SS/妄想SS レイセンルートニ章

Last-modified: 2013-08-31 (土) 23:03:25

妄想SS レイセンルート二章
倫理
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レイセンルート、前回のみっつの出来事!
ひとぉつ、喫茶ベヒんもスで突然レイセンに話しかけられる。
ふたぁつ、レイセンがお姉さまに抱いてる気持ちに気付く。
そしてみっつ、レイセンの恋の手伝いをすることに。

 

お姉さま……綿月豊姫・依姫の姉妹とレイセンを恋仲にする。ひとつの目的のために力を合わせることになった一組の男女。
しかし二人の間にはまだまだ埋めがたい溝があった。
そして、肝心の目的の方も進んでいるとは言えず。

 

時期にして6月の終わり。
冷静に考えるとこんなことしてる場合じゃない(試験的な意味で)のだが、今のふたりにとってはそれどころではなかった。
何せ直面している問題は、試験などより余程複雑で困難な問題なのだから……

 
 
 
 
 

レイセンルート二章 ~ああっ八意さまっ~

 
 
 
 
 

協力すると決めたはいいのだが……
もう少しこう、距離はなんとかなりませんかね。

 

「うう……ごめんなさい……」

 

やはり男が近くにいるというのは厳しいのだろう。レイセンの歩幅で5歩の距離、これ以上は近寄ろうとしない。
距離を詰めようとすると涙目になるのでどうしようもない。
コレ、自分は邪魔にしかならないんじゃ……手伝おうなんて偉そうなこと言った割にストレスしか与えてないんじゃ……
うごごご……! これなら自分なんていない方が……

 

「そんなことないです!」

 

そうだろうか。そうだといいなあ。

 

「だって、そんなの……お願いしたのは私の方なのに……こんなことで迷惑かけちゃうなんて……」

 

待って、ストップ。ネガはそこまでにしておけと。
頼んだのはレイセンだけど手伝うと言い出したのは自分なのだから。うん、自分もネガはやめよう。悩むくらいなら役に立って見せればいい。
地道にコツコツ、大事です。そうさぼくらは立ち止まっている場合じゃないんだ。

 

「はい……」

 

まあ……気を取りなおして、ここしばらくで集めた情報から現状を整理しよう。

 

1.お姉さま方に百合の気はなさそう。
2.お姉さま方はレイセンの好意に気付いていない様子。
3.レイセンはお姉さまの前ではあがってしまい、気持ちを伝えるどころじゃない。

 

……詰みじゃね?

 

「そんなぁ!?」

 

詰みは冗談にしてもだ、かなり厳しい状況に見える。
あがり症の都合でこちらからの告白が難しいとなれば、向こうから告白するよう仕向けたいのだが……
見る限り、綿月豊姫・依姫の両者ともレイセンから恋愛的な意味の好意を向けられているとは微塵も思ってなさそうだ。
あちらに百合の気が見えないのも辛い。あれで結構女生徒からの告白を振っているらしいのだ。

 

「うぅ……」

 

こうなったらいっそのことブレイン☆ウォッシュでも「だめですっ!!」
だよねー。ごめんなさい冗談です。しかし今のところ切り込み口が見えない事実。
仕方ない。地道にコツコツ積み重ねるしかないか……いや待て。

 

「どうかしたんですか?」

 

何か大きな隙を見落としてると言うか忘れてるような。
これ以上無い突破口が……あるような……ないような?
待ってそのキラキラした目線やめてあんまり期待しないですぐ思い出すからちょっと待ってて。
………
……

! 思い出した! 八意先生だ! 綿月姉妹と言えば八意センセに首ったけじゃないか!
自分が豊姫のPOP狙いで喫茶ベヒんもスにいたのも、あの店が八意先生の贔屓だからだった。
しかし綿月姉妹には百合の気はないと思っていたが、素養はあったんじゃないか。迂闊だった……

 

「あ……でもそれって、お姉さまたちは八意先生のことが……」

 

落ち込むには早い。なるほどお姉さまたちは八意先生にお熱だ。
先生は恋敵として見れば強敵以上の存在だが、果たして先生は敵だろうか。

 

「それは……どういう」

 

