このページでは、本作に登場する 人物・場所・物について記しています。
キャラクターの背景や心情、ストーリーや世界観を考察する内容が主になっています。
region格納によってネタバレ防止に一応の配慮をしていますが、ネタバレを避けたいならばこのページを読むのは後にすることをおすすめします。
<目次>
人物
マデリン
本作の主人公。その頂へ登るため、セレステ山にやってきた。
何やら並ならぬ事情を抱えており、単身で過酷な登山に挑む意志はそこからくるようだ。だが迷いもまた抱えている。
赤みのあるほっぺやイラストの頭身から幼い印象があるが、こう見えて成人しており*1仕事もしている。セレステ山へは自分で車を運転して来た*2。
「ものすごい昔にあった 決定的につらいこと」*3をきっかけに、心に深い傷を負っている。それはウツやパニック障害の形で周りには見えているが、当人が本当に悩んでいる「今にも自分が壊れそうな感覚」は誰にも告げていない。「つらいこと」を忘れられず、ずっとそれが頭をめぐる、そのような危うい精神状態のままこれまで平常心を装って生きてきた。(ちなみに辛いときは、だいたいは飲んで酔っ払い、ネット上の適当な人に怒りをぶちまけるという)
そんな自分の心のありようを変えたくて、家族には旅行と告げて*4セレステ山にやってきた。「厳しい試練に全力で挑戦して為しとげたい」というおぼろげな衝動と、その中で「何かしら見つかるかも」という淡い期待、そして「考えることをやめる」ため、過酷な登山をなしとげることを決めたようだ*5。しかし自分でも、山を登る理由は確として分かっていたわけではなく、道中何度も山を登る理由を自問している。*6
挑むにあたって、山の下調べは多少していたようだが*7、その特別なチカラについては知らなかった模様*8。
過酷なセレステ山を登っていくなかで、歯に衣着せない"おばあさん"・新たな友"セオ"・どこかおかしいホテルマン"オオシロ"・そして己の嫌な部分の"分身"と出会い、各々に影響を与えられて成長していく。セオとは道中を何度か共にし、助け助けられ共に危機も乗り越えた結果、上記の悩みを初めて他者に打ち明けるほどの信頼関係を築く。おばあさんについては、初めはイジワルと思っていたが、後々核心を突いた助言を受けることで敬愛するようになる。分身には何度も行く手を阻まれ、拒んで切り捨てようともしたが、助言と努力によって和解し新たな力を身に着けた。
これらの成長によってマデリンは迷いのない心を取り戻し、晴れ晴れとした気持ちでセレステ山の頂まで登り切った。下山後は、ふもとのおばあさんの家で皆にストロベリーパイをふるまい、新たな友たちとしばしの歓談を楽しむ。そしてセレステ山をあとにし、いつもの生活へ戻っていった。セオやおばあさんとは、この後もSNSや電話で連絡をとっていたようだ。
作中では明かされないが、開発者のツイートによると本名は Madeline McButt とのこと。
鳥
セレステ山で最初に会う人…もとい存在。
会話をすることはないが、登山に必要な技術を教えてくれる。
そのほか色々な場所に止まっており、まるでマデリンを見守っているようだ。
おそらくおばあさんの言う"友達"。
チャプター9では素早い移動とマデリンをくわえて投げ飛ばす怪力を見せる。
おばあさん
セレステ山のふもとにある小さな家に住む老婆。
この地に今住んでいるのは彼女だけのようだ。
怪しくも達観した掴みどころがない雰囲気ながら、ものをはっきり言う性格。セレステ山について何が知っているようだが…?
