■ 第3節<2つの道> 第3節 第2小節 をとめの記憶-をかしき旅立ち
ヨランオランが「再生の鏡」を直し始めた。
いまのうちに、あのタルタル3人組を探し出しておこう。
■ ウィンダス港・飛空旅行社前
Yujuju:ポンポンポンポ~ン♪
お知らせします。ウィンダスのニュースがまんさい♪
「週刊魔法パラダイス」の次の特集は……
Yujuju:……え?
異国の服を着たタルタル3人組?
なんで次の特集のこと、知ってるの?
Yujuju:その3人組だたら、
さっきまで飛空旅行社の屋上で、
飛空挺を眺めてため息をついていたわよ~。
Makki-Chebukki:あのでかい船って、
ひくうていっていうんだねぇ~。
Kukki-Chebukki:あれに乗ったら、
おうちに帰れるのかなぁ~。
Cherukiki:でもおいらたち、
おうちに帰ったらおしおきだねぇ~。
Makki-Chebukki:……。
プリッシュのおしおき、思いっきりやるもんなぁ~。
Kukki-Chebukki:……。
プリッシュのおしおき、遠慮ないもんなぁ~。
Cherukiki:……。
プリッシュのおしおき、殺す気まんまんだもんなぁ~。
Makki-Chebukki:……。
あのさぁ、おいら思うんだけどさぁ。
Makki-Chebukki:さっきのとうちゃん、
ちょっとちがうよな?
Kukki-Chebukki:うんうん、ちがうね~。
Cherukiki:ちがう、ちがうね~。
Makki-Chebukki:もっとさぁ、
おいらたちのとうちゃん、強いじゃん。
Kukki-Chebukki:そうだよ、
すごい魔道士なんだよ。
Makki-Chebukki:とうちゃーん!
Kukki-Chebukki;とうちゃーん!
Cherukiki:とうちゃーん!
Yujuju:……というわけで、
あのタルタル3人組は、すごい魔道士を探して
水の区の方へ行っちゃったのですよ。
Yujuju:ポンポンポンポ~ン♪
以上、「週刊魔法パラダイス」の記者による
ウィンダス最新ニュースでした~♪
■ ウィンダス水の区・目の院
Tosuka-Porika:ムゥ。ムムムゥ。
ムムムムムムムム……ムゥ!
Tosuka-Porika:なんだか、
今日は仕事が手につかん。
なにかの虫の報せかなんなのか……
Makki-Chebukki:とうちゃーん!
Kukki-Chebukki:あいたかったよー!
Cherukiki:かわいい子供たちだよー!
Tosuka-Porika:ムゥ!?
おまえたちは誰だ!?
Makki-Chebukki:とうちゃん、
とうちゃんは知らなかっただろうけど、
とうちゃんと別れたかあちゃんのおなかの
中には、おいらたちがいたんだよ。
Cherukiki:いたんだよ~。
Kukki-Chebukki:だからおいらたち、
とうちゃんをずっと探していたんだよ!
Cherukiki:いたんだよ~。
Tosuka-Porika:ま、待つのだ!
私が、おまえたちのとうちゃんと言うのか!?
おじいちゃんじゃなくて!?
Cherukiki:おじいちゃん?
Kukki-Chebukki:おじいちゃん、なのかなぁ?
Makki-Chebukki:おいらたち、とうちゃんさがして
はるばるタブナジアから来たんだけど……
Tosuka-Porika:ムムム!?
タブナジア!? おかしいぞ、私も私の娘も
タブナジアへ行ったことなどないのだが……?
Makki-Chebukki:あれ?
目の院の院長だってきいてたけど……
Kukki-Chebukki:目の院院長
カラハバルハとうちゃんじゃないの~!?
Tosuka-Porika;ムゥウ!?
カラハバルハだと!? おまえたち、
カラハバルハの子供だというのか!?
Makki-Chebukki:そうだよ、
カラハバルハはとうちゃんなんだ!
Kukki-Chebukki:だから、おいらたち、
命の危険にさらされてるんだ!
Cherukiki:だから、とうちゃんに
助けてもらいにきたんだ!
Tosuka-Porika:カ、カラハバルハに
子供がいたとは……。こ、これは、驚いた……。
たしかに、カラハバルハはタブナジアに渡った
ことがあると言っていたが……。
Tosuka-Porika:「そこで人類の歴史を変える
出会いがあった」と言ってたのは、おまえさん
たちのお母さんとの出会いだったのか。ムムム!
Tosuka-Porika:しかし、しかしだな、
カラハバルハの子供たちよ。私は、とても
悲しいお知らせをしなければならん。
Tosuka-Porika;大魔道士カラハバルハは、
今から20年も前にその命を落としているのだ……。
Tosuka-Porika:ウィンダスを救わんがために、
召喚魔法という大魔法を使ったことでな。
Cherukiki:カラハバルハ死んじゃった!?