つまり、綿月姉妹は先生に憧れたりしているようだが、先生から同じ矢印が出ているとは限らない。
どちらかと言うと先生の目線は姫様こと蓬莱山輝夜の方に向いていると思われる。
つまりまだ敵ではない。敵でないのなら……こちらの味方に引きこんでしまえばいい。そう、二人目の協力者だ。
協力者となれば、あれ程頼もしい人もいないだろう。うむ、我ながらいい考えに思える。

 

「そんなこと、出来るんでしょうか?」

 

それは分からない。しかし、放置して先生が何かの拍子に姉妹と結ばれてしまっては困る。とても困る。
そうなる前にこちらの恋愛アドバイザー的な地位に据えてしまって、何かの拍子を防止する。
まさかこちらの味方をしつつ、裏でこっそり綿月姉妹とイチャイチャするなんてキャラでもない筈。いや言い切れる程先生の性格を把握してはいないけど。
……味方に出来るかは分からない。しかし、やる価値はある。

 

「そうですね……うん、やりましょう!」

 

決まりだ。そうとなれば早速行動だ目指せ陰陽鉄学園だ。
さあボーッとしている暇はない出撃だ!

 

「えっ? い、今からですか!?」

 

無論だ。昔の人も善は急げと言っていたし、思い立ったが吉日とも言っていた。
もしかして、この後用事とかあった?

 

「そういうわけではないんですけど……」

 

大丈夫だ。根拠はないけど。
後日に回して勢いが死んでしまう方が余程怖い。相手は貧弱一般弁士たる我々が戦うには余りにも強大な存在だ。
シラフであの八意先生を説得する自信と度胸があるだろうか。

 

「そ、それは……無理、かも」

 

そうだろう、自分にもそんな自信と度胸はない。だからこそ今行く、勢い任せならなんとかなる気がする。気がするだけだが、気もしないよりは確実にマシだ。
最悪、全く上手くいかなくても、その話をバラまくような人じゃない。そう考えれば今より状況が悪くなることはないし。
……いける気になってきた?

 

「ぅ……はいっ! いけます!」

 
 
 
 
 

ネ実市、陰陽鉄学園。
小中高を詰め込んだマンモス校であり、その規模は月光女学園と比較しても見劣りするものではない。
人数に合わせて縦横に膨らんだ校舎は、通い慣れたものには温かみさえ感じさせるが、他校の人間には威圧感を与えるほどの存在感があった。
下校の途につく生徒達から隠れる位置で、二人が突入の機を計る。

 
 
 
 
 

「ひぅ……」

 

そんなに怯えなくても、校舎が変形して取って食ったりはしないので安心して欲しい。
いや、変形はするかもしれないが、襲ってきたりはしない。しない筈。
っと、そうだ忘れるところだった。 ちょっとそこの陰に。

 

「なんですか?」

 

着替えれ。

 

「え?」

 

月光女学園の生徒が乗り込むとちょっとした騒ぎになりかねないので。制服から装備を変えるとスムーズに侵入出来ますという話なのです。
やましい意味はありませんし、ゲームだから装備変更なんて一瞬だし何もおかしくはないでしょう?
さあ分かったらさっさと着替えるんです。

 

「わ、わかりました……見ないでくださいね?」

 

だから一瞬で装備変更出来るのに見るも何も無いでしょう!? 見ないけど! 後ろ向くけど!
なんか悪いことしてる気分だよ! 自分悪ないよ! 悪いのは世間に違いないよ!
訴えられても絶対負けないし! 正義は我にありだ「終わりましたー」ほら見ろあっという間じゃないか!

 

「これで……大丈夫かな……」

 

これは……白魔用のフード……そう言えばジョブは白魔だったか。銃装備だからたまに忘れそうになる。
ああイケルイケル。あとは校門を堂々とくぐるだけでいい。
……君はよそ見をせず、背中について来るだけでいい。OK?

