BGM

Last-modified: 2023-09-11 (月) 13:00:10

このページでは、作中のBGMの曲名・流れる場面・軽い説明・関連情報をまとめています。
日本語名は主にクリスタルハートの記述から引用しています。ただし一部曲名と一致しないものには解釈を加えています。
BGMの曲のタイムは『Celeste Original Sound Collection』(2020)に収録されている同楽曲に準じます。

本編

Prologue - プロローグ

【チャプター プロローグ】
夜の山の透き通った空気と輝く星が思い起こされる、静かな曲。

Postcard from Celeste Mountain - セレステ山からの便り

【タイトル・マップ画面】

First Steps - 一歩ずつ

【チャプター1 ゴーストタウン】
~人気のないゴーストタウンの中で、"むなしき機械"はたたずむ。廃ビル群がつくる"スカイラインを越えて"、マデリンは最初の一歩を踏み出した。~

 

シンセサイザー音源をメインに懐かしいゲームの雰囲気を漂わせつつ、期待と緊張を引き立てる曲。
山を登る高揚感や期待を思わせるパート・緊張感や厳しさを感じさせるパート・迷いながらも進む心情が表われたピアノソロパートが連なる。まさにこの山に挑む"最初の一歩"を踏むときの、期待と不安の混じった心を表わした曲。それはこのゲームを始めて、やられながら挑み続けるプレイヤーの心にも重なる。
またメインテーマが主旋律に頻繁に現れ、プレイヤーにこれを印象付けている。

Madeline and Theo - マデリンとセオ

【チャプター1ほか セオとの穏やかな会話】
やさしい弦楽器のメロディで、温かさを感じさせる曲。
チャプター6では、後半からメインテーマとともに"Starjump"と同じ副旋律が入る。(0:50あたり~)
メインテーマをピアノとアコースティックギターでなぞっている。

Resurrections - よみがえり

【チャプター2 遺跡 前半】
~意思をもって"目覚め"た、もうひとりの自分。"黒い月"が暗く照らす不思議な夢の中で、マデリンは理不尽に直面する。~

 

始めはくぐもった聞こえ方で、はっきりとしない夢感がある。
鏡が割られるとくぐもりが晴れ、夢の本当の姿がはっきりと分かった印象をもたせる。(2:10あたり~)
バデリンが追ってくる場面では曲が一変し、テンポが上がってドラムが追加されることで、もう1人の自分が追いかけてくる緊迫感をプレイヤーに与える。(5:50あたり~)

バデリンのテーマ*

【チャプター2ほか バデリン出現時】※サントラでは「Resurrections」に含まれている。(4:30あたり~)
メインテーマの一部を基礎に作られており、印象は違えど通ずるものを感じさせる。作中では2ループ後に静かなピアノパートに入る。
以後、バデリンが現れたイベント時に流れるほか、「Confronting Myself」「Little Goth」では同じメロディが含まれている。

Awake - 目覚め

【チャプター2 遺跡 後半】

Checking In - チェックイン

【チャプター3 セレステホテル 前半】
あちこちガタがきてる様子に違和感をもつ、そんな心情を感じさせる曲。

Spirit of Hospitality - おもてなしの魂

【チャプター3 オオシロとの会話】
どこか上品で気取ったようなメロディをもち、裏に怪しさが見え隠れする曲。

また曲名にある"Spirit"は、おもてなしをしようという「心意気」の意味・もはや生身の人間ではない「霊体」の意味とのダブルミーニングか。

Scattered and Lost - 散らかった心

【チャプター3 セレステホテル 後半】
~どこか定まらない話し方や考え方をする"散らかった心"をもつオオシロ。マデリンは過去の後悔から彼への"善行"を進んでしたが、結果は皮肉なものであった。~
ゲームの進行度によってBGMが変化する。

