【エンドール】

Last-modified: 2024-03-15 (金) 09:05:21

DQ4

世界地図の中心からちょっと北西の辺りにある国。統治者は【エンドール王】
FC版の【公式ガイドブック】での英語表記はEndohr。英語版での地名は全機種ともEndor。
 
世界有数の大都会であり、世界の中心的存在の都市。一般的な街の施設の他に、【カジノ】【コロシアム】も備えている。
二章・三章・五章と3つの章で登場する。五章より前に複数の章でプレイヤーが訪れる唯一の街。
さらにライアンも一章終了後にここを訪れており、三章で会える。マーニャ・ミネア姉妹も四章の最後に定期船でここに向かうため、勇者以外の導かれし者たちは7人全員、勇者に出会う前に必ず一度はここを訪れていることになる。
更に、リメイク版では新たに仲間になる【ピサロ】もかつてはデスピサロとして後述の武術大会に参加しているため、やはり全員が訪れていることになる。この街には、何か因縁のようなものでもあるのだろうか?
 
城と城下町から構成され、城下町には一通りの店の他、DQシリーズ初のカジノや、【はぐれメタルよろい】が買える秘密の店などもあり、導かれし者のひとり【トルネコ】もここに自分の店を構えることになる。
また城は中央の入り口から入ると玉座の間に、両サイドの入り口から入ると裏手にあるコロシアムに通じている。
すぐ北に【ボンモール】、東に【ブランカへの洞窟】(開通は三章)、西には【サントハイム】領に通じる旅の扉のほこら(【エンドールの旅の扉】)がある。
 
なおエンドールの都だけに限れば世界トップクラスを名乗れる大都会ではあるが、面積で見るとそんなに広くない。
北はいくらか北上した所にある橋を渡ればボンモール領だし、東も同じくトンネルを抜ければブランカ領。
南は若干広いが山と森がある半島が伸びているだけ。西も旅の扉をサントハイム兵が管理している以上は旅の扉の向こうはサントハイム領だろう。
エンドール領には人間の住まう拠点は首都エンドールしかなく他の町や村は存在しない。
人口密集の超一極集中国家のようだ。
もっとも、エンドールの様に交易を中心に発展した都市国家であれば一次産業を自国で賄う必要性も低い。現実世界のシンガポールのようなものだろう。カジノもあるし。
余談だが、コロシアムの観客席は露天に見せかけて天井判定がある。
 
エンドールの語源については公式からソースとなるような明確な発言や書籍は今の所ない。
可能性としてファンが推測できる範囲では…

  • ファンタジー小説『指輪物語』の舞台になる大陸『中つ国(Middle-earth)』のエルフ語表記『エンドール(Endor)』
  • トルネコが立ち寄る商売の街のイメージからドラクエに多い駄洒落的な語感で「円+ドル」でエンドール

といった所だろうか。

二章

【サントハイム王】の声の問題を解決した後に訪れることが可能になる。
二章では最後に訪れる場所となる。
北のボンモールへ通じる橋、東のトンネル予定地への橋はどちらも壊れており渡ることはできない。
「誰かが壊した」と言われているのでデスピサロのせいなのか?と思いきや特に誰が犯人である、とは明言されない。知られざる伝説ではある人物の仕業ということになっている。
 
アリーナ姫一行が訪れた時点では【武術大会】が開かれており、【モニカ】の頼みもあってこれに出場することになる。なお、エンドールで武術大会が開催中であることは前もって【テンペ】(事件解決後)や【砂漠のバザー】で聞くことができる。
【デスピサロ】の名が会話に初めて出てくる場所でもある。
地下牢には「デスピサロに きをつけるんだ!」と忠告してくる囚人がいるが、こいつが何者でどういう関係なのかは不明。
第三章以降でもずっと同じセリフしか言わないあたり、彼にとってデスピサロは相当なトラウマになっているようだが……。
ちなみに、この城の地下牢はなぜか台所と直結した場所にある。
囚人に食事を提供しやすいというメリットはあるかもしれないが、炊事の匂いが日常的に漂ってくるのは、ある意味拷問に近いかもしれない。
このような構造は他では【デスパレス】でしか見られず、あちらは「魔物たちが捕らえた人間を食う」ためにそのような作りになっているので、エンドールの地下施設の構造はシリーズ全体で見てもかなり異常である。
もう一つの地下室は隠し部屋のようになっており、【いのちのきのみ】が1個手に入る。特に施錠はされていない。
 
