イベント名
さっかーぶのきき!めざせちくたいかいゆうしょう!!
概要
シナリオ傾向:シリアス[中] コミカル[中] ほのぼの[低] 恋愛[] 欝、人死に[無] 百合、大統領ネタ[] 風刺ネタ[]
登場人物関係:登場人物の制限[()] キーキャラクター[()] 敵対キャラクター[有(紳士学園、崖下高校など)]
攻略関係:イベント発生時期[1年目入学初日から1年目の5月31日まで] 総所要日数[2~5ヶ月] 他シナリオとの平行[] 戦闘難易度[] 攻略中ヒロインのシナリオ関与[低]
サッカー部に入部し、サッカーの楽しさを知った主人公。
ずっと続けていきたい…部活仲間にそう伝える主人公だが、そこで衝撃的な事実を知る。
サッカー部の部員は伊吹萃香と、一般生徒6人、そして主人公の8人しかおらず、残りは他の運動部から助っ人として呼んでいるだけだという。
正規部員がたった8人では予算を出せない。そのため来年にはサッカー部は廃部になってしまうのだ。
それを聞いた主人公は、理事長である紫に抗議しに行った。
紫は静かに、一つの条件を出した。
その条件とは…7月に行われる高等学校サッカー地区大会、そこで優勝したらサッカー部の存続を認める、というものだった。
発生条件
1年目の5月31日までに主人公がサッカー部に入部し、初日の部活動が終わった後に聞かれる部長の質問に「ずっと続けたい」と答える。
ちなみにイベントを発生させないまま二年生になった場合、サッカー部が廃部されたりはしない。
攻略
クリア条件は6月の終わりまでに出場可能人数である11名以上を揃えて、7月から始まる地区大会に優勝することである。
既に8人いるので、最低であと3人は必要になる。
人数を揃えるだけなら運動部に頼めば助っ人として出てくれるが、サッカー部の練習に参加しないので能力の伸びが悪く、勝ち進むにつれて苦戦を強いられる。ちゃんと入部してくれる人を探すべきである。
学園にはどこの部活にも所属していない人が結構いるのでそういう人たちを重点的に探そう。
早めに入部すればそれだけ人員集めや練習時間にも余裕が出るのでなるべく早い時期に入部した方がいい。
高校サッカー地区大会
第一試合『さぁ、緑のフィールドへ』(VS崖下高校)
チーム結成
※以下、イベント中ではブロントさんを主人公としたと仮定して進行します。主人公が違う場合でもイベント自体はほぼ同じですが、試合中のポジションが変わります。
夏休みも目前という頃。
陰陽鉄学園は部活のため、あるいは夏期講習のために来ている生徒たちによってそれなりの賑わいを見せていた。それでも普段の学園から見ればよほど平和なものではあった。
グラウンドからゴールを大きく外れたサッカーボールがひとつ、高く飛んでいった。
- スコール
- 「……はぁ」
レオン、もといスコールはふて腐れたいのを我慢して、シュート練習のために、その辺に落ちていたボールを足元に手繰り寄せた。
スコールはブロントさんの説得に折れ、「あまり目立たないこと」を条件に、入部を許可してくれた。
登録名を「レオン」にしたり、背番号をエースナンバー10ではないものを選んだりと涙ぐましい努力をしたが、それでなくとも彼は既に学園内では有名人なのであった。
もちろん、弱小サッカー部でも、戦闘でどれほど優秀だろうとサッカーでは素人のスコールに、いきなりエースナンバーを与えるほど腐ってはいない。
しかし、彼の素質は高く評価していた。
人数不足で試合すらまともに出来なかったこのサッカー部にとっては、数さえ揃えてくれれば文句は言わなかったが、ブロントさんが連れてきた人材は掘り出し物と言えた。
- ヴァン
- 「よっ…と」
ヴァンは定間隔で置かれた三角コーンの間を、ドリブルしたままジグザグに通り抜ける練習をしている。
時折コーンに足やボールをぶつけたり、ボールを強く蹴りすぎたりしていた。
彼はどちらかというと、ドリブル中の相手からボールを奪うほうが得意なようだった。
その横で同じ練習メニューをこなす輝夜は、コーンの間を軽やかに駆けていった。
- 輝夜
- 「平安秘技! 雨後のたけのこ~」
と言ってボールを高く蹴り上げ、コーンを乗り越えた。同じ動作を他のコーンにも続けていった。
どの辺りが秘技なのかはわからないが、やる気はそれなりにあるようだった。
彼女はブロントさんが連れてきたわけではなく、自分から練習に加わるようになったのだ。
