イベント/ドラゴン退治

Last-modified: 2013-12-24 (火) 03:50:38

シナリオ/世界移動シナリオ-中世聖騎士編のイベント。


ドラゴン退治

  • サンドリアに所属、名声が一定以上で受領可能。

拝命

サンドリアに仕えて以降、王国騎士として活躍を続ける主人公に、王家からとある使命が下った。
ロンフォールの近隣で目撃されたというドラゴンの退治である。

 

ドラゴンと言えば、その名を知らぬ者はこの大陸にはまずいないだろう。
万物の霊長、その頂点に立つ強大な存在。ある時は護国の守り神として崇められ、ある時は悪魔の化身として恐れられる人智を超越した生命体。
元の世界では神話や昔話でしか見聞きできない様な竜との戦い……。緊張と高揚を内心抑えながら拝名を喜んで戴く。

 

出発は二日後になるらしい。今の内に支度を済ませておかなくては。
「あのっ」
王城を抜けて、やや浮足立ちながら閲兵城を歩く主人公を後ろから呼びとめる声があった。声の先には何処かで見たことのある少女が立っている。
サンドリア王国軍・神殿騎士団に所属する少女、サナエ・コチヤだ。

 

「……ドラゴン退治を仰せつかったんですよね? さっきカナ……上司から話を聞きました」
どちらかというと大正解。それで何か用かな?
「そのドラゴン退治、私にも加勢させていただけませんか?」
いきなりの申し出。まぁ確かに一人より二人、二人より⑨人という名ゼリフはある。
サナエ曰く、噂によればドラゴンの攻撃には毒や麻痺を与えるものがあるという。
自慢ではないが自分には白魔法の心得があるから、もしもの時の助けになるだとか。
「足だけは引っ張りません、お願いします!」
そう言うとサナエはぺこりと頭を下げた。何が彼女を駆り立てるのかは分からないが、ここまで熱心に頼まれて無下に断るのは王国騎士として自分を小一時間ほど問い詰めたくなる話。さてどうしたものか……。

 
 

「はい」か「いいえ」か選択肢が出現するが、彼女は主人公が頷いてくれるまでここから絶対離早苗のつもりなのでここは意地悪せずに潔く「はい」を選んでおこう。

 
 

全力で加勢して良いぞというと「封印がとけられた!」とサナエは花が咲いたように笑った。
「ありがとうございます、明後日はよろしくお願いしますね!」
結局彼女の熱意に負けた形となってしまったが、彼女も立派な神殿騎士団の一員。ドラゴン退治における心強い味方になってくれるだろう…………タブンネ。

森に向かって

出発の日。
主人公とサナエの両者は王都を発ちロンフォールへと通じる街道をチョコボに乗って進んでいた。

 

「ドラゴンかぁ、ウィルム、ダハク、ワイバーン、ハイドラ……世界中には色々な姿のドラゴンがいるみたいだけどどんな姿をしてるのかなぁ……」
緊張気味なサナエ。かくいう主人公も胸の動悸が心なしか激しい。
そういえば、とサナエが零した。
「聞いた話なんですが、私がまだ小さかった頃にサンドリアにドラゴンが襲来したそうなんです」
え、ドラゴンが?
「ええ、それがなんとあの悪名高き真龍、不死龍ヴリトラ! たった一匹の真龍に当時の王都は甚大な被害を被ったそうです……」
当時の光景を思い浮かべたのか、サナエは沈痛な表情を浮かべたが次に、一転して晴れやかな表情を浮かべる。しかしころころと表情が変わる娘である。
「でも、そのヴリトラの住処を突き止め単身乗り込み、見事討伐した方が居るんです!」
……あー、それってもしかして……
「はい! サンドリア国王「龍王」ランペール・R・ドラギーユ様です!
…………。
「すごいですよね、もうお歳だというのに、真龍をたった一人で服従させちゃうなんて! あこがれちゃうなぁ」
こっちは最初、聞いた時は思わず冗談か何かだと思ったなぁ……。
悟りきった様な主人公の呟きに先程まで目を輝かせていたサナエも思わず苦笑い。……この反応が彼の龍王がどんくらいぶっ飛んでいるかを如実に表している。
そうやって話しながら緊張を紛らわせているうちにロンフォールの森の近くに辿り着いた。

 

「ドラゴンと言っても流石にヴリトラみたいな大物が相手と言う訳ではないと思います、それでも相手はあのドラゴン。強敵には違いありません……だから一緒に頑張りましょう! 一人より二人、二人よりフルアライアンス、です!」
勇気づける様なサナエの言葉に力強く応え、主人公たちは森の中に足を踏み入れる。

 

『………』

 

