キャラ攻略/物部布都

Last-modified: 2015-12-10 (木) 23:14:50

ルート概要

早とちり、うっかりさんな残念聖童女、物部布都の攻略。
……であるのだが、GOOD以上のルートは他の神霊廟キャラと比べて伝奇色が濃く、他のキャラクターの設定背景まで独自の物に変更される学園モノ屈指の異色ルート。
他のキャラクター攻略で顕になった矛盾点の解決にはなっていると言えばなっているのだが、明らかにキャラの心情が該当ルートと異なっている。
神霊廟の前世組の攻略ルートは、全員が全員なんらかの矛盾か解決されない謎を抱えているのであるが、その中でも最も尖ったものが提示されていると言える。
なお、布都ルートで語られる内容は他のキャラルートでは一切語られないため、布都ルートのみのパラレル設定とも解釈可能。
どちらが『正史』であるかは明言されていないので、プレイヤーの解釈に任された形となる。

出現条件

  • 中等部を訪れるとたまに「お主・・・○○(選択PCによって異なる。ジョブとか)じゃな?」と布都に問われる事がある。
    ここで「そうだよ」と答えると鬼の首を取った様に有頂天になり、「え?」と答えると慌てて謝った後しょんぼりして何処かに行ってしまう。
    どちらを答えてもこれ以降、あちこちで見かける様に。

フレリスト登録条件(戦闘参加)

好感度が30以上でフレリス登録可能。

ルート攻略

  • NOMAL ENDに行くのは非常に簡単だが、それ以上を目指すとなるとイベントを起こして彼女の秘密と豊聡耳神子の過去を知る必要がある。
    両者の秘密のキーパーソンは蘇我屠自古。彼女と親しくないとこれらの話は聞けず、更に神子の過去については彼女の好感度が「40」以上、加えて屠自古の好感度が高くないと聞くことが出来ない。
    つまりGOOD以上狙うには3りの好感度を上げつつ、尚且つ他の2りの√に靡かないように好感度を調整していかなくてはならない。

序盤 ~終盤(NOMALまで)

  • 初期好感度はファーストコンタクトの選択肢によって変化。どの選択肢を選んでもマイナスからのスタートにはならないのでご安心を。
    かっこいい所や男らしい行動を見せると好感度がガンガン鯉のぼりに上がる。
  • 純真な子なので、彼女が見たことがないような、変わったものがあれば迷わず見せてあげよう。
    目を輝かせて興味を示し、「斯様な品を持つ○○は只者ではない」と褒め称え(同時にズレた感違いをするのは御愛嬌)つつ大喜びする。

中盤 (GOOD以上)

豊聡耳神子の秘めたる過去生。
その真偽を問いに従者への元へと向かった時、神子と布都の意外な関係を知る事となる。
しかし、それは対処や解決が出来るようなものではない。
PCは誰にも言えぬ事情の共有者となり、布都や神子と親しさを増していくのであった。

『因果な血脈』

『千年の追想』で豊聡耳神子の前世を知った後、『神子がPCに関わる理由を話す前に』物部布都(好感度70以上、PTを組んでクリアしたイベント4つ以上)に話しかけると出る選択肢。
「屠自古から神子の秘密を聞いた」を選択すると発生。

 
  • 「ほぅ、辛味大根がお主に話したか……。ならば我が隠す必要もないな。確かに、太子様は聖徳王の生まれ変わりである」
    神子の秘密、偉大なる前世。
    普段から神子の側にいる布都が神子の前世を知っているか気になったPCは、布都当人に問いただしに行ったのだが……意外なほどあっさりと肯定した。
    「別段無理に信じろとは言わんよ。確固たる証拠を我や太子様が示せる訳でもないしな」
    布都の口振りに違和感を覚えるPC。まるで、生まれ変わりを否定するような……。
    「大手を振って出来る話ではないさ、我にも前世の記憶と言う奴はあるが……お、屠自古から聞いておらんか? 我も聖徳王に纏わる転生者であると」
    全く聞いた覚えがないPCに、布都はあちゃあと言わんばかりに舌を出した。
    「おっとうっかり、全く我ながら恥ずかしいものよ。が、折角だから聞いていけ」
    そして布都は自分の前世を語りだす。自分の過去生は屠自古の母親であり、聖徳太子の義母、そして聖徳太子の敵対者の親族であると。
    「要するに蘇我馬子が妻、布都姫が我が前世……そして我が一族の祖になる」
    一族? ……そう言えば、布都は物部を姓に持っている。
    まさか。PCの脳裏に浮かんだ疑問を理解したのか、布都はけたりと笑った。
    「そうよ、我が一族は布都姫の直系、蘇我屠自古が末――即ち聖徳太子の直系。我の前世はな、我が祖先でもあるのだ」
     
