イベント/ズヴァール城再び

Last-modified: 2012-01-19 (木) 11:13:55

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


ズヴァール城再び

示された先

大統領達に推され、台地を進む。
幸いにも高所の敵は少数。主人公単体でも然程苦戦することなく蹴散らせるものだった。

 

そして、

 

……追い付いた!

 

開けた場所に辿り着く。
そこにはビフロンスがいた。

 

「……クク、嗚呼愉快愉快」

 

……何が、おかしい。

 

「……貴公らは何故前しか見ないのか。いや、前しか見えないのかね……?
――生憎、これも幻だよ」
とてつもなく愉快な調子でビフロンスが嘯き、その姿が揺らめく。

 

何……だと……?

 

「……少しでもエサを撒いておけば、この通り……まるで灯りに誘われる蛾の様……。
しかしながら、幻とはいえここまで追って来たのは予想外ではある。此方も対局に興を添えようか……」
そう言って、ビフロンスの幻影は彼方に指を差す。
「……私がいるのはズヴァール城門。その前にて指揮を執る。来れるものなら来るといい……」

 

「もっとも……」

 

「貴公はここで"詰み"のようだが……」

 

言葉の意味を理解するにはしばしの空白が必要だった。
そして自分の影が濃く、大きく広がっている事に気付いた途端、真上から巨鳥の怪物が急降下し、主人公を掻っ攫った。
その様を見上げて嘲りの笑いを残し、ビフロンスの幻は姿を消す。

 
 
 

主人公を攫った東洋の龍に似た怪物……アンフィプテレは高空で停滞。掴み取った獲物を前に雄叫びをあげる。
その手から離れようともがこうとするが、

 

……ここは空の上だ。今ここから落ちたら、どうなる?

 

前崖下に落ちた時の様に雪のクッションが都合よくあるとは限らない。
しかしこのままでは目の前の怪物の胃袋に収まる羽目になる。
あのビフロンスの言う通りまさに詰み。八方塞りである。何この四面楚歌状態!?

 

そして怪物が大口を開けようとした時、
突如、銃声が轟きアンフィプテレの腕が千切れ飛んだ。

 

 

結果、その手に握られていた主人公は落下し……

 

「シーズナイフ!」

 

掴む腕が、飛んできたナイフに地上へと引き寄せられた。
激突の瞬間、抱き止められる感触と共に地へと腰を下ろす。
それらを行ったのは……

 

「大丈夫か、主人公!」
「世話を掛けさせないでよ!」
……フリオニール、鈴仙。
「あら? こっちはガン無視?^^♪♪♪♪」
「折れ佐間もwww忘れないでwwwwww」
「あたい達は受け止めただけだけどな」
そしてブーメラン・センチネルに傭兵の皆様方もいた。

 

助かった、終わったかと思ったよ。
「一人がみんなの為に、みんなが一人の為にって言うだろ? なんてことはないさ」
「大事な同僚がいなくなったら困るからね!」
感謝の応酬を怒号が遮った。
その先、ザルカバードの空でアンフィプテレが怒りの雄叫びをあげ、荒ぶっている。

 

片手を失い、獲物を横取りされたアンフィプテレは怒号をあげ、地上へと突進する。

 

飛び出す先、その横から巨大な影が飛び出してきた。
影は龍の横顔の形をしていた。
蒼い、龍の横顔。

 

ヨルムンガンド、サーシャだ。
「控エヨ、見苦シイ」
そして威容に怯むアンフィプテレの胴を、
ヨルムンガンドの顎が挟み、砕いた。
そのまま胴が分かれたアンフィプテレを蹴落とすと、満足げに真下の主人公達を見下ろす。
「ドウヤラ無事ノヨウジャナ?」

 

氷龍の背後、あちこちの地平から真紅の十字架や大きな爆発が巻き起こった。

 
 

「他のみんなも無事みたいだな」
「其レハ重畳」
爆風や十字架は少しづつズヴァール城へと向かっている。
あそこには敵の指揮官、ビフロンスがいる筈だ。
取り敢えず皆にその事を伝える。

 

