Aggressors: Ancient Romeの戦術戦闘

Last-modified: 2019-12-31 (火) 13:18:08

戦術戦闘

本作は4Xゲームですが、戦術戦闘はかなり充実しています。外交による方針に基づき、内政により編成した強力な部隊を基に、戦術戦闘で目標を達成することになります。

概要

本作の戦術戦闘の概要です。

部隊

部隊は攻撃力、防御力、移動力を持ちます。
他に改良(スキルのようなもの)とExperience(経験値)、Gen.morale(一般的モラル)とLoyalty(忠誠度)を持ちます。ただ、一般モラルと忠誠度は最高値なのが基本なので、それほど気にしなくておいでしょう。
部隊は、ゴールドと食料がConsumption(維持費)としてかかります。
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スタック数

1タイルに一度にとどまることができる部隊数をウォーゲームでは「スタック数」といいます。このゲームのスタック数は「3」です。このゲームではスタック制限が移動中にも適用されるため、他の部隊も3部隊がスタックするタイルを通過することができません。
ただし、都市などに収納されている部隊は、スタック数に数えません。

タイルの占領

本作では「タイルの占領」があります。戦闘部隊が通過したタイルは、その国のタイルになります。
また、すでに周囲のタイルを占領していて、残されたタイルが袋小路になるような場合は、袋小路の全てのタイルが占領されます。
占領していないタイルの道路は使用できません。(つまり地形の移動力を消費します。)河川タイルを占領しておらず、橋が架かっていない場合、戦闘部隊のなかには河川タイルに移動できない部隊がいます。(settlerは橋が架かっていなくても河川タイルに移動できるため、戦闘部隊が河川タイルに移動できない場合、まずsettlerが河川タイルに移動し、橋を架けてから戦闘部隊が河川タイルに移動する、ということになります。)
また都市圏であってもタイルを他国に占領されている場合、当該タイルから食料、木材は産出されません。
他国と条約を締結することにより、他国のタイルを移動することができたり、道路の効果を使用したりすることもできます。

移動

移動力が足りないタイルには移動できません。このゲームではいわゆるZOC(zone of control支配地域)はありません。
部隊がダート道沿いに移動する場合、タイルの地形にかかわらず移動力消費は0.5となります。

Supply(補給)

補給の概念があります。補給源は都市やワゴン、船です。補給源から離れていたり、補給源の種類によっては、補給が100%とならない場合があります。その場合モラルが低下します。また、部隊が離反して相手国部隊になるなどの悪いイベントが発生することがあります。補給の通りやすさは、補給源と部隊の間の地形にも左右されます。移動が困難な丘や森だと補給が遠くまで通じにくくなり、道路でつながっているとより遠くまで補給が通じます。
補給は他国が所有しているタイルを通せませんが、他国と条約の補給条項を締結すれば、他国のタイルや補給源を使用することができるようになります。

戦闘

概要

1部隊がタイルに移動しようとして、対象タイルに敵部隊または建物があると、戦闘が発生します。つまり、移動力が不足する場合戦闘はできません。
対象タイルに複数の部隊がいる場合、そのうちの1部隊と戦闘を行います。戦闘は、一方(または双方)が全滅する、一方が複数タイル自動退却する、攻撃側がもといたタイルに戻る、のいずれかの結果になります。戦闘結果は、対象タイルにいる他部隊には影響をおよぼしません。
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戦闘結果予測

戦闘を行う前に、対象エリアにマウスをホバーすると、Generals’ Advice(将軍の助言)を見ることができます。これは、戦闘の結果予測と、その確度が表示されます。ただし、必ずしもその通りになるとは限りません。また、要塞化された都市への攻撃などの場合、 Generals’ Adviceを受けられません。
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防御側の部隊選択について

防御側に複数の部隊がいる場合、攻撃を防御する部隊は自動で選択されます。諸要素を加味したうえで、最も生き残る可能性が高い部隊が選択されるとのことです。

戦闘に影響を与える因子

部隊の基本戦闘力に、主に次のような因子を乗算することにより、最終的な攻撃力・防御力が算出されます。

FORTIFY BONUS (防御ボーナス)