    布都は言う。聖徳太子と屠自古の間には子が存在したのだと。
    「山背大兄王と言う立派な一粒種、蘇我との権力闘争に破れ自害したと伝えられているが、それは嘘じゃ。その時点で既に屠自古は亡霊化しておったし、聖徳太子と我が前世は回帰の計画を立てておった……そして、自らの血を残す計画もな。そも、何故屠自古が亡霊にさせられたのだと思う? アレはな、守り神の役割を担わされたのよ」
    聖徳太子と布都姫は不老不死を求めはしたが、不老不死イコール自身の永遠性であるとは判断しなかった。
    何せ、政の世界に内患には事欠かない、血を未来に残さねば、万が一聖徳太子が殺められたいう時に国が割れかねないのだ。
    それを防ぐためには、聖徳太子の「血」が残す必要がある、故にこそ万が一の時にも「血」を守り、伝えるためのナイトが必要とされたのだ。
    永遠に消え去る事のない、消え去ることの出来ない不滅の亡霊が、血に囚われた囚人が。
    「当時、既に亡き者ではあったとは言え、聖徳太子が築いた全てが無に帰った訳ではない。屠自古は幾人かの手勢と共に山背大兄王とその一族を連れ立って海を渡り……その果てが此処にいる我ということになるな」
     
    PCは問う。歴史で首吊り死体が残ったとされているが?
    「死体の偽装は仙術の十八番。誤魔化し切れたとは思わぬが……少なくとも逃げ切る時は稼げたという事じゃろ。入鹿とて、死を喧伝したほうが色々とやりやすかろうしな」
    本屋の隅に置いて有りそうなトンデモ本にでもありそうな布都の話ではあるが、一応の筋は通っていなくもない。
    だが、それが前世云々とどう関係あると言うのか。
    布都の祖先が聖徳太子である事と、布都の前世が関係者であることが全く繋がらないPCは、その疑問を素直に投げつけた。
    「関係大有りじゃ。よいか、聖徳太子と物部は天皇の……最大の現人神の血と同じ血が流れるものぞ。そして、知っての通り神は死んでも死なぬ、魂は巡り、蓄積される。我らは人の血が混じりし存在故、完全な同一個体としての再生は不可能であるが、受け継がれた血は確実に先祖の魂を引き寄せる。先祖帰りの幾分かは、その様な理由で起こっておるのじゃ」
     
    PCは軽く笑った。
    なら、神子も聖徳太子の子孫でないと可笑しいじゃないか。と。
    布都はうむと頷いた。
    「まさにそうであり、その通り。つまり太子様も聖徳太子の子孫であるということだ」
    ……何だと?PCは思わず聞き返した。
    布都の言うことが正しいならば、それはつまり。
     
    「そうだ、太子様と我は親戚関係である」
     
    信じがたい事実である。そもそも二人の間に血縁をを匂わせる態度など欠片もないではないか。
    「別段おかしいことではあるまい。種が違えば扱いも違い、本家と分家は身分が違う。況してや過去生がな、覆しようのない上下関係を作り上げておるのだ」
    物部の末に生まれた神子は、特別な『検査』によって前世を判明させた後、豊聡耳の性を授かり神子と名付けられた。
    数年遅れで生まれた布都もまた前世が判明――そして、前世と同じように神子に仕えるよう教育され、部下として生き続けて来たのだ。
    PCは呻く。
    それは……相当にひどい話では無かろうかと。
    「同情はいらんぞ? 確かにひどい話ではあるし、辛いと思うた事もある。だがな、太子様は我が仕える価値のある人間ではあるし、誰を恨んだ所でどうにかなる話でもない。運命を恨んで捻るよりは、明るく肯定して生きた方が幸せだと我は思う。それに、こうして話せる相手も出来たのだから……我は恵まれておるわ。の?」
    布都は天使としか言いようのない笑みを浮かべると、軽く首を傾けた。
    PCは布都の一族の底知れぬ闇を垣間見ながらも、決して屈さず腐らぬ布都の明るさにどこか惹かれるものを感じ始めていた。

『永劫を断つために』

『因果な血脈』経過後、『単独で』豊聡耳神子に話しかけると発生。

 

「布都が、あなたに話したと聞いた」
何をとは言わないが、布都の話を聞いたPCは直ぐに察しが付く。
心配せずとも、人様の家庭の事情を触れ回る趣味は無いと神子に告げるPCであったが、神子はそのような事は心配していないという。
「本質的なところでは、私よりあの子の方が人を見る目がある。布都があなたを信じると言うのであれば、それ以上の保証はないよ」
私は人の欲を見るが、布都は人の心を本能的に嗅ぎ分けるのだと神子は言う。
「誇らしく思うべきなのかな 姉代わりとしては」
神子と布都の秘められた関係。
神子自身はそれをどう思っているのかをPCは問うた。
「時代遅れだとは思うが、違和感は感じていない」
神子は困った顔になった。
「豊聡耳として育てられた私は、聖徳太子の転生者として相応しく在るための帝王教育と言うヤツを受けていてね。人を使う事に格別の感慨は無いんだよ、特に布都は……前世からの部下だ。私も自然と扱える」
前世は前世、今は今では? PCの意見に神子はもっともと頷いた。
「確かにね。だが、そうあれかしと教育を受けた布都はごく自然に私に仕え、私は前世の記憶もあって息をするように部下として扱う。そうやって今までやってきた、いまさら仲良しこよしをやるつもりは私達には無い。したくもない。ただ……次の世代に続けるつもりもない」
つまり、結婚をしないつもりか?
「私が子を作らずとも、世界に散った物部の血から、必ずや次の次の豊聡耳や布都が生まれる。十王の裁きから逸した我らが魂魄は、時は掛かれど必ず物部の血に還り……屠自古も永遠に縛られ続ける。私はね、それをいい加減どうにかしてやりたいのさ」
輪廻転生の輪を断ち切ると言う事か?
「それも一つの手ではある。例えば……二度と死ななければ私や布都の魂が巡る訳も無くなるのだから、不老不死になれば解決と思った事もあるよ」
今は違うのか?
「積み重なった知恵は不老不死の弊害を良く教えてくれた。私はただ過去の因果から逃げたいわけじゃない、結果として幸せな人生を歩めなければ意味が無いんだ。解き放たれた結果としてどん底の不幸が待つのなら、私は籠の鳥で良いさ」
神子は満面の笑みを浮かべる。欠片も自分に疑いなど抱かない、迷いなど欠片も無い。皇の顔付き。
誰もが引き寄せられるカリスマの具象を目の当たりにさせながら、神子はPCの肩を叩いた。
「ま、私達の事情を知った君も半ば巻き込まれた様なものだ。具体的に動かなければならなくなった時、どうか私達に力を貸しておくれ」
――布都のためにもね。
最後に付け加えられた、何かを見透かす様なその言葉に憮然としたものを感じながら、PCは解ったと頷いた。

