【術不能者】

Last-modified: 2024-04-23 (火) 22:49:56

SF2

人々が【術】を使うことが当たり前という世界観を持つ本作の世界【サンダイル】において、術を使えない者を指す用語。
作中では主人公の一人【ギュスターヴ13世】とその友人・従者である【フリン】が該当する。
物語序盤の社会では術こそ至上という価値観が強く、術不能者は人間ですらない出来損ないとして差別されることが多かった。
しかし、王族でありながら術不能者であったために追放された13世が金属を用いて台頭したことで、その価値観が徐々に変わっていくこととなる。
 
歴史的経緯としては、かつての【ハン帝国】の隆盛・崩壊や【ツール】の発明といった出来事が、物語中での術不能者差別と大きく関係している。
ハン帝国は【先行文明の種族】の遺産である【クヴェル】を独占して隆盛を極めたが、当時の人間社会ではまだ【アニマ】研究が進んでおらず、術と言えばただクヴェルの力を発現するのみであった。
(ヒトが扱うのに丁度良い性能のものであれば)クヴェルは所持者が僅かにアニマを込めるだけでも実用レベルまで術を増幅するため、例えアニマの行使能力が弱い者でもクヴェルを介すれば問題なく術を使用できる。
当時の術はクヴェルを持つ支配層の特権であり、またクヴェルの所持が支配力に直結していた。
しかし、腐敗貴族に対する【ニカの反乱】をきっかけにハン帝国は崩壊。その後は【南大陸】にも旧帝国の人々と共にクヴェルや術の文化が流入したが、その中には粗悪な偽造品も混じっていた。
偽造クヴェルは人類が作り上げた術具という点ではツールの原点であり、資質のある術者が使えばそれでも術を引き出すことができたが、資質の無い者には扱うことができなかった。
これに着目した南大陸の人々が偽造クヴェルや術を研究した結果、アニマの概念が解明され、「クヴェルより質の劣る道具であってもアニマを操る資質のある者が使えば術を行使できる」ことが認知される。
更にはある程度の質を持ったツールを製造する技術も確立され、ツール中心の術文明が発展することとなった。
 
しかし、前述の通りツールで術を使うためには、クヴェルと違って個人の才能がモノを言う。
人々の価値観も、クヴェルの所持ではなく術の才能こそが地位を持つに相応しいと考えるものになった結果、それまでクヴェルを独占していた貴族の中にもクヴェルなしでは術を扱えないことが判明した者、すなわち術不能者は社会の最底辺へ落とされた。
その意味では腐敗した帝国への鬱積が、術不能者差別というものが生まれるきっかけとなったとも言える。
 
一般の術不能者は「普通のツールでは術を操ることができない程にアニマが弱い」というものだが、典型的な術不能者と思われがちな13世に関しては事情が異なる。
彼は「アニマそのものがカラッポ」という本来ありえない現象を持つ(=クヴェルを用いたとしても術を使えない)特異体質であり、それゆえヒトが扱えるギリギリのレベルでアニマへの感応・増幅能力が高い【ファイアブランド】を光らせることができなかった。
 
なお、術不能者として挙げた2名のうちフリンは非戦闘員のNPCのため、プレイヤーが【バトルキャラクター】として操作できる術不能者は13世だけ。
彼に関しては【最大JP】-100の補正によりパラメータ上最大JPがゼロで固定されている他、JPを消費するコマンドが全て装備不能・選択不能という特殊仕様を持っており、ゲーム上でも術が使えないことが表現されている。