部隊が「防御」態勢をとっていると、防御ボーナスを得ることができます。防御態勢をとるには、移動していない部隊が防御アクションを実行する必要があります。

地形効果

地形に応じたボーナスやペナルティを受けます。部隊には得意地形と苦手地形があり、例えばギリシャの重装歩兵は平地でボーナスを得ますが、森などではペナルティを受けます。一方、蛮族の斧兵は、森や丘でボーナスを得る代わりに平地ではペナルティを受けます。

READINESS(準備)

防御側が攻撃を受けたターンに移動していない場合、ボーナスを得ます。

EXPERIENCE(経験)

多くの戦闘を経て経験を積んだ部隊は、ボーナスを得ます。(最大100%)

複数戦闘ペナルティ

1つの部隊が1ターンの間に複数回戦闘を行うとペナルティを受けます。1タイルに複数部隊がスタックしている場合はかわるがわる防御をおこないますので、このペナルティは受けにくいですが、1部隊のみで守っているタイルに複数回攻撃を受けると、このペナルティの影響を大きく受けます。

Army morale(軍士気)

国家間において、軍士気が設定されていて、このボーナスやペナルティを受けます。(例えばローマの軍士気がカルタゴに対して高い場合、ローマの部隊はカルタゴの部隊と戦う際にボーナスを得ます。)この効果は、DISCIPLINE (規律)スキルにより無効化できます。

General Morale (一般的な士気)

部隊の全般士気によりボーナスやペナルティを受けます。この効果は、DISCIPLINE (規律)スキルにより無効化できます。

Improvement(改良)

部隊は改良を持つことがあります。これはスキルのようなものです。訓練により付加することもできますし、戦闘することによりランダムに改良が付加されることがあります。改良の詳細については後述します。

都市の占領

都市の占領方法は3種類あります。

攻撃占領

攻撃占領をする場合、都市は損害を受けるので、復旧する必要があります。都市サイズが小さい場合、攻撃時に都市がなくなる可能性があります。なお、都市自身も防御力を持っています。

影響力で占領

INFLUENCE (影響力)とゴールドを用いて都市を占領することができます。実行する度に当該都市のgeneral morale(一般的モラル)が下がります。何回か行うと当該都市が暴動を起こして離反し、プレイヤー都市になります。ただし、当該都市に部隊がいる場合、暴動が鎮圧されることがあります。
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包囲占領

当該都市の周囲全て(山で通行不可は除く)を自軍支配地にし、かつ当該都市隣接スクエアに1部隊でも置いておくと、ターンごとに都市のモラルが下がり、やがて都市を占領できます。

占領後の忠誠度の回復差異

このゲームでは裏パラメーターとして、国毎に文化的な類似性、関係性が設定されています。占領後の都市の忠誠度の回復スピードは国の相性によって異なります。以下、マニュアルより引用。
たとえば、ローマ共和国がエピレアの都市を征服した場合、当面の忠誠度は低くなりますが、その都市は1世代または約20年以内に魂がローマになります。ただし、ローマがケルト人の入植地を征服する場合、文化の違いの差ははるかに大きいため、それらを橋渡しするには最大で70年かかる場合があります。

部隊の回復

部隊の回復方法は、回復アクションが3種類、そのほかにAUTO-HEAL(自動回復)があります。回復アクションを行っている際には、防御力が低下します。

SELF-HEAL (セルフヒール)

現在の攻撃・防御力の1割を回復します。当該ターン移動していない部隊のみがセルフヒールを行えます。資源は消費しません。
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RECOVER (リカバー)

元々の攻撃・防御力の2割を回復します。味方都市から3スクエア以内で実行できます。ただし、味方都市の人口が少ない場合、使用できないことがあります。 リカバーを行うと経験値が減少します。当該ターン移動していない部隊のみがリカバーを行えます。ゴールド、鉄、人口を消費します。
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HEAL INSIDE(ヒールインサイド)

当該ユニットにSpecialisation(専門化)している都市で実行できます。2ターンで完全回復 ただし、味方都市の人口が少ない場合、使用できないことがあります。ヒールインサイドは、移動力が1残っていれば行えます。 ゴールド、鉄、人口を消費します。
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AUTO-HEAL(自動回復)