そしてそんな彼らを後ろからこっそり見つめるものが一人……。

意地

そういえばさ。
「はい? なんでしょうか?」
ロンフォールの森の中を捜索中の中、主人公がサナエに質問する。
どうしてドラゴン退治に参加しようと思ったわけ? あ、いや、悪いとかそういうつもりじゃない。すごい熱心だったからほんの僅かに気になっただけで。

 

「うーん……意地、でしょうか」
意地?
「はい、私が所属する神殿騎士団の団長……カナコ様へのです」

 

神殿騎士団団長カナコ・B・ヤサカとはサナエとはちょっとした親戚の間柄で、彼女が幼い頃は目に入れても痛くない程、妹の様に可愛がってもらっていたのだという。
しかしサナエが彼女の配下に着いた時にも、その時の態度が抜け切れていないようで……

 

「カナコさまは規則を破った者は例え自分でも厳しく罰し、反面、誰よりも情に厚い方です。
でも昔からの付き合いだからなのか私には変に甘くて。……子供扱いされているって言うんでしょうかね。
……私だけ身内贔屓されている様な、そんな気がしているんです。周囲の視線が痛いのもありますけど、いつまでもカナコさまに「妹分」として見られているのが嫌なんです」

 

だから大きな功績を上げて団長を見返そう、と?
「……はい。こんな未熟者の自分だけど、これでも少しは出来るんだって」
訥々と語ったあと、誤魔化す様に笑った。
「ごめんなさい、なんだかダメダメですよね。討伐対象の近くでこんな浮ついた気持ちしてちゃ……」

 

いいんじゃないかな。
「ふぇっ?」
自分も向上心とか名誉とかそんな感じでドラゴン退治受けたんだし。少しは常識外れの理由があってもいいんじゃないかな。
話すことで楽になるものもあるし。それに不満やネガがあるなら、その不満今から出くわすドラゴンに思いっきりぶつけてやればいいと思う。
「……」
そんでドラゴンをやっつけよう。そのついでに団長もぎゃふんと言わせてやろう。
「……そう、ですね、ありがとうございます、なんか元気が出てきました」
そう言うとサナエは瞳の奥を燃やしながらガッツポーズを取った。うん、こうだよこう。これでこそ早苗さんです。
「そうと決まったらドラゴンもカナコさまも、まとめてぎゃふんと言わせちゃいましょう!」

 

うっし、気分も一新した所でドラゴンのねぐらにのりこめ―^^
「おー^^」

禍龍対峙

気分新たに森を探索する一行。
探索を進めているうちに、やがて一行は草木が枯れている場所に気が付いた。
周辺は青々と繁っているのにも関わらず、この場所だけ火山地帯のように荒廃してしまっている。
まるでここだけ毒か何かにやられたようだ。
そして、捜し求めていた目標もそこにいた。

 

骨と皮だけの痩せ細った体躯。
生えた翼はその体に比べてずっと小さく、ボロ布のように薄汚れた有様。
体を四つんばいに這わせ、熱い吐息を口から絶えず吐き続けるその醜悪な相貌。

 

こいつが……
「これが、ドラゴン…………?」

 

各々が内心に思い描いたそれとはまったく異なる、あまりにも貧弱な姿。
しかし、その兇眼からは少し大きいだけのリザード類とは比べるまでもない禍々しさが宿っている。

 

サナエはもの言わず、武器を構えた。
「サポートは任せてください」
その横顔に油断は一切ない。
「どんな姿形でも、ドラゴンには違いありません、危なくなったら遠慮なく頼って下さいね!」
互いに頷き、応える。

 

神殿騎士団サナエ・コチヤ、参りますっ!

 
 
  • VS.ドラゴン
    ♪信仰は儚き人間の為に ~ Jehovah's YaHVeH
    ドラゴン類一体との戦闘。
    貧相極まりない姿形からは想像できない強烈な攻撃を使ってくる強敵。
    特にボディプレスの威力は非常に高い。
    万全の状態ならば一撃死こそしないが、打たれ弱いサナエには地獄の宴である。ある程度距離があれば命中はしないので避難させて魔法やスペカで援護させよう。
    またドラゴンはボディプレスの他にも厄介な技を多数持つ。
    こちらを麻痺させてくるヘビーストンプ、呪いを付加させるカオスブレード、石化効果があるペトロアイズ、猛毒を与えるポイズンブレス……まさに状態異常のオンパレードである。
    回復はサナエに頼っていいが、予めアクセサリなどで状態異常に予防しておくと大分楽になる。
    HPは高いが守りは物理魔法ともに低めなので特に攻撃手段を限定する必要はない。攻めよりは守りを念頭において戦いに臨もう。
     

度重なる猛攻を受け、遂にドラゴンは跪くようにその身を大地に屈した。

 

