アフィカス

Last-modified: 2023-10-28 (土) 17:45:20
  1. 膜翅目トビコバチ科アフィカス属(Aphycus Mayr)に分類される実在の寄生虫である。ハチの仲間。
  2. 掲示板などに寄生し、悪質行為によってアフィリエイト(広告)収入を得る害虫以下のカス5ch利用者からは忌み嫌われている。特になんJを主戦場とするなんJまとめブログを指すことが多い。

ここでは2の意味について解説する。

なお、悪質行為を働かずにアフィリエイト収入を得る者は単に「アフィリエイター」と呼ばれるが、アフィリエイターとアフィカスとの境界線は曖昧である。

現在では、アフィカスに対するヘイトが噴出しており、ほとんどのなんJ民が広告ブロックアプリを導入して自衛を図っている。


まとめブログとは

なんJまとめブログとは、なんJのスレを編集(レスを取捨選択したり色を付けたり文字の大きさを変えたりするなど。これらの編集行為をまとめと言う)したうえで転載して記事にするブログのことである。これらのブログは、ほとんどの場合、広告を貼ることでアフィリエイト収入を得て運営している。

なんJまとめブログに対しては、

  • なんJのスレを広く拡散させることで、なんJ人気・野球人気の向上に貢献している。
  • 編集作業によって、なんJに溢れる大量のレスの中から面白いレスや役に立つレスをピックアップし、元のスレよりも読みやすくしている。

という肯定的な意見もごくごくわずかながら存在する。
一方で、

  • まとめブログの存在そのものに対する批判
    詳細

    まとめブログは、なんJ文化を知らない迷惑なお客さんをなんJに集める窓口になっており、こうしたお客さんは「あくまで内輪ネタを楽しむ」と言う本質から逸脱し、なんJ文化をクサくてつまらないものにしてしまっている。また、そもそもなんJ民の書き込みをパクって金儲けしていること自体が気に入らないと言う層も存在する。

  • ルールを守らない違法転載行為に対する批判
    詳細

    なんJまとめブログの多くは、なんJが転載禁止だった時期にも違法に転載をして広告収入を得ていた違法まとめブログである。現在では、5ちゃんねるの定めたルール(個人情報を5ちゃんねるに登録することや個々のレス内容は改変しないことなど)にしたがった転載は認められているものの、これらのルールを守らないブログも存在している。

  • ブログに貼られた過剰な広告に対する批判
    詳細

    記事のほとんどが大量の下品な広告で埋め尽くされており、中には誤クリックを誘うための動く広告もあって、検索結果などにまとめブログが出てくると非常に鬱陶しい。それだけならまだしも、過去に多くのまとめブログが詐欺アプリの広告を掲載してウイルス・スパイウェアを拡散させるという事件まで起こしている。

  • デマや誹謗中傷の拡散に対する批判
    詳細

    デマや誹謗中傷にあたる書き込みをまとめることがある。さらに、デマや誹謗中傷だと指摘されても謝罪や訂正を行わないことがほとんどである。もちろん、なんJにその書き込みをした者が一番悪いのだが、デマや誹謗中傷を書き込まない一般のなんJ民からすれば、それらを平然と拡散させるアフィカスも同罪であり、迷惑な存在である。

  • 偏向編集に対する批判
    詳細

    特定の少数意見を集中的に取り上げる偏向編集によって、それがなんJの多数派であるかのような印象操作を行い、ネット世論を誘導しようとすることがある*1。あるいは、過激なレスや頭の悪いレスばかりを抽出することで、なんJ民は異常な連中であるというレッテルを貼って、見世物小屋にしようとするまとめブログもある。さらに、悪質なまとめブログは、偏向編集どころか一部のレスを恣意的に改変する捏造編集など、倫理的に大きな問題のある行為を行う場合もある。

  • まとめブログ管理人によるなんJでの悪質書き込みに対する批判(後述)
    詳細

    まとめブログの管理人は、まとめやすくするために自らなんJに書き込むことがよくある。普通に書き込むだけならばいいのだが、他のなんJ民を自分たちが稼ぐための養分としてしか見ていないため、自らの利益優先で数々の悪質書き込みを行っている。対立煽り、自演、野球実況妨害、ロンダスレなどほとんど荒らしと言っていいレベルの悪質行為は枚挙に暇がない(これらの一部は後述する)。

