Backstory/Chronicles/The_Prophecy_of_Macaper

Last-modified: 2009-01-04 (日) 16:08:30

The Prophecy of Macaper
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初出

 
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マカパの予言

 

1世紀以上も前に, Damella MacaperというGallente人の占星術師が「The Seven Events of the Apocalypse(終末の七災厄)」と呼ばれる,世界の終末を予言する書を記しました.しかし彼女は当時の人々からも既に奇人か狂人扱いされていたので,彼女を信奉するごく小規模のカルト教団以外からは,この予言書はほとんど見向きもされませんでした.そして彼女の死後すぐに教団も解散してしまい,彼女の信奉者は瞬く間に居なくなってしまいました.

 

この予言書には,世界中で起こる七つの災厄が記述されており,Macaperによれば「母なる心臓が発する暗い光が帰ってくる (*1)」ことで世界は最後を迎えるとされています.
予言書は定型散文詩で綴られており,世界に起こる災厄の大まかな成り行きを知ることはできても,詳しいことは何も分かりません.また,七災厄の多くは数ヶ月間,若しくは数年間をかけて順番に起こるだろうという事は推測できるのですが,しかし記述からは何時(いつ)から,何処(どこ)で,といった事が全く読み取れなかったため,この予言書の信憑性は全般的に非常に疑わしいものとされてきました.
(*1 "return of the dark light from the heart of the mother")

 

数十年もの間,Macaperの記した予言書「終末の七災厄」は,一握りの学者を除いて全ての人々から忘れ去られていました.しかしここ数ヶ月で,大昔に記されたこの予言書が俄かに世間の脚光を浴び始めました.

 

世界中で起こった一連の奇妙な自然災害が,1世紀以上も前に書かれたMacaperの予言書が述べている「災厄」の始まりと不思議なまでに似通っているというのです.
実際には世界の終末が近いという予言を信じている者は殆ど居ません.しかしEVEの世界を待ち受ける未来を知るためのより多くの手がかりを求めて,この予言書と,その他現存しているMacaperの遺した文書についての広範な研究が始められました.

 

Macaperの予言書で,最初の災厄は「彗星達がうわべのキスをした (*2)」と記されています.

 

これはまさにCaldari領の辺境に在る星系で丁度一年前に起こった出来事と一致します.この時は,二つの大きな彗星同士が星系の外縁部で衝突したのでした.しかし別に近隣に惑星があった訳でもないため,この衝突は大きな影響は及ぼしませんでした.衝突で生じた岩屑が雲の様に星系を覆ってしまい,しばらく宇宙空間の航行に難儀したくらいです.彗星同士の衝突は非常に稀有な出来事とはいえ,この時に起こった事といえばこれが全てだったので,この時には予言と結びつけて考える者は誰もいませんでした.
(*2 "the cosmetic kiss of the comets")

 

第二の災厄はそれから数ヵ月後,Gallente連邦の惑星Fricoureで起こりました.

 

惑星Fricoureでは予言通り,数週間にわたって降り続いた雨により河川の大氾濫が起きました.科学者達は当初,この突然の豪雨の要因を上手く説明することが出来ませんでした.そんな中,とある天文学者がこの豪雨とMacaperの予言に記された第二の災厄との類似性を指摘しました.そしてその指摘通りに上層大気層で起きた変化を調べると,それまでどんなに調べても分からなかった気候変化の要因が容易に解明出来てしまったのです.

 

Macaperの予言書によれば,第三の災厄は「吼える石が世界を沈黙で覆う (*3)」というものです.

 

一週間前,Amarr帝国領 惑星Rumidaに巨大なアステロイドが衝突しました.このアステロイドは衝突の際,非常に低い入射角を保ったまま大気圏に突入し,最終的に惑星Rumidaの海面に激突するまで,大気摩擦による雷のような凄まじい轟音を数百キロメートルにわたって響かせ続けたのです.小惑星は強大な衝撃波を生じながら陸上をかすめ通り,その跡では深さ数キロメートルにわたって地表がえぐり取られ,何千もの家屋が灰燼に帰しました.
幸いにも,このアステロイドはそれほど陸地近くを通らなかったので,この災害の犠牲者は数千名で済みました.しかしMacaperの予言は現実のものとなりました.
小惑星が発した大音量の音波は,通過跡から遠く離れた人々の鼓膜をも簡単に突き破り,この後数十万に及ぶ人々が聴覚障害となりました.「吼える石」は確かに惑星Rumidaの人々の世界を沈黙で覆ったのです.この第三の災厄の結果,Damella Macaperの名は世界中で一躍有名になりました.
(*3 "roaring stone that silences the world.")

 

予言によれば,あと4つの災厄が起こるはずで,これらについて沢山の憶測が飛び交っています.解読したとする数々の解説が発表されていますが,しかし実際にいつ,何が起こるのかについてを説明できているものはまだ一つもありません.
Macaperの予言書によれば,

 

第四の災厄は「無の欲求が世界を蝕む (*4)」,
第五の災厄は「招かざる弟が,最後の悲しみを家路に運ぶ (*5)」,
第六の災厄は「一つが四つになるとき,全てのそれは一つに戻る (*6)」,

 

と記述されています.第七の災厄は先に挙げたものです.
(*4 "the appetite of nothing expands over the world")
(*5 "the little brother makes the final sorrowful steps home; he is not welcome")
(*6 "what was many now becomes one when one becomes four")

 

この予言の意味を,人々は単に憶測しているに過ぎません.しかし多くの人々は,大枠ではこの予言は人類の運命を見通す手掛かりにはなるだろうと思っていますし,また今後数ヶ月,もしくは数年にわたって実際にどんなことが起こるのかを興味津々で見守っています.

 

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