SS/妄想SS レイセンルート七章

Last-modified: 2013-11-12 (火) 09:14:53

妄想SS レイセンルート七章
倫理
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月女戦士生徒を倒した!

 

戦闘に勝利!
○×の経験値と○△ギルを入手!
高級傷薬をロット勝ち!

 
 
 

やった! 勝った! 仕留めたッ!!

 

のはいいのだが、今月に入ってから一週間足らずの内に月光女学院の生徒の3度目の粘着である。
しかも全員が全員自分だけを一直線に狙ってくるのがなんとも。
これにはPTメンも苦笑い。避難めいた視線で見つめられるが、まるで身に覚えがない。
自分は一体何をしたというのだろう。

 

っと、倒した月女の生徒が目を覚ましそうだ。
ちょうどいい。話でも聞いてみようか。

 
 
 

なんと倒した月女戦士生徒が起き上がりこちらを見ている……
話をしますか?

 

→はい
 いいえ

 

月女戦士生徒に会話を試みた!

 

「くそ……次こそは必ず! 必ずやっつけてやる!」

 

 落ち着かせる
→追求する

 

恨まれる覚えはないんだが、何故君たちは自分を狙うんだ。

 

「とぼけないで! お姉さまを誑かしたくせに!」

 

→質問する
 逆ギレする

 

お姉さま? 綿月姉妹とはそこまで仲良くない筈だが、人違いではないのか。

 

「人違いなもんですか……レイセンお姉さまのことよ!」

 
 
 

その瞬間、吹き出した自分を誰が責められようか。
あのレイセンが。あのレイセンがお姉さま呼ばわりである。
ベアークローを両手に持っただけで威力が2倍、2倍の回転で更に2倍、3倍の高さから突っ込むと更に3倍になる計算くらい有り得ない。

 

プークスクス……いや、いや失礼。
思いもよらぬ名前が出てきたものだからつい。

 

「バカにして……! 覚えてなさい!」

 

月女戦士生徒はにげだした!

 

素晴らしい捨て台詞だすばらしい。名無しのモブとは思えないな。
しかし、そうか。原因はレイセンにあったのか。
まあ元が分かれば話は早い。早急に誤解を解くべく行動に移らなければ……

 
 
 
 
 

レイセンルート7章 ~誰にだってもうひとつの顔くらいある~

 
 
 
 
 

ところ変わって日付も変わって、くつろぎ喫茶ベヒんもス。
早速レイセンと対策について話し合いをすることにしたのだが。

 

「なんで笑うんですか……」

 

なにか不穏な空気が立ち込めている。
はて、先日の話をしただけだというのに、一体どこに不機嫌になる要素があったというんだ。

 

「お姉さまって呼ばれてただけでなんで笑うんですか!」

 

え……分からないんです?

 

「ちっとも分かりません! お姉さまって呼ばれててもいいじゃないですか!」

 

ははは、面白い冗談だな。
自分が見てきた君のこれまでの言動を振り返って、そこから“お姉さま”などというイメージが湧くと思っているのかね。

 

「うっ」

 

自覚はあるんじゃないか。
そんなザマでよくもこちらに噛み付こうと思えたものだフハハ!
……勝った!

 

「負けた……」

 

と、まあ冗談はさておきだ。真面目な話、どうにか彼女たちの勘違いを止めねば。
放って置くと要らぬ噂を広めかねない。これまでのお姉さま攻略計画がパアになってしまう。
それを許す訳にはいかない……あんまり計画進んでなくね? とか思った奴、後で校舎裏な。
あとこのまま狙われ続けるといつか自分の命が危ない。

 

「そうですね……なんとかしなきゃ」

 

君の方からガツンと言ったら止まらないもんかね?
レイセンの事をお姉さまと慕う連中なら、レイセンに言われれば収まりそうなものだけど。

 

「素直に聞いてくれればいいんですけど」

 

自信がないと仰るか。
実は立場が下の娘にも結構噛み付かれちゃう系だったりするワケですか。

 

「いえ、いつもは皆言う事は聞いてくれるんです。でも……」

 

でも?

 

「こういう話になると、言っても聞くかどうか分からなくて」

 

なるほど。真剣であればあるほど、口でどうこう言ったくらいじゃ止まらないか。
あの連中も、初めて話した日のレイセンくらい入れ込んでると思えば不思議はないな。
……どしたー? 急に俯いて。腹でも痛かと?