ベヒんもスでのバイトもあるはずだが、今は時間を有意義に過ごすことそれ自体が楽しいようだった。
傍目から見ると、三人共まだまだ初心者同然だ。
素質を感じられると言っても、それが試合までに開花する保証はない。
だが、試合に出ることすら叶わなかった去年までとは比べるべくもなかった。
登録名 | 背番号 | ポジション |
---|---|---|
伊吹萃香 | 1 | GK |
ワグエ | 2 | DF |
カロココ | 3 | DF |
ヴァン | 5 | DF |
ブロント | 9 | DF |
トウマ・カノウ | 6 | MF |
グラフマルト | 7 | MF |
ゼンジ | 11 | MF |
蓬莱山輝夜 | 13 | MF |
レオン | 8 | FW |
サユ・バンジャオ | 32 | FW |
※青字はキャプテン
チーム紹介
登録名 | 背番号 | ポジション |
---|---|---|
崖下キーパー | 1 | GK |
崖下ガード | 2 | DF |
崖下ディフェンス | 3 | DF |
崖下シールド | 4 | DF |
崖下ブロッカー | 6 | DF |
崖下コマンダー | 8 | MF |
崖下フィールダー | 5 | MF |
崖下ウィンド | 7 | MF |
スーパー崖下 | 10 | MF |
崖下ストライカー | 9 | FW |
崖下シューター | 11 | FW |
全員が女性選手とコマンドバトルする時パワーが上がる「崖下」というスキルを覚えているのが最大の特徴。
元々の能力は高くはないのだが、このスキルのせいで女性選手中心のチームだとかなり苦戦する。
育成度合いにもよるが、多少鍛えた程度の女性選手よりは男性選手を出場させることを優先させたほうがいいだろう。
入場
遂にこの時が来た、目の前には人工芝が生えた緑のフィールド。
人数も集まり技術もチームワークも磨いてきた。今日の為に出来る事をやった。
後ろにはたった数ヶ月だが、一緒にサッカーを続けてきた仲間がいる。素人もいた。
負けるつもりはない、いや、負けられない。
紫から付きつけられた条件は只一つ、『地区大会優勝』
口が裂けても簡単だと言えない条件、だが必要な条件とあればそれに賭けるしかない。
入場のアナウンスと入場曲が流れ始め、一歩前に踏み出すと人工芝の柔らかさがスパイク越しに伝わってくる。
土を固めて砂利を撒いた学園のグラウンドとは違う『サッカー場』の感触。
振り向くと引退した三年生の先輩達が、チームメイトの親達が見守っている。
審判のホイッスルが響き、深く一礼…選手同士の握手を済ませ、ポジションに付くために走ろうとした時、後ろから声をかけられた。
- 萃香
- 「勝つよ」
短く言ってから、左手でブロントさんの背中を強めに叩いて萃香は自分のポジションへと走っていった。
試合
こちらのチームからキックオフする。
女性選手は男性選手にボールを渡すことを意識すると良い。
試合の基本は、ドリブルの高いMFで攻め上がってからFWへパスすること。
敵キーパーを突破してゴールを決めるためには、FWのシュート力が必要だ。
ただし、オフサイドという反則には注意したい。初心者だとどういう反則なのかわからないことも多いが…。
かなり乱暴だが、相手DFより前、GKしか前にいないという状況で後ろの味方からパスを受けるとオフサイドとおぼえておこう。
最初の相手だけあってあまり強い相手ではない。
ルールを覚え、基本を抑えてプレイすれば決して負ける相手ではないはずだ。
たどたどしい足取りでドリブルを始めたスコールから、崖下はたやすくボールを奪い去った。
- スコール
- 「くっ!」
スコールはすぐさま引き返してボールを奪い返そうとするが、トウマ、ゼンジもろともかわされてしまう。
- スーパー崖下
- 「甘い! その程度でこの私を止めることは出来んぞ!」
攻め上がる崖下の前に、DF陣が立ちはだかる。
- ブロント
- 「俺がディフェンスに加わることでチームの防御は完璧になる事実!オラァ!」
- スーパー崖下
- 「甘いと言ったろうが!」
しかし、ブロントさんとカロココまでも抜かれ、ついに萃香の守るゴールが射程内だ。
- スーパー崖下
- 「頂きだ!」
崖下がボールを渾身の力で蹴ると、ボールは変形する勢いでゴールへと真っ直ぐ向かう。
防御しなければ、間違いなくゴールに入る。
…陰陽鉄学園サッカー部最後の砦は?