Kukki-Chebukki:大魔法で死んじゃった!?
Makki-Chebukki:おいらたちも
死んじゃうしかない!?
Tosuka-Porika:やはり衝撃的だったようだな……。
申し訳ない、カラハバルハの子供たちよ。
Tosuka-Porika:だが案ずるな。
目の院のすべてを引き継いだ私だ、
できることがあれば力を貸そうではないか。
Makki-Chebukki:でも、できること
っていってもなぁ~。
Kukki-Chebukki:おっちゃん、
ぜんぜん強そうじゃないしなぁ~。
Cherukiki:おっちゃん、
ぜんぜん金もってなさそうだしなぁ~。
Tosuka-Porika:ムムム!
たしかに私は、力も富も人並みにしかないが……。
Tosuka-Porika:知識の泉と呼ばれているぞ。
ここにある書物の知識は、この明せきな頭脳に
刻み込まれておる。
Tosuka-Porika:知りたいことがあったら、
なんでも尋ねてみなさい。
Makki-Chebukki:うーん。
じゃあ、クリューってなに?
Tosuka-Porika;たしかそれは古代の民の名だ。
ずっと昔に滅びていまはおらん。
Kukki-Chebukki:じゃあ、
ジラートってなに?
Tosuka-Porika;たしかそれは古代の民の名だ。
ずっと昔に滅びていまはおらん。
Cherukiki:じゃあ、バハムートってなに?
Tosuka-Porika;たしかそれは古代の竜の長だ。
ずっと昔に滅びていまはおらん。
Makki-Chebukki:すげぇなぁ~。
Kukki-Chebukki:すげぇ、
ぜんぶハズレだ~。
Tosuka-Porika:なんだと!?
そりゃどういうことだ!?
Cherukiki:ねぇねぇ、
じゃあさ、ナグモラーダって誰?
Tosuka-Porika:ナグモラーダ……ムムム!?
ええと、たしかそれはジュノの外交官の名前じゃ
なかったかな? 戦時中に、3国の話し合いの座で
取りまとめ役をしていたように思うが……。
Makki-Chebukki:へぇ~。
やっぱ偉い人だったんだなぁ!
Kukki-Chebukki:偉くて強くて
金持ちだったんだなぁ!
Cherukiki:タルタルだったら
とうちゃんだったのになぁ!
Tosuka-Porika:なんだなんだ?
私のすごさがわかったかな?
カラハバルハの子供たちよ。
MAkki-Chebukki:うん、おっちゃん、
おいらたちジュノってとこに行ってみるぜ!
Kukki-Chebukki:行ってみるぜ!
Cherukiki:みるぜ!
■ ウィンダス石の区・ヨランオラン邸
Yoran-Oran:できた!
できたぞ! できちゃった!
Yoran-Oran:さぁ、冒険者よ。
わしの濡れ衣を晴らすときがやってきたぞ。
Yoran-Oran:あのタブナジアから
やってきた諸悪の根源3人組、コルモル博士、
シャントット博士、魔法新聞社の皆さんをここに……
Yoran-Oran:……なんということ。
もう、あの子らは旅立ったというのか!?
あの大騒ぎはどうなったのだ!?
Yoran-Oran:しかもあの子らは、
英雄カラハバルハの子らだったとは。
Yoran-Oran:やれやれ。
どっと疲れが押し寄せてきた……。それで、
君はなぜに私を訪ねてきたのだったかね?
Yoran-Oran:……なるほど、鼻の院の紹介
だったのか。30年前の北方への合同調査隊、
その調査内容について教えてほしいと。
Yoran-Oran:まぁ、君には世話になったから
教えてあげてもいいだろう。実はね、
たいしたことはわからなかったのだよ。
Yoran-Oran:ただ、調査隊に参加した
バストゥークの銃士隊から数名の行方不明者が出て、
北方の恐ろしさを示しただけだった。
Yoran-Oran:あの地に大いなる力があるとは、
昔からよく囁かれてきたものだが、実際になにが
どこにあるか、まだ誰も突き止めていないのでは
ないかと思うぞ。
Yoran-Oran:北の地で調査を続行している、
ウィンダスの鼻の院院長ルクススがいくつかの要素を
発見してはいるが、細かい発見に過ぎんし……。
Yoran-Oran:ただ、そもそもたしか、
あの調査隊を組むことになったのは、
バストゥークの怪しい動きがあったからだ。
Yoran-Oran:しかしその詳しい内容は、
この私にもわからない。バストゥークか
サンドリアに行ってきいてみるしかない
かもしれんなぁ。
End