 

「違います……あのときのこと思い出したら、急に恥ずかしくなって……うぅ」

 

あれだけの剣幕で迫っておいて何を今更恥ずかしがっているのかね。
『どうやったらあなたみたいにお姉さまと仲良くなれますか!?』だったか。一生忘れねー自信あるね。

 

「う……うぁぁ……」

 

その癖綿月(姉)が来た途端オーラのしぼむ事といったらもうね。
1秒前のお前はどこに行ったのかと。

 

「う、うぐぅ……」

 

「うぐぅ?」

 

……たい焼き娘は雪国に帰れや!
ネ実市でお前のストーリーが進むことはねーから! たい焼きも奢らん!

 

「うぐぅ、ひどいよ……」

 

「……お知り合いですか? 帰っちゃいましたけど」

 

いや、いわゆる“いるだけ参戦”の娘だ。
こんなところでも使わない限りwikiに項目があるだけで終わってしまうしな……

 

「はあ……wiki、ですか?」

 

こまけぇこたぁいいんだよ!
話を戻して、だ。言って聞かないかも知れないなら、一遍倒してからOHANASHIをせねばならんか。
倒して倒せないことはないが、装備がいいから疲れるんだよな……
その上、襲撃のタイミングはこちらには分からないと来たもんだ。いや実にめんどくさい。

 

「彼女たちの呼び出しでしたら」

 

ん、なにか策があるのか?

 

「はい。私にいい考えがあります!」

 

レイセン、それは失敗フラグだ。

 
 
 
 
 

はい、また一日経って放課後なんですが……早速残念なお知らせがあります。

 

「残念なお知らせ、ですか?」

 

PTメンが集まりませんでした。我々は3人で戦うことを余儀なくされます。
……どいつもこいつも用事用事ってチクショウ! 仕方がないけどさ!

 

「私と、あなたと……あれ、今3人って言いましたよね」

 

「うぐぅ、ボクを無視しないでよっ!」

 

「昨日の人……フレンドだったんですか」

 

こいつしかいませんでした……ごめんなさい。

 

「ボクは月宮あゆ。よろしくね!」

 

「あ、レイセンです。今日はよろしくお願いします」

 

もう数合わせでゆっくりでも連れてこようと思ったら、昨日食べられたばっかりで補充されてなかったし……
開幕からグダグダで本当に申し訳ない。
足りない分は自分頑張りますんで……

 

「大丈夫ですよ。作戦が成功すればなんとかなります!」

 

それなんだけど……本当にやるの?
乗っておいて何だけど、上手くいくとは思えないんだが。

 

「きっと上手く行きます! 私を信じてください!」

 

まあ、そこまで言うなら。

 

「それじゃあ、始めます……」

 

「? 何がはじまるの?」

 

これからちょっと忙しいから、たい焼きあげるから静かにしててください(懇願)

 

「わ~い! たい焼き~!」

 
 
 

たい焼きに食いつくあゆをよそに、レイセンはおもむろに携帯を取り出し、ある番号に電話をかけた。
コール3回。通話状態に移行すると同時に、レイセンが少し息を吸う。
トラップ、発動。

 
 
 

「助けてください! 追われてるんです!」

 

グフェフェ、逃しはせぬぞ……!

 

「このままじゃ、捕まって、私……お願い、助けてっ!」

 

無駄無駄……間に合うものか。慰め者にしてくれるわ!

 

「ひ……っ! 嫌っ! 離してぇ!」

 

このまま皮を剥いでいただいてしまおうか、それとも皮ごとドロドロにしてやろうか……楽しみだ。

 

「いやああっ!!」

 
 
 

無駄に力の入った演技であった。言うまでもなく、音声から想像されるような【いやらしい…】ことは何一つ起こっていない。
これがレイセン発案の策であった。名付けて『疑似餌作戦』!
レイセンのピンチという、いかにも食いつきそうな餌によく似せた疑似餌を投げることで、女学院生を釣ろうというもの。

 

ところで上記の口上、特に打ち合わせや練習は行なっていない。
恥ずかしかったり面倒臭かったりと適当な理由をつけて事前練習を避けたのだが、その割には二人共ノリノリであった。

 
 
 

「ん……電源、切りました」

 

