Wesnoth本体の翻訳

Last-modified: 2021-11-08 (月) 20:23:35

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日本語翻訳チームの活動内容とWesnoth本体の翻訳についての細かなルールについてご紹介します。
ここを見る前に翻訳のお手伝いをしていただける方へも見て下さい。


 

翻訳活動の流れ


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翻訳のタイミング

翻訳作業は新しいバージョンがリリースされる前か、未訳部分がかなり増えている場合に集中的に行われます。そのような場合にはメンテナからDiscordに翻訳要請が発せられます。
メンバーは各自の判断で要請に応えるかどうかを決定し、作業を開始する場合はどの部分を翻訳するのかをDiscordで報告します。


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誤訳の修正

誤訳の報告が上がった場合は、気がついたメンバーが修正作業を行います。
修正後、Discord(誤訳・未訳の報告ページに報告を頂いた場合はそこにも)に誤訳の箇所と、修正済であることを報告します。


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より良い訳語の提案

翻訳済みの箇所でも、より良い訳語の提案がなされる場合があります。そのような時は主にDiscord上で訳を変更するかの議論が行われます。
この議論には、メンバー以外でも自由に参加できます。


 

連絡・翻訳の議論


連絡・翻訳の議論はWesnoth公式Discordのjapaneseチャンネル(https://discord.gg/tSmJS2E)で行います。
翻訳関連の話をする際には

__#wesnoth翻訳__ __#キャンペーン省略名__

とタグっぽいものを入力してください。

例:__#wesnoth翻訳__ __#UtBS__

注意:#は全角でお願いします(Discordの検索機能を利用するためです)また、__は半角アンダースコア2つです。__で囲った部分が強調されます。

Transifexの翻訳チームに所属していなくともDiscordには誰でも入れますので、翻訳に関する質問などがあればお気軽にご相談ください。


 

翻訳データの区分


Wesnothの翻訳データは機能やキャンペーンごとに分割されています。
例:wesnoth-editor(マップエディタ)、wesnoth-l(キャンペーン:自由)、wesnoth-httt(キャンペーン:王位継承者)…

Transifex上のデータも同様に分割されています。
翻訳チームでは、だいたいこれを単位にして作業を分担しています。
作業するメンバーは作業にとりかかる前に、自分の作業箇所を他のチームメンバーに知らせてください(もちろん複数人で1つのキャンペーンに取り組んでもかまいません)。


 

翻訳時の共通ルール

翻訳クオリティを維持するためにチーム内の共通ルールとして、以下の注意事項や翻訳方針が共有されています。これらの方針はアドオンの翻訳を行う場合にも、指針として役立つでしょう。


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翻訳時の注意事項

  • 複数のキャンペーンに同じ用語がまたがって出現することがあります。訳語はなるべく統一しましょう。
  • ナレーターの口調(ですます、であるの違い)とかは翻訳する人の好みでいいです。
  • 名前や地形などの固有名詞は基本的に翻訳しません(Konrad, Wesnothなど)。
  • 翻訳文章中の文法表現とかにも注意(<i></i>といったタグ、^など)
  • 下の翻訳の方針も確認しておきましょう。

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翻訳の方針

  • 固有名詞やゲーム中の用語などはなるべく統一する。
    • すでにTransifexの用語集に対訳が存在すれば、それを使用する。まだ用語集に項目が存在しなければ、追加しておくこと。
  • 対訳が複数にバラけている場合、より多く使われているものに統一する
    • ただし、意味がほとんど同じであれば多少の表記ブレは気にしなくて良い
    • 例:Aethenwood Forest->Aethenwoodの森、Aethenwoodの大森林 Hills->丘、丘陵 Swamps->沼地、湿地など
  • 固有名詞はカタカナ語にはせず、そのままにする。 例:Wesnoth、Konrad、Weldynなど
    • ただし、一般的な英単語で構成されている場合は翻訳する。 
    • 例:Blackwater Port->黒水港、Green Isle->緑の島、River Listra->Listra川
  • 地形名などの固有名詞は、ヘルプの辞典中であれば()を使って原語も併記する。 例:ドワーフの扉(Dwarven Doors)
    • ヘルプ内のユニット解説でも、冒頭にユニット名と原語を併記しておく。 例:エルフの戦士(Elvish Fighter)
  • ユニット名に関しては、特に問題が無ければ変更しない。
    • 問題(誤訳、大きな違和感があるなど)の過去の例:Master at Arms->先任護衛兵曹(誤訳)、マーマンの装甲歩兵(マーマンなのに「歩」が付いているのはおかしい)
  • 直訳だと分かりづらいことも多いため、そのような場合は分かりやすさを重視して意訳する。
  • (カッコ)や!?:などの記号は基本的に全角。ただし、英数字や数式とそれに関係する記号(+ - =など)は半角
    • 句読点は全角の「、。」を使う
  • ストーリーなどが関係しない、ヘルプやユーザへの説明などの文章は基本的に「です・ます調」にする。
    • シナリオの合間にあるナレーションの口調はキャンペーン内で統一されていれば、「です。ます。」でなくても良い。日誌とか、語り部形式の場合「です。ます。」だと変だし。
  • Haldric IIなどの「~世」の数字はローマ数字表記で、世を付ける。
    • 例:Haldric II、Haldric IV -> Haldric II世、Haldric IV世
  • 訳語中の英数字の前後には、半角スペースを入れる。見栄えを良くするため。(行頭の語の前は要らない)
    • 例:
      Gweddry 様なのですか?
      (△:Gweddry様なのですか?)
      落し戸に Gweddry を移動させる
      (△:落し戸にGweddryを移動させる)

 

翻訳の適用・テストプレイ

Transifex上で編集した翻訳データは.poファイルとしてダウンロードでき、それを自分のWesnothに適用してテストプレイを行えます。poを適用するには以下の手順が必要です。


po → mo への変換
Wesnothはpoをバイナリデータに変換したmoを翻訳データとして使用していますので、poからmoを作成します。
Poeditのようなpotエディターを使うか、Gettextコマンドを使用してmoを作成できます。

 

moファイルの置換(翻訳ファイルの設置)
作成したmoをwesnothの当該データと入れ替えます。(この時、元データは消さずにバックアップしておいてください)

まずは、wesnothの翻訳データ(.moファイル)がどこに設置してあるか確認する必要があります。
ターミナル(windowsだとコマンドプロンプト)上で、次のコマンドを実行することでwesnothのデータが格納されているフォルダがわかります。
macならアプリケーションフォルダのWesnothアイコンをcontrol+クリックで「パッケージの内容を表示」を選んだほうが早いでしょう。
もしくはゲームを起動して、設定の「一般」から「パス」をクリックして「ゲームデータ」という項目を見るとわかるようになっています。

  • 実行するコマンド

    wesnoth --data-path

  • コマンドで表示されたフォルダを「データフォルダ」とすると、.moファイルは以下のような場所に格納されています。

    データフォルダ/locale/ja/LC_MESSAGES/

ここにwesnoth.mo, wesnoth-lib.mo, …と分割して設置してあります。
それを対応する新しい.moファイルで置き換えてください(念のために古い方のバックアップもとっておきましょう)。

 

これでテストプレイの準備は完了です。


 

最新の翻訳データ(.poファイル)の取得

Wesnoth-JP上のデータは作業開始時にメンテナが更新しますが、個人的に最新の.poが欲しくなることもあると思います。
最新のデータは http://www.wesnoth.org/gettext/ より取得できます。
なお、ここにはアドオンの翻訳データもありますが、公式のアドオン翻訳プログラムであるWesCampは長い間放置されていて、恐らく役に立ちません。

 

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