【鋼】

Last-modified: 2020-06-29 (月) 17:15:54

鋼とは、人が“太陽”の加護を受けて生み出した、最も強き金属である。
これは「死」を遠ざけるのみならず、蛇の毒さえも殺した。
永遠なる命なき「死」の漂う荒野とかした世界を切り開く上で、この金属が作り出したものは特に役立った。
だが同時に純然たる暴悪として、新旧問わず命を奪う凶器ともなってしまった。
まさしく、人を象徴する金属である。


 

鋼の性質

鋼は蛇の毒・加護を殺す数少ない金属である。
それ故に、まじないや古き生き物たちと相対する戦士たちはこぞってこれによる武具を求めた。
上質な鋼を用い洗練された匠の技が振るわれた刀剣は、特にその性質が強いとして、重宝された。


竜の鱗を貫くことが出来るのは、一般的に鋼だけであるとされる。
それは蛇の毒を殺す力を持ち、なおかつ同じ“太陽”の加護を宿せる金属だからである。
古くは“並ぶものなき”アルヴィンや“眩き王冠”のルーヴィンが纏った鎧、払った剣などが有名だが、それ以外にも多くの英雄が携えた武具は、みな鍛え抜かれた鋼で造られている。


かつては魔鬼など使命遂行を阻むものたちを追い払うための武具であった鋼は、
今や同族を葬りその富を奪うための、あるいはそうしたものから守るための武器となった。
人は互いに殺し合い、利益を奪い合う獣となったのだ。
それでもなお、神々は我らを見捨てなかった。

 

鋼の弱点

鋼は古き生き物や魔鬼と争うには有効な道具であるが、
熟した鱗持つ竜、あるいはクラウケンや妖魔の類にはその強みを発揮しきれなかった。
それ故に、人々はまじないによる古き奇跡の名残や、祈りによる色褪せた奇跡の力を弄して彼らを追い払った。
この力は、当然、それ以外の者たちにも有効であったために。