よし、後は来るのを待ち構えるだけ……本当に来るものかねえ? 演技だってバレてなけりゃいいけど。

 

「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」

 

その自信はどこから来るのか。
まあ、不安にかられるよりは余程いいだろう。自分も見習うべきだな。
っと、たい焼き娘はさっきから何をぼーっとしてるのか。

 

「ふわぁ……な、なんだか、二人ともすごかったよ!」

 

……感想とか言わんでよろしい。たい焼きあげるから黙ってなさい。

 

「わ~い! たい焼き~!」

 

「昨日はたい焼き奢らないって言ってませんでした?」

 

重箱の隅をつつくのは感心しないな。
昨日は昨日、今日は今日。と言うもので、それに貴重な戦力に臍を曲げられても困るし。
たい焼きひとつで絆ブレイクが裂けられるならいっくらでも買う用意があるのです。

 

「なるほど……私にもひとつください」

 

あのね、あの子のご機嫌取り用だっつってんでしょうが。
君にあげる分は無いのことよ。

 

「拗ねますよ?」

 

はったおすぞテメー。

 

「ちょっと小腹が空いたかなーって、っ! 来ました!」

 

来た? マジか、どこに? 俺のログには何も無いぞ。
つーか本当にアレに釣られたのか奴等は……意外と上手に出来てたみたいだな。
それとも、このいかにも何かありそうな路地裏っていうシチュエーションがいいのか?

 

「私の方にすごい裏tell送ってます。もうすぐ接触します!」

 

OK、あとは初撃を決めれば……いくぞレイセン! 月宮はたい焼きを飲み込め!

 

「んぐっ、むん……っぐ。ま、まにあったぁ……」

 

「用意できてます! ……来ました!」

 

/p 対閃光防御! スタングレネード投下ッ!!

 
 
 

『月女ハード』
レイセンお姉さまの危機を知り、一斉に駆けつけた月女の生徒達。
だがそれはお姉さまの仕掛けた罠だった。

 

月女制式の装備は、こうして自分に剥ぎ取られるために持ってきたんですものね。

 

「目さえ見えれば……こんな奴に!」

 

「よかったじゃないですか。私の騙し討ちのせいにできて」

 

「んんんんんんんっ!」

 

へへへ。おい、抵抗してみろ。念入りに縛り上げてやる。

 

(耐えなきゃ……! 今は耐えるしかない!!)

 

「かばんから生たい焼きげ~っと……食べていい?」

 

(いけない……! スイーツを持ち歩いてるのを悟られたら……!)

 

生月女生の生ピチュりを拝見してもよろしいでしょうか?

 

「こんな奴に……くやしい……! でも……被弾しちゃう!」(ビクッビクッ)

 

「おっと、全員戦闘不能になってしまいましたか。ゲームオーバーのBGMがいつまでも鳴り止まないでしょう?」

 
 
 

以上、ダイジェストでお送りしました。
今ではこの通り、沢山来た月光女学院生は全員拘束されていたのでした。
別にいかがわしい縛り方はしてないよ!

 

「さて、どうしてこのような目にあうか、分かりますか?」

 

「分かる訳ないじゃないですか! なんでお姉さまがその男に手を貸すんです!」

 

既にレイセンによる説得は始まっていた。
相手は完全に頭がヒットしているので、一筋縄ではいきそうにないが。
あとそこのたい焼き娘、そのたい焼きを食うのはやめてあげて。

 

「うぐぅ……おいしそう」

 

装備を巻き上げるためにやってる事じゃないから。
欲しい気持ちは凄くよく分かるけど。この月女制式装備とか状況が許すなら全部頂いてしまいたい……
しかしやらないのが理性。人は獣にあらず。

 

「お姉さまはそいつに騙されているんです! 目を覚ましてください!」

 

「騙されてなんていません! 私の友達を悪く言わないで!」

 

ちょっと目を逸らしていた隙にレイセンまでヒットしてしまった。
主導者と思しき一名と大声で言い争っているあるさまである。
この展開はよろしくない……レイセン、ちょう交代な。

 

「でも!」

 

いいから、たい焼きでも食べてな。月宮にやる分がまだ余ってるから。

 

「はい……」

 

さあ選手交代だ。楽しい楽しい説得の時間ですよ……
おや、怯えてらっしゃる? 何もしないってばぁ(ニコリ

 