- 萃香
- 「先制点を渡すわけにはいかない。…必ず止める!!」
萃香は右手を腰へ深く落とし、左足で力強く踏み込むと同時に拳をボールへ叩きつけた。
一瞬だけ、拳とボールがせめぎ合う。
次の瞬間にはボールが空高く弾かれた。…勝ったのは萃香だ!
ボールは高速で飛び続け、センターラインを越えようかという所でようやく勢いを失って落下した。
サユはボールを的確に受け止め、すぐさまドリブルに入る。まるでこうなることが分かっていたかのように。
- 萃香
- 「ふー…」
- スーパー崖下
- 「どうやら見くびっていたようだな…」
- 萃香
- 「次は本気で来なよ。最も、私に辿り着けるか分かんないけど」
- スーパー崖下
- 「なに?」
崖下が萃香からピッチへ向き直ると、ブロントさんが彼を睨みつけていた。
凄まじい眼力だった。
「二度とペナルティエリアは踏ませない」
そんな気概を感じさせた。
気が付くと、ブロントさんは既に敵ゴールへ突き進むサユを見ていた。
もしかしたら、崖下を睨んでいたのはほんの一瞬だったかもしれない。
崖下は頭を振って気を取り戻すと、センターラインへ向けて走りだした。
・
・
・
サユが崖下にブロックされるも、眼前まで迫っていたトウマはこれを奪い返し、スコールへパスした。
- トウマ
- 「打てスコール!」
- スコール
- 「ああ…!」
スコールの身体が、ボールもろともふわりと浮き上がる。『レビテト』の魔法だ。
ある程度の高さまで登ると、今度は後ろへ向かって『ファイア』を放つ。
すると、反動でスコールの身体は宙で勢い良く一回転し、かかとでボールを蹴りつけた。
- スコール
- 「ヒールクラッシュだ!」
強烈な勢いを得たボールは、まばたきする間に相手ゴールのネットを揺らしていた。
- 実況
- 「ゴォォォォル!! 先制点は陰陽鉄学園だぁぁぁ!!」
- トウマ
- 「やったな、スコール!」
- スコール
- 「自分の役割を果たしただけだ」
- トウマ
- 「おっと、冷めてるなぁ。次もよろしく頼むぜ!」
・
・
・
再びゴールへ迫る崖下の前に、ブロントさんが立ちはだかる。
- ブロント
- 「調子乗るなよ本気出すぞ!」
崖下は得意のドリブルでこれを難なく突破…出来なかった。
右へ抜けようとすれば右に意識を向け、左へ抜けようとすれば左へ意識を向ける。
フェイントをかけようとすれば、全く動じずに睨みつけるだけだった。
本来、サッカーを初めて数ヶ月程度の彼など相手ではないはずだ。
しかし、経験の差を埋める威圧感が、崖下の動きを鈍らせ、ブロントさんにも対応できる速度になっていた。
- 崖下シューター
- 「こっちだ!」
- スーパー崖下
- 「!」
崖下はブロントさんを突破するのを諦め、攻め上がっていた別の崖下へパスした。
- ヴァン
- 「貰った!」
- 崖下シューター
- 「なにっ!」
ボールは崖下には届かず、空中でヴァンにパスカットされた。
- ヴァン
- 「狙った獲物は必ず奪う! それがボールでもな! 輝夜!」
- 輝夜
- 「任された!」
ヴァンは崖下を一人抜くと、前方の輝夜へパスした。
ボールを受け取った輝夜のすぐ目の前に、DF崖下が壁になる。
しかし、輝夜はニコリと笑うと、かかとでボールを蹴り上げる。
宙に浮いたボールは崖下の頭上を飛び越え、驚いている崖下を横目に輝夜は悠々とDFを突破した。
