IDE延長ケーブル(IDE延長(中継)コネクタ)の製作

Last-modified: 2014-03-13 (木) 22:08:09

関連品(3.5インチHDD→2.5インチIDE変換アダプタ)←このアダプタの逆は市販品があります。


初出 2006-8-18
最終更新 2010-3-19
作業時期 199x~(IDE延長ケーブル)、2009~(IDE延長(中継)コネクタ)
どうせ作るなら、IDE延長ケーブルではなく「IDE延長(中継)コネクタ」の製作をお薦めします。
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両端メスコネクタの普通のIDEケーブルの片端に取り付けると一体でIDE延長ケーブルになるという代物です。
80芯ケーブルに取り付けると市販されていない80芯のIDE延長ケーブルが得られるわけです。当然40芯のIDE延長ケーブルよりお薦めです。
 
  • 結線仕様
    • 単純に一方の端で表の線がもう一方の端の裏側に接ながるように結線すればいいだけです。
       
  • 材料
    • 壊れたハードディスクがなければピンヘッダ(ピッチは同じ0.1インチです)を使ってもいいと思いますが、最も適した材料はSeagateのHDDなんかから取り出した基板の片面に40ピン全て半田付けするタイプのボックスヘッダ(この写真のタイプ)1個と、その他のHDDなんかから取り出した基板の両側に振り分けて半田付けするタイプのボックスヘッダ(下記のIDE延長ケーブルの作例で示したタイプ)1個の組み合わせです。作例はこのタイプです。もちろん前者の半田付けする側のピン(端子)の曲がり方は修正する必要があります。これらの材料を用いて製作すると単純に半田付けするだけでかなりの強度が得られ、あとはグルーで固めれば他に何も補強しなくても永らく使用できると思われるほどの強度が得られます。
      電子パーツ屋で売っているボックスヘッダ(ロック無)にもしL型があればそれを2個使ってほぼ同様な工作が可能だと思いますが、普通はストレートタイプしか売ってないと思います。それだとピンが短すぎて連結部の結線に苦労すると思います。やはり手に入れられるものならば先に挙げた材料が最適と言えると思います。
    • ピンヘッダで作成する場合は両端用に2x20ピンのピンヘッダ2個と連結用に1x20ピンのピンヘッダ2個を使えばいいと思います。
 

こちらはピンヘッダを用いたタイプです。
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中間に使用している2個の1x20ピンのピンヘッダはピンの飛び出している長さを変更して使用しています。元は、短い方で飛び出している長さは3.5mmですが、それを1mm程度に変更しています。それでも尚少々、ピンとピンが完全に届かなくて、半田付けで補っています。これを解決するには、この作例ではやっていないのですが、中間のピンヘッダのピンを保持しているプラスチックの角をデザインナイフ等で少し削ればいいと思います。

 

ピンヘッダを用いたタイプの第二版(改善版)を作りました。
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部品の加工具合です。上段が加工前、下段が加工後です。1x20の方はは全ピンの出具合を変え、さらに写真に見えるようにプラスチックを削っています(今回の改善点です)。2x20の方は1本抜くだけです。基本的にそれぞれ2個ずつ同じ加工をすればいいんですが、1x20の方は(写真には写っていませんが)1個だけは1本抜きます。2x20の方でピンを抜いた個所があるのでそれに合わせて1x20の方でも抜くわけです。(残しておいてもいいけどどうせ半田付け相手のピンがない。)
これくらいの加工具合でピンヘッダ同士の接続(届き)具合が丁度良いと思います。

 

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これが加工後の部品を半田付けした状態。最初に作ったプラスチックを削らすに作った版と比べると全長も多少短くなり、僅かに電気的にもより好ましい状態になったでしょう。

 
 

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これはIDE延長(中継)コネクタの別の使い方です。本来ならマザーボード直付けしか出来ないメスコネクタ仕様のS-ATA→IDE変換アダプタを、IDE延長(中継)コネクタを使えばIDEケーブルを介して取り付けることが出来ます。これによって、変換アダプタによって変換されるデバイス以外に、空いているマスタもしくはスレーブに別のデバイスを接続することが出来ます。

 

※上の写真に写っているのはS-ATA→IDE変換だけではなく、IDE→S-ATA変換が可能なSNEのSHD-IDEBILです。上の写真のケーブル類はSHD-IDEBILの標準付属品ではありません。標準付属品は両端ストレートのS-ATAケーブルと分岐のない4ピン→FDD電源変換ケーブルです。S-ATA→IDE変換した際のMasterとSlaveはジャンパで切替可能です。

 
言うまでもないことですが、80芯ケーブルには方向があるので注意して接続する必要があります。またパラレルのIDEケーブルを用いた高速転送は延長前の距離でも成立可能なほぼ限界なのでこのアダプタと80芯ケーブルを使ったからといってUDMA4以上のモードで転送できるとは限りません。できない場合はドライバがエラーを検知して自動的に転送速度を落として再転送をおこないます。UDMAをサポートしているドライバであればこのような機能を必ず持っています。したがって本ページで紹介しているような接続に関してのデータ化けの可能性については全く心配する必要ありません。転送時のデータ化けというのは現代のOSやコンピュータでまず起こるものではありません。(2010-3-19追記)80芯ケーブルをIDE延長(中継)コネクタのに接続する場合、私も論理的に検討をおこなったわけではなく、また延長アダプタをセカンダリー・スレーブに適用した場合に限った体験なのですが、私は「80芯ケーブルを逆方向に追加接続しています」。80芯ケーブルを高速通信を可能とするケーブルとして使用するのではなく、「伝送品質の良い40芯ケーブル」として使用しています。マザーボードとスレーブを繋ぐ(長い)部分を逆向きに追加接続する場合もあれば、スレーブとマスターを繋ぐ(短い)部分を逆向きに追加接続する場合もあります。マスター・スレーブ双方を使用せず、マスターもしくはスレーブだけを単独使用する場合は80芯ケーブルをどのように追加接続してもデバイスが使用できると思いますが、マスター・スレーブの双方を使用する場合には追加接続する80芯ケーブルの向きに制限があると思います。
 