 

「はい……一体、何が始まるんです?」

 

第三次大戦でないのは確かだ。
しかし何か起こるのも間違いない。だって陰陽鉄学園だもの。
先生のケータイ番号でも知っていれば楽だったが、今更か。それに呼び出す程親しい間柄でもない。
……行こう。付いて来て。

 

「はいっ」

 

重要なのはレイセンの顔や名前、所属が割れないこと。ブン屋共に張り付かれるようになったら今後の活動に大きな支障を来す。
出来れば達成したいのが、学園で騒ぎを起こさないことだが……これは多分無理だろう。
どうせ何か起こるので期待するだけ損だ。なので、君はそのフードをかぶって顔を見せない努力をしてほしい。

 

「それだけでいいんですか?」

 

さっきも言ったが、よそ見をせず付いて来てくれればいい。
あと、誰か近づいてきたら喋らないようにしてほしい。それだけで十分、後はこっちでどうにかする。
……この子に上手いこと言いくるめる能力はないし、とは言わないでおこう。

 
 
 

「それにしても、おっきい校舎……」

 

この学園はそれほど大きいだろうか。
自分の目には然程巨大には見えない……毎月毎日通ってると、その辺り麻痺してくるのかもしれない。
しかし月光女学園もそれなりの規模だったように思ったが。

 

「月女はもっとキチっとしてて……あ、別にこっちがゴチャゴチャしてるって意味じゃなくて!」

 

落ち着いてくれたまえ^^;
別に馬鹿にされたなどと思ってはいないし、仮に馬鹿にされても腹を立てる程校舎のデザインに愛着はない。
それにしても、ゴチャゴチャか……確かにゴチャゴチャしてる。
元は普通の校舎だったろうに、どう増改築したのか、あちこち膨らんだり飛び出したりしている。
まるで学園の在り方を体現したような姿だ。或いは理事長辺りがわざとこの形にしてるのかもしれない。

 

「これが、体現……なんですか?」

 

日常は非日常の連続。陰陽鉄学園は大体そんな感じである。
何もない日はない、と断言しても構わないだろう。イベントが常に待ち構えている。
生徒も教師も一癖も二癖もある奴しかいないから仕方が無い。

 

「なんだか楽しそう」

 

傍から見ている分には楽しい。
しかし当事者になった瞬間そんなことは言ってられなくなる。
始まったイベントは終わらせなければならないのだから……流した汗と時間は返ってこない。
手を変え品を変えやってくる騒動を受け止めてオチをつけるのはこの上ない手間になる。

 

「でも、全然嫌そうに聞こえませんよ?」

 

! ……気のせいだ、気のせい。労力を払うばかりで碌なもんじゃない。
っと、誰か近づいて来る。少しの間、静かに。

 

「わかりました……」

 
 
 

「おーいっ!」

 

やはり来た……ここまでは想定の範囲内だ。
さあ、今からこの状況を突破しなければならない。素早く切り抜けられればいいが、どうなるか。
……君は口を開かないように。

 

「……っ」

 

「帰ったと思ったらこんな時間に戻ってくるなんて。忘れ物か?」

 

きみは……ディオ・ブランドーだね?

 

「そういうきみはジョナサン・ジョースター……って急にネタふりはやめてくれよな」

 

言いながら返しは完璧じゃないか、霧雨魔理沙(きりさめ・まりさ)。
その格好、運動部に顔を出したのか。

 

「また助っ人を頼まれてね。人気者は辛いぜ」

 

全くだ。おっと、ちょっと用があるんだった。また明日。

 

「ああ……って、そういや後ろの子は誰だ?」

 

! …………親戚の子だ。
どうしても陰陽鉄学園を見たいと言うので連れてきたんだ。
来年からはここに通いたいって言って聞かないもので。

 

『そ、そんな嘘で誤魔化せるんですか!? って私中学生じゃありませんっ!』

 

レイセンから裏tellが来たが華麗にスルー。今ちょっと忙しいから!