- 輝夜
- 「トウマ!」
- トウマ
- 「スコールに負けてられない! 俺も決めてやる!」
パスボールを受け取ったトウマはシュートした。
しかし…。
- 崖下キーパー
- 「二度も入れさせん! 俺の必殺技を見せてやろう!」
ボッ、っと崖下キーパーの右手が燃える。
その場でジャンプし、タイミングを合わせてボールへ体重を掛けるようにのしかかる。
- 崖下キーパー
- 「バーニングキャッチ!」
ボールはゴールには届かず、崖下の手によって地面へ押さえつけられた。
トウマのシュートは、崖下キーパーによって止められてしまったのだ。
- トウマ
- 「ああっ!」
- 崖下キーパー
- 「舐めるなよ、陰陽鉄学園! 我々の血の滲むような特訓の成果を!」
- トウマ
- 「うっ…」
トウマは苦い顔をした。
他のメンバーは、期間こそ短いにせよ、毎日練習に汗を流していた。
自分がその一員であったか、自信がなかったのだ。
バイトや柔道、色々なものに取り組んでいた。その全てに本気のつもりだ。
だが、時間は正直だ。
トウマが練習に参加していた時間は、彼らから見て非常に少ないものだ。
今のままでは、新入部員たちにまで追いぬかれてしまうのは、そう遠くない未来だろう。
- 輝夜
- 「トウマ?」
- トウマ
- 「え? …あ、ごめん!」
とっくにプレーは再開していた。
既にボールは敵MFに渡り、DF陣が構えていた。
トウマは輝夜と共に急いで自陣に走って戻っていった。
・
・
・
ブロントさんが力強い足取りで強引をボールを奪ったのとほぼ同時に、ホイッスルが三度鳴り響いた。試合終了の合図だ。
1-0、陰陽鉄学園の勝利だ。
- ブロント
- 「よっしゃあ!」
ブロントさんの雄叫びを契機に、会場のそれほど多くない観客がパチパチとまばらな拍手を送る。
美しい試合運びとは言えなかったが、勝ったのは事実だ。
- スーパー崖下
- 「そ、そんな…我々が敗北などと…」
- ブロント
- 「もう勝負ついてるから」
- スコール
- 「手間を取らせたな」
- 輝夜
- 「やったわね! 私達の勝ちよ!」
- ヴァン
- 「最初はどうなるかと思ったけどな」
互いに顔を見合わせ、喜びを分かち合う。
まずは第一試合突破だ。
まだ一回戦、されど一回戦。
去年までは出来なかった事なのだ…。
第二試合(VS月光男子高校)『俯くなよ、振り向くなよ』
新たな協力者
第二試合に向けての練習に、新たに二人が加わった。
ゴルベーザと、豊聡耳神子だ。
ゴルベーザは元々、次の相手である月光男子高生からの交換留学生だ。
旧友たちとの再会の機会という訳で、何故練習に加わるようになったかという心情は、おおよそ理解できた。
サッカーに関しては初心者のようだったが、飲み込みが早く、優秀なDFとして十分に通用するだろう。
もう一方の神子については、よく分からなかった。
学園でも文武両道の天才として通っている彼女が既に相当の実力者であることは不思議ではなかった。
しかし、それゆえ勧誘されることも多いだろうに、どうしてサッカーを選んだかは皆目検討がつかない。
ひとつ言えることは、試合に向けて即戦力が二人も増えたということだ。
登録名 | 背番号 | ポジション |
---|---|---|
伊吹萃香 | 1 | GK |
