【やまびこのぼうし】

Last-modified: 2024-04-05 (金) 23:50:29

DQ2、3、8、B2に登場するのはこちら→【やまびこのふえ】

概要

山彦の帽子。リメイク版DQ5を除くDQ5~DQ7に登場する兜。
登場作品全てに共通して守備力25の非売品。
最大の特徴は「戦闘中に限り、1回分のMP・行動内で同じ呪文が2回連続で発動する」こと。
効果発動時には、「じゅもんが やまびことなって こだまする!」というメッセージが表示される。
 
重厚な兜を装備できない女性や魔法使い系のキャラにとって、守備力25はそこそこ高い。加えてその特殊効果により、たとえ力が弱くても終盤でも主力として活躍できる。
DQ5では入手時期がこれに一歩遅れるものの、【たたかいのドラム】が台頭することで極端な打撃偏重傾向が発生。
DQ6・DQ7では強力な特技が数多く登場し、大きく勢力を広げた。
そんな背景もあり、存在感が薄くなりがちになった呪文にとってまさに切り札ともいえる存在だろう。
 
【スクルト】【ベホマラー】などの回復・補助呪文の重ね掛けは強力。
味方に【マホカンタ】をかけ、わざと反射されて返ってきた2回目の発動分を術者にかける「山彦マホカンタ」といった応用法もある。
 
何より、上記のメッセージとともにメラゾーマやイオナズンなどの大技が繰り返し発動する様は爽快そのもの。
入手時期は冒険終盤、シリーズによってはクリア後限定。
入手方法も一品確実に手に入る以外には敵の低確率ドロップのみと限られてはいるが、是非とも手に入れておきたい逸品である。
 
なお、山彦効果は呪文にのみ適用される。DQ6やDQ7に登場する「MPを消費する『特技』」では当然ながら発動しない。
ストーリー上では「究極呪文」などと呼ばれる【マダンテ】も該当作品では特技扱いなので、「全MP消費のマダンテを2連発」はできない。
 
自然現象の山彦とその原理を考えれば「放った呪文が跳ね返って術者にもかかる」というのが名前に忠実な効果のように思えるが…流石にそれではほぼ呪いアイテムになってしまう。
 
ほとんどデメリットのないバランスブレイカー気味の性能ゆえか、DQ8以降の作品には登場しない。
ただし、DQ9の【やまびこのさとり】、DQ10オンラインの【やまびこの陣】、DQ11の【やまびこの心得】など、これに類似した効果を持つ特技や特性が追加されている。
 
なお、呪文が【山彦となって響きわたる】というメッセージはDQ3の頃から【パルプンテ】の効果の1つとして登場するが、こちらはDQ5~DQ7を含めて「むなしくひびきわたる」だけで何の効果もない。
つまり、元は単なるネタの一種にすぎなかったものの、「呪文の詠唱がやまびことなる」部分を発展させる形でこのアイテムが生まれたと言える。

DQ5

【エビルマウンテン】の宝箱に入っているほか、【あくましんかん】が1/128の確率でドロップする。
【ビアンカ】【フローラ】【女の子】【装備グループ】B・G・Iの仲間モンスターが装備可能。
主にサポート役として使っていた妻や娘をメインアタッカーに起用した人も多いのではないだろうか。
【メラゾーマ】【イオナズン】を連発して敵をなぎ倒す様は爽快の一言。
【男の子】【ライオネック】は装備できないので、このころは山彦 【ギガデイン】はできなかった。
【バイキルト】+打撃と違って、凍てつく波動の影響を受けないというメリットがある。
ゆえにラスボス裏ボス戦でも、【マホカンタ】に対処すれば十分主力のダメージソースになりうる。
特にラスボスは守備力が高い上にマホカンタを解除しないとルカニ系が通らないので、その意味でもマホカンタは真っ先に解除しておきたいところである。
山彦ラリホーを上手く活用すると、ほぼ無傷でエスターク撃破も可能である(後述)。
 
