野外学習での1コマ~出発編~
ですさいず
注意事項!
・このSSはニコニコ動画に投稿されている『東方陰陽鉄』の派生である『陰陽鉄学園』の2次創作モノです。
・陰陽鉄本編並びに学園モノWikiの設定とはキャラの扱い、立場、話の流れが異なるところが多分にございます。
・ブロ語スキル素人、SS投稿久々というあるさま。
・「おまえそれでいいのか?」「こんなものを書いて大丈夫か?」「お前俺の嫁ディスりよるんか!?」という方は、ブラウザからカカッっとバックステッポして下しあ;;
・「こまけぇこたぁいいんだよ」「大丈夫だ、問題ない」「私は一向に構わんッ!!!!」という方は、このままお進み下さい。
青い空。
白い雲。
煌く太陽。
夏も盛りの八月中旬、ニコニコ県ネ実市にそびえる超マンモス学園『陰陽鉄学園』では、毎年恒例となる野外学習の日を迎え、いざ出発……となる前に、注意喚起も兼ねた集会を行なっていたところである。
毎年六月頃にアンケートが取られ、その結果によって臨海学校か林間学校かが選ばれ、今年は林間学校となっている。
今年入学したばかりの一年生にとっては初めての大規模な集団行動イベントであり、また引率する上級生や教師一同にとってもやはりこういったイベントは素直に楽しみとしていることであろう。
出発を前にしている参加者一同の顔色はそれはもう…………
暑さでグッタリして息も絶え絶えといった有様であった。
「…………というわけでありまして、見学者である以前に個人個人が陰陽鉄学園の関係者であるという自覚を持った行動を行うことを…………」
「会長……四季会長」
「……何ですか笠松副会長、話はまだ終わっては……」
壇上でマイクを前に演説と聞き違えんばかりに話している生徒、生徒会会長『四季映姫』の話を、副会長『汚い忍者』、またの名を『笠松ノブオ』が肩を叩いて止めに入る。
「いや、もうかれこれ一時間になるじゃないですか話。見てくださいよ生徒達の顔を」
「顔……って……」
忍者に促されて一同の顔色を見る映姫。
その様子を見て「やっと終わるのか!」「長い!」「来た!終わり来た!!」「メイン説教終わった!」「これで勝つる!!」と生徒一同は思ったとか思ってないとか。
ところがドッコイ。
「……何ですかあなた達は!人が話をしているというのにそのだらけきった態度は!?人の話を聞くときは背筋を伸ばす顔を見る……!!」
「会長の長話が原因だって言ってるでしょうが!出発予定時間遅れに遅れてるんだからいい加減終わらせてくださいよ!!」
何を勘違いしたのかくたびれた顔色が真面目に話を聞いていないと見えたらしく、更なる説教スキルが発動しそうになったところを忍者によるツッコミが入る。
結局、映姫が生徒会役員一同の手によって壇上から連れ去られることでスーパーお説教タイムは終わりを告げたのだった……。
「・・・・出発前からすでに疲労がストレスでマッハな不具合があるんだがこれ絶対忍者のしわざだろ・・・汚いなさすが忍者きたない」
「いや、この場合忍者が収集つけなかったらもっと長引いてたと思いますよ?」
「確かに。今回ばかりは忍者グッジョブと言わざるを得ないな」
そんな生徒会のコントをグッタリした表情で見ていた一年⑨組のエルヴァーンの男子生徒『ブリリアント・アンルリー・レーザー・オブ・ノーブル・テザー』略して『ブロントさん』(謙虚だからさん付けでいい)の辟易とした呟きは、肩と腋が露出した独特なセーラー服を着た黒髪の女生徒『博麗霊夢』と黒い三角帽子を被りブレザー装備の金髪の女生徒『霧雨魔理沙』の2りのログにちゃんと残っていたらしくツッコまれる。
「ま、それはそうと、いい加減出発しなくてもいいのかね?予定より大幅に遅れてるぜ?」
「その意見には「」確かになと思ったな?いつまで経っても出発できない野外学習に未来はにい(絶望)」
ふと時計を確認した魔理沙が、出発時間についての疑問を口にし、ブロントさんも頷きながら賛同する。
「……ん、そろそろ動きがあるみたいよ?」
そんな中、映姫が強制撤去された後の壇上に動きがあったことを霊夢が伝える。
壇上に新たに上がったのは、陰陽鉄学園の理事長である『八雲紫』。
マイクの前まで歩み寄り、しばらくして発した言葉に……
「え~本日はお日柄も良く……」
一同のずっこける音が校庭に響いた。
「何がお日柄も良くだ良すぎて頭沸騰寸前だコノヤロー!!」
「これからまた何時間も長話とか冗談じゃねーぞ!?」
「おら!さっさと出発しろ!!(ゲシゲシ)」
「ドッゲッザー!ドッゲッザー!!」
「貴女のパンツを見せて下さい!!」
「ちょ、ただの冗談だから!?場を和ませようとしたちょっとした……痛っ、石投げないでー!?;;」