「ならばそれを討ち取れば……」
「敵の動きも総崩れってわけか」
「後は援軍がくればこっちのものね^^♪♪♪」
「うはwwwwwwwwおkwwwwww」

 

「ナラバココハ、ワラワガヒトッ飛……ン?」
空を飛ぶヨルムンガンドの下に黒い群列が集まる。
アンフィプテレ、ガーゴイル、インプ、アーリマン……
飛行能力を備えた魔物たちの群れだ。

 

「……済マヌ、無理ソウジャ。コイツラヲ片ヅケルカラ、オ主達ハ先ニ進ムト良イ」

 

そして魔物の群れを前に、ヨルムンガンドはつまらなさそうに鼻を鳴らし、咆哮をあげた。
「ぐ」と「が」の轟音の連続が大気を震わせ、確かな意味をもって空に響き渡る。
咆哮を合図として、違う空を飛翔していた漆黒の龍と紅蓮の龍が蒼の龍の下に集った。

 

「久々ニ手伝ッテクレルカノ」

 

一同に会した三龍は、まず敵の姿を認めると、口を大きく開けて空気を吸い込み、
ブラストを敵目掛けて一斉に叩き込んだ。

 
 

一同は上空で始まったドッグファイトを見、身を前へと向ける。
その視点の先には、デーモンの以下略。

 

「いい加減連中の顔も見飽きてきたわね……」
「ここまで数が多いと主人公の借金も増えちゃうわね^^♪♪♪♪」
えっ
「えっ」
もう勘弁してください;;;;;;;
「借金って……お前、あいつに何やったんだ……?」
聞かないデ! と、トラウマが! 思い出したくない思い出が!
「ごめんあたいが悪かった……」
「は、早く片づけて先に進みましょう!」

 
  • ズヴァール城へ急げ
    ♪Scherzo Di Notte
    勝利条件:目標ポイントへの到達
    敗北条件:味方の全滅
     
    敵の大群を蹴散らしてズヴァール城へと向かう。此方の戦力は主人公に加えてフリオニール、臼姫、内藤、鈴仙、チルノ、レティ。
    マップが4つ用意されており、目標ポイントに到達することで次のマップへ進め、四つ目のマップの目標ポイントに到達すればクリアとなる。
    敵はデーモン類からデーモン族、タウルス族、インプ族までランダムに1体×6ユニットづつ出現。倒しても倒しても残り2ユニット以下になると増援が来るので、先へ通るのに邪魔な分だけ排除して後は無視するのがベターだろう。

役者は集う

白い大地に蒼い影を落とす漆黒の魔城がある。
ズヴァール城。
その城門の前に一体のデーモンがいた。

 

ビフロンス伯爵だ。

 

「……啄まれたと思ったが。よくよく悪運が強いと見える……」

 

その目の前には主人公と、その仲間であろう数名がいた。

 

そりゃあ、崖下に落ちたり借金大量に拵えたり崖下にダイブしたり色々あったからな!
「おい、同じこと二度言ったぞ」
違う、ニュアンスが違う。この『落ちた』と『ダイブ』は違う。偶発的なものか、自発的なもの(実際には巻添えだったが)かだ。
「屁理屈にすらなってない……」

 

なるほど、と特段の意味なく頷き、ビフロンスは周囲を見る。
周りを固めるはデーモンの精鋭部隊。そしてその中にケルベロス、ハイドラ、キマイラ。
強大なHNMが、それも一体ではなく、複数。
闇の血族中心の群集の中、それらが凶悪な呻きをあげ敵対者を見据えている。

 

「……ハザルム実験場。黒き神に繋がる閉鎖された施設。
それを模した環境にて同胞が得た成果……使える駒には違いない……そして、この一局もいよいよ終盤である。……このまま終局といこうか」
勝利して当然だというビフロンスの態度に笑いが漏れる。

 

このズヴァール城を目指して進んできたのが自分達だけだと、そう思っているのか。
更に失笑。どうにも締まらないと思うが、そのまま言葉にした。

 

あの連中を舐めてもらっては困る。

 

その言葉にビフロンスが何か思う前に、彼方から歌う様な声が響いた。

 
 