などの批判があり、なんJでは非常に嫌われている。そこで、これらの悪質行為を働くなんJまとめブログの蔑称として、アフィリエイトと○○カスを組み合わせたアフィカスが使われるようになった。なお、アフィカスという名前の寄生虫も実在しており、まとめブログがなんJに寄生する様子をなぞらえた蔑称ともなっている。

なんJ民とアフィカスの戦い

アフィカスの登場

日本で2ちゃんまとめブログが誕生したのは2005年ごろとされている。まとめブログの一部は当初から数々の悪質行為を働いており、2007年にはまとめブログによるステマ騒動を受けて嫌儲板が設立された。しかし、この頃はVIPまとめブログが主流であり、野球まとめブログはほとんど存在しなかったことから、野球民とは無縁の騒動であった。

しかし、2009年に野球民によるなんJ侵略が行われた頃から、猛虎弁の面白さに目を付けたまとめブログがなんJのスレを転載するようになり、VIPの衰退となんJの台頭が同時期だったためなんJがまとめブログの主戦場となる。
乱立したなんJまとめブログが数々の悪質行為を働いたことでヘイトが集まり、2010年にはこれらのまとめブログがアフィカスと呼ばれるようになった。

アフィカスカス問題

2012年頃には、すでにアフィカスの悪質行為はなんJ全土に広まっていたが、それに加えてアフィカスカス問題という新たな問題が起きてしまう。アフィカスカスとは、アフィカスが立てたと思われるスレに突撃して「アフィ」を連呼してスレを荒らす者たちの蔑称である。

アフィカスカスの最大の問題は疑わしきは罰するという姿勢にある。ネタスレや政治スレなどのいかにもアフィカスというスレはまだしも、野球データスレ*2のような野球と関係あるスレであっても「データスレはアフィカスがよくまとめているから」というような理由でターゲットにされてしまった。

このようなアフィカスカスの荒らし行為によってなんJは一時機能不全に陥り、(アフィカスカスの狙い通り)すべての元凶であるアフィカスに対するヘイトも増幅された。

なお、アフィカスカスによる行き過ぎた自治行為はその後も長年にわたって続いており、様々なスレで水を差すことが多い。

個人による対抗策

その後、アフィカスによる転載を封じるため、多くのなんJ民が対抗策を講じるようになる。アフィ転載対策を講じているスレに関しては、アフィの立てたスレではないと判断してアフィカスカスも荒らさない傾向にあるため、これらのアフィ転載対策はアフィカスカス対策にもなった。

例えば、スレタイ・本文・名前欄のいずれかに「転載禁止」と明記することが行われた。また、「転載した場合には○万円を請求します」などの記載もみられた。

特にこの時期に流行したのが、名前欄の風吹けば名無し

  • 犯罪予告(「○○○○殺す」など。○○○○には著名人の名前が入る)
  • 違法取引(「当ブログでは大麻を販売しています」など。)
  • 猥褻な名前(「潮吹けばまんこ」など。)
  • その他広告会社が禁止している文言(「アドセンスクリックお願いします」など。)

など、広告会社が規約で禁止している言葉に変更して転載を妨害する戦略である。もし、アフィカスがこれに気付かずにそのまま転載してしまった場合には、なんJ民が広告会社に通報してアフィリエイト停止となるわけである。

これらの対抗策にも関わらず、アフィカスは名前欄を改変したうえで転載するなどの手を見せ、対策はイタチごっことなっていた。アフィカス対策は過激化し、名前欄ではなく本文中や画像中に上手くこれらの規約違反ワードを盛り込むなどの巧妙な対策をするなんJ民も現れた。

なんJ春のアフィまつり2014*3(雪の陣)

2014年2月、画像中に盛り込まれた犯罪予告に気付かずにまとめてしまったとあるアフィカスが炎上。炎上騒ぎの中で、このアフィカスの住所や氏名などの個人情報がWhoisに掲載されていることが発覚した。

これは、ドメイン取得時に登録が必要となる情報であり、ウェブサイトに問題が発生している場合に利用者が管理者と連絡を取るために全世界に公開されるものである。個人でドメインを取得する場合は、企業に依頼して企業名で取得するのが通例だが、ドメイン取得の手続き画面が大抵は英語であることから馬鹿なアフィカスは入力した個人情報が公開されるという注意書きが読めず、公開されないと思い込んで律儀に自分の個人情報を入力してしまったものと思われる。