カジノは普通に営業中。二章だとコインが1枚10Gと、通常よりも安くなっている。
ここに着いてからもレベル上げをすることは多く、カジノで時間をかければ景品で装備を強化できる。
ちなみにコインの安さゆえに【838861枚】技は使えない。
 
武術大会終了後は兵士の伝令によりサントハイムに戻ることになり、それ以降は章終了までエンカウントは発生しなくなる。
ちなみに、デスピサロ失踪と同時にモンスターが出なくなったことを指摘し、訝しんでいる住人がいる。
 
問題は周りの敵の強さ。【かまいたち】【さそりアーマー】【プテラノドン】が再登場するが、それよりきついのが新顔の【さまようよろい】【がいこつけんし】。どちらも2章ではトップクラスのスペックを誇り、それぞれ痛恨とルカナンを使う上、ヒャド系耐性アリなのでヒャダルコも無効化されることがあるので辛い。
【エンドールの旅の扉】からエンドールまではそれほど長い道のりではないのだが、FC版ではランダムエンカウントの都合上、運が悪いと数歩おきの連戦になることもままあり、強敵との戦いで死人が出た状態で強行しようとするとたどり着けないこともある。ある程度お金も溜まっているタイミングで全滅は痛いので、危ないと思ったら一度引き返す判断も必要になる。
ただ適正レベルであればケタ違いすぎて歯が立たないわけではないし、一度城に着いてしまえば城下町でスグ宿が取れるし蘇生もできる。強敵な分だけ報酬も多めな上にMP残量気にせず呪文を惜しまず使える分、城周辺で戦うだけなら相対的な危険度はフレノール南の洞窟やさえずりの塔よりは低い。
前述した通り、ほこらからエンドールまでは長い道のりではないので、適性レベル付近なら城到着までMPが尽きることも考えにくい。念のため薬草を人数分持っておけば万全。ここは持てる今ある最大限の攻撃手段を使って乗り切ろう。
そして時折出現する【メタルスライム】を倒せば一気にグーンと稼げるので、武術大会を安全に切り抜けるためにここで予めレベルを上げておくのも悪くない。
アリーナ自身の会心率の高さもさることながら、こちらが3人いるので集中攻撃で倒すのはそれほど難しくない。FC版なら【せいすい】で一撃なのでなおさら楽勝(逃げられても必ず単体なのでムダにならない)。リメイク版でも確定で1ダメージを3人がかりで行えるので撃破効率はかなり良い。
しかもメタスラのドロップアイテムが【きんのかみかざり】なので落としてくれればアリーナの守備力を無料で強化できる。
なお、第五章に向けてここで二章メンバーのレベルを過剰に上げることを趣味にしている人もいるが、3人しか上げられないのでこだわりがなければ他のメンバーも同時に上げられる第五章で上げる方が当然効率はよい。メタルスライムの出現率も第五章の方が高い。
メタルスライムのドロップアイテムであるきんのかみかざりも、五章でアリーナたちが加入するころには普通に店で買えるようになっている。
ただし通常プレイの範疇からは逸脱するが、FC版なら第5章で【透明気球】を応用したバグ技によって【キングレオ】を何度も繰り返し倒して荒稼ぎするという裏技も知られる。そちらを行う場合にはアリーナとクリフトが(ブライは任意で)参加できないので、第2章のうちに育てておくならバランスは取れるかもしれない。

三章

三章では後半のベースとなる場所。イベント量だけで言えば五章よりも多い。
【ドン ガアデ】に橋を直させることで訪問可能となる。
このとき東の橋も既にドン ガアデによって直されている。
ただし西の旅の扉は使えるものの、サントハイム領に上陸はできない。
 
ここでは教会の前にいる【スコット】、宿屋2階にいる【ロレンス】を5日間限定で仲間NPCとして雇うことができるほか、城下町北東にいる男性は女神像の洞窟にある【ぎんのめがみぞう】を25,000Gで買い取ってくれる。
カジノは理由は不明だが営業休止中。この休止中のカジノの中には【ライアン】がいる。
 
訪れてすぐにはトルネコはを出すことができない。商売をするのに王の許可がいるというドラクエ世界では珍しい演出である。
商売をするときに行政に許可や届出が必要な商売は現実にも珍しくはないが、その割にはトルネコがいかに転売しようと全く取り締まられることはなく、後に【預かり所】に鞍替えしても特に問題にはなっていない。
鞍替えは許可を取り直したとも取れるが、「店を持っての商売」に許可がいる仕組みなのだろうか?