「ひっ!」

 

縛られてから言われても説得力がないってか、ごもっとも。解かないけど。
そして君たちがどれほど怯えていようと、そのままやらせてもらう。
質問だ。何故レイセンお姉さまが自分に誑かされた、などと言うのかな。

 

「…………」

 

オット! 答えないという選択肢を選ぶのはいいが、もう少し考えてからの方がいいんじゃないかな?
俺はこのままタイムアップ、もとい帰宅してもいいのよ。無論縛ったままで。

 

「そ、そんな事をしてタダで済むと思ってるの?」

 

タダじゃあ済まないだろうな……“後”でな。
でも“今”タダじゃあ済まないのは、どっちだろうな?
もう一度聞こうか。レイセンお姉さまが誑かされた等と、何を根拠に言うのかな?

 

「…………ッ!」

 

……よし、帰るか。レイセン撤収ー!

 

「え? でもまだ話は終わってないんじゃ」

 

今は話したくないみたいだし、また後日ってことで。さあ帰ろう。
二人してたい焼きつまんでないで、立った立った。

 

「もっと食べたかった……」

 

「でも、まだ縄解いてないですし」

 

じゃあ、うん。先帰ってて。縄は自分が解いておくので。
大丈夫何も問題はない。

 

「あ……分かりました。じゃあお願いしますね」

 
 
 

レイセンが後ろを向くと同時に、生徒達に向き直る。その顔に笑みを浮かべて。
しかしその目は、全く笑っていなかった。
生徒達はこのままではどうなるか、頭ではなく心で理解した。この男は冗談でなく、実行する気だと。

 
 
 

「待って!」

 

何を待て、と?

 

「話す……話しますから……」

 

素直になってくれてなによりですよ。いやあ罪悪感で胸が痛むね。
レイセン、やっぱ帰るのナシの方向で。

 

「はいっ」

 

「ボクは?」

 

あー、帰っていいよ。今日はありがとうな。
あと、今日こそは雪国に帰れよ。手伝ってもらっておいてなんだが、君の居場所はこの街じゃないのよ。

 

「うん! またね!」
『Ayuがパーティから離脱しました』

 

……あいつ、またねって言いやがった。このままではいつまで経ってもKANONが始まらんぞ。
まあ、いい。今気にすべきことじゃない。
キリキリ喋っていただけますね?

 

「はい……」

 

/p レイセンの策がこんなにサクサク進むとは思わなかった。失敗フラグ立てた癖に……

 

「/p だからいい考えがあるって言ったじゃないですか。
 /p 自分が言うのも何ですけど、緩急をつけて絞れば、大抵の月女の生徒はすぐに弱音を吐きますよ」

 

/p 育ちがいいってのも考えものだな。

 
 
 
 
 

まとめるとこうか。

 

・お姉さまが市内で男とデートしていた
・お姉さまには既に想い人が……
・これは悪い男に捕まったに違いない!

 

と。妄想も大概にしろ。
しかし、あの時見られてたのか(6章)。いや見られてない方がおかしいのか。地元だもの。
あれはデートだけどデートじゃないんだ。

 

「えっ? あれってデートだったんですか?」

 

デートの定義にならえばデートだろう、多分。
そういうつもりではなかったからデートではないが……わかりにくい! とにかく違うんだ。
てか、アレだ。レイセンのアレってやっぱりバレバレだったのね。

 

「アレって……あ!」

 

想い人ですってね。実際、あの綿月姉妹への態度じゃ誰が見たって一発だろうよ。
もうこの子らに隠す必要もなくなったし、結果的に心強いバックアップが出来たんじゃないか?

 

「お姉さまには絶対に言わないでくださいね! 絶対ですよ! 必ずですよ! 言ったら怖いですからねっ!!」

 

「は、はぃぃ!」

 

聞いちゃいねえ。
いいや、目的を済ませよう。ちょうど主導者っぽい娘がフリーだし。
これで誤解は解けたと思っていいのか。

 

「はい……すいませんでした。早とちりしたばっかりに」

 

いいってことよ。間違いなんて誰にでもあるし、これで済んだならそれでいい。
他にも面子がいたらその子らの誤解も解いてくれればバッチリよ。もう襲われるのはこりごりだ。

 

「これで全員です」

 

そりゃ良かった。手間が省けたな……なんか急にしおらしくなったな。
正直急すぎてちょっと気味が悪い。一体どういった風の吹き回しだ。

 

「気味が悪いって……その、お姉さまがあれほど気を許してる人が悪人である筈もないと思って。
 男の人の前であんなに笑うお姉さま、見たことがないから」

 

そーなのかー。信用されてるんかね。
しかし、レイセンがお姉さまね。そんなに普段はキリッとしてるのかい?