ワグエ | 2 | DF |
カロココ | 3 | DF |
ゴルベーザ | 4 | DF |
ブロント | 9 | DF |
トウマ・カノウ | 6 | MF |
グラフマルト | 7 | MF |
ゼンジ | 11 | MF |
レオン | 8 | FW |
豊聡耳神子 | 27 | FW |
サユ・バンジャオ | 32 | FW |
チーム紹介
登録名 | 背番号 | ポジション |
---|---|---|
モウトク | 1 | GK |
シゲン | 2 | DF |
コウメイ | 3 | DF |
チュウタツ | 4 | DF |
コウキン | 5 | DF |
シメイ | 6 | MF |
コウハ | 7 | MF |
ゲンジョウ | 8 | MF |
ブンエン | 9 | MF |
ウンチョウ | 10 | FW |
ヨクトク | 11 | FW |
バランスのとれたチームで、一人一人が専門分野に特化した能力を持つ。
第二試合であるが、後の相手よりレベルが高く、シナリオ中の壁となる存在。
試合
キックオフと同時に、スコール、神子、サユがワンツーパスで攻め上がる。速攻だ。
DF陣を目前に控え、これの突破は困難と判断したスコールは、ペナルティエリアからやや離れた位置からのシュートを試みた。
ボールを蹴りあげ、自身も追いかけるように飛び、ボールを踵落とし。
- スコール
- 「ヒールクラッシュ!」
DF陣の妨害をすり抜け、ボールはゴールへ向かう。しかし…。
- モウトク
- 「そんなものが通ると思うな!」
モウトクが片手を振りかざすと、一瞬にして周囲の風景が水墨画のような世界へと変わる。
その世界の中では浮いて見えるボールが、石で出来た巨大な手に掴まれた。
- モウトク
- 「大国謳歌!!」
- スコール
- 「なんだと!?」
スコールのシュートボールは、相手キーパーの手の中で動きを止めていた。
シュートは失敗だ。
- 実況
- 「止めたー! レオンの必殺シュートはモウトクのキーパー必殺技で完璧に止められてしまったぞー!」
- 輝夜
- 「あれは『大国謳歌(たいこくおうか)』!?」
- ヴァン
- 「知ってるのか輝夜?」
- 輝夜
- 「実際に使う所は初めて見るわ…三国時代、劉備が使いこなしたと言われる伝説のキーパー技よ!」
- ヴァン
- 「なんで三国時代なんだ?」
- 輝夜
- 「私も永琳に聞いただけだから本当かどうかは…」
- ヴァン
- 「大国謳歌ってのを破るにはどうすればいい?」
- 輝夜
- 「やっぱり単純なパワーが…」
- スコール
- 「ベンチうるさいぞ!」
気づけばプレーは進行しており、ボールはエリア外。
月光のスローインで再開する場面であった。
- ウンチョウ
- 「今度はこちらの番だな…」
- ブロント
- 「残念がはっきり言ってここは通行止めだ!」
- ウンチョウ
- 「そう聞いて素直に回り道する義弟ではないのだ」
相手FWはボールをかかとで背後へ蹴った。
一瞬疑問を抱いたが、それはすぐに氷解した。
そこにはもう一人の相手FWがいた。二人は目も合わせないままパスをしたのだ。
- ヨクトク
- 「へっ…俺様が決めてやるぜ!」
相手FWが構えを取ると、その背後に確かに巨大な虎の姿が見えた。
- ヨクトク
- 「食らいな!タイガードライブ!」
