Backstory/Chronicles/Leech Capital

Last-modified: 2020-05-19 (火) 20:32:28

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LEECH CAPITAL

 

EVEの世界に住む人々の心の中には、宇宙産業の存在がますます大きくなってきている。数十年前までは宇宙産業はほんの一握りの人々の生活を支えているに過ぎなかったが、今日ではその数は数万から数十万にまで増えている。毎日、世界のあちこちで新しい企業が生まれている。その代表的な会社がDioCoreだ。

 

5年ほど前に2人の兄弟によって設立されたDioCoreはしばらくの間、資金もスタッフも将来性も、何も無い会社だった。しかし、この間、兄弟は宇宙船操縦の経験を積み、人と接するスキルを身につけ、重要な人脈を築いていった。DioCoreの主な活動は、設計図の研究分野にあった。創業者兄弟は、ドローンに関する多くの革命的なアイデアを持っており、それを設計図に反映させたいと考えていた。

 

最終的に、彼らはガレンテに本拠地を置くベンチャーキャピタル企業であるMindChillという投資会社の注目を集めることに成功した。そして、MindChillの支援を受けて、DioCoreはついに事業を軌道に乗せ、最初の宇宙研究施設に資金を提供することができた。MindChillからの資金で、DioCore兄弟は、自分たちは成功したと思っていた。初期の設計図はいくつかあったが、それ以上のものにはならなかった。間もなく、資金不足が会社の存続を脅かすことになった。しかし、兄弟は、自分たちの画期的なプロジェクトが地平線上にあることを知っていたので、諦めようとはしなかった。この画期的なプロジェクトは、潜在的な顧客(中には非常に大きな顧客もいた)の注目を集め、DioCoreの取締役はその中のいくつかの顧客と契約を結ぶことができた。

 

大規模な取引が成立するまでの間、会社に資金を提供してくれるベンチャーキャピタルを探していたのだが、裏では陰謀が存在していた。MindChillは、以前から同社に関わっていたこともあり、DioCoreが直面している問題点を肌で感じていたため、新たな資金調達の指揮を執ることになった。すべてが順調に進み、株主も平穏な日々を送っていた。数週間が経過し、DioCoreの取締役はMindChillに資金調達を完了させるよう圧力をかけてきた。MindChillは、主要な取引が行われており、資本はすぐそこまで来ていると答えた。しかし、彼らの真の意図はもっと邪悪なものだった。DioCoreがキャッシュフローの問題を抱えているという噂が広まり始めた。何人かの投資家は、MindChillが裏でDioCoreの株を卸値で購入していたのだ。MindChillは、資金調達取引が終わるのを待てば待つほど、株式の買い増しに有利な立場になった。そこで、DioCore本社で緊急会議が開かれ、真相が明らかになった。DioCoreが倒産の危機に瀕していたため、MindChillはDioCoreが断ることのできない提案をした。それは、MindChillに会社株の過半数を僅かな金額で売却するというものだったが、研究プロジェクトを完成させ、ドローンの取引を成功させるには十分だった。しかし、その利益をMindChillが得ることが出来るというものだった。DioCoreの取締役たちはそう簡単にはあきらめず、ある計画を立てた。MindChillからのオファーが信じられないほどの低価格であったため、それに対抗するための資金を調達することは簡単だった。そして、DioCoreの取締役の支援を受けた個人投資家が、代替案を提案してきた。この新しい取引では、株式は社内に保持されるが、価格が非常に低かったため、MindChillの株式は大幅に希釈化されてしまった。

 

しかし、DioCoreの取締役会のメンバーは、2つの取引の間で投票をしなければならなかったため、問題は解決しなかった。問題は、MindChillの取締役には、Gallenteの有名なベンチャーキャピタリストであるJon Mondoがいたことだ。モンドは自分の案件のために他の役員からの支持を集めるのに忙しく、どちらの案件が優勢になるかは誰にもわからない状態だった。そのため、ディオコアの争奪戦は危険なレベルにまで達していた。傭兵がDioCoreの主要施設を妨害工作から守るために雇われ、DioCoreの役員は、高度な訓練を受けた戦闘機の護衛がボディガードとして星系間を移動するだけだった。全ての投票は、投票者の命よりも価値のあるものとなった。役員会はついに、軍事的な警備の下、ディオコア本社で開催された。投票の結果は、5対6の僅差で個人投資家が勝利し、DioCoreは買収の脅威にさらされることはなくなった。

 

3ヶ月が経過し、DioCoreは高度に開発されたドローン製品ラインで大金を獲得した。今日、DioCoreは著名な企業であり、株式市場で頻繁に取引されており、長期的な投資先と考えられている。

 

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