高濃度汚染水流出問題:港湾入口にシートパイルを打って根治工事をおこなえ

Last-modified: 2011-08-02 (火) 23:47:50

(2011-8-2追記)ずいぶん前に鋼矢板でなく鋼管矢板に修正すべきだと思ったんですが、話の本筋には関係ないと見て、そのままにしています。最初はつい馴染みのある「鋼矢板、シートパイル」という言葉を使ってしまったんです。矢板そのものを構造物としてある程度長期間使用しなければならないこのような現場では鋼管矢板の方が適しているのは明らかです。


[tip](2011-7-3追記)このページはこちらに続いています。


(2011-5-12追記)福島原発3号機 高濃度汚染水、再び海へ流出  :日本経済新聞} いつまで繰り返すんでしょうか。司令塔にもっとまともな人が就けばとっくに根本的な対応に取り掛かっていたと思います。またやはり、オペレーターに過ぎない東電が事態の収拾にあたっているという問題がここにも効いていると思います。無制限に予算を使える組織が対応にあたるべきです。


(2011-5-5追記)数日前のことになってしまいましたが、「仮説防潮堤」という名前で発表されましたね。


(2011-4-28追記)福島第一原発の吉田昌郎所長のインタビューによると、巨大余震が発生して再度津波に襲われた場合の対策として近々防波堤を建設する緊急工事にとりかかるようです。1~3号機と集中処理施設に大量に溜まっている高濃度汚染水が津波でさらわれると破滅的だと非常な危機感を持っているようです。
おわかりだと思いますが、防波堤を建設するということはまずシートパイル(鋼矢板)を打つということです。
矢板を打つ理由は、原発の吉田所長、私、馬淵首相補佐官、大前・合原氏でそれぞれ違うのですが、吉田所長の挙げる理由と私の挙げる理由は海洋汚染を防ぐという共通点を持ち最も近いです。対策に要するコストと予想される被害の大きさを比較すれば最も自然に生まれる考えだと思います。


(2011-4-25追記)実はこちらは私の言っていることとほぼ同じです似ています。ただしパイルを打ち込む場所は少し海から離れた陸上を念頭に置いているようです。汚染水対策で地中壁設置検討 馬淵首相補佐官


(2011-4-23追記)大前研一氏と同じ方向で合原亮一氏が具体的に検討しています。合原亮一の「電脳自然生活」 福島第一原子力発電所安定冷却への提案 【WIRED VISION】


2011-4-5
この案については先月末からずるずると書きそびれているうちにいろいろ続報が入ってきています。
 

(注目度の高さとしては)間違いなく史上最悪の海洋汚染
福島第一原発から流出した放射性物質による海洋汚染は、(1)原発事故そのものが極端に注目されている(2)世界の中で日本の存在感が大きい(3)日本をdisることに対する報復を覚悟する必要がない、等、(日本にとって悪い)条件が揃ったこともあり、世界的に大変大きな話題になっています。現時点でも少なくとも「影響を受ける人×各人の心理的な影響度」で言うと、中国の海洋汚染なんか目じゃありません。過去の水爆実験や英仏の核燃料処理施設からの汚染なんかも遥かに超えた(報道上)史上最悪の海洋汚染と言えるでしょう。

 

もちろん影響は日本産の海産物が半永久的に世界中から拒否されかねないことだけに留まる筈はありません。その他の経済的な損失も大変大きくなるでしょう。大気への放射性物質拡散も大事ですがむしろ海洋汚染対策の方を重視するべき事態でしょう。世界への影響は明らかにこちらの方が大きくなるでしょう。

 

小手先の処置を続けて、後で「やっぱり駄目でした」とわかるより、「えーっ、そんなことできるわけないよ」というくらいの根本的な措置を考えた方がいいかもしれません。単に他国に「日本は徹底した対策を取っている」と思わせるだけでは駄目で、本当に汚染水の流出を止めなければなりません。

 

港湾施設入口にシートパイルを打って防波堤の内側の水を完全に分断すべき
かなり荒唐無稽な案ではあるんですが、高濃度汚染水の流出を根本的に防ぐには、周辺の岸壁と海とをはっきりと切り離すことが効果的でしょう。

 

荒唐無稽な理由は該当域には冷却水取水口と排水口があるからです。ただし今はこれらは「使いたいと思っているけど使えていない」状態です。報道を見ている限りでは「これからもずっと」“どうせ”使えない可能性が高いようです。それなら港湾施設の内側部分を埋立工事の要領で分断してしまったらいいのではないでしょうか。

 

 かなり大仰な話であるのは確かです。

 
  • いずれ必要になる冷却水の取水・排水経路はもっと遠くから引き回す必要がある(かなり大規模な工事が必要。しかも急ぐ)。
  • 仕切られた中の海水はは徐々に浄化していく。将来は一旦全て水を抜いて遮水を万全に施した後埋め立てる(かなり大規模な工事が必要)。
 

記述後に目を通したこのページには「港湾の一部を封鎖して、そこに汚染水を流し込む作戦のほうが現実的かもしれない」と書いてあります。私の提案とは「港湾の一部を封鎖する」までは同じですがその先が違うということになります。まあ複数の目的に利用できる可能性があるという観点から「パイル打設」は真剣に検討すべきではないでしょうか。

 

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