■ 第4節<そしりを受けつつも>
プリッシュは、男神の像と共鳴したことで
デスパシエール老のところへ連れていかれてしまった。
彼女に会って、アミュレットを返してもらわなければならないのだが……。
■ タブナジア地下壕・長老の部屋
Despachiaire:忌むべき神と
会話を交わしたのだぞ!
これ以上の証はあるまい!
Despachiaire:あのバハムートという
真龍の王がここタブナジアに現れたのも、
プリッシュがタブナジアに生まれたから
だとすれば納得がいく!
Despachiaire:やはりプリッシュこそが
すべての元凶なのだ。もしやタブナジア
侯国が獣人どもに滅ぼされたのも……
Ulmia:おじいさま、
すべてをプリッシュのせいにするような
愚かな真似はおやめになってください。
Ulmia:あの忌むべき神の像に触れても、
悪い心に支配されることがなかったのは
プリッシュが良き心の持ち主だから……。
Ulmia:それに、プリッシュは
タブナジアを救おうとして、
ああ無茶をしたのです。
Despachiaire:本当に、タブナジアを
救おうと思っているのか怪しいものだ。
Despachiaire:タブナジア侯国が
存続していれば、その子がなんのために
生まれたのか、なにを企んでいるのか、
神学者さまがたが突き止めていたものを。
Despachiaire:ああ、やはり
ナグモラーダ様にすべてを打ち明けるべき
だったか。心象悪くならんかと伏せたのは、
あやまちだった。
Despachiaire:あのお方ならおそらく、
真実を突き止めてくださるはず……。
Ulmia:そんな!
おじいさま、お忘れになったのですか?
Ulmia:ミルドリオン枢機卿さまが
おっしゃっていたではないですか。プリッシュは
忌むべき子だったかもしれない、けれど大聖堂の
力で生まれ変わった……と。
Despachiaire:ウルミアよ、
ミルドリオン枢機卿のことは、もはや
信じられる存在ではなくなったのだ。
Despachiaire:聞けば、かの枢機卿は
今や、サンドリア大聖堂に追われる身
だというではないか!?
Ulmia:そ、それを誰から!?
(ルーヴランス入室)
Prishe:誰だ、てめぇ!?
Louverance:ルーヴランス・ミスタルと申します。
失礼だとは思いましたが、今までのやりとりは
すべて聞かせていただきました。
Despachiaire:紹介しよう。
サンドリア大聖堂から、ミルドリオン枢機卿を
探すように命じられ、飛空挺でいらした騎士殿だ。
Ulmia:ルーヴランス……?
その名はたしか……サンドリアで……?
Louverance:ヒナリー夫人のもとを
訪ねていらっしゃったのは、あなたですか。
ならば、ある程度の話はご存知ですね。
Louverance:20年前の大戦終了間際、
サンドリア大聖堂より多大なる蔵書、
書簡が消失した事件がありました。
Louverance:その事件は、時の教皇
ムシャヴァット枢機卿を死へと追い込んだ。
サンドリア大聖堂は、ミルドリオン枢機卿が
この件に関係していると見ております。
Prishe:なんだって?
ミルドリオン様が!? まさか!?
Louverance:まさかか、まことか。
それを明らかにするためにも、ミルドリオン枢機卿
のことを詳しく覚えている方を探しておりましたが、
ようやく意味のある話をきけそうですね。
Louverance:プリッシュさんの身、
私がお引き取りいたしましょう。先ほどの
話を聞くに、彼女の件、あなたがたには
荷が重すぎましょう。
Despachiaire:うむ……
サンドリア大聖堂の方がそうおっしゃるの
ならば……確かに断ることはできぬが……。
Ulmia:そんな……!?
Prishe:ウルミア、
ちょうどいいさ。たしかに俺のことは
そろそろはっきりさせなきゃなんねぇ。
Prishe:それにこれ以上、
みんなの心が、疑いと迷いと恨みで
ぐちゃぐちゃになっちゃあな。
Ulmia:けれど!
Prishe:でも、ルーヴランスってやつ。
俺はこいつらと一緒に、北の方にある
遺跡ソ・ジヤに行かなきゃならねぇんだ。
Prishe:その約束を
破るわけにはいかねぇぜ。
Tenzen:そうでござる!
ジュノの外交官ナグモラーダ殿の要請にて、
プリッシュ殿は我らとともに、北方へと
向かわねばならぬのでござる!
Tenzen:ナグモラーダ殿の任務は
ヴァナ・ディールすべてを救うがために
重要なもの! いくらサンドリア大聖堂の
意志とはいえ、勝手は許されぬでござるぞ!
Despachiaire:ナグモラーダ様がそのように?
それはまた……、弱りましたな……。
Louverance:なるほど。
では、こういたしましょう。
Louverance:そのお話も、
ミルドリオン枢機卿様のお話も、まずは
ざっと船内で聞かせていただきましょう。
Louverance:その後で、そちらの件が
より重要だと判断できましたら、
プリッシュさんを北方へお送りいたします。
Tenzen:ならば、ルーヴランス殿、
我輩も同乗を願い出てもよろしいな!?
Tenzen:ひんがしの国の使者として
サンドリア国王様、教皇様に謁見せねば
なりますまい!