キックすると、ボールは強烈な力を得てゴールへと飛んで行く。
- ブロントさん
- 「下段ガードを固めた俺に隙は…うおわぁー!」
- 萃香
- 「え? ちょ、ちょっと待った!」
ボールの勢いは凄まじく、ブロックを試みたブロントさんの巨体を宙に浮かせ、キーパーの萃香まで巻き込んでそのままゴールまで吹き飛ばした。
- 実況
- 「ゴォォォォル!! 凄まじい勢いのシュートがDFとキーパーを巻き込んでゴールへと押し込めたー!!」
- ゴルベーザ
- 「なんという力だ…」
- 萃香
- 「いててて…あちゃあ、先制点取られちゃったね」
- ブロント
- 「…次は守るます」
- ゴルベーザ
- 「簡単に通じる相手とは思えん。手を打たねばならんな」
- 実況
- 「陰陽鉄ボールで試合再開です。先制点を取られてしまったので、陰陽鉄学園には辛い展開だぞ」
試合再開するとまずゼンジへとボールを渡し、FWは一目散に走る。
ゼンジはポーンとボールを高く蹴る。
それを拾ったのは、既にゴール付近にいた、ユニフォーム姿も妙に映える神子だった。
ふと、ボールが光に包まれ宙に浮かび上がり、神子の背中に一対の6枚の翼が生える。
- 神子
- 「ゴッドノウズ!」
蹴り放たれた光のボールが得たパワーは、かなり強力だ。だが…。
- モウトク
- 「それだけでは我らのゴールには届かんぞ!」
相手GKの大国謳歌の方が、威力は上だ。
今度のシュートも防がれてしまった。
- 神子
- 「……スコール」
- スコール
- 「どうかしたか?」
- 神子
- 「一点取り返さなければ負けるな。ここはひとつ協力しようじゃないか」
- スコール
- 「俺にどうしろと?」
- 神子
- 「シュートチェインだ」
- スコール
- 「シュートチェイン……?」
GKに止められたボールは相手DFに向け投げられ、素早く正確なパス回しであっという間に前衛までボールが渡る。
- ヨクトク
- 「また食らってみやがれ! タイガードライブ!」
一度ネットを揺らした必殺技が、再び萃香へ襲いかかる。
その前に、ゴルベーザが立ちはだかった。
ゴルベーザは手をかざす。
すると地面から巨大な6つの岩が出現し、ボールを押し潰すかのように止めた。
- ヨクトク
- 「なんだと!?」
- ゴルベーザ
- (…この程度なら反則は取られないのか。これが超次元サッカーか)
ゴルベーザが防いだボールは、陰陽鉄学園へ。
オフェンス陣でパスし合いながらゴールへ向けて歩を進める。
その陣形は、スコールが先頭に、その少し後ろに神子がついていた。
神子にボールが渡る。
- 神子
- 「行くぞ!」
合図とともに、ボールが光に包まれ、神子に翼が生える。
- 神子
- 「ゴッドノウズ!」
- モウトク
- 「何度打とうと無駄だ!」
- スコール
- 「もう少し待ってもらおうか!」
スコールは光のボールを、反動を受けた踵落としで蹴る。ヒールクラッシュのシュートチェインだ。
- モウトク
- 「シュートチェイン!?」
必殺シュートに必殺シュートを掛けあわせるテクニック、シュートチェイン。
その威力は元のゴッドノウズから、大きくパワーアップしていた。
- モウトク
- 「大国謳歌!」
周囲の光景が水墨画の世界へ変わる。
光のボールは巨大な岩の手で掴まれ……だが、止められない!