『見えない明日』

『永劫を断つために』経過後、『単独で』蘇我屠自古に話しかけると発生。
この会話イベントを経由した後に、攻略専用のクエストがスタートする。

 

「いささか驚いてるよ。お前がここまであれよあれよと私達の事情に絡んで来るとはね」
最初に話してきたのは屠自古の癖に随分ないいようである、PCがそう言い返すと屠自古はバツの悪そうな顔を浮かべた。
「……別に、巻き込むつもりじゃなかったんだよ。ただ……布都や神子は上っ面の友達はいても、深い所まで許す相手はそう滅多にいるもんじゃないからね。そしてお前は、その滅多だ。二人は歳以上に賢しくはあるが、歳相応の態度を知らん。ならそう言う事を話し慣れている私が話してやろうって思ったのさ」
布都は、屠自古は自分を信頼していると言ってはいたが……当人に口にされるとなかなかにむず痒いものだと思うPC。
「そう照れるな。神子は能力で、布都は本能で、そして私は長年かけて培った経験で、歳相応に見る目は身についた……色々あったからなァ。そうだ、折角だから私の話も聞いていけ」
そして屠自古は屠自古ルートで語られるのと同様の内容を語ると、”その後”。実子の血族と共に物部を興した事を話しだした。
「初めは苦労の連続だったよ。人脈は無い、ノウハウは無い、ありとあらゆる力もない。不愉快だが頼れる師匠はどこぞに消えた。頼れるのは自分達だけ」
凄絶な苦労、暗闘、努力、屈辱――だが、屠自古の顔は光り輝いていた。
「楽しくもあった。全てを喪った自分達が新たに築き上げていく達成感は素晴らしいものだし、たまさかに現れるお袋や太子の生まれ変わりに会うのは密かな楽しみだった。だが、千年も続けばね……終わってもいいと思うんだ」
――永遠に縛られ続ける。神子の言葉を思い出すPC。
「私は滅べないんだよ。布都姫の系譜に宿る物部の血が私を地上に縛り付ける、死神やヤマでさえ私を痛めつける事はできても、連れて行く事は出来ない。初めの内は有りがたかったさ、子孫繁栄を延々眺められると思ったし、一族の危機に立ち向かえるんだから、けどね、私がいなくても全てが周るようになってからは……」
そう言う屠自古の顔は、これまで見たこともない疲れが見えた。
時代と共に変わる一族の中に残り続けた、永遠不変の亡霊。
良いことばかりでないことは、簡単に想像がつく。
「布都の事が嫌いって訳でもないし、今更過去を憎んでいるわけじゃない。一族が憎いわけじゃない、ただ、疲れたんだよ。終れるのなら、終わりたい」
積年――千年を超える亡霊としての生で築きあげられた全て。
その果てに屠自古が終わりを望むのであれば、それを止める権利はPCには無い。
だが、聴かずにはいられなかったた。未来に興味がないのか?と。
「ないね。神子と布都がどう言う亭主を見つけるか位には興味があるが……今更、私が新しく何かを築こうとは思わない。千年だぜ、千年。飯も寝床も酒も色も味わい抜いた。恋だっていっぱいした、愛するものにも数多く出会った。もう締め時なのさ」
清々しい笑みを浮かべた屠自古は「その為に頼むぜ?」とPCに告げると、稲妻の様に去っていった。

『宴の支度』

『見えない明日』経過後、豊聡耳神子に休日デートに誘われた際、受諾すれば発生。

 

