書籍/【GAME NOVELS ファイナルファンタジーAGITO Change the World A Whiter shade of Pale】

Last-modified: 2023-10-29 (日) 00:19:46

アプリゲーム、FFアギトのノベライズ本である。
2015年4月発売。出版社はスクウェア・エニックスで、著者は月島トラ氏。

ストーリー

35962回ないし35963回目の巡りが、今回の舞台となっている。主人公はまさかのナギ
同じ9組であるキングと二人一組で任務をこなすナギはある日、総代から極秘任務を受ける。
それは敵国の密偵の疑いがあるトオノの監視だった。
しぶしぶながらも任務をこなすうちに監視対象であるはずのトオノと親しくなり、彼女の秘密を知ったナギは、
遠くない未来に訪れるであろう終末、そしてそれを引き起こす原因となる戦争を回避すべく、信頼できる仲間と動きだす。
ナギ達の活躍により終末戦争は回避され、オリエンスは滅ぶことなく平和への道を歩む。
・・・と思われたが、ナギ達の努力や期待も虚しくフィニスは到来してしまう。
ナギとその仲間達は再び力を合わせて審判者を倒し、その後1年ほど平和が続く事となる。
しかし無常にも歴史は、再び螺旋の内へと戻るのであった。

  • 1年も平和が続いたのは、歴史の螺旋がによって起こされているのか気付いたナギが、最期に「(フィニスの)先に広がる人間たちの歴史を観察しろ」と彼女に伝えたからである。
    • しかしナギの死と同時に、ナギの遺志を「実験継続を脅かす危険因子」と判断したアレシアの手により、「死者の記憶を失わない」はずのトオノの記憶からもナギの記憶は失われてしまった。
    • トオノはこの巡りの記憶を覚えたまま次の世界にいったのか地味に気になる。仮に覚えてたら終末を乗り越えて平和になったはずなのにそれが唐突に終わって、またいつも通りの戦乱の時代到来とか絶望的にもほどがある。

その他

物語の大きな流れとしては主に「戦争回避」である。
戦争、ひいてはフィニス招来を阻止するため、ナギ達は白虎VS玄武の戦争も身を賭して止める事になったり、
戦争を引き起こそうとするをクリスタルの意思から開放すべく奔走したりする。

  • そしてこの行動がきっかけでアレシアはナギの事を「失格」と判断。自分の子として0組入りさせることを断念した。

歴史を繰り返すこと数万回にして、恐らく過去唯一の(トオノの記憶が数回前の巡りまでしかないので不確かではあるが)、「玄武がアルテマ弾で滅ぼされない巡り」である。(但し蒼龍が空気化する)
また、FF零式本編で白虎がルシを操っていた方法、白虎がクリスタルを独占して行おうとしていた事、
はたまた本編で言葉のみ出てきた「玖機関」の正体等、零式本編では分からなかった白虎側の内情も本作品で知ることができる。

  • 少なくとも私は、これを読んで白虎、ひいてはこの人に対する見方が変わった。
    • 恐らくこれを読んだほぼ全員が「ババア最低。」となるであろうと期待。
    • これを読めば、原作で八席が「アレシアもその子飼いの0組も信用できん!」という主張も至極真っ当なものであることがよくわかる。
  • こちらのほうで朱雀が白虎と手を組み玄武と戦った歴史や玄武と同盟を結んで白虎・蒼龍同盟と戦った歴史も存在したことが語られているので、「玄武がアルテマ弾で滅ぼされなかった初めての巡り」ではあっても唯一というわけではなさそうである。

ゲームでは開始数時間とせずに滅びるロリカ同盟が健在なのでどんな文化を築いているのかが伺える。
本作で物語開始前から玄武は白虎への侵攻を画策していたらしく、白虎が玄武にアルテマ弾を落としたのは玄武領土が荒地ばかりだからというだけでなく、「攻め込まれる前に滅ぼしてしまえ」というシドの思惑によるものであったことが明かされる。