収ができなかった場合分岐

桜の花弁が舞い、暖かな風が流れ行く。
例年より少し早い春の到来を感じて、PCは外にでた。
既に気温は暖かく、命の芽吹きもそれに呼応して、急ぎ足で始まっている。
この季節にはよくある、変わることのない事象。
それでも、この景色を見ていればなんだか…

 

「お兄さんも嬉しいの?」
急に声を掛けられて、少しだけ肝を冷やす。
そしてすぐに、それが彼女の声である事に気付いた。
「こいしもね、春は好きよ♪沢山のお友達ができるのよ♪」
無邪気に笑うその顔は、本当に嬉しいのだろうと思える。
しかし、こういつもいつも突然声を掛けられたのでは心臓に悪い。
というか…そもそも、今日は河原で待ち合わせていた筈では…
「お兄さんを待つ時間が惜しくて、こうすればすぐ会えると思ったの。ごめんね」
ニコニコと笑顔で答えるこいし。

 

こいしの左胸にある第三の瞳は半分だけ開いている。
半分意識していて、半分無意識なのか…
その塩梅はわからない。
ただ、瞳がちゃんと開いた時、
こいしは正常な覚に戻るという事らしい。
今はまだ半開きのままでも、
花の蕾が開けるように、
いつか本当の心を取り戻す。
それを信じて、守ると誓った。

 

「さあ行きましょう♪」
PCの腕に手を回し、待てない調子で急かすこいし。
「一緒に色々見て回りたいの。時間が惜しいくらいなの」
彼女の心も、花開く時を待ち侘びているのかもしれない。
その時が待ち遠しくて、一緒になって走り出した。

 

…風に翻る彼女のいつものスカート。
そこには一輪の花が咲いている。

その花の名はラナンキュラス。
幾重にも折り重なる意識の襞。
…花言葉は、『魅力的』。

NORMALEND『その日常にNervenkitzel』

  • 『こいしの過去』を発生させなかった。他キャラとのフラグが立たなかった。その上で、こいしの好感度が他のどのキャラよりも高いと分岐

 毎度の登校。
 変わり映えのない授業風景。
 いつもの帰り道。
 それでも気をつけなければならない。
 彼女がいつPOPするのかは、まったくわからないのだから・・・

 

「お兄さん♪」

 

 思った側からまただよ(笑)
 何度やられても心臓に悪い。
 どうして毎度こいしに付きまとわれるのか、
 PCにはまったくもって理解不能状態。
 でもまあ、退屈な日々ばかり過ごしている現状なら、
 こうして少しばかり刺激のある存在というのも悪くはないと思う。

 

「今日も遊んでくださらない?・・・でも何して遊ぼうかしら?」

 

 どうやらPCが遊ばないという選択肢は端からなかったらしい。
 尤も、断るつもりももとよりなかったが・・・

 

「・・・うん!そうね。じゃあ行きましょう♪」

 

 はしゃぐ彼女に置いてかれないように、PCも駆け足で追いかけて行った。

BADEND『虚しく去らんVerlierer』

  • こいしルートイベント『姉の決意』でさとりに敗北すると分岐

「これが私のこいしへの『想い』です。あなた如きに敗れる程、やわではないという事です」

 

 自分は、敗北した。
 こいしのためを想う強さで、さとりに負けた。

 

「あなたにこいしを導く力はない。心苦しいですが、お引き取りください」

 

 自分には、彼女を守る強さなど、備わっていなかったという事か・・・

 意気消沈したまま、PCはその場を離れる。
 声を掛けようとする、こいしの気配を振り切りながら。

 

 大見得切ってこいしを守ると宣言しておいて、
 あまりに無様だった自身の体たらくが酷く惨めで、
 それからしばらくの間は、こいしやさとりに会いに行けなかった。
 姿を見かけても、気付かれないように隠れてやり過ごした。

 

(大丈夫・・・自分なんかいなくても、きっとこいしは心を開ける)

 

 その姿は余計無様だったが、そう思う事で全てから逃げていた。
 逃げる事しか、出来なかった・・・

 