- モウトク
- 「ぐわぁー!」
ボールは大国謳歌を突破し、ゴールした。
- 実況
- 「ゴォォォル!! 陰陽鉄学園のシュートチェインが、遂に大国謳歌を破ったぁー!!」
- 神子
- 「やるじゃないか」
- スコール
- 「あんたほどじゃない」
(プレイヤー操作で試合再会。1-1なので、当然プレイヤー操作でゴールしないと勝ちにならない)
- 実況
- 「試合終了ー! 陰陽鉄学園の勝利だ―!! まさか名門月光男子が敗北するとは誰が予想したでしょうかー!?」
- モウトク
- 「このようなことが…」
- 神子
- 「私達の勝ちね。見事なサッカーだった」
- ゴルベーザ
- 「すまない、先に失礼する」
そう言い残し、ゴルベーザはピッチを出て行った。
- 輝夜
- 「月光男子の友達に会いに行くんだったわね」
- ヴァン
- 「ゴルベーザの友達かぁ。どんな奴なんだろうな」
- 輝夜
- 「きっとゴルベーザと同じカタブツね」
- 神子
- 「どうかな? 案外、自由奔放なタイプかもしれないぞ」
- ヴァン
- 「友達の前だとゴルベーザも性格変わったりしてな」
- 輝夜
- 「こっそりついていっちゃおうか」
- ヴァン
- 「面白そうだな」
- 神子
- 「一枚噛ませてもらおうか」
- スコール
- 「お前達…」
第三試合(VS紳士学園)
報酬/称号
コメント欄
- 議論してる最中だと煽りにしか見えないからね…… とりあえず今日のところは落ち着いた方が良いと思うよ -- 2014-07-24 (木) 02:24:46
- モブキャラについてだが、はっきり言ってモチベーションの問題だから、名無しにするほうが道理が通ってると言うのはその通りにするが、それ以上は書けなくなる。スカウトキャラは任意加入だからストーリーに絡まないこと前提だし、俺には主人公と萃香とトウマだけでは話が回せない -- 2014-07-24 (木) 13:12:43
- モブキャラ云々についてだけど、初期メンバーはシナリオ限定で絡むキャラと考えた方が腑に落ちる気がする スカウトキャラを話に絡ませる件はやろうと思えばできるんじゃないかな 試合の助っ人として特定のキャラに手伝ってもらって、それ以降そのキャラを正式にスカウトできるようになるとか -- 2014-07-24 (木) 16:47:43
- せめて初期部員の5人に名前だけでも欲しいんだけど… -- 2014-07-24 (木) 20:40:08
- とりあえず初期の5人の名前は固定にしといて、次の年度以降入ってくるモブ新入部員の名前はランダム、ってことにすればいいんじゃね?名前はそうだな……ジェラール、ジェイムズ、テレーズ、ベア、エメラルドあたりでいいんじゃね?(ソースはロマサガ2)あと初期部員が5人ならオススメの5種族を当てればいいと思うんだが、どうだろうか? -- 2014-07-25 (金) 02:53:15
- それが手っ取り早いわな。名前はそれぞれの種族のフェイスタイプの愛称から適当に引っ張ってくればいいよ。わざわざ別ゲーの名前使うこたぁない -- 2014-07-25 (金) 05:04:08
- ふと思ったんだが、サッカー部関係のページのコメント欄、ひとまとめに出来ない?地区大会のとこのコメント欄一言も書かれてないし、イベント/サッカーに至ってはコメント欄そのものがないし。意見を一カ所でまとめて見れたら便利だと思うんだがどうだろうか -- 2014-07-25 (金) 09:27:37
- 部活動の項目見てみたら、「三つまで兼部可能」って書いてあったから、霊夢も世紀部員つーか勧誘メンバーに移してもいいんじゃないかな?勿論掛け持ちだから部活への参加率は低くなるとかのデメリットは加えた上で -- 2014-07-25 (金) 11:55:09
- ↑移すのはいいと思うけど、霊夢のページで「運動部には入らず助っ人として活躍する」ってあるから、もし正式に部員にするなら好感度上げるとか、条件つけなきゃいけないんじゃね? -- 2014-07-25 (金) 11:59:26
- ↑4別作品から名前持ってくるぐらいお遊びの一つだろ。編集者の好きにすればいいと思う -- 2014-07-25 (金) 22:19:03