シナリオ/花咲か橋姫

Last-modified: 2011-05-22 (日) 02:28:01


概要

実質的にパルスィ√の一端となるサブシナリオ。
人妖共存の世界の裏に潜むモノ、パルスィのある「家族」についてのお話。

発生条件

「通り魔」の噂を聞いており、パルスィの好感度が高いと最初のイベント「足切り夜雀」が発生。ここで選択肢「通り魔を調査する」を選ぶと開始される。

イベント内容

足切り夜雀

近頃、ネ実市内外で複数発生している通り魔事件。現在までは奇跡的に死者は出ていないが、すでに天狗ポリスも動き始めている。
そんなある日、遂に陰陽鉄学園内で被害者が出てしまった。ミスティアが通り魔に襲われ、足を切られてしまったのだ。
不幸中の幸いか傷は浅く、翌日からすぐにでも日常生活に復帰できるらしい。
ミスティアに話を訊いてみると。
「私が襲われた時、白い犬が助けてくれたのよ」
なんでも、突然白い犬が出てきて通り魔を足止めし、その間に天狗ポリスが到着したのだという。文からも
「はい、被害者の方はぜいいん…少なくとも私が取材した人は、みんな白い犬に助けられたのだそうです」
偶然ではないようだが…さて。

 
  • 天狗ポリスに任せる
    シナリオ終了。
  • 通り魔を調査する
    同じ学園の生徒にも被害者が出た以上、放ってはおけない。独自に犯人を追ってみようと決めた。

泣いた橋姫

通り魔を探すことに決めたのは良いが、どこを探せばいいのかぜんえzん分からない。
とりあえず人通りの少ない路地裏を意識して歩いていると…。

 

「兄さん、兄さん、おれに付いて来てくらさい」

 

…話しかけられた。白い犬に。
しかもなんか付いて来いって言ってるし。
ここでの選択肢は…もちろん…。

 

ネームタグに「シロ」と刻まれ、手綱を引きずっている明らかに飼い犬と分かるそいつに案内されること十数分。
辿り着いたそこには、人間がいた。
人間…その背中はどう見てもその辺のサラリーマンのようであったが…しかし、サラリーマンが持つには、その手の日本刀はあまりに不気味すぎた。何よりも。

 

あれが人間の発する邪気だろうか?

 

こちらに気付いたそいつはバッと逃げようとするが、シロが素早く逃げ道を塞ぐ。
お前は一体何者なんですかねぇ?人間ではにいようだが。
「我ノ名は『エキビョウ』…妖怪ダ」
妖怪か…このネ実市で通り魔をやるとか、あまりにも馬鹿すぐる。
「……」
この町は人妖共存を掲げているんですわ?お?なんでわざわざこの町で通り魔なんてするのか理解不能状態。
「妖怪ハ…影ニ生キル存在ダ」
hai?
「シカシ、世ハ光で溢レタ。我ラノ生キル地ハ失ワレタノダ」
お前人の話も聞けない馬鹿ですか?この町は人妖共存だと、「嘘ヲ言ウナッ!!」
……!
「コノ町ニイルノハ人間ト…ソシテ、妖怪ノ誇リヲ捨テ人間ト共ニ生キル弱者ノミダ」
弱者…!?
「我ハ妖怪の国ヲ作ル!人間ナドトノ共存ヲ選んだ弱者共デハナク、純粋ナ妖怪ノ国ヲナ!!」

  • エキビョウ
    通り魔の正体は妖怪…が取り付いた人間だった。
    手には一本の朽ち果てた日本刀が、懐には多数の小刀を仕込んでいる。
    能力自体がそう高いわけではないのだが、何故かこちらの攻撃を受け付けない。
    一定時間経てばイベントに移行。

なんだ!?攻撃が効いてないのか?
「フハハハ…コレガ本来ノ妖怪ノ力!貴様ノ知るヨウナ軟弱妖怪トハ訳ガ違ウノダ!」
くっ…。
「トドメダ…」
エキビョウが懐から小刀を取り出すと、それが妖力によって宙に浮く。
「死ネ」
エキビョウが命じると小刀は意思を持つかのように宙を飛び交い、その刃を突き立てる――!

