シナリオ/ヴォヤージュ1999-幼年期編

Last-modified: 2011-04-24 (日) 14:54:36
本来の項目名は陰陽鉄学園モノ/シナリオ/ヴォヤージュ1⑨⑨⑨-幼年期編です。
文字化け?の恐れあり。「」を入力したい方は、そのまま書かずに「⑨」とお書きください。

イベント名

【幼年期の終わり】

概要

汚忍ルートの事実上真ルートとも言われる【忍びの道を往く者】。そのクリア特典として追加される過去エピソード。
ストライダー飛竜撃破時にPT入りしていた場合、意味ありげな台詞を言う映姫様。
実は彼女と飛竜は十年前、一度だけ会っていたことがあったのだ。
当時、映姫はまだ7歳。飛竜もまだ10歳にすら満たない。
二人の関係は初恋と呼ぶにすら幼すぎるもの(というか映姫の一方通行)だったが、人生にたいして重大な影響を与えていたのだ。
このルートは、そんな二人の【幼年期の終わり】の物語である。

発生条件

  • 【忍びの道を往く者】をクリアしていること
  • 映姫のPT入りが可能になっていること
    この二つの条件を満たした状態でヴォヤージュ1⑨⑨⑨を発生させ、映姫(幼)に接触し続けるとこのルートに分岐する。
ただし…

映姫に対する高感度が「高すぎる場合」はこのルートが発生しないことがある。
生真面目な彼女は、現在の想い人に対して過去の初恋を告白することを嫌がるからだ。
このルートを発生させる場合は「飛竜は映姫様の初恋相手」と9回唱え、自分を納得させてからにするべきそうすべき。

攻略

まずはヴォヤージュ1⑨⑨⑨で映姫に接触し続け、好感度を上げていこう。
すると次第に映姫がココロを開き始め、彼女なりの悩みを聞かせてくれるようになる。
最初は「どうしても背が伸びない」「バスに乗るときに無料だった(小学生未満無料)」などというほほえましいものだが、
次第に、幼いながらも責任感の強い映姫なりの正義のありかたについて話してくれるようになる。
学校での教室の掃除をしない子がおり、クラス会でその話をしたら、逆に皆がその子を攻め立てて泣かせてしまったこと、
学校の飼育小屋で飼っている兎が病気で、心配だけど何もしなかったら死んでしまって後悔したこと、
子どもなりに深刻な映姫の悩みを聞くことができる。誠実に答えよう。
そのうち主人公に心を許すと、映姫が家に招待し、お茶を振舞ってくれるというイベントが起こる。
父親が裁判官であるという映姫の家にいくと、一人の女性が滞在しているということが分かる。

【マフラーの少年】の登場

上記のイベントが終了した後、映姫から突然電話がかかってくるというイベントが起こる。
とにかく助けて欲しい、と泣きじゃくる映姫に言われるままに学校に行くと、【マフラーの少年】が登場する。
長すぎるマフラーを首にまいた血まみれの少年と、パニックを起こして泣いている映姫。
怪我の様子を見ようとすると、少年はその血は返り血であるといい、触られることを拒む。
でも衰弱しているのは事実なので手当てをしてあげよう。するとぽつぽつと映姫が事情を話してくれる。

返り血の理由

少年の浴びていた血は、映姫の家に飼われていた番犬のものだった。
夜、物音で目を醒ました映姫は、階下で奇妙な騒ぎが起こっていることに気付く。
庭を見ると犬(ドーベルマン3頭)が喉を切り裂かれて殺されており、
父親やメイドたちが「強盗が入った」と映姫を部屋に押し戻した。
だが、落ち着かなくて窓から外の様子を見ていた映姫は、庭の木の上に、一人の少年がいるのを見つけてしまう。

ともかく血まみれのままではどうしようもないので、少年に着替えをおごってやろう。
強引に着替えさせようとすると、しぶしぶ承諾してくれるが、マフラーを巻くことだけは決して譲らない。着替えてるところも見せてくれない。
その後、映姫に頼まれて、【マフラーの少年】はしばし主人公たちと同行することになる。
この時点でようやく少年は、「飛竜と呼べ」と名前を明かしてくれる。