「プランが出来た」
出し抜けいきなり神子はPCに告げる。その背後には二人の従者達が揃っている。
即ち、これはデートなどではなく――。
「そう。どうにかしちゃう作戦の詳細案だ。期待したかね? ん? ん?」
クソやかましいわこのミミズクヘアーが。と、なぜだか布都に対する申し訳無さを覚えながら照れを隠すPC。
「まあいいさ、さて。今現在私が解決したい事案はこの3つだ」
1。二度と前世の記憶や能力を持った生まれ変わりを起こしたくない。
2。1の結果として永続的な不幸が発生するような事態は避けなければならない。
3。屠自古を物部の血から解き放つ。
「この3つだ。了解したかな? 私は考えたおーおいに考えた。飯を食う時も授業を受けている時もTVを見ている時も前世の記憶に苛まれている時も、そして私は一つの回答に辿り着いたのだよ。関口くん」
古本屋を気取る神子は、肩に下げたカバンから一つの木像を取り出した。
厳しい顔をした、どことなく寅丸星を思い起こさせる装いの男性。
毘沙門天であった。
「これが答えだ」
そうして神子は語りだした。
「聖徳王は君も知っての通り不老不死と超人願望に取り付かれた結果、道教を信ずる様になったのだが……仏教とも非情に深い縁を持つ。そも、守屋めとの戦は宗教戦争であったのだからね。私の前世は守屋との戦いで四天王に祈り、仏教公布と引き換えに勝利を手に入れた……知っての通り約束は守られた。ただ、私が彼らを信じていなかったというだけで」
――だから、今度は彼らを信じてやろうというのさ。神子は口元を釣り上げた。
「前世に倣い、私はこれから全てを込めた四天王の仏像を彫る。それを依代に四天王を呼ぶためにね。君や布都にはその補助をお願いしたいのだよ」
具体的には?
「仏像造りそのものは私一人でやるから気にしないでいい、だが死と新生の輪にいない神仏を呼ぶにはエネルギーがいる」
「そこで我の出番と言うわけよ」
布都がぴょこりと飛び出てきて、挑戦的な笑みを浮かべる。
「我とお主、屠自古とでネ実市中に仕掛けを施す。この街を巡る数多くのエネルギーを収束させて、仏を降ろす場を作り上げる為にの。都市規模で風水をやると言うわけじゃ」
「私が言うのも何だが、術者としての布都はピカイチだ。まず失敗はないだろう、だが万一もあるから君の手を借りたいのだ」
「やって……?」
屠自古が待ちどうしげに問いかける。いや、それは問いかけではない、何を望んでいるかはすぐに分かる。
そして、PCにそれを断る理由はない。
――やんよ!
高らかに放たれたその言葉とともに「計画」が始まった。

『宴の開始』

『宴の支度』経過後、布都と共に風水配置を完了させると自動発生。

 

「君らの準備は終わったようだね、私の下拵えも終わった。早速今日、四天王を呼びだそうと思うが……構わないね?」
いきなり過ぎやしないかと不満を露わにするPCに、神子は気息が充実している内に召喚したいと譲らない。
PCは仕方なく放課後を潰して神子に付いて行き、召喚に付き合う事にした。

 

神子に引き連れられれた場所はネ実市に幾つかある廃寺であった。
だが、廃寺にしてはやけに小奇麗になっており、外観のうらぶれ方とは裏腹に立派な寺をしている。
そして――本殿には雄々しい威圧を纏った4つの仏像が待ち構えていた。
「これを1人で彫るのには流石に骨が折れた。が、その甲斐あって中々の霊威を備えた像に仕上がった……さて、布都と屠自古はもう直ぐ来る訳で、つまりいま君と私は二人きりな訳だ」
要件をちゃっちゃと言えとPCは神子に急かした。
回りくどくせずとも二人きりにしたということは意図があるという事ぐらいPCにもわかる。
「ではぶっちゃけて聞かせて貰うが、君は布都の事をどう思っている?」
仲良くしていると思っているし、仲良くしていきたいと思っているとPCは答えた。
今の関係は友人……少なくとも仲間であるだろうし、仲間を蔑ろにする理由はPCには無い。
「では、どの様な形で仲良くしたいと思っている? 苦難が訪れた時に守ってやりたいと思うほど、親しく思っているのかね」
何が言いたい。PCは苛立ちを露わにした。
「……我々が前世の因果を断った時、布都は一人きりになる」
意味がわからないとPCは訝しげだ。
確かに屠自古は完全に死ぬのだろう、当人も納得済みの事なのでPCはそこに立ち入ろうとは思わない。
だが、あんたはこの世に残るじゃないかとPCは神子に言った。
「私は残るだろう。だが、布都の側には居てやれない……多分、そう言う事になる」
具体的に何が言いたいんだと、PCは神子に問うた。
「布都を守ってやって欲しい。私が君に望むのは、それだけさ」
何からだ。PCの質問に神子は苦々しげな顔を浮かべた。
「――あの子は、強くないんだ」
呻くような懇願であった。
PCは――

 

ここで一秒以内に肯定の選択肢を選べばTRUE、一秒以上かかるとGOOD。
断るとBADEND2となる。

 

PCは迷いなく肯定の返事を返すと、神子は静かに頭を下げた。
「ありがとう。全く、もう少し早ければなぁ…‥」
顔を上げてPCを見る神子のほほ笑みは、微かな悔いが滲んでこそいたがとても優しい物であった。
「太子様!」
「やんよ!」
本堂に到着した神子と屠自古。
神子はすっくと立ち上がると、意気揚々と剣を抜き払った。
「舞台は整った――幕を上げるとしようか!」

