System/Stacking Penalty

Last-modified: 2016-12-18 (日) 08:22:29

Stacking Penaltyとは?

船の装備のSHOW INFOのDESCRIPTIONの中で、
"Penalty: Using more than one type of this module or similar modules that affect the same attribute on the ship will be penalized."
という説明書きがあるものがあります。「同じモジュール、もしくは同じ属性に影響をあたえる他のモジュールを、一つより多く一緒につかうと、ペナルティーが課されます」という意味で、Stacking Penaltyとよばれています。

module数と、stacking penaltyの効果は次のとおり。*1

何個目のmoduleか (=n)実際の効果 ( =f(n) )Total
1100%100%
287%187%
357%244%
428%272%
511%283%
63.0%286%
70.64%286.64%

(有効数字2ケタ)

1つめのmoduleは100%効果が発揮され、2つめのmoduleは本来もつ効果の87%の効果が発揮される、という意味です。

Stacking Penaltyを受けるモジュールで主な物は、Damage Mod系のモジュールと、Resistance強化系のモジュールなど。
(Stacking Penaltyは、攻撃力や防御力など、船の基本的な能力が、船の持つスロット数に極端にしばられないようにするための調整で、船のfittingが画一的になったり、slot数により船の役割が極端に偏ることがないようになっている。)

非常に簡略化して言うと、Stacking Penalty対象のモジュールは、

  • 2個まで -> Good
  • 3個 -> 微妙
  • 4個以上 -> 超微妙

となります。勿論それを踏まえたうえで3つ、4つ搭載することも有ります。
以下、計算例を挙げますが、EFTなどのツールで試してみたほうが早いでしょう。

 

Stacking Penalty計算例 Damage Mod

Heat Sink IIを例にとってStacking Penaltyを計算してみます。Heat Sink IIはLaser系兵器のDamage増強Moduleで、Passive, Low slotで、

Damage Modifierx1.1
Rate Of Fire Bonus10.5%

をもちます。

今、Tachyon Beam Laser IをApocalypseに装着し、LowslotにHeat Sink IIを順につけていった場合のDamage ModifierとRate Of Fireを計算してみます。

0個

Heat Sink IIがついていない状態で、Skill修正をふくめたTachyon Beam Laser Iの性能は、以下のとおりです。

Turret's Damage Modifier = 3.6
Turret's Rate Of Fire = 9.46

1個

Heat Sink IIのボーナスがそのまま乗算されます。Rate Of Fireの10.5%のボーナスというのは、1-0.105を掛けるという意味です。*2

Turret's Damage Modifier = 3.6 x 1.1
Turret's Rate Of Fire = 9.46 x (1-0.105)

2個

さらにもう一つHeat Sink IIをつける場合、新たに装着するHeat Sink IIにはStacking Penaltyが課されます。
2つめのmoduleの効果は、元の87%で、

Damage Modifier = 1.0 + (1.1 - 1.0)*87% = x1.087
Rate Of Fire = 10.5% * 87% = 9.135% bonus

となります。一つ目のモジュールはそのままで、

Turret's Damage Modifier = 3.6 x 1.1 x 1.087
Turrets' Rate Of Fire = 9.46 x (1-0.105) x (1-0.09135)

n個目

Stacking Penalty表をf(n)とすると、n個のHeat Sinkによる最終的なTurretの性能は、

Turret's Damage Modifier = 3.6 x (1+f(1)x(1.1-1)) x (1+f(2)x(1.1-1.0)) x ... x (1+f(n)(1.1-1))
Turret's Rate Of Fire    = 9.46 x (1-f(1)x0.105) x (1-f(2)x0.105) x ... x (1-f(n)x0.105)

となります。

以下が実測値です。

numdamagemodifierrateoffire
06.39.45
16.938.46
27.5323001477.69
37.9620804967.23
48.1873716687.01
58.2741517896.93
68.2989669366.91
78.3042867266.91

Stacking Penalty計算例 Resistance

ArmorやShieldのresistanceを強化する各種モジュールには、resistance bonusがあり、一定の割合で船の各Damage Typeごとのresistanceを強化します。

Energized Adaptive Nano Membrame II を例にとり計算してみます。
Energized Adaptive Nano Membrame II のresistance 強化は以下のとおり

EM ResistanceBonus-20%
Therm ResistanceBonus-20%
Kinetic ResistanceBonus-20%
Explosive ResistanceBonus-20%

ApocalypseのArmorの元のResistanceは、

EM Resistance60%
Thermic Resistance35%
Kinetic Resistance25%
Explosive Resistance20%

1個

Resistanceボーナスは、resistanceされていない残りの部分に対して積算されます。
つまり、20%のボーナスが積算されるということは、何もつけない場合にうけるダメージ量に比べて、ダメージが20%軽減される、という意味になります。