 そして・・・

 いつしか、こいしの心は、

 嘗てのように閉ざされてしまった。

SADEND 『感情昏くGeffalen』

  • 『こいしの過去』以降、こいしと一緒の時に一定ターン以上粘着され続けた場合分岐

    長く閉ざされた深く寒い闇の中
    ようやく回復の兆しを見せたこいしの心。
    そこに現れる危険分子。
    あいつらの心の穢さはさとりからよくよく聞いている。
    今のこいしには早いなどという話ではない。
    こいしに悪影響を与えまいと、PCは必死の抵抗を続けていた。
    しかし、敵の攻勢は緩まず、退くことすらできない。
    焦り、苛立つ心。

     

    (こいつらは…ここまで邪魔をして)

     

    長引くほどに募る苛立ち
    やがてそれは明確な怒りとなり、その色を濃くしていく。
    それは、彼女に知られる訳には行かない筈のもので、
    それでも止められない醜いもので、
    こいしにしても、
    PCを信頼する彼女が、
    周りの身勝手な妄想から逃げるために、
    PCの心を拠り所としたのも当然だった。

     

    僅かな好奇心から覗いた先に見たものは、
    酷く暗い敵への憎悪だった。

     

    『コイツラハ ツブス コレイジョウ チカヅクナ コロサレタイノカ』
    『コロス コロス コイツラハ イキテココカラ カエサナイ !!』

     

    何かが砕ける音がした。

     

    気付いた時には、
    何もかもが手遅れだった。
    無我夢中で敵を振り払い、地霊殿に連れ帰って、
    それからどうしたのかは定かではない。
    気付いたらPCは自宅の前にいた。

     

    次の日、
    ぐちゃぐちゃの頭をどうにか働かせて、
    こいしのもとへと急いだ。
    「帰って下さい…!」
    開口一番、そう告げられた。
    「こいしの心はもう戻ってきません。
     私の事すらわからなくなりました。
     あなたの事ももう認識できません。
     ですから帰って…帰ってください…!」

     

    か細い声で語られるさとりの言葉。
    ぐちゃぐちゃの頭が無茶な回転を掛ける。

     

    『自分は助けようとした。
    こんなつもりじゃなかった。』
    そこまで言いかけて
    「わかっていますッ!」
    掛けようとした声を詰まらせた。

     

    「わかっているから…許せないんです。わかっているのに…憎めないんです」
    震える声で、語る姿に、
    何も…言えなかった。
    「もう、二度と来ないでください。二度と…私たちの目の前に現れないで…!」

     

    …そこからは覚えていない。
    無我夢中でその場から走り去る以外
    何もできなかった。

     

    何処までも広い空の下。
    世界には沢山の人がいて、
    その世界にはたった独り。
    守ると誓った約束すら果たすことも叶わず、
    無残な結果を残したばかり…

     

    ただ、独りぼっちの世界で、吼えた。
    遠くなってしまった彼女のもとに
    届けといわんばかりに

DEADEND 『恋焦がれるような殺戮』

  • 『こいしの過去』以降、こいしと一定期間会わず、他の女性との行動数が一定以上になると分岐

    いつもどおりの学校
    変わりばえのない授業風景

     

    教師の言葉を聞き流しながら外を眺め、ふと最近こいしに会っていない事を思い出す。
    少しずつだが心を開き、自分だけの世界から抜け出そうとしている健気な彼女。
    彼女のために、自分に出来る事はあるのだろうか。
    さとりにはああ言ったが、はたして自分に彼女を救えるのだろうか…?
    そんな不安が絶えず心の中で鎌首をもたげる。
    確信を持って彼女のために出来る事を見つけられないでいた。

     

    今の自分は…逃げている。
    さとりに誓ったはずの言葉の責任を果たせずにいる。
    まして彼女に目を向けることすらできず、得体の知れない不安から逃げ回っている。
    こんなことでは彼女となにも変わらない。
    人の心の醜さに目を閉じた彼女と変わらない。

     

    そんな自分に、彼女を救える筈が無い。

     

    …もうやめよう。
    彼女にはもう会わないほうがいい。
    こんな状態で会っても何もいい方向に向かわない。
    彼女が忌避した人の醜さのままに、逃げるしかない。
    それしかできない。
    …自分には、何も出来ない。

     

    そして我に返って…

     

    世界はく染まっていた。

     

    なんだ…これは!?