映姫と飛竜

しばらくの間、映姫によって匿われることになる飛竜。取り壊しの決定している陰陽鉄学園の旧校舎に行くと、彼と遭遇することが出来る。
この飛竜だが、とにかく無愛想。9歳とは思えない落ち着きっぷりで、映姫の幼さがより際立つ形になっちぇしまう。
しかし話しているうちに、彼は学校に行ったことが無いことが判明する(本人が言うには、似たような所にいたというが…?)。レストランなどに連れて行くと、特に甘いものやデザートの類などは食べたことも無いと分かる。
それが判明して以来、映姫は鬼の首でも取ったように有頂天になり、飛竜に向かって「いろいろなこと」を教えようとする。幼稚園児(見た目)に引っ張られるマフラーの少年の姿に2828しよう。幼さ故に年上の人物には真面目に話を聞いてくれず、同年代の人物にはついていけない故に話せなかった「善悪」「白黒」といった概念についての自分なりの解釈や、普段は言えない本音を言い合うことができる飛竜という存在は、映姫にとってはいまだかつてない存在だったのだ。
ほのぼのとした日常の光景は、しかし、突然終わりを告げる。
ある程度日数が経過すると、外を歩いているときに、天狗ポリスがPOPしてくるようになる。そのたびに飛竜はどこへともなく姿をくらませてしまう。
不安がる映姫。そして翌日、娘が飛竜といる姿を見た映姫父によって、こんな説明がされる。
彼は家出癖のある少年であり、両親が探している。病的な虚言癖の持ち主でもあり周りの人間も困り果て、寮のある学校に入れることになったが、途中で逃げ出してしまい、みんな探しているのだ…
当然、そんな嘘が信じられるはずが無い。実際に映姫は、アイスクリームの存在すら知らなかった飛竜を見ているのだから。
だが大人は誰も映姫の言い分など聞いてくれない。とうとう映姫は家に軟禁されてしまう。

ふたりの思い

映姫が軟禁状態になるイベントの後、飛竜は防空壕に戻らなくなってしまう。頑張って探し出さないとこのままイベントが中断状態になってしまう。映姫との思い出の場所を順次探していくと、飛竜を見つけることが出来る。

彼は何者なのか? 何故この街に来たのか? 真相は何なのか。
飛竜はどの質問に対しても答えないが、目的については明かしてくれる。それは、映姫の父によってかくまわれている女を排除することだった。
「映姫の家にいる女を排除する。それが俺の任務だ。」
「…頼む。俺は、それ以外のために戦うことができない。映姫を護ってほしいんだ」
飛竜はここではじめてマフラーをはずす。すると頚椎から背中にかけて、まだ生々しい手術の後が現れる。

  • このあたりでプレイヤーにはお分かりだろう。飛竜の喉の手術跡は、爆発物を埋め込んだ痕である。
    映姫父によってかくまわれている女はストライダーズの元協力者であり、
    現在は映姫父の協力によってストライダーズの存在を白日に晒そうと考えているのだ。
    まだ子どもとはいえ、飛竜はすでに任務を与えられてしまっている。失敗は即、死を意味している。

選択肢としては、『飛竜を追う』『映姫を護る』の二つが存在するが、両ルートとも結末は同じ。違う視点から事件を見ることができるというだけである。

  • 映姫視点
    飛竜と引き離された映姫は、元協力者の部屋に軟禁されている。映姫はなんとか大人たちに助けを求めようとするが、子どもの言うことだからと誰も取り合ってくれないという有様になっている。
    そもそも、家出癖があり、寮から抜け出すような虚言癖の持ち主とまともに付き合っていたら、映姫まで悪い影響を受けると逆に諭されてしまう始末。
    しかし映姫は、飛竜がどこの何者であったとしても、友人として彼をかばう覚悟を固めていた。
    アイスクリームを食べたことすらない少年を、どんな理由があったとしても、一人の『友だち』もいないままで放っておくことはできない。少女の決断は固かった。
  • 飛竜視点
    飛竜の目的は、「映姫の家にいる女を抹殺する」という至極シンプルなもの。だが、実はターゲットはストライダーズの養成所の元スタッフであるという部分に問題があった。飛竜とも多少の交流はあったし、幼いにしろストライダーの戦闘力を過小評価しない。
    だが同時に、ターゲットを抹殺することが今回の『試験』である、ということを言い渡されてもいる。彼女がどう思っているにしろ、組織は最初からすべてを把握していたのだ。仮に飛竜が失敗したとしても、次の刺客が差し向けられ、彼女は殺されることだろう。
    飛竜に可能なことは、確実に、速やかに、無慈悲にターゲットに死を与えることだけ。それがストライダーとしての生き方なのだから。…だが、本当にそれしか道は無いのだろうか? 少年の心は揺らぎ始めていた。

