聖杯戦争。その名を冠する魔術儀式は無数の形式を持つ。
事象選択の制定、剪定されし異聞帯、滅びと再生の歴史の輪廻。
いずれ朽ちる夢の底から、遥かなる宙の大地まで。第三魔法の奇蹟は位相を選ぶことなく、幾多もの形をもって顕現する。
これは、そのうちの一つ。『神秘の欠片』、あるいは秘宝とも呼ばれる霊子結晶の出現。
ひとひらの奇跡が降り注ぐ地が、今宵の開催地と相成った。
人類の紡ぐ運命は、現実に巻き上げられ初めて形をもって現れる。
だが、我々が運命を紐解き形而上として理解することは、ある種の限界を超えることに等しい。
その限界を受け入れ、進むのだ。
秘宝型聖杯戦争
秘宝型聖杯戦争は、TYPEⅢルールにおける追加レギュレーションである。
本来の遊び方とはまた違った風味で遊びたい場合にのみ採用してみるといいだろう。
なお、この追加ルールはとあるゲームモードに由来するものだ。
もしご存じの方であれば、この追加ルールの理解の一助となるかもしれない。
通常レギュレーションとの相違点
秘宝型聖杯戦争は通常の聖杯戦争と比較して、異なる点をいくつか持つ。
簡単に要素を解説しよう。
『秘宝』による追加データ
このレギュレーションにおける目玉要素。
『秘宝』と呼ばれる特殊なアイテムを獲得して聖杯戦争を勝ち抜いていく形になる。
『秘宝』は全参加者が手にする追加データだが、その内容は多岐に渡る。
自身を強化するもの、何らかのリソースを獲得できるもの、特殊なルールを適用するもの。ものによっては持つことがデメリットとなる『秘宝』すらあるだろう。
だが、それらは等しく「PLの扱うデータ量を一方的に増加させる」ものだ。
シナリオ中にPLやGMの処理が純粋に増加するため、通常時より管理が煩雑になる点には気を付けておきたい。
難しいようであれば、採用する秘宝の数を絞ってもいいだろう。
運に左右される余地の増加
『秘宝』は基本的に何が手に入るか、その時まで一切不明である。
場合によっては自身は活用できない『秘宝』を手にし、相手はピッタリな『秘宝』を手にする、なんてことも起こりうる。
そういった可能性を許容し、あるいは楽しむ事も必要となるだろう。
無論、他人が欲しがる『秘宝』を取引材料としたりするなど、運の差を立ち回りでカバーするのもまた手である。
『秘宝』を前提としたフィールドなどの設定
霊地や回復フィールドのようなフィールド効果について、『秘宝』に関連した効果を持つフィールドを設置してもいいだろう。
何らかのリソースを対価に『秘宝』を入手できる、通常よりもレアな『秘宝』が手に入りやすくなるなど、効果はGMの自由に設定してよい。
どの『秘宝』をどの程度与えるか
レアな『秘宝』は戦局を一変しうる効果を持つものも少なくない。
ランダムな入手確率など運の幅は存在するとして、入手機会そのものはできるだけ公平を喫するのが望ましいだろう。
秘宝型基本ルールとして、戦局の停滞を防ぐのも兼ねて「戦闘フェイズ終了時の残存陣営は『秘宝』の獲得機会を得る」を設定しているのもそれが理由である。
無論、シナリオやレギュレーション設定でGMが特例を行使して入手機会を独自に考えるのもいいかもしれない。