  • 進行度無し:ピアノがメインのメロディー。
  • 1段階目:ヒューヒューした音色がメイン。細かなメロディはシンセらしい音色になる。(1:15あたり~)
  • 2段階目:ヒューヒューとした音色が無くなり、ピアノとシンセがメインのメロディとなる。シンセのベース音と軽いバスが入る。(1:55あたり~)
  • 3段階目:再びヒューヒューとした音色がメインとなる。電子ドラムが入る。(2:30あたり~)
  • 最終段階:電子ドラムがロックドラムのような音になる。(3:25あたり~)

Golden - こんじきの山

【チャプター4 こんじき山稜】
~行く手を阻む強い風にも負けず進むマデリン。風がおさまったかに思えた"嵐の目"で、真に己を阻むものにぶつかる。そこから危うく救ってくれたのは"黄金の羽"であった。~

言葉選びの考察

"Eye of the Storm"は「渦中」や「周りの物事を引き起こす中心」という意味をもつ。周りの物事がこれまで克服してきた障害と考えると、このチャプターで最後に会うバデリン(己の弱さ)が物事(山登りを阻むもの)の中心で、真の克服対象であると考えられるか。加えて、少なくとも日本語では「台風の目」に激しい風が不意に途切れるという意味がある。風もなく楽に登れそうだったリフトを考えると、こちらの意味ともかけられている可能性もある。

Anxiety - 不安

【チャプター4 止まったリフト上】
不安定な副旋律や目立つ低音から、恐怖感が伝わる。同じものがチャプター2の夢の終わりやチャプター5の中盤といった、恐ろしい存在にまみえたときに使われている。

Quiet and Falling - 静かなる崩落

【チャプター5 鏡の神殿】
~鏡にのまれ、気が付くと神殿は"静かなる崩落"をしていた。これが自分の内面を写す"鏡の魔法"ならば、いったい自分の内にあるものは何なのか…。巻き込んでしまった大切な友だちを助けるため、迷っている暇はない。~

 

暗く悲しく不安げな曲調が主だが、ところどころ温かく包み込まれるような副旋律が入る曲。不安は見ての通りだが、温かさはこれでも自身の一部であるゆえか。

In the Mirror - 鏡の中

【チャプター5 シーカー操作時】
曲を逆再生すると声が聞こえる。(反転させた状態で4:40あたり~)

逆再生内容

Sometimes...I...
...don't really know...
...what's going on anymore.

I...
I don't...
...know...who I am.

I just...
...look in the mirror, and...
...don't know who I'm looking at...
...or...who's looking at me.

I...
...think a lot about...
...where...my train of thought is going...
...and it's not always a good place...
...and that scares me.

I don't like scaring myself.

I don't...

(直訳:良くしてください)
時々...私は...
...本当に、わからなくなる...
...もう何が起こっているのか...

私...
私は...
...わからない...私が誰なのか...

私はただ...
...鏡を見ていて、そして...
...私が誰を見ているのか...
......誰が私を見ているのか...わからない。

私...
...たくさん考えてる...
...自分の思考の行き先を、でも...
...いつもつらい方向へ...
...怖い方向へ...

...私...怖いのはいやだ...

いやだ...

Starjump - 星空への飛躍

【チャプター6 夢の中】
"Madeline and Theo"からそのままつながる。
美しいオーロラが見える夢の雰囲気と、己の核心に迫る盛り上がり、そして己の弱さを切り捨てるすっきりとした決意を感じさせる曲。
凄まじさに圧倒されながらも前半は何とか平静を保つが、決意がくじかれる後半には激しく刺々しいパーカッションが入る。

Reflection - もうひとりの自分

【チャプター6 もうひとりの自分 前半】
~頂までもう少しのところで"地の底"に落とされ、"重く、脆く"今にも折れそうな心を感じる。しかし、おばあちゃんの言葉で目が覚めた。己の弱さは、切り捨てるのではなく受け容れることでこそ克服できるのだ。今、和解を!~

 