 

だが、刃が付き立てられたのは、自分にではない。
庇うようにジャンプし、全て受け止めたのは…。
――シロっ!!?
「邪魔ガ入ッタか…ダガ、二度目ハ…」

 

「グリーンアイドモンスター!!」
「ヌッ?」
「八之太刀・月光!!」
突如その場にパルスィとゲッショー殿が乱入しエキビョウに一撃加えた。
「天狗ポリスでござる!そこを動くでない!」
「分ガ悪イワ…」
捨て台詞を吐き、エキビョウが逃げ出した。
「待てっ…!」
ゲッショーがこちらに振り向こうとする。
構うな!あいつを追うべき逃がしたくないから全力で追うべき!!
「…承知!」

 

助かった、終わったと思ったよ>>橋姫と天狗ポリス感謝
「その子…」
パルスィが全身に刃に貫かれ、息も絶え絶えな白い犬に歩み寄る。
ああ、こいつは俺の恩犬で…
「シロ…?」
……。まさか、こいつの飼い主は…。
パルスィが自分が血で汚れるのも意に介さずにシロを抱き上げる。
「…お前が、このこいつを守ったんだ?偉いね…」
「…ワン」
シロは小さく鳴いて。
それっきり…事切れた。
「シロ?シロ、シロ…!…う、ううっ…」

 

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!」

橋姫の妖怪退治

「拙者は彼奴を追ったのでござるが、逃がしてしまったでござる。彼奴は途中で手にした刀で我が身を貫き、息絶えた。恐らくはあの刀こそが彼奴の本体でござろう。拙者としたことが面目ない…」
ゲッショーが戻ってきて、現場の様子を見ても勤めて冷静に説明してくれた。
涙が枯れようかという勢いで泣く少女を慰める方法を誰も知らなかったのだ。

 

「シロがね…喋ったのよ」
無残な姿になってしまった愛犬を大地に埋め簡素な墓を立て三人で冥福を祈る。
それが終わった頃、パルスィがぽつぽつと話してくれた。
ある日から突然、シロが喋るようになったこと。
「ご主人、ご主人、おれに手綱を付けてくらさい」としきりに散歩を要求するようになったこと。
そして、それからというもの必ず散歩中にパルスィの手元を離れ、例の通り魔を撃退する活躍を何度もしていたこと。
「危険だというのは分かってたし、何度も言ったわ。でも、あの子は絶対に助けたいって…」
パルスィ…。
「シロ殿は獣特有の超感覚を備えていたのでござろうか…」
ネ実市では人語を解する動物なんて、さほど珍しいことじゃない。
動物は地震なんかの災害を感知する能力がある、なんて言われるが、シロもソレだったのだろうか。
「ゲッショーさん」
「何か用でござるか?」
「必ず…あいつを…」
「…承り申した」

 

後日の学園、放課後。
「さぁ、まずはどこから回ろうかしら」
校門の前でパルスィが待ち構えていて、そう言った。
「何を間抜けそうな顔してるのよ。貴方は通り魔の調査をするためにあの場に居合わせたんでしょう?協力者は多いに越したことないじゃない」
それはもしかすて俺の調査に付いてくるという意味ですか?
「当たり前よ。絶対にシロの仇を取るから」

 

以後、放課後はパルスィと共に通り魔の情報を集めることになる。PTメンバーと行動が制限されるので注意。
また、パルスィがスペルカード花咲爺「シロの灰」を取得する。

笠松地蔵

町を探索しているとランダムに発生。ちなみに主人公が忍者だとイベント内容が変わる。

 