以下は2007年3月に更新した際の状態、殆どそのままです。


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IDEの延長ケーブルは電気的に好ましくないこともあり普通売ってません。ニッチな品を売る店では見かけますが...
あればやはり便利です。私は以前からケーブルを自作しています。

 

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ボックスヘッダ(入手方法は後述)の代わりにピンヘッダを使っても充分代用できます。というか、私としてもボックスヘッダより入手性に優れたピンヘッダ一押しでいいような気もします。ピンヘッダを用いた場合の欠点は未使用時にツールボックスの中で保管する際にピンを曲げないようにメスにオス側を組み合わせて保管しなくてはならないということだけだと思います。ずっと使用したままであれば全く欠点はないと思います。写真のケーブルは以前iMacの50ピンのストレージ用ケーブルを延長する際に製作したものです。
(私について言えば、今までずっと、壊れたHDDから自分自身の需要を上回る数のボックスヘッダが入手できたので、IDEの延長ケーブルにピンヘッダを使う機会はありませんでした。)

 

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こんな使い方もできます。マスターはケース内上部のDVDドライブ、スレーブは外付けハードディスクです。
このように本来なら届く筈のないケースの外やケース内の通風の良い場所までケーブルを延ばすことが出来ます。

 

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IDE・HDD外付けセット(IDE延長ケーブル,電源延長ケーブル,HDDのホルダー)

  • 延長ケーブルにスイッチを取り付けてありますが、通常はあまり使う機会はありません。
  • HDDのホルダーは適当なスクラップを流用しています。HDDの冷却はとても大切なので、HDDは必ず床から浮かせ、表・裏両面に空気が触れるようにします。
  • HDDを裏表逆に取り付けていることには特に深い意味はありません。たまたま使用しているスクラップの形状から、HDDを固定するためには裏表逆の方が都合が良かっただけです。
 

私は割とヘビーなPCユーザーだと思いますが、未だにIDE-USB変換アダプタとかUSB接続の外付けHDDを使用したことがありません。IDE延長ケーブルで事足りるし、その方が速度・CPU負荷面ともに有利だからです。

 

現在IDEケーブルは80芯が主流ですが、半田付けでの自作には40芯が適当だと思います。80芯は半田付けするには線が多すぎるし細すぎると思います。80芯を使うなら市販品と同じ圧着コネクタを使用した方が良いと思います。(ただ80芯の圧着コネクタって簡単に手に入るんでしょうか?)40芯の圧着コネクタなら簡単に手に入ります。でも割高なのでそれを買うよりは延長ケーブルを買ってしまったほうがいいのではないでしょうか。

 

マザーボードに直接挿したケーブルが80芯なら延長ケーブルが40芯でも延長ケーブルの先でUltraDMA66以上が使用できます。電気的には好ましくありませんが...
40芯延長ケーブルをマザーボードに直接挿した場合でもNo.34の芯を切断すればUltraDMA66以上で使用できます。諄いようですが電気的には好ましくありません。
参考:IDEコネクタの資料

 

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普通のIDEケーブルの片方に壊れたHDDから取り出したボックスヘッダを半田付けしただけです。
グルーで固めてあるのでよく見えませんが、一番左の線は基板の手前側です。一番右の赤の線は基板の向こう側です。
これは(だいぶ前に作ったものですが)半田コテで焼いて被覆を剥がしたようです。(コテ先が傷むのでやはりワイヤーストリッパーを使用した方がいいと思います。)

 

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40芯の場合ピッチは十分にあるので、この写真のように半田付け初心者レベルの腕でも十分に可能です。(最初の2本程は綺麗に作業するのですが、直ぐに面倒になってご覧の有様です。)
※この写真の例のように半田付け個所が裏表20個所ずつの基板なら半田付けが楽なのですが、中には片側だけに40個所半田付け個所のある基板があります。その場合でも要求される半田付けのレベルは高くありません。慎重に作業すれば初心者の方でも問題ないと思います。(2008-11-30追記)被服を剥がした部分が長過ぎて、表裏の線が接触しかねない場合は何かの樹脂製の板等の絶縁物を間に挟んでからグルーで固めて下さい。

 


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ボックスヘッダは壊れたハードディスクから取ったものです。電源コネクタ部も別にとっておきます。

 

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電源コネクタ部は壊れた電源から切り取ったケーブルと組み合わせて電源分岐ケーブルとなります。

 
 

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  • 頭のよい人いるもんだ、さっそくまねしよう (^^) -- kuna? 2009-07-14 (火) 18:39:02
  • おかげでHDDレコーダーのHDDを外に出せました。ありがとうございます(^^) -- PCマニア? 2009-07-29 (水) 02:10:59
  • 連結ピンヘッダたるものを使ってみようと思います。 -- 2010-09-30 (木) 13:55:33
  • 二つのピンヘツダを直にに半田付けして -- 2012-05-22 (火) 13:25:17