雑魚戦の全体攻撃では、【たたかいのドラム】【はかいのてっきゅう】と山彦イオナズンはほとんど一長一短の関係。
ドラム→鉄球は複数攻撃武器の例に漏れずダメージが後の対象ほど減少し、また相手の守備力に左右される。
なにより、一旦ドラムで強化してもらう必要があるため、鉄球の攻撃は最速のキャラに任せられない。
対して山彦イオナズンはダメージが相手の耐性に左右されるが、全体に一定のダメージが与えられる。
そして、単騎で行えるため、星降る腕輪で素早さを強化しての先制一掃が期待できることが大きい。
母娘での山彦イオナズンの破壊力は凄まじく、弱耐性以下の敵を相手取った場合に、
全体にミナデインを軽く越える480~640ものダメージを与えることができる。
さらに【女の子】ならばもう1つの全体攻撃呪文である【マヒャド】も覚えるのだが、終盤ではイオに強くてヒャドが有効な敵はごく一部に限られるので、こちらは全体がけのメリットがあまりない。
厄介な強敵はヒャドに強・完全耐性が多いのもつらい。
とは言え、山彦マヒャドは【かがやくいき】のダメージも上回るため、全然使えないというわけではない。
一方、山彦【ベギラゴン】は対【キラーマシン】のリーサルウェポンとして活躍する。
 
山彦メラゾーマの最大の利点はダメージの安定性にある。
最大ダメージ量を比較するとドラム→【ふぶきのつるぎ】に軍配が上がるが、これは力が255、あるいはそれに近い数値まで育っているということが大前提。
一方で山彦メラゾーマの代表的な使い手である嫁はメラゾーマをLv33で習得する。あとは山彦の帽子さえ入手していれば力2倍状態の吹雪の剣に次ぐような火力をこのレベル帯で出せてしまうというわけである。
当然魔界で登場する各ボスや強敵対策としても有効なことこの上ない。
なお本作で「山彦メラゾーマ」が可能なのはビアンカ・フローラと【キングスライム】のみ。
粒揃いなスライム族の中ではあまり使えないと酷評される王様だが、最後の最後に輝く瞬間がやって来る。
あくましんかんから2個目の帽子を入手すれば、ダブルで山彦メラゾーマを放てる。
キングスライム2匹目と3個目のドロップがあればトリプルで撃てるが、さすがに防御面で不安が残る。
 
欠点として、上記の通り出現時からマホカンタを張っている敵への対策は必須になる。
だが、補助呪文にも効果を及ぼすため、使い道が多様なことは大きな長所。
確率系呪文は手数の暴力で相手の耐性を突き破り、数値の増減は変化の値が単純に2倍化する。
例えば、山彦【ラリホーマ】ならエスタークさえ94%の確率で寝かせられる(【主人公】が高レベルなら【ラリホー】でもOK)。
【メダパニ】【マヌーサ】【ニフラム】、果ては【ザオラル】までも成功率を大きく高めることが可能。
同様の手法で山彦【ザラキ】を使うと、高貫通化していれば実に94%(弱耐性以下なら100%)の確率で即死させるため、完全耐性を持たない敵には反則技と化す。
今作では【ルカニ】の使い手が少ないが、山彦【ルカナン】ならルカニに近い感覚で使えるだろう。
打撃重視の相手には山彦【スクルト】で守りを固めるのも地味ながら有効。
ちなみに【スライム】はここに挙げたうちラリホーマ・マヌーサ・ザラキ以外を覚えるため、山彦を加えることで全キャラ中トップクラスの補助のエキスパートと化す。
 
回復については、フローラの山彦【ベホイミ】が有名。
回復量が170前後になるため、クリアレベル帯であれば、ほとんど【ベホマ】に近い感覚で使える。
このおかげで、彼女は攻撃・補助・回復と、八面六臂の活躍を見せる。
一方で、山彦【ベホマラー】もスペックは非常に優秀なのだが、こちらは使い手が【ホイミスライム】【ベホマスライム】しかおらず、彼らはいずれ【ベホマズン】を覚えるので山彦ベホマラーを活かす機会はあまりない。
 
打撃偏重と言われるSFC版DQ5だが、山彦の帽子さえ装備すれば意外と呪文使いも頑張れるのだ。
また、使い道が多様な分、プレイヤースキルが高いほど大きくポテンシャルを引き出せると言える。

リメイク版での削除

魔法使い系キャラにとって切り札的存在であった山彦の帽子だったが、リメイク版ではなんと削除されてしまった。
SFC版で山彦の帽子が手に入った宝箱はすごろく券、ドロップはちいさなメダルに変更されている。
同じくPS2版で削除された【ときのすな】はDS版で復活したが、こちらは削除されたままである。
 