「珍しい場所で珍しい組み合わせを見つけたわ」
パルスィが指差す先には汚い忍者…それと四季映姫だった。
「私たちは同じ生徒会役員です。パルスィさん、貴女も生徒会役員なのだから、いつも会っているはずですが」
「忍者が私生活で個人的に会っているところならあまり見ないわ」
「水橋さんはストーカーか何かですか^^;」
2りは偶然にばったり会っただけで、別に個人的な用事があったわけではないらしい。パルスィは半信半疑といった様子だったが。
「聞きましたよ、貴方たちが独自に通り魔の調査をしているということを」
げ。まずい人に知られてしまっていたみたいだ。彼女なら即刻そんな危険な真似を止めるよう言うだろう…と思っていたが、ここで予想外の返事が。
「ええ、お小言を言うつもりでしたよ」
いつの間にサトリ能力を身に付けたんですかねぇ!?
「貴方が特別分かりやすいだけです。…捜査の途中でパルスィさんの愛犬が亡くなったとか」
「……まぁ、ね」
「…陰陽鉄学園の一生徒として。そして一人の人間として。今回の件を見逃すほど私は完成された存在ではありません。どうせ、私が止めても勝手に行動するのでしょうし」
はははご名答。
「まったく…同じ危険なら、まだ協力した方がマシというものでしょう。ただし、絶対に複数人で行動すること。分かっていますか?」
「言われるまでもない。…あんたはどうするの?」
「あ?俺か?」
おいィ?もしかして忍者に協力を頼む気ですか?
「人手は多いに越したことないって言ったでしょ。私は本気なのよ、最善手を尽くさせてもらうわ。ちなみに学園の先生には軒並み伝えてあるから」
そ、そうか…。
死人…じゃなかった死犬が出てるので、好き嫌いは言っていられないだろう。
「お前らと絡むとこれでもかってくらい厄介事持ってきてくれるよなぁ…」
いつもの忍者なら「効率的じゃない」と言ってさっさと退散できただろうが…生憎と隣には超堅物がいるせいで本来の汚い性格を隠さざるを得ない。
まぁそれでも忍者なら適当な理由を付けて結局逃げてしまうのだろう。そう思っていたのだがここでも予想外の返事が。
「分かりましたよー手伝いますよはいはい」
案外…あっさりにも程がある位に引き受けたのだ。

 

おい忍者。一体何が目的なのか言うべき死にたくなければ言うべき。
「けっ。…死んだシロな、昔は俺もよく遊んでたからよ」
感傷か?らしくもない。
「放っとけ。効率的うんぬんよりも、その通り魔がイラつくってだけだ」

 

汚い忍者と映姫がPTイン。

ねずみの足取り追い

探索中の日が沈む頃に発生。
パルスィの携帯電話に着信があった。
「もしもし」
《ああ、水橋先輩?ナズーリンですが》
どうやら相手は同じ生徒会所属のナズーリンのようだった。
「成果があったのかしら?」
《ウチのねずみが一匹消息を絶ちました》
それは喜ばしい報告では無かったが、きっかけには成り得る情報だった。
「場所は?」
《今から座標を送りますから、それを参照して下さい。私も向かいますので》
「了解したわ。ありがとう」
こんにちわパルスィさん。
「何か用?」
一体何人に協力を仰ぎましたか?
「私が直接依頼したのは生徒会と霊夢とか魔理沙とかアリス、それに先生が何人かよ。そこからどのくらい広がったのかは知らないけど」
そうですかありがとう山脈すごいですね。
「思ったより人手は多そうで助かるわ」
…もしかして、想像以上に大事になってないか、これ。
陰陽鉄学園の生徒ぜいいんが出てきてる、なんて…。
「頼もしい限りね」
マジ震えてきやがった…。

枯れ木に花を

ねずみの足取り追い後、送られた座標に到着すると発生。
「ナズーリンが送ってきた座標はここね」
そこはネ実市から少し離れた目立たない森の奥の洞窟だった。「」確かに隠れるには丁度いい場所かもしれないが…。
「奥に何が待っているか分からないわ、注意して行きましょう」
違うぞパルスィ、こういうときはアレだ。
「……の、のりこめー…」
おー^^

 

暗い洞窟を足元に細心の注意を払いながら進み、すると広い空間が開けた。
「いかにもボス部屋って感じね」
お前も割とゲーム好きなんじゃにいか?
「う、うるさい」
「ソウダネェ、オ前達ハウルサスギルヨ」
!?