静かで無念さを感じる曲調と、底に落ちても不思議なものにあふれている周りの雰囲気、そしてどこか諦めきれない葛藤を感じさせる曲。

Confronting Myself - 自分との対決

【チャプター6 もうひとりの自分 後半】

Little Goth - 分身

【チャプター6 バデリンとの和解?】
ピアノで奏でられるバデリンのテーマから、静かに感動的に盛り上がっていく曲。
互いの過ちを認めて、やり直し、新たな一歩を踏み出す心情がよく表れている。

言葉選びの考察

"Goth"とは中世西ヨーロッパの文化、またはそこから派生した服飾・世界観の文化を表わす言葉。日本においては「ゴスロリ」といった形で聞かれる。
作中ではセオがバデリンのことを「ゴス系マデリンって感じ」と評しており、この"Goth"はバデリンを表わす愛称のようなものだろう。色白で不気味な雰囲気は確かにゴスファッションに通じる(他の特徴である、色味のなさ・黒い眼のふちにはあまり当てはまらないが…)。
"Little"には、小さくてかわいらしい・か弱いという意味がある。得体が知れず攻撃的だったバデリンも、打ち解けてみればか弱く愛おしい存在であったことを、愛称と合わせて表現した曲名であろう。

Reach for the Summit - 頂へ

【チャプター7 頂】
~"もう逃げない"。その誓いを胸にくじけずたどりついた頂は、最高の景色"鴇色の夜明け"を見せてくれた。~

 

決意を固めて山に挑む高揚感あふれるイントロから、明るく真っ直ぐな希望と勇気に満たされたメインテーマにつながる曲。
別ルートから山を登り直していく過程に合わせて、同じメロディを各地のBGMの特徴が表れた楽器・副旋律で奏でている。

ちなみに鴇(とき)色とは、黄みがかった淡くやさしい桃色のこと。克服後のマデリンの髪の色や、頂に近づくにつれ変わっていく空の色がそれ。

Exhale - 下山

【チャプター エピローグ】

My Dearest Friends - 大好きなみんな

【タイトル クレジット】

 

本編クリア後・B面ほか

Heart of the Mountain - 聖山の心奥

【チャプター8 核】
~登頂から1年、セレステ山への感謝か期待か追憶か、さらに奥深く"聖山の心奥"を目指すマデリン。これまでと異なる不思議なチカラにも負けずたどりついたそこには、空っぽで色味のない不思議な空間が広がっていた。もはや踏破し、これが"別れのとき"なのか。~

Forsaken City (Sever the Skyline Mix)

【チャプター1 B面】 by Maxo
テクノ風にアレンジされた「First Steps」。
小気味良いパーカッション・波のあるシンセの主旋律から成る、増しましのテンポ感が気持ち良い曲。

Old Site (Black Moonrise Mix)

【チャプター2 B面】 by Ben Prunty
アレンジされた「Resurrections」。
より強い不思議さ・おぼろげさ・圧倒感があり、どことなくラスダンかその手前のような曲。

Celestial Resort (Good Karma Mix)

【チャプター3 B面】 by Christa Lee
激しいテクノ風にアレンジされた「Scattered and Lost」…か?
元のメロディは分かりやすくは残っていないが、ハイテンポで高揚感のある曲。

Golden Ridge (Golden Feather Mix)

【チャプター4 B面】 by in love with a ghost
アレンジされた「Golden」…か?
前半は、穏やかで爽やかな山の景色を思わせる、落ち着いたメロディ。
後半は、はかなさと懐かしさを感じさせる主旋律が加わる。

Mirror Temple (Mirror Magic Mix)

【チャプター5 B面】 by 2 Mello
ピアノとサクソフォンで、ジャズ風にアレンジされた「Quiet and Falling」。
新たに加えられたサックスの主旋律がオシャレな雰囲気を作り出し、元の曲にある不安さはない。

Reflection (Center of the Earth Mix)

【チャプター6 B面】 by Jukio Kallio
アレンジされた「Confronting Myself」。

Summit (No More Running Mix)

【チャプター7 B面】 by Kuraine
ほぼ副旋律だけで構成される異質のテクノ風にアレンジされた「Reach the Summit」。
少しだけ入るメインテーマの主旋律も、ストイックな印象。