さらに、それが話題となったことでなんJ民たちが他のアフィカスの情報もWhoisで検索したところ、企業名ではなく管理人個人の住所氏名を登録しているアフィカスが大量にいることが発覚。アフィカスの個人情報収集合戦に発展すると、日頃のアフィカスの悪質行為へのヘイトからパートスレは爆伸び。東京が数年ぶりの大雪に見舞われて多くのなんJ民が外出を控えていたという偶然が重なり、実に246スレ完走という当時のなんJ新記録を樹立する史上稀に見る祭りとなった。

この騒動によって76人のアフィカスの個人情報が晒され、恐れをなした100以上のまとめブログが閉鎖した。

転載禁止ルール制定と廃止

ようやく雪の陣が鎮火してもなんJでのアフィカスへのヘイトは収まらず、2014年3月には、全なんJ民の投票によりなんJの転載禁止ルールが制定された。これに伴い、デフォルトネームは「風吹けば名無し@転載禁止」に変更された*4

転載禁止ルールに違反してなんJをまとめる違法まとめブログが後を絶たず、火種は燻り続けたものの、一応はなんJ民がアフィカスに勝利した形となったのである。

しかし、2017年11月に2ちゃんねる運営がLoki Technologyに交代。新たな運営の方針により、転載禁止ルールは廃止され、運営に個人情報を登録することや、レスの改変はしないことなどの条件を守れば転載が認められることになった*5

広告ブロックの爆発的普及

転載禁止ルール廃止とほぼ同時期、2017年末には広告ブロックアプリを用いてアフィカスの収入源を断つ試みが流行のきざしを見せる。もっとも、当時の広告ブロックアプリは日本のウェブサイトにろくに対応していなかったり、設定画面が英語だったりと非常に扱いが難しい代物。導入をためらう一部なんJ民を牽制するためか、「広告ブロックは違法だ」「広告ブロックは危険だ」などと出所不明の噂を連呼するアフィカスと思しき荒らしが続出し、広告ブロックスレは立つたびに大荒れとなっていた。

そんな中、アフィカスの工作活動に業を煮やしたなんJの広告ブロック民たちは、広告ブロック解説wikiの開設、日本のサイトで広告をブロックすると発生する不具合情報の収集、それをもとにしたフィルターの修正作業、広告ブロックアプリの日本語化などといったボランティア活動に積極的に参画。こうした草の根活動が功を奏してなんJ民のほとんどが広告ブロック導入に成功し、さらにはなんJ外の一般人の間でも広告ブロックの普及が加速したのであった。

その後

全盛期と比べると数は減ったものの、現在でもなんJ/なんGをまとめるアフィカスが多数存在しており、戦いは継続している。一方で、アフィカスを通じてなんJ/なんGにやってきたアフィキッズと呼ばれる者たちも増えており、元々のなんJ民と比べてアフィカスに対するヘイトには温度差があると思われる。

アフィカスによるなんJでの悪質書き込み

アフィカスは、まとめやすくするためになんJで以下のような悪質な行動を取ることが多いとされている。ただし、これらの行動を取ったからといってアフィカスと断定できるわけではないことには注意を要する。安易なアフィ認定はアフィカスカスとなってしまい、こちらも悪質行為である。

対立煽り

特定の集団を過激な言葉で中傷することで対立を招く。例えば、A球団のファンに成り済ましてB球団を中傷することで、A球団とB球団のファン同士で喧嘩をさせようとする。こうすることで、極端な意見がたくさん出て、まとめやすくなるという寸法である。対立煽りは、ときには明白な差別と言えるような題材*6が使われることもあり、倫理的に問題のある行為である。

自演

アフィカスはなんJでIDを変えながら自演を行うことがある。対立煽りの手段として自演をすることも多い。一人二役でレスバトルをすることもある。これに釣られたなんJ民がレスバトルに参戦してしまうとアフィカスの思う壺となる。

野球実況妨害

アフィカスは、アニメ系まとめブログであればアニメスレ、政治系まとめブログであれば政治スレ、ネタ系まとめブログであればネタスレなど、自分たちがまとめたいスレを野球の試合中にまで乱立させて、野球実況を妨害することがある。