 

「ふーん、そっか。つまり来年は先輩後輩の仲って訳だな」

 

『誤魔化されてる!?』

 

「じゃあフードで顔を隠してるのは何でだ?」

 

恥ずかしがり屋なんだ。あまり追求しないであげてほしい。
きっと来年には顔も見れる筈だから……そういう訳で、この子の案内をしなきゃいけない。
行ってもいいかな。

 

「私もついてってやろうか?」

 

その汗臭い格好でか。

 

「うっ、着替えるまで待っては」

 

あげません。

 

「なんだよつれないな……分かった。ついていくのは諦める」

 

分かってくれたか。

 

「代わりと言っちゃあなんだが、そのフードの中身、ちょっとだけ見せてくれないか?」

 

何が代わりなのか分からないし、それは出来ない。

 

「どうしてもか?」

 

どうしてもだ。

 

「恥ずかしがり屋を治す練習だと思って」

 

ダメだ。

 

「ちょっとだけ! ちょっとだけだから!」

 

絶対に許さない。

 

「そんなにか。そんなにダメか……なおさら見たくなった! こうなったら、力づくでも見せてもらうぜ!」

 

魔理沙は臨戦態勢に入った。
見えていたオチだが、やはり最後はこうなるのか……自分の交渉スキルが低すぎて生きてるのがつらい。
しかし、こちらにもそれを許す訳にはいかない事情がある。

 

『だ、だいじょうぶなんですか!?』

 

なんとかする! するからちょっと黙って、走る用意でもしておいてくれ。
全く、好奇心は猫を殺すと言う!

 

「そりゃいい。ちょうど使い魔が欲しかったんだ」

 

ああ言えばこう言う!
こうなった以上、先の先を取って自分のペースを握るしか……よし、仕掛ける!
俺のターン!

 

「来るかっ!」

 

閃光玉をくらえ!

 

「うおっまぶしっ!」

 

目潰しは成功したようだ。流石に目が見えなければ追って来れまい。
このまま戦闘を続ければギャラリーが湧くのは必至。そうなれば抜け出すのも難しくなる……きっと正しい判断だった。
周りの目も潰れて逃げるにはもってこいだろう「汚い……さすがPCきたないぃ~」汚いは褒め言葉なんよ。
さあ今の内に校舎内へ……返事が帰ってこない。もう喋っても構わない、ぞ?

 

「目が、目がぁ~!」

 

「うぐぅ……なにもみえない……」

 

しまった。レイセンに対閃光防御させておくのを忘れてた。
どうしよう……運ぶしかない? でも触っても大丈夫だろうか……いや、言ってる場合じゃない。
レイセンの回復を待てば魔理沙も復活してしまうかもしれない。担いででも連れて行くのが正解、だろう。
後でいくらでも謝るので、今だけ我慢してくれ! 失礼!

 

「ぇ? ひゃわっ!? なななにが!?」

 

本当にごめんなさい!

 
 
 

ふぅ……切り抜けた。

 

「ひどいです……」

 

本当に本当にごめんなさい。あの場ではああするしか思いつかなかった。
サングラスでも持たせておけば……いや、グラサン装備とか怪しすぎるような。
それに抱えて走ったのも良くなかった。近づかれるのも嫌なレイセンの気持ちを考えずに……
配慮不足だった。ごめんなさい。

 

「もういいです。そんなに怒ってませんから」

 

それならいいんだが、おもいっきり眉が下がってるのはなんだろう。耳にも元気が無いように見える、のは元からか。垂れ耳だし。
怒ってはいないけど凄く嫌だったとか? ありそうで辛い。
こういうとき、どう挽回すればいいのかわからないの……笑ったら許してくれるかな……
本当、自分は迷惑かけてばっかりだ。

 

「どうかしましたか?」

 

いや、ただの考え事。
そろそろ保健室だけど、いけそう? 少し休んでいく?

「はい……大丈夫です、やれます!」

強い子だ……自分も俯いてる場合じゃないな。
行こう。もうすぐだ。

保健室のドアの前に立つ。ほのかな消毒液の匂いが鼻をついた。
この奥に目的の人物がいる。保険医の八意永琳先生、綿月姉妹の憧れの人。ご丁寧に『在室中』の札で存在をアッピルしてくれている。
賢者だ頭脳だと称される人物から協力を取り付けるためにはどうすればいいのか、ここまで来ても全く分からない。
勝算は薄いが……しかしやらなければならない。ここまで来た時間を、魔理沙の犠牲を無駄にしないためにも。
隣に立つ少女が息を呑むのが見えた。