 

高い天井に張り付いている『そいつ』はくぐもった声を発して、同時に目の前に降り立った。
太い八本の足と醜い顔、そして巨大な花弁。
「古典妖怪の女郎蜘蛛ね」
「人間カ、ワザワザ喰ワレニ来ヨッタノカエ?」
自分よりずっと巨大な妖怪を前にしながらも、パルスィは全く怯む様子を見せない。
おもえはエキビョウとか言う奴のPTメンなのか?
「エキビョウ…?ソウカ、既ニ動イテイタノダナ…」
「知り合いではあるようね」
じゃあ、お前も妖怪の国がどうのとか言うのか?
「ハッ!アンナ奴ノ夢物語ニ付キ合ウ気ハ無いヨ。全ク、オ前達人間ノセイデ我等ハ生キル場所ヲ失ッタ!今ノ妖怪ニドレホド人間ニ一矢デモ報イル力ガ残ッテイルト思ッテイル!?」
……。
「コノ地ニ足ヲ運ンダオ前達ハ、今ココデ喰ワレヨウトモ文句ハ言ウマイネ!!」

  • 女郎蜘蛛との戦い。
    巨体の割にはさほど強力では無いのだが、エキビョウと同じく強力な結界に阻まれてダメージを与えることが出来ない。
    しかし、パルスィにスペルカード・花咲爺「シロの灰」を使わせてみよう。
     
    「枯れ蜘蛛に花を咲かせましょう…」
     
    女郎蜘蛛の花弁が開花し、結界に守られていない弱点が露出する。この間は攻撃し放題だ。2、3度繰り返せば倒すのは簡単なはず。

「生意気ナ犬コロダ、死ンダ後デサエ、本当ニ…」
女郎蜘蛛は自身の血溜まりの中へ崩れ落ちた。
「…今のは、シロのこと?」
シロのことは妖怪たちにも知れていたのか…。
「シロ…ありがとう…」

 

「すまない、遅れた…って、もう終わってしまったのですか?」
洞窟を出ると、ナズーリンが出迎えてくれた。
「いえ…関係者ではあったかもしれないけど、今回の事件とは無関係だったようよ」
「なるほど。振り出しに戻ってしまったかな」

 

以後ナズーリンがPTイン。

一寸小鬼

女郎蜘蛛を倒した後町に行く。
手掛かりを失い、仕方なく戻ってきた一行。
すると、すぐさま次の助っ人が現れた。
踏めば潰れてしまいそうなほど小さい…小鬼。
伊吹萃香、彼女もまた協力者であるようだ。
「空気に馴染み広がる霧から逃れることは出来ない。それらしい奴を捉えた。案内するよ」
さすがは、話が早い。
見た目からは想像できない速度で駆けて行く小さな萃香を必死で追いかける。
その道すがら、彼女が話しかけてきた。
「ね、ちょっといい?」
何か用かな?用事なら9秒でいい。
「そう言わずに。…あんたが会ったその妖怪…エキビョウだっけ?そいつは妖怪の国を作る、と。そう言ってたんだ?」
俺の記憶力を疑う奴は心が醜い。
「…妖怪の、妖怪だけの国、か」
…妖怪のおもえの意見にも【興味があります。】
「そうだねぇ…。馬鹿馬鹿しいと思う」
「さすが鬼はストレートだ」
「茶化すなよねずみっ娘。とにかく、私はそいつの言う事には賛同出来ないね!」
かつて鬼という種族が歩んできた歴史を考えると、強者たる妖怪ばかりが集う国というには魅力的なように思える。しかし、それを萃香はきっぱりと否定してくれた。
「そいつを本気で殴れると思うと楽しみかなぁ。わくわく」
……まぁ手伝ってくれるならなんでもいいか。

 

伊吹萃香がPTインした。

花咲か橋姫

一寸小鬼から連続して発生。
小さな萃香に連れられて到着したのは、明らかにそれと分かる和風の廃屋敷だった。既に自分たちと同じようにして萃香に連れてこられた先客たちがいて、中にはゲッショー殿や藍もいた。
「藍先生…」
「一応、言っておこう。危険だぞ?」
「分かっています。ですが、私にはどうしても行かねばならない理由があります」
「ふぅ。ウチの学園は問題児ばかりだな。止めはしないが、危険だと感じたら迷わず私を頼れ。いいな?」
hai!
「各々準備はよいでござるか?では――突入でござる!」