 

夜――布都が辺りに火を灯し、本堂には薄い温もりと輝きが灯っている。
神子は必死の表情で仏像に向けて祈祷を行い、PC達は静かに神子を見守っていた。
やがて、神子がトランス状態に入りかけた頃、異変が起こった。
神子の掘った四天王像に淡い光が灯ったかと思うと宙にに浮き出し始めたではないか。
それどころか色が付き、木造でしかない肌には血が通ったかのような艶めきと生命を感じる。
仏像はそのまま微かに前に出ると、一斉に口を開いた。
「「「「用名以来か、久しぶりだな。聖徳王」」」」
――四天王が、降り立ったのだ。

 

初めまして 四天王の皆様方。ああ、それと私は聖徳王では無い。豊聡耳神子と言う名の女子高生ですよ」
神子は、微笑みながら古の戦神達を出迎えた。

終盤

神子と布都の輪廻転生。
そして屠自古に刻み込まれた呪いの鎖。
古きの因果が生み出した3つの災厄から解き放たれるべく呼び出された仏法の守護神達。
かつて聖徳王と轡を並べた戦神達が、布都達に突きつけた条件とは。
用明から始まった因縁に、一つの幕が下りる。

『誰が為の広宣流布』

「じゃあ気楽に話させて貰うよ神子ちゃん」
先ほどの威厳が信じ難い程フランクな様子で、広目天が神子に語りかけた。
「まず君たちの願いは分かってる。僕らも全知全能とまでは行かなくても耳と目は良いからねぇ。そして、僕らは仙人崩れの転生術を解くことなんて簡単に出来る」
続いて増長天がずいと顔を突き出してきた
「だが、それを叶える理由が無いことも理解しているな、豊聡耳神子。かつてのお前は仏法に奉じぬながらも仏法を広めた。だから我々はお前に力を貸した。だが、今のお前はただの二流道士の仙人もどきにすぎん」
厳しいながらも、どこかで見覚えがあるような……少なくとも誰かの面影を感させる毘沙門天は困ったような顔をしている。
「仮にあなた達が心底から仏法に帰依したとしても……死後、あなた達はヤマの裁きによって地獄に落ちる事になります。頼る相手を間違っているのでは?」
なんだととPCは食って掛かった、地獄落ちなど全くもって聞いていない。
そんなPCに毘沙門天は優しく諭し始めた。
「レベリングなどと言っていたずらに殺生を繰り返す者が地獄に落ちずして、誰が地獄に落ちると言うのですか」
ぐうの音も出ないPC。モンスターを殺す事は冒険者の業であり、決して避け得ない事ではあるが、殺生には変わりは無いからだ。
惑うPC達に、教師の如き厳しさを湛えた持国天は静かに告げる。
「我々にはお前達を救う理由はない。仏法に帰依したとて、お前達が刻んだ罪業は確実にお前達を地獄に落とす。お前達の魂は救われぬ宿命にあると知れ」
ハッキリと救いは無しと告げられたPC達。布都や屠自古の顔色は絶望に歪んでいる。
だが、PC達には見えぬ神子の表情には、確固たる余裕が浮かんでいた。
「ならばその宿命、転換すれば宜しいのでは」

 

「確かに我らは冒険者の時代に生まれ落ち、望まずとも冒険者としての生業を学び、罪業に塗れた三障四魔の生を送っております。それはこの時勢において決して避け得ぬ事で致し方ないと言えるでしょう。しかし、あなた方の教えから生まれた思想に転重軽受と言う者があります。現世に正しき法を弘め、実践する事によって過去生今世の罪業を消滅させる事が出来ると……私達は、それを持って救済の代価としたいと考えております」
何を言っているのかさっぱり解らぬ風なPCに、布都がそっと耳打ちをする。
「太子様は仏法を広めるから救えとおっしゃられておる」
なるほど判った!理解したPCは固唾を飲んで成り行きを見守ることにした。

 

「思い上がるねぇ神子ちゃん。この現代でわざわざ大規模な布教を僕らが求めているとでも?」
「かつてのお前は日出る国の権力闘争の中心にあり続けた。だが、今のお前はお前が言った通りの女学生に過ぎぬ。たかが一学徒に何が出来ると言うのだ」
「大体ですね。信仰は物質的な救済を行う為のものではない。あくまでも精神を高みに送り悟りに導く為の物なのです。少し、おこがましいのでは」
「お前達は地獄に落ちるに足る罪を十分に犯している。その上で傲慢にも崇めてやるから救えという。その増長こそ大罪と知れ」
四天王は露骨なまでに不快感を露わにしている。
立場を考えれば無理も無いが……完全に失敗か?
不安に囚われるPCをよそに、神子から余裕が消える様子はない。
「なあ、そう言うクソみたいな綺麗事は良いんだよ。代金は払ってやるから手を貸せって言うのが解らないか?」
それどころかすさまじい口ぶりで毒を吐いた。
文字通り顔色が変わる四天王達から凄まじい怒りのオーラが放出され、思わずPCは武器を抜きかけるが、布都がそれを押し留めた。
「見ておれ」
布都は神子をまっすぐ見ている。揺るぎなき信頼を込めて。

