SS/妄想SS レイセンルート十ニ章

Last-modified: 2013-11-12 (火) 09:25:49

妄想SS レイセンルート十ニ章
倫理
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「はぁ……はぁ……」

額に汗が浮かんでいる。
肌にわずかに張り付いた髪が、上気した頬が、熱の篭った吐息が、どれをとっても扇情的だ。
伏せられた瞼の下で僅かに潤む瞳などもうたまらない。
荒れた呼吸を整えようとあえぐ喉や、連動して上下する胸のあたりなど、正直凝視しないよう我慢するのに必死な状態だ。

そんなとてもそそる状態の彼女なのだが、そう堪能している場合でもなかった。
どうして……

どうして男口調を維持するだけでそんなに疲れてるんですかね!?

「そんなこと言われてもぉ……大変なんですよぉ」

レイセンルート12章 ~夜の兎~

お前はダメだ! 全然ダメだッ!

「そんな、大声出さなくても、聞こえてます……」

文化祭までまだ日があるとは言え、ちょっと目を見張るものがあるぜこいつは。
連続で維持出来るのがウルトラマンの滞在時間に毛が生えた程度ってのは不味かろう。

「ウルトラ?」

嘘だろ通じない!?
最近だとケータイ会社のCMにも出てたじゃないアレよアレ。な? な?

「あー……あぁ、あの赤と銀の」

ああ良かった。何か自分達の間に埋めがたい溝が生まれる所だったよ……

「そんなに好きなんですか」

好きと言うか、男なら一度はウルトラマンに憧れるもの(キリッ)
……そこ! 笑うな!

「だってぇ、自分でキリッとか言うのずるいですって、ふふっ」

ポーズとっただけじゃあ効果音は付かないからしゃーなしなんだよ、わかれよな!
全く……で、だ。どの辺が辛いのよ?

「え? あ、えーっと」

いやいや、君の演技の話をしてたじゃないか。そこでボーっとされるとこっちも困る。

「思いっきり脱線してたのに急に戻されるとこっちが困ります」

無理にでも戻さないと脱線し続けるから仕方がない。
君には多少割りを食ってもらうが、分かって欲しい……

「むぅー」

ハイそこむくれない。
(その大変愛らしい表情に頬が緩まないよう必死なのはここだけの話であり口外無用だ)
実際の所、男口調そのものはいくらか様になってきているが、どうにも演技時間が伸びないのがな。

「当たり前にしてきたことを縛るのって、予想以上に疲れるんです……」

ほむ。それは、男口調が当たり前の存在になったりはしないものだろうか。

「そうなればと思ってはいるんですが」

ほむむ……
しばし沈思黙考する。どうにも上手くいかないものである。
何かレイセンの意識改革を促すものがあればいいのだが……
お、何かこうビビッと来た。

「何かいい案、きましたか?」

少し言っていいものか悩む。が、別に構わないだろう。
話す事で何か名案が閃くかもしれない。脳を刺激すべきだ。
じゃあ、聞いてくれ。

「どきどき……」

洗脳、とか。

「嫌ですよ!!」

ですよねー。まあわかってた(予知)
しかし食い付いてくる可能性が微粒子レベルで存在している以上は口にしてみないと。

「微粒子も素粒子もありません!」

ありませんか?

「あ・り・ま・せ・んっ!」

そうですか……ところでレイセンには何かこうアイデアが来たりしないか。
今の会話で脳の使ってない部分が刺激されて策がひねり出されたりとか。

「いえまったく」

よどみなく言い切ったレイセン。その緩んだ表情から一つの意志を読み取れた。
そんなバカなと思う。いやしかし自分の直感は迷いなくその選択肢を指差している。
お前……まさか……

何も考えてないだろう!

「てへっ☆」

お前のことでしょー!?

「任せておけば大丈夫かなーって……」

こんなことで依存されても嬉しくない! 全く嬉しくない!!
三人揃えば文殊の知恵とは言うけれど、ひとりじゃ並高校生級の脳みそしかないんだからねっ! ついでに言うと二人しかいない!
もうっ!