なお、試合中以外にこれらのスレを立てる行為については、なんJ民の中でも賛否がわかれており、試合開始までの暇潰しとしてこれらのスレに顔を出す*7住民もいれば、試合がない時も野球スレ以外は認めないという野球原理主義の野球民もいる。

ロンダスレ

アフィカスは、他の掲示板などのコミュニティーにおける書き込みをなんJにコピペしてスレを立てることが多く、これをロンダスレと呼ぶ。

アフィカスがロンダスレを立てる理由は、基本的に掲示板によって転載ルールが異なるためである。例えば、まとめブログへの転載が禁止されている掲示板の書き込みをそのまままとめてしまうと訴訟を起こされる恐れがある。そこで、一度なんJにコピペしておき、なんJからの転載という体でまとめるのである。また、なんJ語での反応をまとめるためにロンダする場合もある。

主なロンダスレのコピペ元としては、以下のようなものがある。

  • 5ちゃんねる嫌儲板…なんJ以上にアフィカスへの嫌悪感が強く現在もまとめブログ転載禁止であることから、頻繁にロンダされる。内容は政治スレが多い。主に嫌儲民の顔文字である"(ヽ´ん`)"にスレの内容を喋らせるスレタイが使われる。
  • 5ちゃんねるVIP板…VIPからのまとめブログへの転載は可能であるが、なんJ語でのレスが欲しい場合にロンダされる。内容はネタスレが多い。
  • ツイッター…転載時にツイッター社の定めた規約を守る必要があるため、なんJにロンダされる。ツイッターには嘘松が多いため、格好のネタになっている。
  • ヤフコメ(ヤフーニュースのコメント欄)…過激な意見がよく書き込まれるため、アフィカスの大好物である。例えば露骨なまでの斎藤佑樹批判などで注目された。当然のことながら内容はニュースに対するコメントだが、題材は野球ニュースから政治ニュースや芸能ニュースまで幅広い。

ロンダスレによって他板のインパクトの強いネタが輸入されることもあり、いくつかのロンダスレが定期スレと化すなど、肯定的に評価されることもある。代表的なロンダスレネタとしては、嫌儲ロンダから発祥したアチアチが挙げられる。

しかし、ロンダスレは、大半が野球に関係ない内容であり、アフィキッズが気軽にレスできるため、長時間保守され続ける雑談・馴れ合いスレとなることがよくある。野球実況の邪魔になるため、ロンダスレに批判的ななんJ民も多い。

なお、野球に関係ある話題のロンダ(公示・野球ニュース・試合速報等)に対しては、ロンダスレであっても批判されることはまずない。

ロンダスレの例

(ヽ´ん`)「ドーナツなんて自分で作れば簡単だぞ」 [転載禁止]©2ch.net

1 :風吹けば名無し@転載禁止:2015/02/19(木) 23:08:49.48 ID:EtON4Xrp0

97 名前:番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です[] 投稿日:2014/12/23(火) 11:30:59.87 ID:pYEgpnKQ0 (PC)

ドーナツなんて自分で作れば簡単だぞ

この量で1000円くらい

ミスドいったら3000円はとられるww

http://i.imgur.com/zpUVqNJ.jpg


関連項目


*1 例えば、まとめブログ管理人が嫌っている監督に対しては、擁護レスを消して批判レスばかりをまとめることで、なんJ民のほとんどが叩いているかのような印象操作をして、監督退陣の方向に世論を誘導しようとするなど。
*2 例としては、「12球団最後の○○wwwww」など。
*3 のちにこれをもじって「なんJ春のBAN祭り」と題して差別発言をしたYouTuberを通報する活動が行われたことがあるが、名前以外は全く無関係の活動である。
*4 また、スレタイに「転載禁止」が自動的に挿入されていた時期もある。
*5 とはいえ、これらの条件すら守らないアフィカスも一部に存在し、問題視されているのが現実である。
*6 一例として、外国人選手・監督に対して人種・民族差別用語を使って誹謗中傷するなど。
*7 ただしオッホー!での事例のように、そういったスレでの書き込みを晒し上げられる場合もあるので、もし書き込むのであれば注意すること。