 

「来タカ…!」
「覚悟なされよ妖怪・エキビョウ!逃げ場はござらぬ!」
「ソレハコチラノ台詞ダ…コノ屋敷ハ我ノ地ヨ。出デヨ『赤カブト』!」
エキビョウの呼びかけに応えるように影から巨大な、鎧を身に纏った妖怪…赤カブトが現れる。
「いよいよ正念場ね。行くわよ、シロの敵――!」

  • 赤カブト
    女郎蜘蛛並みに巨大な妖怪で、結界は無いが強固な鎧を身に纏っている。
    やはりダメージを受け付けないが、諦めずに何度も攻撃していると鎧が破損する。
    その中に強烈な熱風と炎に包まれた獣の骨格が見える…それが赤カブトの正体だ。
    次に炎があるとまともに近寄れないので風や水の攻撃で炎を吹き飛ばす。後は脆い横腹を叩くだけだ。
  • エキビョウ
    再戦の相手だが、今度は生身の人間ではなくボロボロの和製鎧に宿っている。
    戦闘中にゲッショー殿が「彼奴の本体は手に収められた刀、『金釘』でござる!それを砕けば…!」とアドバイスしてくれる。
    と言っても女郎蜘蛛と同じく強力な結界に守られており、このままでは攻撃できない。
    しかし、エキビョウが鎧に刺さっていた何本もの刀を宙に浮かせた瞬間、パルスィが咄嗟にシロの灰を投げつける。女郎蜘蛛の時と同じようにできないかと考えたのだ。
    無残にもシロの灰はエキビョウに何の影響も与えなかった…かのように思えた。
    舞い散る灰の中で青白く光る刃が見えた。
    「…そこだッ!!」
    パルスィが素早い動きで苦無を投げつけ、器用にも青白い刃を叩き落す。
    途端にエキビョウが動きを止める。青白い刃こそ金釘だったのだ。
    動きを止めている間に総攻撃で手早く仕留めよう。

「グオ、オ、オ…オ役ニ立テズ…キュウビ…サ、マ…」
妖怪エキビョウの本体、金釘が砕け散った。
キュウビ…?
「かつて封印された大妖怪の名前だ」
藍が説明してくれた。
「古来より血と封印には密接な関係がある。血によって成された封印は、血によって開放される。恐らく、人間の血を集める事がキュウビの復活と関係があったんだろう。もっとも、それは勇敢な水橋の『家族』の手で妨害されたわけだがな」
「…シロ」
そうだ、エキビョウを倒したことでシロの敵討ちは達成されたのだ。
「これでお前たちの目的は果たされたのだろう」
「キュウビの件については拙者たちに任せるでござる」
「さぁ、もうお前たちは家に帰りなさい。一連の通り魔事件は、既に決着している」

 

後日。
シロの敵を討ったというのに晴れない気分で登校すると、幽香の姿が見えた。鼻歌など歌って、相当ご機嫌な様子だが…。
「ゆうかりんランドに…花が咲きましたー♪」
イヤッホォォォオオ!!
……何をしているんだ自分。

 

咲いたという花を見ようと足を向けると、先客が居た。…パルスィだ。
彼女はじっと目の前の白い花を見詰めていた。
それは…自身の身体を以って大地に花を咲かせたパルスィの『家族』の、新しい姿に他ならなかった。
そよ風に心地良さそうに揺られる、白い花。
パルスィは花に、どうしてもその姿を見ずにはいられず、自然と、『彼』の名を呼んだ。

 

「…――シロ」
パルスィの『家族』は、そう呼べばすぐにでも駆けつけてきた。だが、『彼』は来てはくれなかった。
ただ――…その白い花が左右に揺れた。
それは風に揺られただけ。そう思うだろう。パルスィだってそうだ。
でも…これはきっと『彼』が応えてくれたんだろうと思うことにした。

 

どんどはれ

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