「もうっ、とか言ってもかわいくないですよ?」

うるせえよ!? 別にかわいさアピールしてないし!
頭痛くなってきた……いいや、今日はこれでお開きにしよう。
まだ猶予はあるし、何よりレイセンも疲れただろう。

「そうですね、ちょっと疲れちゃいました」

振り返ってみれば毎日練習ばっかりしてるしな。いい加減溜まって……そうだ。

ふと、日頃頑張っているレイセンに気晴らしをさせてやろうと思いつく。
中々悪くない案のように自分では思える。実際練習の終わりだというのに、レイセンの表情はいまいち冴えない。
何か新鮮な経験をさせてあげるといいのではないだろうか。

ヘイ彼女!

「な、なんです?」

ちょっとbokuと遊びにいかなぁい?

「……頭でも打ちました?」

人が気恥ずかしいのを必死にこらえてるのにそういうこと……言う奴だよね、うん。知ってた。
冗談は置いておいて、ちょっとこの後付き合わないか。

「え、でも……時間が」

そう、そろそろ夕暮れ、すなわちもうじき夜だ。
月光生まれ? の月光育ち、良さそな奴らは大体友達、そんなお前が夜のネ実市をどれだけ知っているというのか!
……夜遊びって胸キュン?

「だから時間が」

ささやかな、実にささやかな抵抗だ。
どれ、イイコちゃんぶる必要がないことを教えてあげようじゃないか。
知ってるんだぜ、月女の寮生は仲間内で口裏を合わせて夜遊びを助ける事があるんだってなぁ……

「何故……どこでそれを!」

君の後輩達はいい子だが、いささか誘惑に弱い。ちょっと餌をちらつかせただけで喋ってくれたさ!
おかげで自分は部外者にしては月女の内情についてよく知ってる方だと思います。

まあ、無理にとは言わない。けど少しくらい気晴らしをしてもいいんじゃないか。
放課後も練習練習では飽きるだろう。レイセンには息抜きが必要だと自分は思うが、どうか。

「うむむ……」

あと一押しと見たり。つまりもうトークは必要ないということ。
すなわち一押し(物理)である。
まあまあ、シャッチョサン、ワタシイイオミセシッテマスネー。

「なんでカタコトに、待って、押さないでぇ~!」

はい一名様ごあんなーい。

ネ実市・夜

ネ実市の夜は明るい。
夜遊び好きな学生や、仕事帰りの社会人、そこに外界から戻ってきた冒険者も加わり、大層な賑わいを見せる。
街では多種多様な人種が混ざり合い、そればかりか妖怪や友好的なモンスターまでいる。人間視点で獣人が目立たないというのは中々見れるものではないだろう。
行く先々で屋台やバザーが広がり、誰も彼も忙しなく動いている。
騒がしい街並みを見てレイセンは何を思うのか……

ちなみにこの二人、余計な噂にならないよう変装中である。
私服装備に変え、ウサミミを帽子で隠しメガネをかけた程度であるが。男の方? 知らんな。
別装備という名の着替えを入れておけるかばん様々である。

「眩しい……」

そういうものか。
住んでる分には当たり前の光景だが、やはり外から見ると違うようだ。

「トゥー・リアも夜は賑やかになるんですが……流石にここまではないですね」

……そう言えば、自分の中では月女の辺りは夜になるとすごく暗くなるイメージがあったな。皆即寝てそうな。
良くも悪くも俗っぽい本性を知った今では有り得ない発想だが。

「外から見ると、そんな暗い印象なんですかね?」

お固いエリート校って感じだからな、ヤワな印象は持たれにくいだろう。現に自分もそうだった。
外側だけじゃ物事を分かったとは言えない訳か。

「そうですねぇ……私も陰陽鉄学園の事をとんでもない不良校だと思ってましたし」

今は?

「いいところだと思います。ウチには負けますけどね!」

鉄学園より良いとは、言うじゃないの。
しかし反論するだけの材料を持たないのであった。何せ女子高に乗り込む訳にもいかない。
これじゃあ、もうどうしようもないじゃないか!

「ふふふ、反論がないなら私の勝ちですよ」

汚いなさすが玉兎きたない……!
次はこうはいかないかんな! 覚えとけよ!

「挑戦者受付中です! ……一度くらい、学園の中を案内してあげたいとは思うんですが」

気持ちは嬉しいが、やめておいたほうがいいだろう。あらぬ誤解を生むだけだ。
それにー? レイセンサンに縁もゆかりもない男をあの月光女学院に通す権限があるとは思えませんしー?