「やったぁ!」
サナエは勝利を確信し、主人公とハイタッチ。お互いに喜びを分かち合う。
「やりました…私やりました! あのドラゴンを倒しちゃいました!」
オゥケィ レッツパーリィ!
「なんだか夢みたいです…こんなに体が痛むのに……」
サナエはそう言うと感動に震え、目を僅かながらに潤ませる。
ゲームやお話によく出る勇者も魔王を倒した時はこんな気分だったのだろうか。
そんな感じで凱旋ムードに浮かれているところを

 

『GRRUUUU……!』

 

背後から呻く怨嗟の咆哮が勝利の余韻を掻き消した。

 

突如擡げた悪意の気配を察し、振り向く。
drg.jpg
……まだドラゴンは生きていた。
翼を片方失い、四肢のあちこちは折れ曲がり、左目は潰れ、身体中から体液を撒き散らしながらも。

 

「そんな……!」

 

満身創痍のドラゴンは顎が外れかねない程、口を大きく広げた。その口から、身を焦がすような灼熱が集まる。
道連れ覚悟か……!
ドラゴンが最後の一撃を放とうした瞬間――

 

真上から現れた巨大な顎がドラゴンをかっ攫った。

 

空中に持ち上げられ、じたばたともがくドラゴン。
しかし『それ』は捕えた獲物の必死の抵抗にさして気にした様子もなく、顎に力を加える。
……やがて大きく体を震わせ、ドラゴンの体から力が失われた。
『それ』は首を軽く振ると、仕留めたドラゴンの亡骸を一行の前にぞんざいに放り投げる。

 

「嘘……」
サナエは愕然とした面持ちで『それ』を見上げ、呟いた。

 

先程のドラゴンが霞むような堂々たる巨体。
漆黒の鱗、血のような紅い眼、目の前にほうり捨てられた屍とは比べ物にならないほどの巨大な翼、地面に根付く霜のように鱗を走る痛々しい亀裂。
悠然とたたずむ漆黒の真龍を前に、一行は戦慄する。

 

不死龍……ヴリトラ……!」

 

ヴリトラと呼ばれた黒いウィルムは深紅の眼を鋭く細め、こちらに向けて鎌首を擡げた。
それだけの仕草で心臓を鷲掴みされたかのように全身が凍り付く。
……龍王ランペールはこんな化け物に一対一で挑んだのか…?
いや、それ以前に、そのランペールが倒した筈の真龍がなぜこの森にいる…!?

 

死を覚悟する一行。
ウィルムはしばらく主人公達を見つめていたが……気怠げに鼻息を鳴らすと、背を向けて森の奥へと姿を消した。

 

ヴリトラが姿を消した瞬間、緊張の糸が切れたのか、サナエがぺたりと地面に腰を下ろす。
その目の前にはとどめを刺されたドラゴンの亡骸が横たわっていた。

ドラゴンスレイヤー

 

「サナエっ!」
呆然とするサナエの下に一人の女性が駆け寄ってきた。
「カナコ様……?」
神殿騎士団団長、サナエ直属の上司、カナコ・B・ヤサカその人だった。
ボロボロになったサナエを抱き締め、その髪を優しく撫でる。

 

「カナコ様……私……」
「……ヴリトラに会ったのか」
……その口ぶりだとあいつを知っている感。話しべき死にたくないなら今すぐ話すべき。

 

「わかっている。使命を無事果たしたんだ。サナエや貴方には知る権利がある。
……その代わり誓ってほしい。他国は勿論、市井にも口外しないと。これを知っているのはサンドリアの中でも一握りしかいない。
……かくいう私も騎士団長に就任した時にちょっとした弾みで知ってしまった話よ」
そう真剣な表情でカナコは前置きした。

 
 

十数年前にサンドリア王都に舞い降りた黒龍ヴリトラ。彼の真龍が齎した「黒龍の大火」と呼ばれる災厄を受け、サンドリア国王ランペール・R・ドラギーユが単身黒龍の住処に臨み、倒したことはあれから何年経った今でもサンドリア国民の記憶に焼き付いていた。
しかしヴリトラは実際に討ち取られた訳ではない。不死龍と言われるだけあり、その尋常ならざる生命力はランペールでさえも手古摺るものだった。そこで龍王は息も絶え絶えの黒龍に助命と引き換えにある契約を持ちかけたのだという。
その命を自らに預けろ、と。
しかしサンドリア王都を焼き払い、多くの民草に手をかけた罪はその誇り高き頭を垂れようと拭われざるものだった。ゆえに彼の龍はその日からこのロンフォールの森に封じられているのだという。
このロンフォールの森と、その森の最奥に隠されたとある場所を己の魂が朽ち果て、龍王との契約が解かれるその日まで守り続ける為に。

 
 