 

「大体信仰やら仏法やら成仏だの綺麗なセリフばかりぬかすが、あんたらが私の前世に要求したことは、信仰を広めたいから大和の神を崇める守屋をぶち殺せって言う事じゃあないか。それに、古き神々の評判を下げて自分達の信仰の為にひんがしの国に疫神をばら撒いたクソ野郎共がどこの誰か、私はみんな覚えている。そのクソ野郎が物部を殺せと言った口で吐く綺麗事は、酷く耳障りなんだよ」
怒涛の勢いで放たれる罵詈雑言。
神子の前世が聖徳太子であり、聖徳太子の記憶を一部とはいえ受け継いでいる以上、確かに神子は仏が誘発した戦争の時代を我が身の如く覚えているのだろう。
その不快はPCにも理解できる。だが…‥仏に理解せよというのはあまりにも無理が過ぎるのでは無いだろうか。
「人間風情が、ようもほざいた」
持国天、広目天、増長天は達は各々の武器を構えて神子に向けた。
一触即発の状況である。PCは戦う腹を完全に括るが、唐突に鳴らされた毘沙門天の拍手が突撃を止めた。
「なるほど、確かにあなたの言う通りですね。なら我々も綺麗事は辞めると致しましょう」
「毘沙門天、ここまで言われて黙ってるのかい?」
「だって間違ってないでしょう。私達はさんざん戦争を起こさせて来ましたし戦争によって信仰を手に入れてきました。我々の最も汚い側面を目の当たりにした当事者に我々の仏法が通じるはずも無いでしょうよ」
広目天を始めとした三人は不満そうな様子ではあったが、1人、また1人と武器を収め始めた。
「さて、豊聡耳神子。あなたはビジネスライクにと言いましたね」
「ええ」
「私たちにはあなた達の呪縛を解き、その上で我々の理に魂を囚われぬ事を望んでいますね」
「はい」
「その代価として、あなた達は信仰を広めると言う」
「ええ」
「解りました。良いでしょう」
やった……PCは歓声を上げかけるが、毘沙門天の口から放たれた次句に愕然とした。
「1人10万人、3人の救済に30万人の信徒を集めればあなた達の魂魄を解いて差し上げます」
あまりにも、あまりにもふざけた数字だ。
そんな大人数への布教など一朝一夕で出来るわけがない。
怒りに任せた理不尽に怒りかけるPCであったが、あっさりと神子は頷いた。
「構いません。よもや約定を違える事は無いと信じていますよ」
「仏陀の名に賭けて誓いましょう。お三方も宜しいか」
残り三人の四天王も無言で了承を示し、消えていった。
「では、何れ約定の日に」
毘沙門天もまたその姿を薄れさせ、消えた。

 

「……と、まあこんな所です。これでみーんな救われる、めでたしめでたしって所ですね」
4人の仏が去った後、疲労困憊の様子な神子はPC達に微笑み掛けた。
が、PCはそれどころではない。30万人など一体どうする積りなのだ。
「陰陽鉄学園を出た後に仏教系の新興宗教でも起こしますよ。私の耳をフル活用すれば教団はウハウハで信徒も信仰もガッポガポ、1年2年とは行かずとも10年は掛からない自信があります」
確かに神子の器量ならば不可能では無いだろうが……10年かぁ。
「千年を超える因果を十年で断てるとするなら安い買い物ではありませんか。なぁに、四天王の連中にも加護やらキッチリ働いてもらいますので、楽な仕事ですよ」
そうなのか……そう言うのであればもはや覚悟もプランもできているのだろう。ならばPCに口出し出来る事はない。
「そうですな。この布都めもお供致します故、何ら問題ありませぬ」
勝利の明日を確信しながら神子に笑顔を向ける布都、その笑顔は神子の言葉によって氷付いた。
「いや、君は要らない。これは私一人でやりたいんだ」
「太子様、それは、どう言う意味でしょうか」
「信徒集めは私一人でやる。君は不要だ。私はいまそう言った積りだ」
布都の微笑みは一瞬の内にクシャクシャの泣き顔になった。
「何故、その様な事を……我を要らぬと……」
「要らないから、要らないんだ」
有無を言わさぬ断定である。
「私には欲望がある、私は贅沢が好きだ、美味しいものが好きだ、チヤホヤされるのも嫌気が差す時があるが人の上に立つのは気持ちが良い。そんな私の欲望を叶えた上で、過去の因果を断ち切る事も出来る宗教団体は、私にとってとてもやりがいがある仕事だ」
「我もお供させて下さい!」
「それは、君のしたい事なのか?」
「無論です!」
神子は首を振った。
「布都、私には君の欲が聞こえるぞ。君が私に付いてきたいのは、それをせねばならぬと思うからからしたいのであって、心底したいからするのではないのだ。それは、私が君に望む生では無い」
「我は太子様にお供したいと思っております。これまでずっとそうしてきました! 我は、我は……そうでない自分が解りませぬ! だから太子様のお側に置いてくだされ!」
「私は太子様を捨てるのだ。捨てるための明日を踏み出そうと言うのだ、屠自古も今に決着を付けんが為に滅びを望んでいる。なのに君は、聖徳王の生まれ変わりである豊聡耳神子の従者を望もうと言うのか?」
「……わかりませぬ。わかりませぬ!」
布都はこれまで見たことが無いほどに涙を流しながら、寺から走り去って言った。
神子は疲れた様な顔で、PCを向いた。
「私に言いたい事もあるだろうが、今は布都を追ってくれ。あれの明日に寄り添えるのは、この中では君しか居ないのだから」
言われるまでもない、PCは布都の後を追っていった。