「バカにして! 私だって、私だって!」

やれんのか!?

「……そのうち!」

ダメじゃねーか!

「あ、アレなんですか?」

話題をそらすな! えーっとアレはだな……

「乗るんですか!?」

そりゃあ、無理矢理連れて来ておいて案内のひとつもしないんじゃあ、よろしくないじゃないか。
ガイドの真似事くらい致しますとも。それでは左手をごらんください。

ヤグード教団の施設

レイセンの目に止まったのはヤグード達の憩いの場であった。
現代的な建物の並ぶ中で、ヤグードの文化・建築学に基づいて作られたそれは露骨に景観から浮いている。
しかしヤグード達にとってはそれが良いようだ。
特に人間様式の交番などで勤務する天狗ポリスにとっては正に癒しであり、実際休憩時間はわざわざここまで移動する者も。
現人神はネ実市の外だし仕方ないね。

「はあ……あれがそうなんですか。実物を見るのは初めてです」

マジかよ珍しい……いや、言われてみればトゥー・リアでは見たことがないような。

「そもそも獣人が少なくって。私のような妖怪はいるんですけど」

土地によって住人も変わるものなんだな。
こっちじゃヤグのいない生活なんて考えられないよ。主に天狗ポリス的な意味で。

「確かに、そこかしこにいますものね」

私服に着替えておいて正解だった。
さ、次行こうか。あそこにヤグード以外が入ると怒られたりはしないが、露骨に睨まれるからな。

「はーい」

「なんだか水筒持ちの人をよく見るような」

んー? 水筒……あれか。河童の連中だな。

「河童」

イエス河童。頭の皿が乾くと死ぬからな。ああして水筒で水を持ち歩くんだ。元が河育ちの奴らは大変だ……

河童の水筒

ドロップアイテム
河童達のライフライン。探せば水道くらいいくらでもあるネ実市であるが、だからと言って自分が探せる状況にいるとは限らない。
そんな時のために常に水をたっぷり溜めたものを持ち歩いている。入っているのはただの水なので他種族が使っても意味はない。
何かの素材には使えるかもしれない。
別に水筒を手に入れたからと言ってどこかで取られた河童が干上がって死んでいたりはしないので安心して欲しい。

河童を見るのは初めてなのか?

「ないことないですが……こうして意識して見るのは初めてかも」

ほう。これはなんとも……教え甲斐があるのか。
むしろ勉強になると言うべきか。河童の水筒なんて日常的すぎて逆に忘れてたし。

『つまりWIN-WINの関係ということ』

? ……!? 誰だよ!?

『スミカ・ユーティライネンです(´・ω・`)ノシ』

名乗られてもどちら様か分からないから! 帰れよ!

『(´・ω・`)』

スミカと名乗った女は歩いて帰っていった……

何だったんだ……

「お知り合いですか?」

いや、完全に初対面だ。記憶に該当する奴はいない。
スミカ・ユーティライネン……一体何者なんだ……
粘着されなかっただけマシだと思っておこう。

「いるんですねえ、ああいう人」

春はまだ先なんだがな。
お。ところでレイセンさん。

「何か用ですか?」

お腹空いてますか。

「空きました」

……あれ? おかしくね?
そこは「空いてません」じゃないんですか?

「何事も正直が一番かと思いまして。
 と言うわけで、何かおいしいものを食べられる場所へ連れて行ってください!」

全く……かしこまりましたよお嬢様!
あんまり期待すんなよ懐具合とかと相談だかんな!

「え! おごりですか!」

えっ、いや、ええと…………そっすね。

湯豆腐

豆腐(この場合木綿豆腐)を湯につけたもの。
ニコニコ県における湯豆腐の根付きは、古くは当時の博麗の巫女が貧困にあえぎ、湯豆腐で日々をしのいだ事から始まったとされる。
今日でも当代博麗の巫女、博麗霊夢が愛食しているという話も。
我々の世界のオススメには木綿豆腐はあるが湯豆腐はない。

「嫌がらせですねわかります」

ちょっと待てよ! いや言いたいことはすごくわかるが。湯豆腐とか確かにちょっとないと思うだろう。
しかしだ。まず食って、それから文句をつけてほしいね。

「むぅ、そこまで言うなら……いただきます」

ドキドキ……ドキドキ……

「……! そんな、まさか」

さあ、聞かせてくれ。君が見つけたファクターを!
レイセン!