さすがにタイミングが悪かったようで、石とか何やら投げつけられて散々に扱われるあわれな理事長。
「ま、あれは紫が全面的に悪いわ」
「だな、暴動が起きてもおかしくは無かった」
「確定的に明らか」
「えー、それではこの時間は私からの話ということになっていますが……ぶっちゃけた話、言いたいことは四季会長が全部言ってくれたので私から言うことは特にはありません」
散々物を投げつけられて涙目だった紫だが、何とか持ちなおして話を再開する。
「そういうことですので、この後の予定は巻いて行きまして、早速ではありますが出発することにします」
この宣言にグッタリしていた参加者一同の顔色が一気に良くなり、活気づく。
「やっっっと出発か……ホント待たされたわー」
「うむ。しかしこれでようやく普通の授業よりも充実した野外学習生活が認可されるわけなんだが」
「そう、私達の野外学習はこれからd」
「おいやめろ馬鹿、それは打ち切りフラグだ」
⑨組の3りも、冗談を言える程度に余裕が戻ったようである。
「えー、それでは出発のために移動しなければならないのですが、予定が大幅に遅れてる都合があるので、少し予定を変更しまして、足のほうにこちらに来て頂きます」
紫の発言に一同の頭上に『?』が浮かぶも、質問をする前に紫が動く。
「それでは……マティウス先生、ちょっとこちらまで来て頂けます?」
「私がか?」
紫が指名したのは陰陽鉄学園の教師の1りで、その尊大な態度や金ピカの服装などから皇帝とも呼ばれている『マティウス』教諭。
「私を呼ぶとは、一体どのような意図があるのか聞かせて頂きたいのだが?」
理事長に対して聞く言葉とは思えない態度で質問するマティウスだが、紫はそれを無視して一枚のカードを取り出す。
その様子に不安を覚え冷や汗を垂らすマティウス。
「おい理事長、一体何を……!?」
「【廃線「ぶらり廃駅下車の旅」】」
パラリパララー
グシャァ!
メキャァ!
ゴシカァン!!
「ウボァー!!!」
「……はい、それでは電車も到着したことですので、皆さんカカッっと乗車して参りましょう。唯でさえ時間が押してるんですから」
そう言っていそいそと呼び出した電車?に乗り込む紫と、電車?に跳ねられ横たわっているマティウスの姿を呆然としながら見つめていた一同だったが、冷静さを取り戻すと共に続々と乗り込んでいったのであった……。
まぁマティウスがひどい目に合うのはいつもの事だから冷静になるのも早かったというのもあるのだが。慣れって怖いね。
「とまぁ、そんな訳で目的地に着いたわけなんですが」
「もう着いたのか!早い!!」
「というか、電車ごとスキマ空間通って目的地まで運んでるわけだからそりゃあ早いわな」
グダグダな出発ではあったものの、なんやかんやで目的地であるネ実市某所の山間部にある、綺麗な湖のほとりに建てられた陰陽鉄学園寄宿舎に到着。
結局のところ、紫のスキマ空間による空間跳躍によって、大幅な遅れは一気に帳消しとなったようである。
……その副作用なのか、到着直後に紫がグッタリするはめになったわけなのだが。
「しっかし、スキマなんか通ったからか、風景を楽しむ余裕とか無かったなー」
「・・・俺が思うにあれはスキマ空間ではないのではないか?砂だらけな砂漠っぽい風景が延延と続いてたわけなんだが」
「まぁ……そもそも電車のデザインが最初からクライマックスっぽい時点で察しろってことでしょう、というかツッコんだら負けのような気がする」
移動に関しての若干の不満を漏らす魔理沙と、ちょっとわずかに感じた疑問を口にするブロントさんらに、やや諦めの境地に似た感じで霊夢が零す。
余談ではあるが、この電車で移動するにあたって陰陽鉄学園に勤務している普段は物静かな某カウンセラーは、人が変わったようにハイテンションだったとか何とか。
「えー……それでは……寄宿舎に入るにあたっての……注意事項を……寄宿舎の管理人から行なって……もらいます……」
疲労困憊状態ながらもなんとか話せる程度にまで回復したらしい紫が、説明を始める。
と、ここでブロントさんにとある疑問が浮かぶ。
「・・・そういえばなんで理事長がわざわざ出張ってきてイベントを取り仕切ってるんですかねえ?理事長ってそんな気軽に顔だせる立場なわけ?」
「そんな気軽な立場ではないんですけどね」
そんなブロントさんの疑問に、紫と付き合いのある霊夢が答える。
「詳しくは教えてくれないんですけど、色々あって学園を留守にしがちなもので、学園にいられる間は少しでも生徒と触れ合っていたいんだそうですよ。
今回みたいな長期間拘束されるイベントにだって本来は参加してられないらしいのに無理を通してでも参加しようと色々調整したらしいですし。スケジュールとか機材の確保とか」