「Open Sesame」

 
 

「!」
悪寒を感じ、ビフロンスは雪を蹴り、飛ぶ。
直後。先程までビフロンスが立っていたところに一筋の真紅の閃光が走った。
「……?」
閃光は一瞬で溶け消え後には仄かな紅い残光が冷たい空気に残り、
「!?」
次の瞬間に軌道上にあったものすべてに破壊の形となって現れた。
デーモン、その僕、魔物、それらの奥に位置していた魔城の門、それら一切合財が、
軌道上に現れた無数の光条によって掻き毟られ、突かれ、貫かれ、貪られ、穿たれ、バラバラに引き裂かれた。
彼方より飛来した真紅の閃光は災厄となり白い野を緋に照らし朱に染める。

 

ビフロンスが破壊の後に降り立つ。
そしてその閃光が放たれる先にいたのは、

 

「はぁい♪」

 

やぁ、レミリア。
「ヤッホー、主人公。良い空気吸ってる?」
ああ、実に爽やかだ。冷たい空気が肺にこびりついて震えが止まらない。
「そいつは重畳。あとで温かい血をたらふく飲ませてあげるわ」
笑みを浮かべるレミリアの背後にはサクヤ、ブロントさん、パチュリー、ランペール王、あと汚いアサシンがいた。
……凄まじく披露した汚いアサシンの表情から何かを悟るが、敢えて問わないことにする。

 

「諸行無常……生者必滅……悪鬼羅刹よ、冥府に還るがよい!」
次に風を貫いて六つの影がデーモンの群の真っ只中に飛びこんだ。

 

「此の影の軍団、いまだ無敗にて候! ……とくと御覧じよ!」
直後に影が密集したデーモン達の間で一斉に炸裂する。
微塵がくれだ。

 

「不肖ゲッショー、今此処に! ……そして此に参った者共、拙者だけにござらぬぞ!」

 

ゲッショーの言葉の直後、桜花を乗せた剣圧、鮮やかに輝く光弾と漆黒の闇弾、そして殺人的勢いを付けた盾が敵目掛けて飛来する。
「冴月麟、只今到着しました!」
「散々引っ掻き回してくれたわね。ここからは私達の番よ!」
「そうなるみたいだねー」
「ああ、共に敵を打ち倒そう!」
それに続いてやってきたのは麟、霊夢、ルーミア、WOL。

 

次に暴風の一突きと炎の剣が敵を薙ぎ払った。
「どうやらパーティには間に合った様だな」
「……これまた沢山いるね」
フラン、大統領が敵軍を眺め、各々の感想を呟く。

 

「すまない、敵の殲滅に少々時間をかけ過ぎた」
「……苦いの嫌いだから、魔力の補充に少し……手古摺っちゃって。……遅れてごめんね」
そう言うフランの口端には霊樹の葉っぱが僅かに覗いている。

 

少し後ろに、龍の吠声が轟く。
振り向く視点に映るは、ヨルムンガンド、ティアマット、ヴリトラの三龍。
それらの背には残りの仲間達が乗っていた。

 

「おーい! 大丈夫かー!?」
「オーホホホ! オーホホホ! オーホホホホホホ!! 高みから見下ろすは気持ちの良いですこと!」
(/echo ……だからって高笑いを延々とされてもなぁ)
「……う、おお? た、高い高ーい!」
「あらあら、他界他界」
「真龍の背に乗って空を飛ぶか。一生モノの体験だな……」

 

「此処ニ来ル途中ニ、マトメテ拾ッテオイタ。……コレデ全員ジャナ? ア、コレ。暴レルデナイ!」
意思を声と伝えない代わりに困った様に首を振るティアマットと龍面を深く渋く顰めるヴリトラが何とも印象的だった。

 
 

最後に、にわかにズヴァール城の後方が騒がしくなった。
続けてリンクシェルから声が聞こえる。
『こちら大魔元帥、先程ズヴァール城後方に到達しましゅた! これよりそちらに加勢しましゅ!(`・ω・´)』
ウルガラン山脈から迂回していた本隊が遂に到着したのだ。

 
 
 