幼年期の終わり

映姫邸に進入後は、ダンジョン形式の進行となる。
ターゲットは常に映姫を同じ部屋において置くように図っていた。
「あのコは、キミを殺すことは出来ない。だから絶対にこの屋敷の中では戦わない。だって、あのコじゃまだ、任務に『失敗する』可能性が高いんだもの。施設の中でも技術は頭一つ抜けていたけど、所詮技能だけ。まだまだ心構えというのが足りないのよ。そもそもあの若さで施設にいて、生き抜いてきたことが異常なのよ」
…任務に失敗するということ、それはすなわち、周囲を巻き込んで爆散するということである。映姫を巻き込みたくないのなら、決して敗北することはできない。
だが同時に9歳の子ども一人で分厚い包囲網を突破することもできない。正確には、『100%の自信を持って突入すること』が出来ない。
映姫のことを人質にとり、嘘をついてまで飛竜を追い詰めようとする彼女のやりくちを非難する映姫。
だが、彼女は「真実を明かすためには犠牲も必要。そもそもストライダーズというもの自体が非情で非人道的な存在なのだから、正しいコトだけをして対抗することなんて出来ない」「公に白黒つけられない者を排除することがストライダーの任務。そんな存在はこれから消えていかなければならない」「まだ子どもだからキミには分からないだけ」と取り合わない。

  • 攻略
    イベント攻略

    ここの部分のダンジョンは、所謂『パズル系ダンジョン』にあたる。
    『飛竜を追う』『映姫を護る』のどちらを選んでもやることは変わらない。
    情報操作をし、警備を引き離し、なんとかして映姫とターゲットを分離しなければいけない。
    飛竜の強さなら、正面から殲滅しつつ突破もできなくはないが、それでは意味がないのだ。
    詰め将棋のようなもので一手でも間違えるとあっという間に詰んでしまう。セーブをしてからチャレンジしよう。
    うまく分断することに成功すると、飛竜が映姫を抱えて邸外に一時離脱し、追ってきたPCに映姫の護衛を頼むことになる。PCが関われるのはここまでである。

エンディング

エンディング

映姫を巻き込む心配は無くなったが、まだ飛竜は任務が終わったわけではない。
一度侵入を許し、警備がより厳重になった邸にまた飛竜は突入しなければならない。
任務のためターゲットを殺しに行くことに躊躇いのない飛竜と、国家の裏側であるストライダーズという組織の存在を表舞台にだそうとするターゲット、そのどちらが白でどちらが黒であるかは、まだ7歳の映姫には決め切れない。悩む間に飛竜は邸への再突入ルートを考え、実行に移す準備を整えていた。

「あとは俺の任務だ。終わるまでどうか映姫を護っていてほしい」
「ま、まって。飛竜」
「映姫。お前は裏の世界に首を突っ込むな。お前が俺に語ったように、どんな相手にも平等な立場で『善悪』に『白黒』を付けるようにするのが俺の仕事だ。俺は、お前は平等に他人と優しく接せられるままでいてほしい」
「それって…」
「俺は任務を遂行する。もう二度と会うこともないだろう。さよならだ、映姫」

飛竜は単身邸へと戻り、ターゲットを抹殺した。幸運なことにターゲット以外の死亡者は、ストライダーの存在を知る者からしては驚くほどに少なかっため、単なる強盗扱いとして事件は処理された。飛竜とターゲットと、どちらが白で、どちらが黒なのかは後に『何でも白黒をつける』と自他共に認める映姫でも終ぞ決められなかった。

Ending 『そして十年後へ』

クリア特典

  • サウンドエディションに飛竜専用BGM【青き野を馳せる者】【踏み込め!】が追加される