Resistance(1) = Base[%] + (100[%]-Base[%]) * 20%

より

EM   = 60[%] + (100[%]-60[%])*20% = 68%
Them = 35[%] + (100[%]-35[%])*20% = 48%
Kin  = 25[%] + (100[%]-25[%])*20% = 40%
Exp  = 20[%] + (100[%]-20[%])*20% = 36%

2個

2個目からはStacking Penaltyがくわわり、1個つけた場合にうけるダメージと比べて、20%の87% (つまり、20%*87% = 17.4%)のダメージが軽減されるという効果をもたらします。

Resistance(2) = Resistance(1) + (100[%]-Resistance(1)) * 20% * f(2)

より、

EM   = 68[%] + (100[%]-68[%])*20%*87% = 74%
Them = 48[%] + (100[%]-48[%])*20%*87% = 57%
Kin  = 40[%] + (100[%]-40[%])*20%*87% = 50%
Exp  = 36[%] + (100[%]-36[%])*20%*87% = 47%

n個目

同様に、

Resistance(n) = Resistance(n-1) + (100[%]-Resistance(n-1)) * 20[%] * f(n)

で計算すると、

noEMThermalKineticExplosive
060352520
168484036
273.562367877079457.03884780025450.429439769523847.1247357541587
376.579341325839461.94142965448956.086264985948853.1586826516787
477.904740542356464.095203381329158.571388516918255.8094810847128
578.3731275616564.856332287681259.449614178093856.7462551233
678.502850588262665.067132205926759.692844852992357.0057011765252
778.530410721086465.111917421765459.74452010203757.0608214421728

4つ以上から効果がほとんどないことがわかります。

例外事項

Resistanceについて、

  • Damage Control によるresistance bonus
  • 船自体のボーナスによるresistance bonus

これらはStacking Penaltyの影響をうけなく、船にもともとあるresistanceの底上げとして計算されます。

最良Damage ControlのInternal Force Field Array Iは全Armorに14%のresistance bonusになるので、すでに2つの修正を受けたDamage Typeに対して3つ目にEnergized Adaptive Nano Membrame IIを乗せるなら、効果はSkill最大で25%*57% = 14.25%にしかならないので、ShieldやHullにもbonusがあるDamage Controlを装備したほうがお得感があります。

順序、モジュール混合の場合

同じ属性値に影響をおよぼす複数の種類のmoduleが装着されている場合、各属性値ごとに、影響力の大きい物から先に計算されます。

今、Apocalypseに、Energized Adaptive Nano Membrame IIと、Armor EM Hardener IIをつけ、Armor EM Hardener IIをactiveにすると、より強力なArmor EM Hardener IIが先に計算され、

base_ressitance = 60[%]
resistance' = 60[%] + (100[%]-60[%])*55%*f(1) = 82[%]
resistance = resistance' + (100[%]-resistance')*20%*f(2) = 85.12[%]

となり、最終的なresistanceは85.12[%]になります。
この順序が逆だと、83.30[%]になってしまい、実際よりも数値が小さくなってしまいます。(つまり、計算順序に関しては、最も最終的な値が大きくなる順序で計算してくれるということです。)

Hardenerの起動順序、モジュールのfitting順序などは一切関係しません。

他の例でいくと

  • EANM II (20%) x2
  • Armor EM Hardener I (50%) x2
  • Armor Thermic Hardner I (50%) x1

の装備の場合、4つの属性それぞれに対してStacking Penaltyが計算され、

  • EM
    • 50%, 50%*87%, 20%*57%, 20%*28%
  • Thermal
    • 50%, 20%*87%, 20%*57%
  • Kinetic
    • 20%, 20%*87%
  • Explosive
    • 20%, 20%*87%
      という効果を
Resistance(1) = Base[%] + (100[%]-Base[%]) * 20%

で累積した結果が最終的なResistanceになります。Stackingされている数は属性ごとに数えられるのであって、モジュールごとではありません。

Rig

RigにもResistanceを強化させる物がありますが、これらも複数装備すると効果が減衰します。Rigもモジュールの一種として換算され、スタッキングペナルティーが計算されます。Resistance Rigだけではなく、スタッキングペナルティーの対象である属性に作用するRigはすべてスタッキングペナルティーを受けます。

詳しくは、

を参照。

リンク

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*1 Red Moon Rising以前は簡単な計算式であらわせていたのですが、RMR以降、きれいな式であらわすことができないようです。
*2 EVEのSHOW INFOのStatusは、数値が増えるBonusか減るボーナスなのか、%表記なのか、乗算表記なのか、さらに-がついたりなど、さまざまで、かつそれらに一貫性がなく、正確に数値の意味を知るには実際にfittingしてみて数値がどうかわるかを調べるしかないようです