シナリオ/戦慄の折れた角

Last-modified: 2012-12-20 (木) 15:40:00

発生条件

PCがブロントさん、もしくはブロントさんと親密度が高い状態で、ブロントさんが三度以上提出物をサボる。

イベント内容

授業態度の悪いブロントさんのために、遂にあのシャントットが動いた。
彼女が与えた「宿題」は、なんとベヒーモス退治だった!?
「普通ならここで泣いて謝る奴がぜいいんだろうが俺は不良だからベヒんもスに遅れは取らない。不意だまスフィストを何回かしてたら倒される(予知夢)」
と言って当のブロントさんは物凄くやる気…。幸い、退治のためにPT組むのは許可された。
ただし「どこの学園でも構いませんけど、必ず生徒だけで討伐してくださいまし」とのこと。まぁ、子供の宿題なんだから仕方ないだろう。

時代

生徒たちが勇んで出かけた後、シャントットを尋ねる者たちがいた。
理事長の八雲紫と高等部校長マート、さらに中等部校長のフォルカーだった。
「シャントット…どうして生徒たちにあんな危険な任務を任せたのです?」
「ワシもかのベヒーモスとの再戦を楽しみにしておったのじゃが…(チラッ)」
「それに、ブロントにとってあのベヒーモスがどのような存在か、知らないはずは無い。聞かせてもらいたいものだな、シャントット」
3りの話をかるーく受け流し、シャントットは答えた。
「時代は変わってゆくものではなくて?」
紫が、マートが、フォルカーが、シャントットが付けた傷の数々を背負う獣帝が潜んでいるであろう地を眺める。
「我々に代わり…これからの時代は、若い世代が切り開くべきものですことよ」
その言葉に、一同はしばし考え込む。
「…時代、か」
「『最強の魔道士』もまるくなったものですね」
「お主も生涯引退するつもりはないのじゃろうに、かっこつけるものではないぞ?」
「オーホホホ!貴方のような老いぼれは呪って差し上げますからとっとと引退することをオススメしますわ!」
悪態を吐きつつも、上機嫌そうな彼女を見て、心なしかみな満足そうに見えた。

再会の騎士と獣帝

「俺のメガトンパンチがベヒんもスの前歯をへし折るかと思うと楽しみで仕方が無い(極楽)」
君はナイトなのかモンクなのか…。
他愛も無い会話をしつつ北方の「ベヒーモスの縄張り」へ向かう。
辿り着いたそこに、奴はいた。

 

「キングベヒんもス!!」

 

「…我はキングではなく、カイザーだと何度言えば…。…貴様は?」
立ち上がったベヒーモスは軽くこちらの数倍もある体躯を揺らす。対峙すると…改めて恐怖を感じてしまう。
「そろそろ明かそうと思っていたがやはりベヒーモスの間にも気付く奴はいたか。俺は実はブロント。前にキングベヒんもスを倒した実績があるのだよ」
名乗ったブロントさんに、にわかに驚くベヒーモス。様子が変だ…?
よく見ると、その身体には無数の切り傷や刺さったままの矢、噛まれ傷や火傷などの跡が大量に残っていた。
「ブロント…ふっ!まさか…あの時の人間の子供が、我を…」
「…?」
ブロントさんも、奇妙なものを感じていたらしい。少し考え込んで…やがてハッとした。
「お前さては…カイザーベヒんもス…?」

誇りを賭けて

「くっ…ははは!次に奴らが来た時こそ我の最期だと思うておったが…くく、粋な計らいをしてくれるものだ」
自分が討伐されに来たのを知っていながら、何故かカイザーは笑った。
「ブロントよ、貴様は誰からの差し金だ?掴み所の無い妖怪か、荒唐無稽な老獪か、それとも堅実な戦士か?」
「いあ…このクエを依頼したのはシャントットなんだが?」
「シャントット?あの嵐の様なタルタルか。くっはは…真に、人間とは図り難い存在だ。あの4名の中で最も頼みそうに無い女が、な」
口ぶりから察するに、どうやらカイザーは過去に何度か4りと戦ったことがあるようだ。
…想像するだけで身震いするPTではあるが、逆に言えばそんな連中と何度も戦って生き長らえているカイザーは相当な実力者だと伺える。
「俺は…ベヒんもスを不意だまスフィストで倒すためにここに来た」
「そのベヒーモスとは、間違いなく我のことであろう」
ブロントさんは何か言いたげではあったが…あれで不器用な人だ、上手い言い方が思い浮かばないのだろう。
「さぁ、始めようか人の子たちよ。この『獣帝』、容易い相手ではないぞ…!」