山の中腹こんじき山稜にも家を持っている。セレステ山のもつ「自分の本当の姿を見せるチカラ」をよく知っており、それに惹かれてずっと昔からここに住んでいる。
かつてはセレステ山に挑む登山者で*9、その際に「ここが自分の居るべき場所」と直感したという。核心を見抜いてそれをはっきり告げる助言で何度もマデリンを助け、ついにはその迷いを取り去った。
セオ
セレステ山に写真を撮りに来たフォトグラファーの卵。
今時の若者らしくInstaPixというSNSに入れこんでおり、ことあるごとにスマフォで写真やセルフィーを撮ってアップする。
登頂にはこだわっておらず、当初の目的は中腹にある1800年物の遺跡であった。
しかし本気で登山に挑むマデリンに感化され、さらに上へ登ることに。
ちなみに彼のInstaPixのアカウントはファンサービスとして実在する。
祖父を深く尊敬しており、彼に近づくためにフォトグラファーを志し、この山へ来たのも彼をならってのこと。その明るい性格も「うまれつきってヤツ」とは言いながら、実際のところ祖父に恥ずかしくない楽しく有意義な生活を送ろうという思いから成っている。
しかし彼もまた悩みをもつ。天職と思った仕事も退屈で手につかず、自分の人生の目標を求めてセレステ山にやってきたのだ。登頂へまっすぐに突き進むマデリンの姿を見て、また互いに話すことで、良い影響を受けられたようだ。
危機管理はできるが、インスタがからむとやや向こう見ずになるところがある。とはいえ責任感や真面目さもあり、マデリンのパニック発作を前にしても冷静に対処した。友達思いでもあり、マデリンが山から落ちたときには頂上近くから地の底まで大急ぎで助けに来てくれた。
己の内面を写す"鏡の神殿"では、無数の目に見つめられ、負のエネルギーの結晶に閉じ込められた。SNSに入れ込む中で、他人を意識しすぎて虚勢を張っていたのかもしれない。
「オレは ばえる写真のためならなんだってする!」
バデリン(分身/もうひとりの自分)
遺跡で見た夢の中で、鏡を割って現れたマデリンの分身。
「アンタを見守ってるモンだ」と名乗り、マデリンの登山をやめさせようとする。
心配してると言うわりに、あまり親切ではないようだが…?
マデリンの元カレ?
夢の中で電話をかけてきた男。
マデリンのママ
お母さん。マデリンがある場所の公衆電話で話をした。
マデリンのパニック発作のことを心配しており、また子の幸せを願う良い親。心の安らぎを与える、良き相談相手でもある*14。
ちなみに髪の色はマデリンのダッシュ消費時と同じ青色。とはいえマデリンはもともと青髪というわけではないようだ*15。
オオシロ
中腹にあるホテルのコンシェルジュ。
オバケのような現れ方をするし、話し方もどこかおかしい。ガタがきて散らかり放題のホテルでも、熱意と誇りを持って営んでいるようだが…?
おそらく故人。かつてホテルが最高級のおもてなしでお客の心に最高の思い出を刻んでいた時代、彼はそれを主導する支配人であった。そのホテルへの愛と熱意は本物で、廃業を余儀なくされたときもそれを従業員に告げることに、そして廃業そのものに誰よりも苦悩していた。従業員が最後に集うハイキングにも参加せず(あとから追いかけるつもりではあった)、ホテルを見回って懐かしみ将来を悩んだ。このときに、ホテルのどこかか追いかける道中で命を落としたと思われる。これが日記などに記される「何十年も前」の出来事だという。
現在でも己の死を自覚しておらず、未だにコンシェルジュの誇りをもってホテルを営んでいる。しかし従業員がいないことや経営状況を知りながら営業中と信じている、散らかり放題なうえで朽ちつつあるホテルを美しいと思っているなど、その認識・思考は歪んでいるようだ。人格も分裂しており、その一部はある程度現実が見えておりその考え方もまとも。本筋以外のものが見えていない夢の中のような感覚なのだろうか。
マデリンと会い、その言葉におかしな捉え方をする。しばしば無視もする。
Pスイートに案内して、「下がる」と言いながら感想を求めたりも。
ほこりは見えておらず、自分が生み出していることにも気づいていない*16。
場所・物
セレステ山
本ゲームの舞台となる雪山。かつてリゾート地として開発されていたような描写があるが、
今はふもとのゴーストタウンと廃業したセレステホテルが残るばかりで、おばあさんの他は誰もいないようである。
この山にはおのれの内面を映し出す不思議なチカラが宿っており、来るものを拒んでいる。
主人公マデリンは自分の弱さを映し出した分身(通称バデリン)と会ったり、鏡の世界に飲み込まれたりといった出来事に遭遇することになる。
ちなみに、セレステ山はカナダ国ブリティッシュコロンビア州に実在する山(標高2041m)である。
とはいえ名前を借りただけであり、作中のそれとは形も高さも異なる。
ゴーストタウン
遺跡
セレステホテル
こんじき山稜
鏡の神殿
地の底
おばあさんが居たところには、上からエレベーターのようなものが伸びている。