Tradition/シフォン&シェード

Last-modified: 2021-12-03 (金) 03:19:27

基本情報

  • イデア名:Chiffon(シフォン)Shade(シェード)
  • 身分:人間&悪魔

無垢な少女であったシフォンと、彼女を依代にした悪魔の騎士・シェードに分かれる。
Night Theaterではシフォンの名前だけが明かされていたが、Grim Gardenにて悪魔の方の名前も判明した。

 

シフォンはもともと、やや物騒な妄想をする平穏な少女に過ぎなかった。しかし、弱っていたシェードを助けた際に取り憑かれたことをきっかけに、力に目覚める。
門限前の夕方に人を襲う殺人鬼と化し、その数は200人を超える。あくまで殺害の意志はシフォンによるものである。
それでいて神への信仰や少女らしい夢を持つ事とを両立させているシフォンに、シェードすらドン引きしている。

収録弾

Tradition

No.25 逢魔刻の大斧(シフォン)

 

シフォンは平穏のなかにいる。親は優しい。友人といるのは楽しい。単調な日々に不満もない。級友の首を刃物で掻き切るのは心の中でだけだ。実行に移すことはない。学校一番の美男子とデートしたいのと何ら変わらないささやかな空想だ。ある日悪魔と出会っても、呼吸はあくまでゆるやかだ。橋の下の暗がりで蠢いていたそれは傷ついており、少女に助けを求めてきた。差し伸ばした手から取り憑かれて、彼女は悪魔の宿り木となってしまう。悪魔の言葉を始終聞かされ、ついでに聖なる場所にも近づけなくなる。

 

シフォンの生活はあまり変わらなかった。悪魔は彼女にしか見えない。邪悪として討伐されかけることもあったが、人知を越えた暴力が彼女の身の安全を保証した。悪魔は凶悪ぶるが限度を知っており、宿り木の行動に時々戦慄することになる。

No.54 残響するノクターン(シフォン&シェード)

 

シフォンは一年で二百人は殺した。物理的に手をかけるのはシェードだが、引き金を引いているのは宿主だ。殺す理由は自衛でも恨みでもない。シフォンによれば、人が死ぬ時にキラキラしたものが見えて綺麗なのだそうだ。シェードとしては人間がいくら死んでも構うことはないのだが、同胞殺しを軽率に行う宿主の精神性には思うところがある。

 

「悪魔の俺が言うのもなんだけど、お前はたぶん地獄に落ちるぞ」
「当たり前でしょ。悪いことしたら報いを受けるものなんだから」

 

驚くべきことに、シフォンは信仰心を捨てていない。神への祈りはだいたい毎日捧げている。

 

「怖くないのか?」
「シェードが守ってくれるから」

 

確かにその通りだ。地獄にある大抵の脅威はシェードの威光で退けられる。だが勘弁してくれと思う。

 

「お前は一体何がしたいんだよ。この先どうするんだ?」
「どうもしないよ。あ、素敵な人見つけてお嫁さんになりたい」

 

シェードは絶句した。この女、同胞を大量に殺しておいてお嫁さんになりたがっている。