     

    血みどろに逃げ惑い、叫び、転びながら、不規則で出来そこないのダンスを踊る友人。
    メッタ刺しにされながら、仲間の眼球を指で刳り貫き、それでも顔は恐怖で歪む誰か。
    半狂乱に泣き叫びながら、扼殺した手をそのままに、生徒を引きずり佇む教師。
    皆が皆、狂気に堕ちていた。

     

    これは…いったいなんだ…?

     

    「お兄さん♪」
    不意に声を掛けられる。
    明るく無邪気で、心底楽しそうで、何の感情も汲み取れない少女。
    「ほらほら!一緒に遊びましょ。きっと楽しいから♪」

     

    紅の雨の中に遊ぶその姿は、純粋に楽しそうで
    恐怖以外の何物でもなかった。

     

    早く
    早く!
    逃げなきゃ…
    逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃにげなきゃにげなきゃニゲナキャ逃げなきゃニゲナキャ逃げなky…
    その姿は或いはとても滑稽だったのかもしれない。
    そもそも逃げ場なんてどこにもない。
    何より足はあまりの恐怖にすくみあがる。
    その足すら彼女の無邪気な一撃ですぐさまその機能を削がれ、
    まるで生まれたての小鹿のように手足を蠢かせるのが精いっぱいだった。

     

    「逃げるなんて良くないわ。みんな楽しそうに遊んでるじゃない♪」
    優しく肩を掴まれ、彼女の方へ向き直される。
    血飛沫を浴びたその体に赤い斑点模様。
    半開きだった第三の瞳もすっかり閉じて、血まみれに…

     

    …いや違った。

     

    痛いほどに見開かれた第三の目からは

     
     

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    血の涙が溢れていた。

     

    「さあ、楽しい楽しい遊びを始めましょう。何をして遊びましょうか?あ、おままごとなんてどうかしら♪」
    なんてことだ。
    結局、自分の無責任な一言が
    すでに彼女を狂気へと突き落としていた…
    「それじゃ私がお嫁さんであなたが旦那さん。それじゃ始めましょうさあ始めましょうすぐ始めましょう♪」
    これは、彼女の望んだ夢か。
    心を置き去りにした彼女が掴んだ希望だったのか。
    これからバラされる自分には、もう意味などない事なのだろう。

     

    「じゃあね、こいし、あなたの大好きな肉料理つくってあげるね♪」

PREPOSTEROUS DEADEND『乖離、再構築、日常』

  • 攻略中にこいしの狂気に中てられた場合強制的に分岐

    ある晴れた日の朝。
    そこにあるのは見慣れた風景。
    今日もいつも通りの一日
    そう、朝ごはんを食べて、
    刺殺
    朝の通学路を抜けて、
    こうさつ
    クラスメート達と談笑して、
    ボクサツ

     

    今日のホームルームは「斬殺」
    今日の授業もつまらな「圧殺」
    昼休みは楽しみな昼ごはn「鏖殺」

     

    今日のみんなは楽しい嬉しい
    不揃いにバラバラな一人の友人
    ミンなイッショに「爆殺」

     

    震える背中は熱いくらいに蕩けて消える
    叫んだ口から真っ赤だった
    なんとなくなつかしい鉄の味

     

    「ああ!一人で遊んでるなんてズルいー!」
    ふと声が聞こえた
    なんだ、君か…
    真っ赤な笑顔
    自分と同じ
    鉄の匂いのする彼女
    「お兄さん!遊ぶ時は二人で遊びましょ!」

     

    うん
    そうしようか

     

    きっと世界は素敵に平気
    遊び回って
    遊び疲れて
    またいつものように眠るんだ
    また明日も
    イツモノニチジョウガ
    めぐtt

     

    『ミ ナ ゴ ロ シ』

コメント

  • 動画から見に来ました。 -- 2012-12-05 (水) 15:21:08
  • このシナリオのさとり、ちょっと頭おかしいよね。「人間である主人公が裏切るかも(だが、そもそもこのシナリオでこいしが改善したのは主人公のお陰)」「こいしへの思いを証明しろ!(腕っぷしで)」「私の思いが勝った、負けたんだから失せろや(そして主人公と別れたこいしの目は閉じる)」 何がしたいんだこいつ。 -- 2014-12-26 (金) 15:01:55