「飛行機はなぜ飛ぶのか?」の答えは、
「例えるなら翼の下は風船から空気が出ようとする感じで翼の上はストローで吸い上げられる感じ」
でした。
そして、その後のVTRで、翼上面の気圧が低くなって吸い上げられる図が示されていたように記憶しています。
簡単に言っちゃえば、チコちゃんの答えは、あまりにフツーで、昔からの定番の答えでした。
これを私は残念に思います。せっかくの機会だったのに。
この定番の答えは、揚力が発生する理由を、マクロ的な視点で説明したものです。
この手法の利点は計算量が少なくなり、人間が計算できる」ということでしょう。
欠点は、直感的に理解されにくい、ということでしょう。
コンピュータが出現する前は、この視点を用いるしか、空気に関する様々な数値を計算する方法がなかったでしょう。
そういう事情に引っ張られて、昔から、飛行機が飛ぶ理由説明としては、いかなる場合でも、このマクロ的な視点が用いられてきたと思います。
でも、もちろん、今はコンピュータがあるわけだし、そもそも、子ども向けの説明で、具体的な計算をして見せる必要はない筈です。
ということで、
私としては、
チコちゃんには、ミクロ的な視点での説明を答えにして欲しかったと思います。
つまりは、
「うちわで仰いだ時に、仰ぐ手が空気から抵抗を受けるのと同じ」
みたいに答えて欲しかったと思います。
少し言い換えれば、
「翼が周りの空気の粒を下に押し下げ、その反作用で翼は上向きに力を受ける」
という意味になります。
この、ミクロ的な視点の説明の方が、日常生活の経験とリンクさせやすくて理解し易いし、グライダーの翼が細長い理由とか、燃費の良いジェットエンジンの直径が大きい理由も実は本質的には同じ理由なんだとか、他の方面にも話を広げ易いと思います。
「チコちゃんに叱られる」は、従来の常識にとらわれない、新しい回答を示すことも特色の一つかなー?とも思ってたりもしたんですが、
この件に関しては完全に旧来と同じ回答で、がっかりしました。
各々の疑問について、ガッテン※なみに、もっと時間をかけて欲しいなー、と思います。そうすれば、各分野の旧来型の回答が見直されるチャンスも増えるのではないかと思います。
※ガッテンはもっと制作に時間をかけているという情報を持っているわけではありません。ただ、多分ガッテンはNHK本体が作ってて、チコちゃんは共同テレビが作ってるだろうから、かける予算も時間も違うだろうなー、との憶測を働かせているだけです。