Backstory/Chronicles/Rebel_with_a_cause

Last-modified: 2009-01-04 (日) 15:35:58

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初出

 
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Rebel with a cause
反逆者の理由

 

丁度10年前に,Caldari領 Suroken星系にて,治安部隊が民間船を撃墜するという事件がありました.
Suroken星系にはCaldariの大企業 Hyasyoda社の本社があり,この民間船はHyasyoda本社の支配領域に不法侵入し,幾多の警告を受けながらもそれを無視して航行コースを変更しなかったため,最終的に撃破されたのです.

 

この民間船に搭乗していたのは,CaldariとGallente 両国の急進派でした.彼等は企業の薬物実験に反対するデモ活動としてHyasyoda社に不法侵入したのです.当時,これらの巨大企業がAmarr人から払い下げられた奴隷に対する人体実験を含んだ,薬物の臨床試験を繰り返しているという疑惑が明るみに出たばかりでした.

 

撃破された民間船に搭乗していた人々は,ただ一人を除いて全員が死亡しました.生き延びたただ一人とは勿論,カプセルによって保護されていた艦長のことで,名をAki Onikoriといいます.

 

死亡した民間人の中には彼の妻も含まれていました.Onikoriは彼の妻と仲間の死の復讐を誓い,以来10年間,彼はテロ活動を通じて誓いを果たそうとしています.Onikoriは,本名で呼ばれることはもはや殆どありません.一般に人々に良く知られている通り名は,Caldari語で彼の名前をもじったもので,「Fiend (悪鬼)」と呼ばれています.

 

以降数年間で,彼の信じるイデオロギーは,無害だった単なる無政府主義から,あらゆる権威に対して血を洗う反駁運動を繰り広げるようなものへと捻じ曲がってしまいました.

 

当初,彼の標的は医薬品産業に従事する大企業が主でした.しかしここ数年,彼は政府関係の公共機関を初め,様々なものを狙ったテロ活動を繰り広げるようになっています.

 

Onikoriは極めて弁論が流暢で,事件以後も精力的に活動したので,彼への同情や共感もあって様々な方面から手厚い支援を受けることができ,これ等の資金を元手に「Fiend」ことOnikoriは,小規模ではあるが献身的で洗練された強固なテロ組織を造り上げました.
勿論,「Fiend」と彼のテロ組織が殆ど全ての国家の警察機構及び軍機構の指名手配リストの上位に名を連ねていることは言うまでもありません.とりわけSARO (CONCORDの特殊部隊)などは,彼に最近保有艦を爆破されてしまったために名誉挽回に執着しており,特に熱心にFiendとそのテロ組織を付け狙っています.

 

しかし「Fiend」は狡猾なだけでなく偏執的でもあります.彼はどんな場所にも決して長く留まりませんし,最も近しい仲間たちでさえ,彼の居所や予定を知っている者は居ません.この彼の極度の偏執ぶりは,医薬品業界各社や,彼が言うところの「人の命を軽んじる全体主義者ども」を敵に回した血の復讐戦の最中,幾度も彼の命を救ってきました.こうして幾多の大組織の追跡を巧妙に逃れながらも,その逃亡の合間を縫って彼は着実にプランを練り,テロを実行し,それにより名を馳せて来たのです.

 

批評家達が,「Fiend」の抱える重大な矛盾として批判している点に,彼が狙う標的が無差別であることがよく挙げられます.(これは彼が如何なる宗教信条等に則ってテロを行っているわけではないということの表れでもあるのですが.) 彼自身は,彼こそが人命を軽んじる巨大組織に対抗して戦っているのだと主張していますが,彼のテロ攻撃によってしばしば無実の部外者が殺されていることもまた事実なのです.

 

実際に,彼の引き起こした多数のテロ攻撃が場合によっては子供さえを含んだ無関係の民間人を傷つけ,殺していることから,「Fiend」は殆どの一般の人々からは忌み嫌われています.彼の過去を知る者でさえも,今では彼のテロ活動が終わる日が早く来て欲しいと願って止みません.

 

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