リメイク・移植に伴って無くなった装備品は、他にFC版DQ4の【いばらのむち】【ブーメラン】があるが、これらには代替品(【せいなるナイフ】【クロスボウ】)が登場している。というより、後発作品でムチやブーメランが複数攻撃武器の代名詞になっているので紛らわしくないように【いかちのつえ】のように名前だけ変更されたというほうが近い。
オリジナル版での装備品でリメイク・移植時に代替品も作られず、文字通り跡形もなく消えてしまったのは現在のところDQ5の山彦の帽子だけである。
MSX版限定の【あぶないみずぎ】のように、リメイク・移植での特典アイテムみたいなものも入れると他にいくつかあるが……。
ちなみに装備品以外を入れても、アイテムとしての代替品が用意されずにリメイク・移植で削除された例は非常に少ない。
例を挙げると【みずでっぽう】(DQ3)、【倉庫のカギ】(DQ7)のように実用性のない完全なお遊びアイテム(しかもみずでっぼうは代わりに【オルテガのかぶと】が手に入る)。
そして各種地図アイテム(DQ2、DQ5~DQ7)、【ふっかつのたま】(DQ2)、【ルパスのお宝メモ】(DQ11)、【たびのしおり】【ももんじゃのしっぽ】(DQM)他、仕様変更の憂き目にあったものぐらい。
山彦の帽子のように戦略に大きくかかわるアイテムでは極めてまれである。
 
データ上は存在しているが、PS2のプログラムではうまく発動しないために削除されたとも言われている。
それ以外にも、SFC版からの仕様変更により、

  • バイキルトの計算式の関係で、通常攻撃で山彦メラゾーマを上回るダメージを与えるのが困難になった
  • 馬車外に出せる人数が増えたことで山彦補助・回復呪文の効果がSFCよりも大きくなった

この辺りも削除の一理由だろうが、そもそもメラゾーマはMPを大量に消費する上級呪文なのだから、通常攻撃よりもダメージが大きいのは当たり前である。しかも、やまびこのぼうしを削除しておきながら、バイキルトの仕様変更はあってもこれよりも強い「たたかいのドラム」は何故か続投している。
この差は一体何なのだろうか…?
開発者はそこまでして呪文を活躍させたくないのだろうか?
それとも物理を活躍させたいのだろうか?
おかげでただでさえ、打撃偏重なDQ5の物理・特技優遇、呪文冷遇のバランスをさらに崩してしまっているため、批判の声が大きい。そもそも、仮に山彦メラゾーマがあったとしても、耐久力などの差によって、物理キャラの出番が失われることはなかっただろう。
 
PS2版とDS版による大胆な変更は「どうせDQ6,7もリメイクされたら削除されるに決まっている」と別作品のプレイヤーを絶望させたり、「DS版DQ6ではリストラが免れてスタッフがプログラムの組み方も把握したんだからきっとスマホ版DQ5では復活するに決まっている」とスマホ版DQ5を楽しみにしているプレイヤーに淡い期待を持たせたりと、混乱を招くことになった。
少なくともDQ5のリメイク版は全作品ともお察しの通りだが、別作品のリメイク版ではどうなったのかというと……作品ごとの項目を参照されたし。

DQ6

【デスコッド】の民家のタンスに入っている。
確実な入手はクリア後になったが、【メタルキング】【ブースカ】がドロップするので頑張ればクリア前でも手に入る。
ドロップ率はいずれも1/256で、盗賊をマスターした4人で戦えば1/30程度の確率で盗むことができる。
盗賊4人で時間さえかければ、人数分揃えるのも難しくはない。
【ミレーユ】【バーバラ】【チャモロ】のほか、装備グループA・Eのモンスターも装備可能。特に装備グループEにとっては、最強の頭装備が【しあわせのぼうし】であり、そちらよりは量産しやすいうえ守備力も10しか違わないため、こちらのほうが有用である。
 
今作では【せいけんづき】【かがやくいき】【ギガスラッシュ】【ハッスルダンス】と強力な特技が多数登場したため、呪文の存在意義が大きく削がれたが、山彦を駆使すれば攻撃・補助・回復どの面でも引けは取らない。
何より【ギガデイン】が時間さえかければ誰でも習得可能になった事で、山彦の最大火力もアップ。
使い道のあまりなかった【ミナデイン】も2発撃つことが可能となったために十分考えられる戦術となった。
妥協して山彦【メラゾーマ】でも十分に強い。
【ランプのまおう】に山彦させると理論上【メラゾーマ】を四連発、【フィンガー・フレア・ボムズ】の八割再現が可能になる。【ポップ】よりスゴイぞ!
 