「あの、ありがとうございます」

何に対しての礼なのかわからない。
礼を言われるようなことをしただろうか。振り返ってみても身に覚えがない。

「ここまで連れてきてくれて……私ひとりじゃ、きっと無理だったから」

そのことか。ならまだ礼を言うのは早いだろう。八意先生との話が終わってからでなければ。

「それなんですが、先生とは私だけで話がしたいんです」

馬鹿な、先生相手に一人でなんて! いや、でも、そうだ。思い出せ魔理沙のときの醜態を。自分が役に立つのか……足手纏い、かもしれないな。
……やれるのか? 先生は強敵だぞ。

「これは私の言葉で伝えないといけない事だと思うから。ここからは私が戦う番なんです!
 だから、待っててください」

そうか……良く分かった。その辺で待ってるから、終わったらtellで呼んでくれ。
これは気休めだが、きっと上手くいく。君ならやれる筈だ。

「ありがとう、ございます……いってきます!」

いってらっしゃい!
レイセンは送り出す言葉には振り返らずに保健室に入っていった。
さっきのレイセンは強い目をしていた。あれなら恐らく、いやきっとやれるだろう。
本気の想いは伝わる。心を揺らす剣があるなら策などなくていい。もう相手と波長が合うかどうかの問題だ。
自分がいてもサポートにもならないことだろう……

さて、話が終わるまで暇を潰さなくてはならないが……いや。
その前に片付けなければならない問題があったか。どうやら少しは役に立てそうだ。

「み~つ~け~た~……さっきはよくもやってくれたな!」

来たか……魔理沙。
完全に頭がヒットしている。これは言葉では済ませられそうにないか。
一応言っておくが、しつこく付き纏ったそっちにも問題はあったんだからな!

「知るかバカ! そんなことより私の怒りは有頂天だぜ!」

ええい! 理性を放棄しやがって! そっちがその気なら相手しようじゃないか。
萃夢想や緋想天じゃあるまいし、黒魔がソロでどうにかなると思うなよ!

「そりゃこっちのセリフだ名無しの権兵衛! 顔出しNGな奴に私が負けるか!」

言ってはならないことをッ!!!

『霧雨魔理沙が粘着してきた!』

………………
…………
……

勝利!
○○の経験値と××ギルを得た!

たおしたマリサがおきあがり、うらめしそうな目でこちらを見ている。
マリサはにげだした!

「勝ったと思うなよおぉぉぉぉぉ…………」

もう勝負ついてるんで。いやぁ文字にすれば10kbは余裕で超える(当社調べ)激闘だった。
PCを特定の誰かとしていないので具体的な戦闘描写が出来ないのが残念だなあ……
時計を見るとそこそこ時間が経っている。結果的にいい時間潰しになった。
そろそろお呼びがかかってもいい頃、『終わりました……』噂をすれば影か。
声のトーンが低かった……上手くいってるといいんだが。

失礼します。

 

「あら、レイセンの協力者ってあなただったの。豊姫と仲良くしてると思ったら……浮気性なのかしら?」

はい。今手伝いをしています。っていきなり随分言ってくれますね、八意先生。
そのような事実はありません。大体浮気と言うほど仲良くもないのです。
……そう言えば、噂の彼女は?

 

「そこにいるわ」

そう言って先生が指さしたのはベッド。このカーテンで仕切られた、

「それの隣」

隣……あ、いた。
そんなところで何をしているんだ……腹でも痛いのか?

「その……気力を、使い果たしてしまって……」

 

休憩中だったのか。なるほど無理もない、八意先生とタイマンだなんて大したもんだ。
自分が同じ立場なら、きっと逃げ出してるに違いない。

 

「さりげなく失礼なこと言ってない?」

 

気のせいですよ先生。
本当に度胸のある娘というか、これが恋する乙女はなんとやらと言う奴なのか。
……で、結果を聞いてもいいか。

 

「…………」

 

…………

 

「…………!」

 

レイセンは無言で親指を立てた。俗に言うサムズアップ。そうか、やったのか!
一歩前進だな!

 

「はいっ!」

 

「あそこまで正面から来られると断れないわ……同じ名前でも違うものね」

 

先生もよく見ると少し疲れたような表情をしている。レイセンがそれだけパワーのある言葉でぶつかっていった証拠だろう。
ところで、後半よく聞き取れなかったんですが……なんて言ったんですか?

