斧戦争

Last-modified: 2018-04-25 (水) 20:31:07

技術の進歩によって今では起こらなくなってしまったものの一つ。
 
「斧」とは、Axfc Uploaderの通称。何気にこのうpろだ、ゼロ年代全盛期から2018年04月25日までずっと稼働しているんだから凄いもんである。vipper.orgや吉祥*1ですら潰れたというのに……。
 
さておき、「斧」の何が優れていたかと言うと、当時は200MB程度のサイズのポエムを共有出来るアップローダもほとんどないくらい技術が進んでいなかった。そんな中、当時の時点で軽量ファイルから1GB~までアップロード出来る斧というサイトはもんのすごい場所だったのである。当時はまだ、今は亡きmediafire等に謎の中国人が勝手にポエムをアップロードしていたりという事もほとんどない。
しかしながらこの斧というサイト、当時は物凄い欠点があって、大体ファイルサイズ200MBのポエムくらいから起こってくるのだが、サーバーの負荷が一定以上になると一定時間内にDL出来る人数が制限される。2分に1人とかそのくらい。
一定時間ごとに1DL分だけ回線が開き、最初にアクセスした人間だけがその分の回線でDLさせてもらえる。そのため我々は数百MBのポエムがアップロードされる度に斧のDLページをひたすら更新し続けていた。この醜い争いを斧戦争と呼ぶ。
 
斧戦争が日常的に行われるようになってからというものの、最早ページを更新するだけでもそれだけで田代砲並の威力になってしまっていたのか、斧側も対策を講じるようになった。それは「現在時刻の表示」と「次にDL用回線が1本開く時間の表示」だった。このため1~2分に数回しか更新しなくて済むためポエムを求める人々の負担も斧側の負担も大幅に軽減された。ちなみに「実際の時間の5秒前に更新ボタンを押すとピッタリ更新されやすい」みたいな謎のテクニックが共有されていたりされていなかったりした。当時の人間は大体何かしら癖を持っていたのではないだろうか。

今ではポエムは簡単に共有され、斧もその王座から降りた。また通信技術の発展も会って、どんなに大きな1GBくらいあるポエムでも概ね即DLさせてもらえる。現在で斧戦争が行われることは無い。
 
しかしながら、我々は歴史を忘れてはならない。
 
あの日あの時、確かに我々はポエムを求めて日夜争いを繰り広げていたということを。
その戦いの先に、この平和な日常がようやく訪れたということを。
過去の過ちを二度と繰り返してはならないということを。


*1 当時よく使われていたアップローダ