「へぇ、そんな事情があったのか」
「見事な愛校精神と感心するがどこもおかしくはないな」
霊夢の解説に感心したように頷く魔理沙とブロントさん。
「まぁ一番の理由としては作者が他の教師連中で仕切るのが上手そうなキャラの性格が固められそうになかったから一番動かしやすそうな紫を起用しただけなんですけど」
「うっわ今までの話が台無しになった!?」
「メタはやめろと言ってるサル!!」
・このSSにはメタ発言が含まれています。それが苦手な方は速やかにバックステッポしてください。
「今更遅いわ!?前書きの時点で書いとけよ!?」
……などとやっている間に、管理人氏がようやく姿を表すようである。
「管理人ねぇ……一体どんな人なんだろうな?」
「俺が思うにソウルフレアなのではないか?管理人といえばイカという名台詞はあもりにも有名」
「最近息してないらしいですけどね。っと、そろそろ来るみたいですよ」
危険球な会話を交わしつつ話が始まるを待つ3り。
そしてようやく現れた管理人の姿はといえば……
ホッケーマスクを被って右手に鉈を握った大男であった。多分十三日の金曜日に生まれてそうううん知らないけど絶対そう。
「コーホー……コーホー……」
(((((お前のような管理人がいるかーッ!!?)))))
以上、参加者一同心の叫びでした。
「コーホー……コーホー……」
「コーホー……シュコー……」
「コーホー……コー……コホー……」
おそらくは寄宿舎を利用するにあたっての説明なんだろうが、声がくぐもって聞こえづらい上に、見た目から醸しだされる怖さから集中して聞けないという状態。
「コー……ホー……」
そうして最後に一言?言い終えた後に、おもむろに何かを取り出し、前に出る。
「はい、では詳しいことはこのプリントに書いてますので、各自読んどいてください」
(((((普通に喋れるのかよ!!?)))))
一同心の叫びその2。
「はい。それでは各自、部屋に荷物を置いたら庭に集合、そこで昼食となりますので遅れないでください」
「……おれはこれまで疲れとは無関係だったんだが今回はほんのちょっとだけわずかに疲れてしまったんだが」
「確かに……ツッコミどころが多すぎる不具合が発生してるのぜ……」
「……とりあえず……さっさと荷物置いてきましょう」
「「おk」」
こうして、トラブルとハプニングとアクシデントに溢れた楽しい林間学校は幕を開けたのでありましたとさ。
~~~次回予告~~~
「ヒャッハー!!お昼はバーベキューだァー!!」
「その肉を寄越せ……それも1つや2つではない……全部だ!!」
「ヤバイ!食欲巫女(ヤケコゲルニクノカホリニリセイノクルフレイム)だ!!」
「普段から肉に縁がないからってキャラ変わりすぎだろコレ」
「さぁさぁ、肉ばっかり食べてないでちゃんとニンジンも食べてくださいよ?(ガシッ」
「そうそう、好き嫌いは良くないからな」
「いやニンジンとかウチのシマじゃノーカンだから・・・!!」
「「はい、アーン」」
「ヤメローシニタクナーイ」
「……どうかしたの?咲夜?」
「いや、どこかでこんな光景を見たような……」
「水橋書記、その肉はまだ食べごろの焼き具合ではありませんのでそちらの肉をお取りなさい」
「人の食べ方にまで口を出してくる……妬ましい……」
「寅丸会計、肉ばかりではなくて野菜のちゃんと食べなさい。そこの玉葱が程よく焼けてますよ」
「うぅ……わかっているんですがつい……」
「つーか説教魔なだけじゃなくて焼肉奉行でもあったのか、この会長」
次回 野外学習の1コマ~昼御飯編~に・・・
「続くと思ったか!?嘘予告だよ!!」
「汚いな忍者さすがきたない」
初めましての方は初めまして。
知ってらっしゃる方はお久しぶりです。
ですさいずです。
リアル事情とか色々とありましてSSから遠ざかっていましたが、少し余裕が出来たのと、前から興味があった題材だったので今回の学園モノSS祭りに参加させていただいた次第です。
そんなわけで久方ぶりのSSということで選択させていただいたお題は【野外学習の1コマ】。
……申し訳ございません、久々のSSがこのような低クオリティで(土下座)
1コマどころか、俺たちの野外学習はこれからだ!になっちゃってますけど、それは些細なことだよね……?
ちなみにどこからどう見ても危険人物な管理人のJさん(仮名)ですが、別に人殺しなんかじゃありませんし、不死身で怪力でもありませんのであしからず。
まぁ、こんな駄文ではありますが、楽しんで読んでいただければ幸いです。
それでは、機会がありましたらまたどこかで。
ですさいず