回復アクションを行わなくても、毎ターン、現在の攻撃・防御力の3%が自動で回復します。都市に収納されていると、6%が自動で回復します。

訓練

部隊に改良を付加するアクションです。
いずれかの自国都市で、都市が何もしていない(改良施設を建設していない、他部隊を訓練していない、復旧作業をしていない)場合、ゴールドと鉄を消費することにより、部隊を訓練し、改良を付与することができます。訓練にSpecialisation(専門化)は必要ありません。部隊は1移動力を残している必要があります。改良には次のようなものがあります。
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改良の例(一部です)

名称説明
AMBUSH(待ち伏せ)隣接してきた敵に対して、攻撃力の10%の力で自動的に攻撃します。待ち伏せした側は損害を受けず、移動ポイントも使用しません。
DEFENSE(防御)防御時、部隊の防御力が30%増加します。
CITY RAIDER (都市攻撃)都市攻撃時、都市を占領できる確率が50%上昇します。
DISCIPLINE (規律)軍士気、全体士気の悪影響を受けなくなります。
FORAGER維持費が不要です。ゲーム開始時に保持しているユニットに付加されている改良です。
ASSAULT (襲撃)攻撃時、部隊の攻撃力が30%増加します。
PATHFINDER (探検者)移動力が30%増加します。
PATRIOT(愛国者)都市や、造船所以外の建物で防御する際に、防御力が40%増加します。
DREAD(恐怖)隣接する敵ユニットの防御力を一時的に20%下げます。DREAD能力を持つ部隊から離れた場合、防御力は元に戻ります。
ELITE(エリート)攻撃力、防御力、移動力を20%ずつ増加させます。

そのほかの部隊アクション

防備を固める(FORTIFY)

防備を固めると、防御時に40%の防御ボーナスがつきます。防備を固めるには、全移動力を消費します。(移動後には実施できません)
次の「部隊の収納」と併用はできません。
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部隊の収納(LOAD UNIT)

都市に部隊を収納したり、船に部隊を乗船させて輸送したりすることができます。対象の上または対象に隣接しているタイルで実行できます。
都市に収納された部隊は、都市が攻撃されたときには防御します。その際には防御修正が付き、Stockadeなどの都市施設があると、防御修正はさらに増加します。
収納されている部隊は、「防備を固める」ことや、SELF-HEALのような回復アクションを行うことができません。かわりにAUTO-HEALの効果が増加します。
タイルのスタック制限からは除外されます。「次行動部隊」リストからも外れますので、部隊の存在を忘れてしまわないように注意してください。
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部隊の展開(UNLOAD UNIT)

都市の外に部隊を出したり、船から部隊を下船させます。対象の上または対象に隣接しているタイルに部隊を展開できます。展開した部隊はそのターン移動できません。当該ターンに収納した部隊をそのターン中に展開することはできません。
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略奪

自国都市、建物、鉱山を略奪できます。略奪した対象は復旧が必要になります。都市の場合、General Morale (一般的な士気)とLocal Happiness(地方の幸福度)が低下します。
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襲撃

部隊の移動範囲にある全ての敵交易路を襲撃します。部隊は損害を受けませんが、襲撃には全移動力を消費し、襲撃したターン中、防御力は50%低下します。

道路、橋の破壊

道路や橋も破壊できます。

売却

損害を受けていない部隊とマップ上建物は売却することができます。売却すると作成に使用した資源の大部分が返還されます。売却には数ターンかかり、そのターンが経過した後に資源が返還されます。(木材の伐採とは仕組みが異なります。)その間に攻撃されて損害を受けた場合、返還される資源が減ります。
この仕組みを利用して、都市の人口を移転することができます。ただし、都市の上で売却されたとしても、返還された人口の全てが当該都市に加わるわけではなく、一部は他都市に加わります。
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破壊

部隊を除去します。破壊した場合、少量の資源が返還されます。破壊には1ターンがかかります。損害を受けている部隊は売却はできませんが、破壊はできます。
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アップグレード

既存の部隊を同じ兵種のより高度な部隊にアップグレードすることができます。アップグレードには資源が必要です。アップグレードを行う都市は、変更したい兵種にspecialisation(専門化)されていなくてはなりません。
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