「この豆腐……木綿豆腐の絹にはない、柔らかくも確かな食感。
 そして味も、ほのかな甘味はしかし決して消えることなく、舌の上で踊り続ける……
 この湯……これもただのお湯じゃない。
 口当たりが良く、豆腐に良く合う。この豆腐のために用意されたものに違いありません。
 僅かに付けられた味も高評価です。
 更にこのネギ。余計な存在と思いきや、豆腐とは異なる食感が食べる者に飽きを覚えさせない。
 豆腐とケンカしない味も見事です。
 最後にポン酢……そのまま食べても美味しい湯豆腐をしっかりと包み込み引き立てるその酸味。
 これは……これは……!」

では総評をお願いします。

「おみそれしました!」

むふーっ(鼻息)。どんなもんじゃーい!
豆腐料理、特に湯豆腐はネ実市の隠れた名物といったところか。
よそ者には教えたくない、独占したい名物として、地元民の間でだけ有名な代物だ。

「いいんですか。私に教えちゃって」

一向に構わんよ。だってレイセンだもの。

「え……それは、つまり」

お、っと。友達だろう? 知っていて欲しいと思って何かおかしいか?
どこもおかしくはないね。全く自然な感情の流れじゃないか。疑問をはさむ余地のない話だ。
さて、何かおかしいところでもあったかい。

「あ、あははっ! そうですよね! いえ何もおかしくありませんっ!」

どうやら煙にまく事に成功したようだ。危ない危ない。
何か反応がおかしかったような……多分気のせいなのだろう。その考えは思い上がりも甚だしい。

それにしても、ウロウロして湯豆腐食っただけのような気がするのに、嫌に時間が経ってるな。

「ウロウロしている時間が長かったですから」

そうだったか? そうだったかもしれない。
流石にそろそろ帰らないとまずい時間になるか。

「そうですねえ……ちょっと名残惜しいですが」

楽しんでもらえたようで何より。それじゃあ行きますか。

「それじゃあ、また」

そう言って帰路へつくレイセン。その後ろに続くPC。
当たり前のように付いて来るPCを見て不思議そうな顔をし、次に首をひねり、最後に頭の上に電球を浮かべた。
謎は全て解けた! と言わんばかりの表情だ。
しかしその明るい表情はすぐさま曇り空に変わる。困惑、或いは疑問の空模様だ。

「ひょっとして……送ってくれたりしちゃったりするつもりです?」

だって、夜道を一人で帰らせるなんて何か危ないフラグが立ちそうじゃないか。
誘った側としての責任もあるし、ここで見送って一日終了。なんてありえないよ。

「でも、私に付いて来たらあなたの帰りが遅くなるんじゃ」

そんなものはどうとでもなるからいいんだよ。
先に言っておくと、大変迷惑だとか言うんでなければ、勝手に付いて行くからな。お家特定とか恥知らずな真似はしないと約束もしておく。

「寮暮らしだって知ってるのに特定も何もないですよ。
 …………その、じゃあ、ご迷惑でなければ……お願いします」

あいよっ。

帰路を行く二人の間に、微妙な空気が流れた。
話を振ろうとしたのだが、後ろから見えたレイセンの頬が赤かったような気がして……何も言えなくなってしまった。
むずがゆいような、締め付けられるような、言葉にするのが難しい沈黙。しかし、それはどうにも不快ではないのだ。
なにか、間違った(望んでいた?)道に進もうとしているような。
どこでボタンを掛け違えたものか。街を案内している時はいつも通りだったと言うのに……

「……」

……

「あ、あの」

な、何か。

「ここまででいいです。後はひとりで大丈夫、ですからっ」

そうか、うん。じゃあ、また……ええいっ!

「わっ!? 何ですか急に大声出して」

何でもない! 気をつけて帰れよ!

「は、はひっ! それじゃあま「見つけた!!」、えっ?」

何奴!?