The Core (Say Goodbye Mix)

【チャプター8 B面】 by Matthewせいじ

(Bonus) Area 1 Demo

【】

The Empty Space Above - 宇宙の虚空

【マップ チャプター9を選んでいるとき】
「Postcard from Celeste Mountain」にやわらかい副旋律が加わる。音の響き方がのびのびとして、広い宙らしさがある。

Fear of the Unknown - 戸惑い

【チャプター9 特異点・電源装置】
目立った主旋律がなく、淡々とした緊張と少しの不安を感じる曲。

Joy of Remembrance - 楽しい想い出

【チャプター9 想い出】

In Stasis - 行き止まり

【チャプター9 事象の地平線 前半】

wavedash.ppt - wavedash.ppt

【チャプター9 Net Cafeのスライド資料】
ちなみに".ppt"とは、2010以前のMS PowerPointファイルの拡張子。ちょっと古い感じのスライドということ。

Beyond the Heart - 心の向こう

【チャプター9 事象の地平線 後半・決意】

Final Defiance - 最後の抵抗

【チャプター9 かたくなな心】

Reconciliation - 和解

【チャプター9 和解】

Farewell - 別れ

【チャプター9 別れ(チェックポイント)】

The Woman and the Bird - 老女とカラス

【チャプター9 おばあさんとの会話】

vovô e vovó - vovô e vovó

【チャプター9 エンディング】
ちなみに曲名はポルトガル語。翻訳にかけたところ「おじいちゃんとおばあちゃん」といった意味のようだ。

 

サウンドトラック

作中BGMを収録したオリジナルサウンドトラックが4種類リリースされている他、オフィシャルのアレンジアルバムがいくつか存在する。
これらは音楽販売サイトであるbandcamp上で試聴およびダウンロード版の購入が可能。また、主要な音楽サブスクリプションサービスでも公開されている。

 

オリジナルサウンドトラック

  • Lena Raine - Celeste Original Soundtrack
    チャプター1~8(A面)の主要BGMに加え、プロローグ・エピローグ・タイトル画面・クレジット画面のBGMを収録。
  • Various Artists - Celeste B-Sides
    B面の全BGMを収録。また、ボーナストラックとして作中に使用されていないデモ音源を収録。
  • Lena Raine - Celeste: Farewell (Original Soundtrack)
    チャプター9の全BGMに加え、マップ画面でのチャプター9選択時BGMを収録。
    付録として「Joy of Remembrance」および「The Woman and the Bird」の楽譜(PDFデータ。前者はフルスコアおよびパート譜)を収録。

上記3作品はダウンロード版だけでなくカセットテープ版も販売されている*1

  • Kevin Regamey, Lena Raine - Celeste - Madeline's Grab Bag
    上記3作品に収録されていないBGMやジングルを収録。
    オリジナルサウンドトラックの中では本作のみ投げ銭制が採用されており、販売ページ上で「$0」と指定すれば無料ダウンロードが可能。

以上のうち『Celeste B-Sides』の収録曲を除く全楽曲を収録した3枚組CDセット『Celeste Original Sound Collection*2も販売されている。

 

アレンジアルバム

  • Celeste Piano Collections
    Celesteの公式ビアノアレンジアルバム。一部の楽曲ではヴァイオリンも使用されている。
    なお、本作は楽譜(書籍版・ダウンロード版あり。いずれも英語版のみ)も販売されている。
  • Prescription for Sleep: Celeste
    ピアノとヴァイオリンを基調としたアレンジアルバム。
    メタルギアソリッド等の音楽を手掛ける日比野則彦氏らによるカバーアルバムシリーズの一作とのこと。
    販売ページには、原曲の作曲者であるLena Raine氏が参加している旨や公式の許諾を得ている旨が記載されている。
 

*1 アナログレコード版もあるが、本項記載時点で既に販売終了している。
*2 販売サイトによっては『Celeste Complete Sound Collection』と記載されており、アルバム名に表記揺れがある模様。