  • カイザーベヒーモス
    戦士や狩人、縄張りを踏み荒らすモンスター、同族の反乱者…既に数え切れないほどの戦いを経て、数え切れないほどの傷を背負った獣帝は、とうの昔に満身創痍。
    だが…その痛みこそが獣帝としての闘志と誇りを奮い立たせるのだ。
    物理防御・回避共に非常に高く、前衛の攻撃ではほとんど削れない。ブロントさんを盾に、PTに魔法攻撃の得意なメンバーを多めに誘っておきたい。また、強力無比なメテオを使う上スタンが通用しない。
    カイザーはこちらのレベルに合わせてステータスが変化するので、どんなレベルでも勝てない相手ではない。しかし、逆に言えばどんなレベルでも全力を尽くさないと勝機は無い。

時代の終わりに

激戦の末、遂にカイザーを下したブロントさん一行。
「あの時の子供が…強くなったな…」
「…俺は」
ブロントさんは倒れたカイザーに歩み寄りながら剣を収めた。
「どうした?止めを刺さないのか?」
「俺は不良だからよ、提出物はサボるが命の恩人を忘れたりはしない」
「くくくっ…甘いな、ブロント」
ブロントさんの行為は優しさであると同時に、『獣帝』と呼ばれたカイザーの誇りを汚すものでもあった。
だが、カイザーはといえば、嬉しそうに低い声で笑うのだった。
「では、どうする?この獣帝を如何にしたいのだ?」
「俺は前から普通に強かったが獣使いなるジョブを得、学園では最強の称号を得た。お前を俺のペットにしてやろうかと思う(ナイトはジョブを選ばない)」
「ペット!はははっ!我をペットにか!貴様は本当に面白い奴だな…」
とても先ほどまで血肉を撒き散らして戦っていたとは思えないほど談笑するブロントさんとカイザー。

 

だが…気付けば一同は群れに囲まれていた。
「…ベヒんもス」
ひぃーふぅーみぃー…?ああ、数えるのも面倒臭いほどの数だ。
「9体でいい」
数十体のベヒーモスたちが周囲を取り囲んでいるのだ。
「お前たち…何のつもりだ?」
「10年も前から言われていたことだよ…カイザー。『獣帝』の時代は、とうに終わっているのだ!」
反乱…カイザーに対するベヒーモス一族の反乱である。
「お前らはもう少し空気読みスキルを青くすることが必要不可欠。俺のLSにも同じような負けたくせにお前らみたいにいつまでも」粘着する馬鹿が居るのでよく分かる」
「黙れ人間よ!これよりカイザーは死を迎え、新たなベヒーモス族の長が誕生する。そして…これまでの掟が無効となれば、我々は人間を食らうことが出来るのだ!」
声高に叫ぶ若いベヒーモスがカイザーの首を取ろうと走りよって来る!

 

ゴゴオオオオオン

 

爆発と地鳴り。若いベヒーモスが大きく吹き飛んだ。
何事かと爆発の発生源を探すと…居た!
「オーホホホ!わたくしの出した宿題は終わったようですわね!」
し…シャントット!?
「可愛い生徒たち。せっかくですからこの場でテストしてあげますわ!」
テ、テスト?
「もちろん…戦闘実技テストですわよ!」
声を合図にスキマが開き、紫、マート、フォルカーが飛び出してくる。
大乱闘…と言うには少々一方的過ぎたかも知れない。
紫がスキマで撹乱し、マートが正面から攻撃をいなし、フォルカーが確実に剣を振るい、シャントットが魔法で圧倒する。4りに気を取られたベヒーモスの後ろに回りブロントさんが不意だまスフィストを打つとアワレにも倒された。
「くはははは…!愉快だ、実に愉快だぞ人間ども!」
終始、カイザーは笑いっぱなしだった。
やがて、ある者は気を失い、ある者は堪えきれずに逃げ出し…戦う気力の残ったベヒーモスは居なくなった。
「片付いたか…」
「そのようじゃのう」
皆が動けないカイザーの元に集まった。
「傑作だったぞ!最期にあのようなものを見られて、胸がすぅっとしたわ!」
「お楽しみ頂けて我々も光栄ですわ。それでは、拝観料を頂きたいのですけれど」
「ふん!こんな老いぼれから奪えるものなら、好きなだけ持っていくといい」
シャントットと紫が共同で詠唱を始める。
「老兵は死なず…獣帝よ、お前にはまだ仕事があります」
「ほう?」
「まずは…治療を受けていただきましょう」
「強者の命令とあらば従わざるを得ないな」
2りの唱えたデジョンがカイザーの巨躯を包んでいく。
「ブロントよ」
「何か用かな?」
「たまには老いぼれの話相手になってやってくれ」
「いいぞ」
「くくっ…封印が解けられた…か」
そう言い残して、カイザーは治療を受けられる場所へ転送された。
こんな質問も変かもしれないけど…。殺さなくても良かったんですか?
「オーホホホ!ベヒーモスの生体はなかなか手に入らない貴重な実験材料ですことよ。何百年も生きた個体なら尚更ですわ!」
…一瞬でも優しいんじゃないかと思ったけどやっぱりシャントットはシャントットだった。

報酬

ブロントさんがスペルカード『獣帝「カイザーベヒんもス」』を取得