700形

Last-modified: 2023-03-03 (金) 11:16:55

700形は1952年から500形(電車)を改造して製造された電車である。
500形のうち、特に状態のひどかった21両(モハ500形10両,クハ550形11両)を全鋼製車体に更新して誕生した。
車体は運輸省規格型に基づき設計され、帝国車輛工業、ナニワ工機で製造された。
1960年代から連結器を密着連結器に交換し、ブレーキ装置を自動空気ブレーキ(AMM)に変更、制御器も交換して1000系などとの混結が可能となった。
1988年の12月までに全廃された。

俗に運輸省規格型と呼ばれるタイプの車体をもつ。車体長は16.5mである。
側面窓配置はd1D(1)2(1)D3(1)D1d*1に変更された。
前面は切妻三枚窓の貫通型*2で、前面はわずかに丸みを帯びている。
類似した車両に、伊予鉄道クハ400形が挙げられる。

内装はロングシートで、乗務員室は簡易的な仕切りで区切られている。
中間に組み込まれる際は、車掌台側の仕切りを外すことができ、定員数を増やすことができるようになっている。
この設計は800形?にも取り入れられた。

500形(電車)の足回り項目を参照されたし。
台車は一部の車両が国鉄由来のTR-10台車に交換されている。*3
また、最高速度が時速80km/hに引き上げられて、高速化が行なわれた鹿ノ森線でも十分にダイヤグラムに合わせた運用が可能であった。

  • モハ700形
    モハ500の改造車。モハ701~モハ710の10両が改造された。
  • クハ750形
    クハ550の改造車。クハ751~761の11両が改造されたが、うち1両は電装化されてモハ700形に編入された。

*1 dは乗務員扉、Dは客用扉、数字は窓数、()内は戸袋窓
*2 後年、一部の車両は非貫通化された。
*3 台車の状態が極めて悪かった5両が交換されたようだ。