この時点では【ボンモール】とエンドールが軍事的敵対関係にあるせいで、恋仲である両家の【リック】、モニカが引き離されてしまうという、まるで『ロミオとジュリエット』を思わせる展開になりかけているのだ。
ここでトルネコがリックからモニカに宛てた【おうじのてがみ】とエンドール王からボンモール王に宛てた【おうのてがみ】をそれぞれ届ければ、王族同士の恋仲も両国の軍事衝突も無事に解決され、トルネコは晴れてエンドール王より出店の許可を得ることができる。
 
店を売却したがっている老人から35,000Gで買い取ると、【レイクナバ】にいた【ネネ】息子もエンドールにやってくる。
エンドール王はこのとき出店祝いを兼ねて、トルネコの店に【はがねのつるぎ】7本と【てつのよろい】7着(リメイク版では各6つ)を発注する。
これを揃えれば60,000Gが得られる。
武具は兵士に支給するものらしいが、それまでは仮にも世界的な経済大国の兵士が【どうのつるぎ】だったらしい。
とはいえ【バトランド】も国のエリートたる王宮戦士への支給装備が同じ銅の剣なので、この世界の軍隊では割と一般的なのかもしれない。もっとも、バトランドについては「税金が安い(=国の税収が少ない)ため王宮戦士への支給品も安物」という理由が語られるので、そちらと併せて考えるとエンドールの国がケチなだけなのでは?と思えてしまうが……。
 
ちなみにこの注文、2,000×7+1,200×7=22,400ゴールドにしかならないものを60,000ゴールドで購入してくれる。
水増しにも程がある価格設定で、しかも発注品の片方は城下町の防具屋に普通に売っている品なのだが、戦争の危機回避という国家間問題の解決に功績がある人物への褒賞という意味が含まれており、しかももう片方の品は和睦を結んだとは言え直前まで軍事的に対立していた国にしか売っていない品。
表立っての発注よりもパイプを持つ人物に依頼せざるを得ない、という事情を考慮したのであれば、水増しもやむなしというところだろう。
 
なお、銀の女神像売却や剣・鎧の納品は、あくまで次のイベントを起こすために必要な大金を稼ぐ手段として用意されているもので、その他の手段で自力で大金を用意できるのならばこなす必要がない。
三章はそれを可能にするほどに金を稼ぐ手段が多い章だが、スルーした場合エンドール兵士は五章になっても銅の剣のままということになる。
もっとも、エンドールほどの国の兵士が全部でたった7人ぽっちな訳がないので、剣・鎧7セットの支給はあくまで一部の兵士だけに対するものだろう。
というか、メタなことを言えば普通に考えて国家からの装備の発注が数セットぽっちなわけがないので、ゲーム上は7セットでも実際の物語的には全兵士分をトルネコに発注したとも解釈できる。
ゲーム内で実際に確認できる兵士はスコットのような正規兵かどうか怪しいのも含めて10人ほどしかいない(コロシアムの観客席も合わせるとその限りではないが)し、国民の数や民家や店屋も一国としてこんなに少ないはずがない。そこはプレイヤーの想像で補完すべき部分だろう。
仮にリアルを追及して500~1000セットとか発注されたら、プレイヤーの労力は恐ろしいことになってしまう(動く資金もとんでもない額になる)。
 
60,000G支払って【ブランカへの洞窟】の工事が始まるとカジノが営業を再開するが、なんと三章ではコイン1枚200ゴールド。
金を稼ぎやすい三章だから足元を見られているようだ。
カジノ再開フラグが立つとトルネコの店の転売屋も使用できなくなる。
そのため、まだ受け取っていない売上をあてにして有り金全部をコインに換えようものなら、無一文になりかねない。
コインを買う場合でも、第五章へ持ち越すアイテムの購入資金だけは、常に手元に残しておく必要がある。
ネネが言うとおり気晴らしにここで遊んでも良いが、一度カジノに足を踏み入れさえすれば、ブランカへの洞窟が開通し、三章をクリアできる状態になるので、さっさとクリアしてしまおう。
ただしFC版ではここから838861枚技が可能。

