『ふえるーみあ』
倫理
※警告!
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一日が過ぎていく。
今日で休みも終わり。明日からは新年度だ。
やれクラス替えだの、やれ後輩が出来るだの、そんなことではしゃぐ気持ちはいまいち良く分からない。
折角だからもう一ヶ月くらい休みを伸ばしてもバチは当たらないと思うのに……
「憂鬱だわ……」
ああ……もっとゆっくりしていたかった。
日がな一日縁側でお茶を飲む生活ともお別れだなんて。
明日からは教室でお茶を飲まなければ……
「ん……なんだ。何も変わらないじゃないの」
ちょっと騒がしいけど、それは大した問題じゃない。
どうせ神社にいようが教室にいようが、面倒事は自分の元にやってくるのだ。
お茶と、ついでにお菓子でもあれば、どこだって私の楽園になる。
「授業は面倒だけど……ふあぁ」
さっさと寝てしまおう。
明日のことは明日考えればいい。寝不足で遅刻するのはごめんだ。
あの居候……ルーミアの分の朝食も作らなければならないし……
「おやふみなふぁ……」
3/31 END
クリアデータを読み込みますか?
いいえ
→ はい
4/1 GAME START!
「ん……ぅ」
空が少しずつ明るくなり、夜が終わっていく。
早朝の空気はまだ冷たく、布団を無意識に引き寄せ、熱を逃がすまいと篭る。
目覚ましが鳴るにはまだ早く、もう少しだけ夢の世界に浸っていられる。
はずだった。
『……はー♪』
『そ…………かー?』
声が聞こえる。
まどろみの中で、半端に覚醒した意識が声をとらえる。
こんな朝から誰が、いや誰でもいいから静かにして欲しい。
もう少しだけ寝かせて……
『きゃー♪』
『お……すいたなー』
うるさい。
目覚ましの音じゃないくせに、どうして眠りを妨げるのか。
あと5分。5分でいいの……そしたら起きるから……
『…………はだれ?』
『わたし……………ミア!』
………………ッ!
「うるっせー!」
朝っぱらからギャンギャン騒ぎ立てることによって私の怒りが有頂天になった! この怒りはしばらく留まるところを知らない!
何処のどいつか知らないけど今すぐ行って凹にしてやる!
大体なんだってウチの神社でこんな大騒ぎが……ッ!?
「待って……ひょっとして……ひょっとするの?」
ここ、博麗神社は寂れた神社で、滅多に人は来ない。
人が来る→お賽銭が貯まる→神社がグレードアップ!→もっと人が来る→氏子ができる
人が来ない→お賽銭が貯まらない→神社がグレードダウン!→もっと人が来ない→いくえ不明
そんな神社だった、が。
「きてる? キテルの? 博麗神社の時代キタ!?」
神社の経営など大して興味はない。ないがしかし。
貧乏神社と言われても、気にしなかった。
ボロ神社と馬鹿にされても、構わなかった。
でも、一度くらいはsaisen boxいっぱいのお賽銭というものを見てみたい、とは思っていた。
こんなに表が騒がしいと言うことは……つまり!
「参拝客の予感! 皆待っててッ!!」
こうしてはいられない!
博麗神社の巫女として出迎えなければ! こうしてはいられない!!
とりあえず着替えなければ!
(流れと関係ないシーン)
そう思うや否や、霊夢は勢い良く寝間着を脱ぎ捨てた。
白磁のようなキメ細やかな肌は、興奮からかうっすらと朱に染まっている。
すらりと伸びた手は、やや細めの印象を受けるが、丸みを帯びたラインは確かな柔らかさを感じさせる。
小ぶりなヒップは生意気そうにツンと上を向き、そこから伸びる太股のハリは瑞々しい果実を思わせる。
うっすらと脂肪の乗ったウエストから腰にかけてのくびれは艶めかしく、それでいて抱きしめれば折れてしまいそうな少女の華奢さが同居した絶妙なバランスを保っている。
そしてその控えめな、しかし手のひらに収まるサイズの男好きしそうなちb(検閲削除)
(シーンエンド)
あっという間にいつもの巫女服に着替え、大急ぎで顔を洗う。
髪に寝ぐせが無かったのはありがたい。髪を寝かせるのは手間なのだ。
そうして支度を整えてから(化粧は元からしない)、境内へと全速力で向かう。
……チラと浮かんだ悪い予感は、あえて無視する。
待っててね私の参拝客!
「ごはんまだかなー?」
「おなかすいたねー」
「がぶー」
「がぶー」
「てんしょうじゅうじほうー!」
「きゃー♪」
「こわーい♪」
「あなたはだれ?」
「わたしはルーミア! あなたはだれ?」
「わたしもルーミア!」
「「そーなのかー?」」
「なんじゃこりゃあ!!?」
右を向けば互いの腕をアマガミしあうルーミア。
左を向けばけんぽーごっこで遊ぶルーミア。
前を向けば互いの名前を確認する?ルーミア。
上を向いてもルーミア。
下を向いてもルーミア。
後ろを向いてもルーミア。
ルーミア、ルーミア、ルーミア!