 

「……他にやり方があったように私は思うが」
「遅かれ早かれだよ、屠自古。どのみち何れはこうなるんだ、なら、早いほうが互いの為だろ」
「神子、私に欲は聞こえないが、それでもお前が何を考えているかぐらいは判る」
「何が言いたい?」
「亡霊年増の胸板は、涙を受け止めるのに慣れている。今、此処には二人きりだ」
「布都の為に泣く時は、あの子を見送る時と決めている」
「そうか」
「ああ」
「辛くは無いか?」
「我慢できるさ」
「そうか……」
残された二人は、しんしんと時を過ごしていた。

 

寺から少し離れた場所で、布都は座り込んでえぐえぐと泣いていた。
普段は朗らかな笑みを浮かべる彼女の顔は、鼻水と涙で酷いことになっており、何時もの様子など見る影もない。
近づくPCに気が付いた布都は、ぎゅっとPCに抱きついて暫し、わぁわぁと声を上げて啼いた。
溢れんばかりの感情が篭った叫びはPCの心を付き、PCはそっと布都の肩を抱いてやった。

 

「済まぬ……無様を晒したな」
思い切り泣いて多少はスッキリした布都は落ち着きを取り戻したようで、顔を道士服の袖で拭うとPCに頭を下げた。
「この様なザマ故、我は太子様に捨てられるのであろうな……」
それは違うとPCは言った。神子は神子なりに布都の事を大切に思っている筈だと。
そうでなければ、布都の面倒をPCに頼むはずが無いではないか、
「我にはもう解らぬ。我は太子様とある事が誇りであった、太子様の幸せが我の幸せであった、太子様がうれしければうれしかった。そうやって生きるように教わり、生きてきた。それ以外など……考えられない」
探せばいいとPCは言う。陰陽鉄学園は無限の道が開ける場所だ、神にも悪魔にもナイトにもなれる。
「我には、なりたいものがないのだ。行きたい場所もないのだ。我には太子様が全てだった、太子様が全ての前提にあった。今の我には道を探すためのしるべがないのだ。屠自古も、居なくなるしの」
悲しげに笑う布都を見てPCは悟る。
布都がこうなることを神子は理解していたのだろう。布都を縛る最大の鎖は前世などではなく、自分であることにも。
そして、その救済をPCに託した事も。
ならば、やってやろうではないか。
決意を固めたPCは布都の顔を自分に向けた。
自分は神子の代わりにはなれない、しるべにもなれない。だがこれまで一緒にやってきた仲間では無いか、友ではないか。
自分は布都の事が好きである、好きなお前がその様に全てを見失っているのには耐えられないと。
だから、一緒に道を探そうではないかと。PCは真摯な気持ちを込めて布都に伝えた。
「一緒に、探す、か。今まで、ずっと我の道は太子様が示してくれたなぁ……そうか、我も、考えねばならぬのか」
布都は背を張って立ち上がった、そこには何時もの笑みが浮かんでいた。
「今すぐには解らぬし、あるいは見つからぬかも知れぬ。だが、我は探すことにしたよ。そうせねば始まらぬ、そうであろう?……共に、探そうではないか」
そっと、布都はあなたに手を差し伸べた。あなたはその手を固く握り占めた。
強い思いが篭った、拳の抱擁がなされた。

『我道模索』

事実上のラストイベント
誰が為の広宣流布クリア後に自動発生。

 

このイベントは布都とPCが進路を確定させれば自動クリアであるため、それほど難しくはない。
だが、『それぞれの行く道』中にしか発生しないサブイベントは大量にある。
布都の進路探し珍道中に始まり、神子と布都の主従関係を抜いた友人関係の再構築など、今を破壊する事によって生まれた明日への道筋が楽しめる。
また、このイベント期間中のみ、布都の神子に対する呼び方が変更される。
豊聡耳さん~神子と親しげになっていく様は見ていて微笑ましいので、関係再構築イベントは可能な限り起こしたほうが良い。
既存の一部サブイベント、例えば未だ生存している前世との決着は色々と燃える展開となっている。

 

進路を確定した上で卒業式を迎えればエンディングとなる。
確定出来なければNormal2エンドとなる。

*『前世との決戦』

関連イベント一覧

始業式/入学式

デート

夏休み

文化祭

修学旅行

期末テスト

冬休み

クリスマス

年末年始

バレンタインデー

ホワイトデー

終業式/卒業式

エンディング一覧

TRUEEND 『忘れじ よのことごとに』

道を見つけたPC達は卒業式を迎えた。
神子は宣言通りに自身を教祖とした新興宗教を起こした。
屠自古は物部の畳む下準備として、物部の本家へと帰った。
PCと布都は、自分が決めた明日へと歩み始めた。