「……これはこれは……邪魔者が勢揃いという訳か」
どうする軍師。自慢の軍隊はあとどれくらいある? 闇の王に泣きでも入れてみるか?
「……馬鹿を。それではまるで興醒め、だ

 

破壊された城門から飛び出すものがあった。
イッグ・アリマ。
それも三体。
「……今在る駒だけで凌いで見せるとも」

 

しかし複数現れたイッグ・アリマを見て、
「おいおい(笑) またお前か。引退したんじゃなかったのか?」
「引退って何さ。悪魔人生から?」
「それで上手い事を仰ったつもりですかお嬢様」
「そもそもあの悪魔に人生みたいなものがあるのかしら?
変な実験場であやしい新エネルギー垂らし込まれてヒャッホイ全開されたような格好と顔をしてるけど」
「全く。違いないな」

 

単体でも圧倒的脅威だったデーモンが、それも三体。
それを前にしても一同に怯みといった反応はない。

 

あるのは本心からの確信。
自分達が望む未来のための。

 

勝利への邁進。

 
  • 大規模戦闘
    ♪Garnet Moon
    勝利条件:ビフロンスの撃破
    敗北条件:主人公の戦闘不能
    備考:戦闘メンバーに常時リゲイン、ストアーTP+50の効果
     
    自戦力は主人公とPTに誘える全てのキャラ、秋姉妹、ランペール王、シャントット、マイケル・ウィルソン、そして三龍。
    敵はデーモン、ガーゴイル、タウルス、アーリマンが三体組んでそれぞれ1ユニット。ボス格にケルベロス、ハイドラ、キマイラがソロでそれぞれ1ユニット。イッグ・アリマがソロで3ユニット。そしてそれらに守られる様にして撃破目標であるビフロンスが最奥に佇んでいる。
    ビフロンスさえ倒せば戦闘は終了だが他の敵があからさまに邪魔なので結局すべての敵を片づけることになる。
    この戦闘では敵のAIが優秀な上に、2ターンごとにHNMが一体此方に進撃してくる。雑魚を片づけつつ他のHNMがのりこめー^^してくる前に叩き潰すべし。そのための戦力はお釣りがくるほど有り余っている。
    イッグ・アリマ三体が恐ろしいが、以前よりレベルがそれなりに下がっている。とはいえおっかない相手には変わりない。他のHNM同様に一体一体ずつ釣って、全力全壊で倒すこと。
    肝心のビフロンスであるが実のところ余り強くない。良くも悪くも指揮官タイポである。
 

「く、は……」

 

ビフロンスが膝を着く。

 

お前の、お前達の負けだ。

 

「……ああ、そのようだ……しかし……」

 

「その台詞は……我らが主を……倒してからの方が良いぞ……?」

 

「……できるので……あれ……ば、な……」

 

「…………」

 

終止符を打つために

指揮系統であるビフロンスは斃れ、敵の動きは総崩れとなった。

 

残るは……
ズヴァール城の奥にいる闇の王のみ。

 

そう、あとはズヴァール城に攻め入るだけだ。
しかし、敵の本丸に一同大勢で突入するのはあまりにも愚策。

 

「一旦体勢を整え……それから戦力を分割して時間を置いて連続して城内に侵入する」
「一度に押し掛けるのではなく、徐々に投入するってことか」
「ただいま行列待ち。まるで流行りのスィーツ店ね」
「お店ですか。これが終わったら、噂の白玉楼で宴会でもしませんか?」
「あ。いいですね、それ! 私、杏仁豆腐食べたいです!」
「白玉桜かぁ。旨いお酒あるといいんだけど」
「……いや、流石にこの人数じゃ無理があるんじゃないか?」
「おや、こんなところに空間を自在に広げられる素敵で瀟洒なメイドが」
「「え、何処?」」
「……振ったのは私からですが、流石にその反応はトサカに来ますね?」
おまえら喧嘩すんな……まぁ、それについては追々、いまは闇の王に集中。

 

「ズヴァール城内では何が起こるか分からない。装備をはじめ、準備については憂いないようにな」

 
 

この後にランペール王に話しかけることで次のイベントへと進む。