 

「ただの独り言よ」

 

「あっ!? もうこんな時間……門限に間に合うかな」

 

門限? いや、詮索は今はいい。
時間がないなら急いで出よう。自分の思いつきのために門限とやらに間に合わなくなったら申し訳ない。
走った方がいいのだろうか。

 

「はい、ちょっとギリギリかもしれません!」

 

よし、駆け足……の前に。
お騒がせしました先生。あと、ありがとうございます! 失礼します!

 

「ありがとうございます! 失礼しますっ!」

 

「慌ただしい子たち……」

 
 
 
 
 

こうして、レイセンは八意先生の協力を得ることに成功した。
心強い後ろ盾を得て、少女の恋路に新たな一歩が刻まれる。全てはお姉さまと結ばれるために。
満足気なレイセンを見て、自分の思いつきも捨てたものじゃないと思うPCであった……

 

五歩ほどあった二人の距離が少し縮まったことに、お互いまだ気付いていなかった……

 
 
 
 
 

レイセンルート二章 完

つづく……のかもしれない。つづかない……のかもしれない。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「もう出てきてもいいわよ」

 

永琳が声をかけると、カーテンで仕切られていたベットから少女が姿を表す。

 

「すいません、このようなことに手を貸して頂いて……」

 

「別にいいのよ。一応確認するけど、あれで良かったのね」

 

「はい、八意様にはあの子の力になって頂ければ。そしてそれとなく手を……」

 

永琳は密かに息を吐く。なんともまどろっこしい話であった。
あの子……レイセンの力になりつつ、一方でレイセンの思考を誘導し、あの協力者の少年と結びつける。
それが目の前の少女に求められた自分の役である。
思春期の女の子の思考をそれとなく誘導するなど、さして難しくはないが……

 

「あなたが自ら動けば済む話なんじゃなくて?」

 

「私は……そういうのに疎いもので。上手く立ち回る自信がないのです」

 

「そう……」

 

これはレイセンに対する裏切りと言える。しかし、それが露見することはないだろう。
あくまで彼女は自ら進路を修正するのだから。自分は彼女の心を少し揺らす、それだけだ。
それに、彼女の意志が硬ければ、或いは……どの道、永琳にとって悪いようにはなるまい。力を貸すというのも嘘ではないのだから。
大体、少女がレイセンを振ってしまえば永琳が出る幕などない。好意が届かないと知り嘆くレイセンを、あの少年は放っておかないだろう。後は時間が関係を育む。
だのにそうしないのは、恐らくは少女もレイセンの事を憎からず思ってるから。自分から言い出せないからレイセンの方に違う人を好きになってほしいのだろう。

 

「あの子が男性とあんなに近くで接するなんて、はじめてのことで……この機を逃せば、次はないかもしれませんから!
なんとしてもくっついてほしいんです!」

 

それが本心なのか、などとは聞かない。永琳にとってかわいい教え子の頼みである。

 

「だからってまあ、おせっかいな話ね……綿月豊姫」

 
 
 

綿月の姉の方、暗躍す。
あとがき
えーりん:スーパースクールドクター。レイセンの協力者なのかも。違うかも。
魔理沙:陸上部の助っ人。やられ役なのかも。次は勝つのかも。
姉の方:この子便利かも。そうでもないかも。
みっつの出来事!:仮面ライダーOOO。
ジョナサン・ジョースター:ジョジョ一部。
閃光玉をくらえ!:GUN道。
wikiのキャラ攻略と違う:割り切った。むしろSSを元にwikiを書き直す勢いで。

 

前回のコメント返信

これは全裸で待機するべきだな、実に楽しみだ

・えちょ 綿月姉妹含めてのハーレムエンドだったら俺得wwwwwww
コメントありがとうございます。励みになります。夏場は全裸待機しやすくていいですね。
ハーレムになるかは……わかりません。ご期待に添えないかもしれませんが、楽しんで頂ければ幸いです。

 

12/2追記
新うpろだへ移植。特に修正とかはないよ!
前回のコメント返信は前のろだ見ないと意味不明だけど残す。
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