 

――長い時は掛からなかった。

 

神子が起こした宗教は10年も経たぬ内に30万どころか100万の信徒を抱える大宗教となり、政治への影響力も持ち始めた。
屠自古は全ての準備を終え、いつくたばろうとも問題はなくなっていた。
PCと布都は――結ばれていた。
どちらが先に愛を謳ったかは解らない。
しかし神子の言葉を借りるなら、これもまた遅かれ早かれであり、屠自古は遅かったとひとりごちた。

 

結ばれた先にあるのは、然るべき式である。

 

神道でも仏式でも神子の宗教由来でも無く、二人は教会で結婚式を上げた。
前世との決別を真に果たすための意味合いもあるが、布都が頑としてこの形式を望んだのだ。
理由は、当日に明らかになった。
布都は屠自古と神子の二人を姉代わりとして、ヴァージン・ロードを歩く事を望んだのだ。
神子は歩きながら泣いた、屠自古も泣いた。泣いていたが、笑っていた。
誰もが幸せであった、誰もが笑顔の結婚式であった。

 

そして――長い時が過ぎた

 

物部布都は幸せに生き、生き続けた果て多くを残して死んだ。
後を追うようにして布都が愛した男も同じ場所に行った。
二人が葬られた場所に、二人の女が立っていた。
「まさか、あなたがまだこの世に残っているなんて思っても見ませんでしたよ」
道士としての修行を欠かさぬせいか、あるいは真に神仏の加護か。
とても世紀を超えて生きたとは思えぬ程に若々しい容姿の神子が、隣に立つ亡霊を向いた。
「コレで終わりと思うと、色々な者が色鮮やかに見えてね。いつ死んでも後悔は無いんだけど、ならそれまでを楽しく生きようと思ってるんよ」
冒険者として伝説となりつつある稲妻の亡霊は、長い付き合いである友に微笑みを向けた。
「10年ですか」
「10年だね」
たった10年――それだけで世のことごとは大きく変わりを告げた。
人の進化に終わりは無いのだと言うように、布都達が生きた時代は押し流されようとしている。
「だが、色々な物が残っている。私はそれを忘れまいよ」
「死ぬまでか?」
「もしかしたら、死んでもさ」
そして、花を手向けた二人は静かに去っていった。
残された花は、布都が愛した花である。
神子と屠自古が朽ち果てようとも、この墓にその花を手向ける人間は決して消えまい。
よのことごとから去り行こうとも、布都が選んだ道に次いだ誰かが布都を思い、花を手向ける。
魂や肉体が消え去ろうとも、愛する者の隣で布都は永遠に等しくなったのだ。

GOODEND

NORMALEND 『旧き友に もの申す』

  • 条件を満たさない状態で卒業式を迎えるor好感度が100に到達
     
    「おお、主人公殿!いいところで出おうた」
     
    卒業式/学業を終えて、帰宅する途中、布都に出くわす主人公。そして布都は普段と変わらない勘違いやドタバタを繰り返す。
    いつもと変わらない、微笑ましい光景。
     
    そんな中でただひとつ、いつもと違う事があった。
     
    「あ・・・ちょっと待って!」
     
    ミステリーを残す為そそくさと去るつもりだったのだが、急に呼びとめられたのだ。
    今、可愛らしい素の声を御拝聴頂きました。いやっはぁ
     
    「そ、そうだ。おぬしに用があるのをすっかり忘れてしまった」
     
    ・・・用?
     
    「うむ、頼みがあってな」
     
     
     
     
     
    「おぬし・・・わ・・・我の従者にならぬか?」

BADEND 『とれぇにんぐである!』

  • カッコ悪い行動(格下に負けるなど)を布都に5回以上見せてしまった。
     
    「たるんでおる!」
     
    ある時、布都にそんな事を言われてしまった主人公。
     
    「ここ最近の自堕落な態度・・・いくらなんでも目に余る行いぞ!
    見どころのある御仁と思っていたが、腑抜けておるとはなんと嘆かわしい!
    かくなる上は我が直々にその性根を叩き直してくれよう!」
     
    という訳で、道教流の厳しい修行をやらされることになった。ヒィヒィ言いながら修行をこなしていくが・・・
     
     
     
    本当にこんな修行に意味はあるのか・・・!?
     
     
     
    「ある!多分そうに違いない!」
     
    多分って言っちゃったよこの子ー!?(ガビーン)
     
     
    「『いい加減休みたい』と欲が溢れていますね。頑張ってください」
     
    「やれやれ」
     
    遠くから苦笑しながらこちらを見つめる御二方。
    そんなことよりも布都ちゃん止めてくださいよー!
     
    「そこから学ぶこともあります。君/貴方にとってかけがえのない経験になるでしょう」
    「・・・・・・頑張ってください」
     
    あゝ無情。
     
    ・・・修行の日々はまだまだ続きそうです。
     
     
     
    「こらぁ!よそ見をするでない!」
     
     
    ひぎぃ!
     
     

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