五章

【勇者】が自らの育った村を後にし、【ブランカ】から洞窟を通って2番目に訪れるであろう国。
コロシアムでは三章で結ばれることになったリックとモニカの結婚式が行われているが、特に本筋ストーリーには関係しないので、半永久的にずっとやっている。
カジノは最初から営業中。コインは1枚20ゴールドの標準価格。
FC版ではここでも838861枚技が使える。ゲームバランスなど気にしないというのであれば遠慮なくどうぞ。
また、どういう訳か夜限定で城下町のマップの右上端(通常は行けない場所)にNPCがおり、【扉増殖技】で強引に侵入して話し掛けると「こうしてバザーを開きながら色々な所を回っています」という明らかに無関係な台詞を言う。ちなみにこの台詞は第二章の砂漠のバザーの夜に聞ける商人の台詞と全く同じ。実はこのNPCは第二章のときからここに存在するのを確認はできるが、改造コードを使わずに実機で話しかけられるのは第五章になってからである。
 
四章の最後に敗走して【キングレオ城】を脱出した【マーニャ】【ミネア】【ハバリア】から船でここにやってきており、主人公はミネアを教会前で、マーニャをカジノで仲間に加えることになる。
イベントとしてはこの2人を仲間に加えることだけなのだが、カジノや【預かり所】(リメイク版では【ゴールド銀行】)などここにしかない設備があったりで、何かと冒険の拠点となる場所である。
さらに【まほうのカギ】を入手すれば、先述した秘密の店が利用できるほか、城の隠し部屋から飛び降りる(リメイク版では地下通路を通る)ことで、宝箱を取ることができる。
いわゆる「宝物庫」と呼べる部屋はないが、代わりに王族の寝室の奥にある「おうさまと ひめさまの いしょうべや」に宝箱が置かれており、これも魔法のカギがあれば夜に見張り兵の目をかいくぐって侵入すれば回収できる。
その際、王様は起きていてその部屋にいるが、不法侵入をとがめられることもない。
昼間は部屋の入口前にNPCの女性が立っていて入ることはできない(この女性は第二章や第三章にもいるが、鍵がないため話しかけることはできず、台詞も設定されていない)。
 
リメイク版ではエンディング後のセーブや【きぼうのほこら】での簡易セーブから再開すると、ここの教会からスタートとなる。
PS版では、宿屋2階の左下の部屋と教会の内部がランダムの【移民】出現スポットになっている。
DS版では移民は現れないが、スマホ版ではカジノに姫の格好をした【デイジー】が現れ、第4段階にするのに勧誘が必要。

六章

リメイク版で、【ピサロ】本人を連れて例の地下牢の囚人に話しかけると、「そいつがデスピサロだ!助けてくれ!」と驚く台詞が追加されている。
しかし、ピサロ本人曰く面識は無いそうである。
【マーニャ】は自分が痛めつけたのを覚えていないだけなんじゃないのかと疑っているが…。
 
当時ターゲットだった勇者以外は眼中になくて覚えていないだけなのか、ピサロが対戦相手の息の根を止めたところに居合わせたor目撃したか、どちらとも取れる。
なお、ピサロ本人の言によると「過去にわたしのニセ者にでも痛めつけられたんじゃないのか。」とのこと。
と言っても、どこかでデスピサロの偽物が出没したという話はゲーム中では確認できない。本人が認める通り、武術大会に出場して対戦相手を殺しまくっていたのはもちろん本物のデスピサロである。

余談

昼間の城下町の東側で見回りをしている兵士(スコットじゃない方)は、ランダムに移動しているように見せかけて、実は徐々に宿屋1階の酒場に近づくように歩いている。
しばらく眺めていると、そのまま酒場のカウンターに着席し、その状態で話しかけると

*「かーっ しごとちゅうの いっぱいは
かくべつだぜ!

というセリフに変わる。おいおい。
しかし、リメイク版では城下町の屋外と宿屋が別マップに分けられた影響で、この兵士は酒場に行かなくなった。
代わりに、「酒場に行きたい」と愚痴をこぼすようになった。
 
ちなみに例の囚人と同じく、こいつも第二章から一貫して同じ台詞しか言わない。
 
またリメイク版では城下町の部分のBGMが【街(DQ4)】に変更されている。

DQM3

闘技場にのみ入ることができ、モンスターバトル大会に挑戦可能。