それは、長い耳と長い髪、そして長い足を持っていた。そしてスカートは短かった。その上スカートの上から尻尾が生えていた。あざとい!
月明かりに照らされてなお輝く真紅の瞳。こちらに向けた指先はさながら銃口のよう。そしてスカートからすらりと伸びた脚線美。あざとい!
もうお分かり頂けただろう、その名も!

新参ホイホイ!

「違う!! 鈴仙! 優曇華院! イナバ! だっての!!!」

おまけ 今日のうどんげ

「やっと見つけたわ……」

それで、そのうどんげさんが一体何のご用件でございますの? もう夜も遅いというに。

「うどんげ言うな! こんな時間になったのはあんたが放課後になるとすぐさまどっかに消えるからでしょうが!」

そっちの都合とか知らんし……いや用件は。

「この間の落とし前を付けに来たのよ」

怪訝な顔をするPCとレイセン。
しらばっくれるつもり! とうどんげの既に逆立っていた眉が更に吊り上がる。

「この前の訓練だかなんだかに、てゐを巻き込んだでしょう!」

おお、と二人揃って手の平をポンと打つ。11章のおまけ話か。
唐突に幕間の話でもされたらどうしようかと、PCは深く安堵した。
しかし、トラウマ解消のために手を打ったのだから、感謝されこそすれ非難されるいわれはない筈。
大体その件については……

てゐ先生とは話をつけてあるのだが。

「話も何もないわ。どんな理屈だろうと、あんな危険な事に関わらせた奴を許す訳にはいかない!」

あ、これは話通じないな。PCは早々に見切りをつけた。
彼女は今、理屈ではなく感情で立っている。交渉も説得も無意味だろう。
いつだか自分も似たような状態になったのを思い出し、苦笑いする。相手にするとこんなに面倒なのか。
……無理もないのか。冷静になってみれば、てゐは幼稚園児。やけに話しやすい相手だからそれを失念していたようだ。

つまり、逃げるわけにもいかないか。レイセン。

「はい」

銃剣構えてやる気マンマンなのはありがたいんだが、帰ってくれ。

「え、でも」

いいんだ。振り返ってみれば確かに自分が悪かった事だし、それに時間が時間だろう。

「むぅ…………わかりました」

そうと決まれば……
ここは俺に任せて、早く行けぇっ!!

「へ!? え、と……はい! どうかご無事で!」

レイセンは不安そうに一度振り返り、それから走って去っていった……

「別れの挨拶は済んだ?」

お待ちいただき感謝の極み。一度言ってみたかったセリフなんだ。
……やれよ。

「それじゃあ遠慮無く」

レイセンルート12章 完

「ふぅ……あ。あああ……そうだった、頭に血が上ってて忘れてた……」

「私こいつにお礼言わなくちゃいけなかったんだ……(10章)」

「ま、まあ、しょうがないよね? てゐの事のが優先順位高いもんね!」

「……はぁ~」

つづく
あとがき
元ネタ解説とか別にいらないんじゃないかなと思った。のでカットします。
あるんじゃないかな、と思ったネタを放り込んでみる。人間だけが生きてる訳じゃないなら、相応の施設や装備があってもいい筈。
湯豆腐は……まあ、陰陽鉄リスペクトとでも思ってもらえれば。

前回のコメント返信
>いよいよ心苦しい展開も来たな…ギャグなのかシリアスなのかちょっと分かりづらいけどww
コメントありがとうございます。真面目な展開って書くの疲れるし……
>頑張れ二人のレイセン、お前たちは出来る子だ
だってレイセンだもの。

>最初の一撃から、刹那い。
コメントありがとうございます。最初から最後までクライマックス! とか出来たらいいのですが。
>主人公の葛藤からシリアスかと思ったら、レイセン中毒症状でシリアルになったでござる。
>今の話が重くなりすぎない感じが中々に良いです。
真面目な展開って(ry 
>ギャグのノリは読んでいて普通に楽しいし、それでいて主人公がこの先どうなるのか、というドキドキ感も感じるので。ネタを挟まないといけないのは作者のSAGAなのかもしれませんが。
楽しんでもらえてるようで何よりです。この先どうなるかは……脳より指に聞いてください。
>ちなみに。弁解は罪悪と~はモンタナ・ジョーンズですね。
おお あなた やさしいひと! わたし うれしい!
倫理