「あわわわ……あばばばば……」
「あ、霊夢だー!」
「霊夢? ホントだ!」
「「「「「「れいむだれいむだー」」」」」
無数のルーミアが一斉にこちらを向く。
正直これまでの人生でほとんどビビったことなかったけど生まれて初めてほんの少しだけビビった……
しかも見つめるだけで終わらず、全員が押し寄せてくるのだ。
「う、うわ、ちょっと! いっぺんに来ないで!?」
「おなかすいたー」
「ごはんまだー?」
「おにくたべたいよー」
「おにく……いいよね……」
「やっぱりおにくだよね! おにく!」
「「「「「にーく! にーく! にくたべたい!」」」」」
「狭っ……きつっ……苦しっ……! は な れ ろ !」
「「「「「きゃーっ!?」」」」」
群がるルーミア達をスペルカードで強引にひっぺがす。痛そうな顔をしているが私は悪くない、悪くない!
とにかく、状況を確かめなくては。
手近なルーミアを捕まえて引き起こす……ルーミアに聞いても大丈夫だろうか?
「ねえ、何がどうなってんの? 何で増えてんの? 増殖出来んなら最初にそう言いなさいよ!」
「そ、そんないっぺんに聞かれてもわかんないよー」
「じゃあ、一個ずつ聞くから……何で増えてるの?」
「わかんない……」
「わかんないって、アンタ」
「ホントにわかんないんだもん! 朝起きたらわたしがいっぱいいたの! ホントだよ!」
「……嘘じゃあ、なさそうね」
ルーミアが何かしたと言うわけではないようだ。
では誰が、或いは何がこんなことを「ねーねーおなかすいたー」したのだろう。
朝っぱらから「ごはんまだー?」面倒なことになった……
とりあえず「ごはんたべよー?」…………
「この人数が食べられる量のご飯なんてないわよ!」
「「「「「えー!?」」」」」
「「「「「「おなかすいたー!」」」」」」
「ちょ、何? なんでこっち来るの?」
「「「「「「「もうがまんできない!」」」」」」」
「やだ、ちょっと! なめるな! 噛むな! 変なとこ触るなーっ!?」
ぺろぺろかみかみぺろぺろかみかみ
ぬわーっ!
「「「「「「「「ごちそーさまでした!」」」」」」」」
「も……もうだめぇ……なめるのやめてぇ……あまがみもいやぁ……がくっ」
エクストラエンド 『ふえるーみあ』
GAME OVER.
お疲れさまでした。
NEW! エンディング回想に『ふえるーみあ』が追加されました!
講義を受けますか?
いいえ
→ はい
「ファイナル398と」
「ファイナル仮面の」
「「ファイナル集中講義っ!!」」(SE:銅鑼)
「やってまいりました。ファイナル集中講義の時間です」
「ここはファイナル誤った選択肢を選んでしまったファイナル迷い子達を、正しい道に導くためのコーナーだ」
「です。ではまず、今回の問題点をファイナル洗いだしてみましょう」
「今回のエンドは……エクストラエンド『ふえるーみあ』だな。これは、ファイナルとあるバグを基にしたエンドだ」
「ルーミアは通常、ブロントさんをファイナルPCに選ばなければ出現しません。しかし、ファイナル霊夢の真TRUEENDをクリアすると他キャラでプレイする時も姿を見せるようになるのです」
「だが、思わぬことが起きた……霊夢真TRUEをクリアするたびに宵闇の妖精がファイナル“増える”バグが見つかったのだ」
「それだけならファイナル問題にならなかったのですけど、このルーミアを増やし続けて100体を超えると、突然フリーズを起こしてしまうのですわ」
「後日ファイナル修正パッチによってこのバグは解消されたが……増えるネタはファイナル仕様として採用されることになった」
「フリーズもファイナル出オチエンド行きという形になって残った……」
「…………」
「…………」
「この場を借りまして」
「スタッフ一同に代わり」
「「厚く御礼申し上げます」」
「一人のルートをファイナル100週する労力と情熱はファイナル流石の一言だ」
「ネタのためか、霊夢への愛か、はたまたそれ以外か……いずれにしても、ここまでやり込んでいただきファイナル感謝の極みです」
「次週からはファイナルデータを引き継いでも通常進行するので、ファイナル安心してほしい」
「このエンドもちゃんとファイナル回想に登録されますので、いつでも見直すことが出来ますわ」
「……しかし、ファイナルネタに欠ける解説になってしまった」
「ハジけたネタを書くにはハジけた頭が必要ですから、仕方ありません」
おしまい。
あとがき
はじめまして、一部の人はこんばんわ。倫理です。
このような稚拙な文章を読んでくださってありがとうございます。
……何書いたらいいのかしら。ええと、こんなものでも学園モノの賑わしになれば嬉しいです。
2011/12/2追記
新うpろだに移植。警告文のみ現行のものに差し替え。
今見るとかなり埋葬したい。
倫理