 

「それはもう! 私たちを指揮するときのお姉さまの凛々しい姿ときたら……!」

 

にしては今ゆるゆるだが。
そういう顔はやっぱり想像つかないな。

 

「それは、もしかしたら、あなたがいるから……」

 

ん、何か言った?

 

「いえ! なんでもないです!」

 

そうか。よっしこれにて一件落着! 今日からは安心して下校出来るってもんだ。
じゃ、帰るか。っと、縄解いてかないとな。

 

「私がやります。このまま一緒に帰りますから」

 

いいのか? 悪いね。それじゃあまた今度。

 

「はい」
『×××××がパーティから離脱しました』

 
 
 

男が去ると同時に、お姉さまの目がすうと細まるのを、生徒達は見逃さなかった。
空気が冷えるのを感じる。気付けば鳥肌が立っていた。

 

「あの人は、私にとても良くしてくれてるの」

 

いつの間にか、お姉さまの手には長銃が握られていた。
ゆっくりとお姉さまが歩み寄る。身動きの取れない生徒達は、ただ身を震わせるしかない。

 

「私の大切な友達……だから」

 

「だから、二度とこういうことがないようにしてね? 次はないから」

 

息が詰まる。
お姉さまが怒声をあげることは少なくないが、こうも静かに怒ることは滅多に無い。
つまり本気の……ここまで怒ったところを見せるのは綿月姉妹に関すること以来であった。

 

「返事は?」

 

「はっ、はいぃ!!」

 

「……じゃあ、帰ろっか」

 

表情を緩めるお姉さま。しかしその人差し指が引き金にかかっているのを生徒達は見逃さなかった。
全身に鳥肌が立った。

 

こっそり様子を見ていたPCは、からかうのは程々にしようと誓うのであった……

 
 
 
 
 

レイセンルート7章 完

 

続くといいんだけど……
あとがき
ドーモ、ドクシャ=サン。サクシャです。ニンジャスレイヤーは実際面白いので皆も読むべき。センデン!

 

月女生徒:オリキャラ。多分次の出番はない。
うぐぅ:ゲスト出演。きっとネ実市では話が始まらない娘。多分次の出番はない。
ゆっくり:鉄学園では学園に生息する饅頭。饅頭なのに生息とはこれいかに。饅頭なので誰かに食べられることもある。
/p:チャットコマンド。/pでパーティ内だけで話ができる。
月女ハード:“クリムゾンハード”でぐぐれ。
×××××:伏字。例え何文字でも×××××である。

 
 

前回のコメント返信
>けよりな……
>まさか八月の名作、瑠璃色なあのお話ですか?
コメントありがとうございます。ほかに あるまいよ!

>そしてレイセンがどんどんアレな方向に……
アレとはなんだアレとは。いや言いたいことは分かってる……つまりアレだろ? アレ。うんうんわかるわかる。

>どんどんレイセンとの仲が近づいていきますな。
>良きかな良きかな。
コメントありがとうございます。仲良き事は美しき哉。

>捏造設定は中々面白いですよ。
>こういう考えもあるのか!と思い知らされます。
そう言ってもらえると有り難いのです。自信なんていつもないのよ。

>次回もレイセンと地獄に付き合ってもらう。
レイセンの飲むコーヒーは、甘い(多分)。

>新作来たかと思ったら、もうコメントが……俺がスロウリィ!?
コメントありがとうございます。お待たせしました! みのりさぁん!

>それにしても素のレイセンちゃんかわゆす……
>倫理氏の書くキャラは相変わらず活き活きして凄く妬ましいです!
そんなに褒めても何も出ね~ぞコノヤロ~!

12/2追記
新うpろだへ移植。特に修正とかはないよ!
前回のコメント返信は前のろだ見ないと意味不明だけど残す。
随分書いたつもりでいたが、まだ7本しか上げてなかったことにこっそり驚愕。
倫理 [添付]