Louverance:もちろんです。
では、船着き場でお待ちしております。
Louverance:プリッシュさん、
あなたが物分かりのいいお嬢さんで助かりました。
では、皆さんとお別れをしておいでなさい。
・イベント終了後に話しかけると
Despachiaire:ルーヴランス様が、
プリッシュを引き取ってくださると聞いて
ほっとしました。
Despachiaire:サンドリア大聖堂で
面倒を見てもらう方が、プリッシュ自身の
ためにもなりましょう。
Despachiaire:それはそれとして
ミルドリオン枢機卿様がサンドリアにて
罪を犯して逃亡なされていたとは、露ほど
にも思いませんでした。
Despachiaire:あれほど立派な方でも、
罪を犯すのです。人の心とは不思議なもの。
皆いつ、突然変わるかわかりませんな……。
■ タブナジア地下壕・海獅子の巣窟
Tenzen:[Your name]殿、
これより我ら、ルーヴランス殿の飛空挺にて
サンドリア大聖堂へ向かうでござる。
Tenzen:そなあも同乗できぬものかと
尋ねてみたのでござるが、体よく断られて
しまったでござる。
Tenzen:しかし安心するでござる。
我輩、なにがあってもプリッシュ殿から
決して目を離さんでござる。
Tenzen:それに万が一、
サンドリア大聖堂がプリッシュ殿を手放すこと
渋るなどしたときは、ひんがしの国の力を
もってでも……。
Tenzen:ただ憂慮すべきは、あれから
ずいぶんと時を経てしまったことでござるな。
あの少年、取り逃すことにならなければ
よいのでござるが……
Louverance:さぁ、準備は完了しました。
行きましょう、皆さん。
Tenzen:うむむ?
ウルミア殿は、どうしたでござるか?
船旅をともにせぬのでござるか?
Louverance:ウルミアさんは
タブナジアに残られますよ。彼女からは既に
お話を聞かせていただきましたが、気になる
ようなこともありませんでしたし……
Louverance:デスパシエール老が
見送りもお許しにならなかったのです。
よほどご心配なのでしょう。
Tenzen:たしかにこの先、どのような
危険が待っているかも知れぬでござる。
うむ、それが良いでござろう。
Prishe:……うーん。
やっぱりウルミアは来ないのか。
もう二度と会えないのかなぁ。
Tenzen:元気を出すでござる、プリッシュ殿。
人は皆、歩むべき道が違うものでござる。
しかし、進むべき方向さえ同じならば
またきっと……
Prishe:でも俺はしょーじき言うと、
ござるのおっちゃんより、ウルミアと
いっしょに行きたいんだよー!
Tenzen:な、なんと!?
正直すぎるでござるな!?
Prishe:じゃあなー、みんな!
元気でやれよー!
Ulmia:待ってください!
Prishe:お? お?
Ulmia:私も連れていってください。
ミルドリオン枢機卿さまから教わった歌、
まだお聞かせしていませんでした。
Ulmia:きっとその歌も、
重要な手がかりになると思います。
Louverance:それはおもしろい。
……行きましょう、歓迎しますよ。
Prishe:ウルミア!
やったぁ! 来てくれて嬉しいぜ!
Ulmia:プリッシュ、
ごめんなさい、私……。
Ulmia:あなたにはすべて
わかっているわね。でも言葉にするわ。
Ulmia:プリッシュ、
私は、あなたのように不思議な力がない。
だから、あなたのことがわからない……。
わからないことだらけだわ……。
Ulmia:でも、だからこそ
あなたと一緒に行きたいの、プリッシュ。
あなたの歌を歌いたいから。
Ulmia:あなたは私に、
歌のある世界をくれた人だから……。
Prishe:へへへ、
ありがとよ、ウルミア!
じゃあ、行こうぜ!
Tenzen:では、PC殿。
先に、サンドリア大聖堂でお待ちしているでござる!
(飛空挺が海獅子の巣窟から出航、見送るPC)
・イベント終了後に話しかけると
Sueleen:プリッシュとウルミアを
乗せた飛空艇なら、サンドリア大聖堂を
目指して出航したぞ。
Sueleen:いつか私たちも
あのように飛空艇でここより旅立つこと、
できるのだろうか。その日が待ち遠しいな。
■ 海獅子の巣窟のイベントの後、Despachiaireと話す
Despachiaire:あれほど止めても
無駄でした。ウルミアはプリッシュと共に……
Despachiaire:私のような老人には、
もう、止めることはできないのでしょう。
(回想シーン)
Despachiaire:許さぬぞ、
忌むべき子についていくなど……!
Ulmia:おじいさまは、
もう、お気づきになっているはずです。
Ulmia:プリッシュは
忌むべき子などではないことを!
Ulmia:もう、タブナジアだけの
問題ではなくなっていることを!
(いなくなるUlmia)
Despachiaire:ウルミア!
(回想シーン終わり)
Despachiaire:私は、この地で皆が
生きのびるために尽くしてきたつもりでしたが……
Despachiaire:私はいつの間にか、この地に
皆を縛り付けていたのかもしれませんな。
称号:迷いに心揺れし者
End
イベント後にもう一度話す。
Despachiaire:ウルミアは、
元気にしているでしょうか……?
Despachiaire:勝手なことをと
お思いかもしれませんが……
ウルミアを、よろしくお願いいたします。