「だからロンフォールにドラゴンが現れ、森に危害を加えたという話を聞いた時はまさかと思った。
そこにドラゴン退治の使命を受けた貴方にサナエが飛び出してね。だからこっそり後を付いて行ったのです。
……彼奴の行動を見る限り杞憂だったようだけどね」

 

そうだったのか……。

 

カナコはサナエに顔を向けるとはっきりと語った。
「今回も貴女の事が心配だったのだけど……その考え方はもう改めなくてはいけません。もう私は貴女を身内としてみないことにします。一人の神殿騎士団として、私の愛する配下として接するつもりよ……それでいいのよね? サナエ」
「はい、カナコさま……いえ、団長。私は、そう願います」
サナエはカナコの視線にまっ直ぐと応える。その真直ぐな表情にカナコはふっと微笑む。
「……いい面構えになった。スワコの奴が見たら喜ぶわ、きっと」

 

そして主人公に顔を向けると深く一礼した。
「今回の事は本当にありがとう、主人公。サナエが世話になった」
なに、気にすることはない。それよりも顔を上げてほしい。お偉いさんに頭を下げられるとその、ムズムズする。
「……そう、では王都に戻ろうか、外にチョコボを待たせてある。……と、その亡骸も運ばなくてはね」
ドラゴンの亡骸を片手で持ちあげ引きずると最後にカナコは主人公たちを讃えた。
「貴方達は見事に悪竜を滅ぼした。これは騎士として誇るべき所業よ、本当におめでとう」

 
 
 
報酬
竜骨砕き
  • サナエをPTに誘えるようになった
 
 
 

このイベントの後、ロンフォールの森にヴリトラが出現するようになる。
うろつくヴリトラに話しかける事で彼(?)に戦いを挑むことができるが、ヴリトラは恐ろしく強い。
戦う前にはセーブはちゃんと済ませておこう。

 
 
  • VS.ヴリトラ
    ♪Forze dell'Oscurita
    勝利条件:ヴリトラの撃破
    敗北条件:主人公の戦闘不能
    備考:2ターンごとに倒した敵ユニットが2ユニットまでランダムに蘇生する
     
    敵は勝利条件の対象にもなっているヴリトラ。
    その周囲にスケルトン族とゴースト族とゴースト族がそれぞれ2ユニットずつ配置されている。
    それに加えヴリトラは2体のスケルトン族を従え、これを戦闘パートで喪っても次のターンにはヴリトラがまとめて蘇生させてくる。
    周辺配置されたユニットが撃破されても、2ターンごとに斃れた2ユニットを蘇生してしまう。
     
    ヴリトラと戦う際、ヴリトラ操る死者とも戦うことになるのだが、一番厄介なのがヴリトラの取り巻きを含めたアンデッド連中がそこらの中ボスよりも強いということ。
    一掃しようとして強力な全体攻撃や範囲攻撃を使おうとしてもレベルかステータスが高くない限りは一撃では落ちない。何より攻撃が苛烈。
    そして雑魚を総括するヴリトラ自身も取り巻き以上にかなり強い。
    特に技で付加してくる睡眠や魅了がかなり痛い。あらかじめアクセサリなどで予防しておきたい。
     
    ヴリトラのHPは他の三龍に比べるとだいぶ謙虚で、飛翔行動も起こさないが、スタン以外の状態異常を無効化する。
    更には取り巻きも行動不能の状態異常を粗方レジストするため行動を止めることすらできない。
    とにかく、雑魚は倒してもキリがないので、ヴリトラを優先して叩くのが一番だろう。
     
    救済要素として、BFとなるロンフォールはサンドリア国の領土なのでブロントさんがサンドリアに帰還しているのなら、この戦いに参入させることができる。
    アンデッドに強いバニシュを使い手で、光属性に長けるので盾役からダメージソースにもなる。
     
     
     
     
    乱戦の末、致命傷を負い地面に伏したヴリトラだったが、まもなくその身をゆっくりと持ち上げた。
    生々しい傷こそ負っているが、さほど負担にはなっていない。やがてその傷もじゅくじゅくという音をたてて塞がる。
    ……不死龍の名に違わぬ恐ろしい生命力だ。
     
    しばらく冒険者を見つめていたヴリトラだったが忌々しげに首を振り、なにかを冒険者の目の前に向けて血反吐と共に吐き出す。
    目を白黒させる冒険者に対し『くれてやる』とでも言いたそうに鼻面を突きあげると、ヴリトラは初めて会った時と同じように背を向けて森の奥底へと消えていった……。
     
    「障害」の名を持つ者が吐き出したもの
    • ヴァジュラWith龍の血×2
      ミシックウェポンが一。軍神インドラが所有していたと言われる隕鉄の短剣。
      内部に極小の発電機を備えており、一度振ればその刀身に激しい稲光が走る。
      非常に強力な武器であるが、何故ヴリトラがこの神器を体内に持っていたのかは不明である。