また、【ベホマズン】が一部の仲間モンスターしか習得できない呪文になっているため、山彦【ベホマラー】も有効。
汎用的な全体回復手段としては特技のハッスルダンスに大きな差を付けて山彦ベホマラーが圧勝。
【ホイミスライム】もランプの魔王もいないパーティでは、【ダークドレアム】戦では必須だろう。
最強の仲間であるランプのまおうが装備できるのもありがたい。
【賢者】の熟練度MAXの特典である消費MP半減と組み合わせるとベター。
 
また、山彦 【ザオリク】も強力。
ザオリクの対象にしたキャラが発動前に生き返っていた場合、別の死者を自動で再選択してくれる。
そのため、死者が二人以上いる状態で使えば一度に二人を蘇生することが可能。
 
なお、【パルプンテ】は山彦しない。

リメイク版

DQ5での扱いや、仲間モンスターシステムすらバッサリ削除するほどの改編から今作でも削除されるかもしれないと思われていたが、意外にもちゃんと生き残っている。
最も今作は前作以上に特技優遇・呪文不遇なので続投しているのはぶっちゃけ妥当であろう。
 
入手場所などは変わっていないが、山彦ザオリクはできなくなっている。

DQ7

【更なる異世界】の宝箱に入っている。
また、同ダンジョンにのみ出現する【あんこくまどう(DQ7)】が1/128の確率でドロップする。
【マリベル】【ガボ】【メルビン】が装備可能。
 
作品が進むにつれ、確実な入手時期はラストダンジョン、裏ダンジョン、裏ダンジョン2と綺麗に一段階ずつ遅くなっている。
DQ7以外の作品では敵のドロップを狙えば入手時期をある程度早められた。
だが、本作では入手できるタイミングはどうしても裏ボスを倒した後になる。
強力なアイテムであることには違いないが、これを手に入れる時は既に最強の敵を倒した後であり、
アルテマソードやつるぎのまい、どとうのひつじなど、強力特技の登場による攻撃面での相対的な影の薄さは否めないが、回復や補助の面では相変わらず有用。
【賢者】【天地雷鳴士】【ダークビショップ】の熟練度MAXで消費MPが軽減(賢者では本来の60%、他2つは半減)される特性と組み合わせれば、低燃費で高い効果を得られるのでお得感が凄い。

【しっぺ返し】でも適用される。だが、やまびこのぼうしを入手するその頃には呪文の2倍ダメージを超える特技を身に付けているし、補助呪文を返しもモンスターの耐性に阻まれたり、逆にしっぺ返しする間もなく受けてしまい全滅するリスクのほうが高い。

余談だが、シリーズ通して馴染みのあるレア帽子枠、【ふしぎなぼうし】、しあわせのぼうし、【かぜのぼうし】、やまびこのぼうしの4種が共演している唯一の作品である。

リメイク版

基本的にはPS版と変わらないが、すれちがい石版の登場により入手時期を大幅に早める事ができるようになった。
自力入手を前提とした場合でも、従来作品と比較して最も早いルーメンクリア後に入手可能となる。
ただしこれは理論上の話であり、入手は決して容易ではない。
 
ルーメンクリア直後から完全に自力で行うならば、

  1. 図鑑のNoが割と近い【エビルプラント】をトクベツな石版【最強!?黒に染まる森】でなつかせる
  2. そいつをリーダーにした石版を作る
  3. 石版に登場するより高いNoの魔物を登場させてなつかせる
  4. 以下、隠しダンジョンのモンスターを相手に最低でも3枚の石版を渡り歩く

ここまでやってあんこくまどうを出現させて、ようやくスタートラインに立てるという苦難の道である。
そこからあんこくまどうを倒し、ドロップor盗みを狙わなくてはいけないのだからゴールは果てしなく遠い。
石版交換で割と見かけるエビルエスタークやプラチナキングを起点にするのもアリ。
だが、それでもかなりの困難が伴うだろう。
ラストダンジョンまで待てるなられんごくまちょうをリーダーにした石版に出現する。
そこを起点にするのもいい。なつかせる間にパーティが壊滅しないよう注意はいるが。
あとは盗み効果の職業とぬすっと斬りの出番だ。
これなら神さま戦でも頼りにできる。
 
だが、ここまでやって早期入手しても便利さをそれほど実感できないのが何とももどかしい。
最大のアイデンティティだった山彦ベホマラーも、【勇者】【ベホマズン】を習得できるようになってしまった。
最大回復量を求めるなら山彦をする必要が無くなってしまったが、MP消費効率ではやはり非常に有用である
やまびこ+賢者(or天地雷鳴士orダークビショップ)の熟練度MAXによる低燃費で大量回復の価値は健在だ。

今作はルカニが守備力を50%しか下げないので、山彦ルカニが有用である。
また、山彦バイキルトは二発目が対象をランダムに取るため、運が絡むが二人にバイキルトをかけることも可能。